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- お腹が張る女性の更年期症状の原因は?解消方法も!
「お腹が張って苦しい原因は何? 」「どうにか解消したい」など、女性の更年期症状の一つであるお腹の張りについて解説!更年期によくあるその他の症状や更年期以外にお腹が張る可能性のある病気・解消方法もご紹介します。
お腹が張るのは女性の更年期症状かも
更年期とは、閉経前後5年くらいの期間のこと。個人差があるため一概にはいえませんが、年齢にすると45〜55歳くらいの時期を指します。
卵巣の機能が終わり、その後の人生を数十年生きていくために、体が準備をしている期間であるため、体にさまざまな症状が現れる時期です。
「お腹が張って苦しい」「お腹が重だるい」など、腹部膨満感が続くのは女性の更年期によくある症状の一つだといえるでしょう。
必ずしも更年期によるものというわけではありませんが、お腹が張る以外にも以下のような症状がある場合は、更年期が原因の可能性があります。
- 頭痛
- のぼせ・ほてり
- めまい
- イライラ
- 睡眠障害
- うつ状態
- 耳鳴り
- 口の渇き
- 味覚障害
- 肩こり
- 動悸・不整脈
- 血圧異常・血糖異常
- 食欲低下
- 吐き気・嘔吐
- 腹痛・便秘・下痢
- 手足の痛み・しびれ・冷え
- 関節痛 など
更年期は体に現れる症状だけでなく、イライラしたり怒りっぽくなったりなど精神的な影響もあります。
更年期の不調やつらい症状は、自分ではどうにもならない場合も多いため、原因や解消方法を知っておくことが大切です。
更年期にお腹が張る原因は?
更年期の女性の体の悩みでよくあるお腹の張り。大幅に太ったわけでも便秘をしているわけでもないのに、お腹がパンパンになってへこまないこともあるのではないでしょうか。
ここでは、更年期にお腹が張る原因についてご紹介します。
更年期のお腹の張りはホルモンバランスの乱れが主な原因
閉経前後5年間の更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減り、ホルモンバランスの急激な変化が起こる時期です。
更年期になると、働きの悪くなった卵巣の機能を維持させようと、性腺刺激ホルモンの分泌を増やすよう、卵巣をコントロールしている脳の下垂体から指示が出ます。それによって脳が興奮状態になり、自律神経が刺激されて乱れてしまうのです。
自律神経の乱れは、腸の動きや筋力を衰えさせる原因の一つ。胃腸機能に負担がかかり、お腹が張ってしまいます。
そこに冷えや疲れが重なると、さらにお腹の張りや腹痛を起こしやすくなるため、生理ではないのにお腹が張ることがあるのです。
まだ閉経しておらず、下腹部の張りが気になる場合は、排卵痛の可能性も考えられます。
排卵後は、黄体ホルモンが分泌されます。黄体ホルモンは腸の平滑筋の刺激を察知する力を弱くさせ、便の水分を吸収して、硬くしてしまうなどの働きをするため、生理前は便秘になりやすくなる傾向があり、お腹の張りや痛みが出やすくなることも。
また、暴飲暴食や脂肪分の多い食事、アルコールの摂取による胃酸の分泌過多や、エストロゲンの低下による唾液の分泌量の減少も原因のひとつです。これまでと同じ食べ方をしていても、消化力が下がって消化不良を起こしやすくなるため、お腹にガスが溜まりやすくなります。
他にも、睡眠の質が悪くなっていると感じる場合は、胃腸の機能が低下している可能性があるでしょう。
睡眠の質が悪くなると、食欲を抑える働きをするレプチンの分泌量が減り、反対に食欲を増進するグレリンの分泌が増えるため、入眠や睡眠の維持が困難になることがあります。
病気の可能性にも注意が必要
お腹の張りは、必ずしも更年期によるホルモンバランスの乱れが原因ではなく、以下の病気の可能性もあるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の筋肉に良性の腫瘍ができる病気。悪性化する可能性はそれほど高くありませんが、定期的に経過を観察しなければいけません。
一般的に知られる症状としては、月経量の増加や腹部の痛み、不正出血や貧血、めまい、頻尿などがあり、筋腫が大きくなると下腹部の張りを感じることがあります。
卵巣腫瘍
卵巣腫瘍は、初期の段階では無症状の場合が多いですが、大きくなったり腹水が溜まったりするとお腹の張りや下腹部痛、頻尿などの症状が現れることがあるため注意が必要です。
腫瘍が破裂したりお腹の中でねじれたりすると、突然強い下腹部痛が現れることもあります。
腸閉塞
腸閉塞は、何らかの原因によって小腸や大腸の動きが悪くなったり腸管が塞がったりして、腸管の消化物をスムーズに移動できなくなる病気です。
消化物が肛門側に流れずたまってしまうため、お腹が張ったり吐き気や嘔吐が起こったりします。腹痛の程度は、軽いものから激痛を伴うものまでさまざまです。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、腸全体の機能異常によって腹痛や腹部の不快感、便秘、下痢、お腹の張りなどが起こり、これらの症状を繰り返す病気です。
ストレスをきっかけに発症することも多く、腸の検査や血液検査では明らかな異常が認められないケースもあります。
便秘型や下痢型、便秘と下痢を繰り返す混合型の他、腹部膨満感が強いタイプもあり、お腹が張ったりお腹が鳴ったりおならが多く出たりして、外出がおっくうになることもあるでしょう。
つらいお腹の張りを解消する5つの方法
更年期はいつ終わるのだろうと不安になってしまいますが、適切に対処することでお腹の張りをはじめとする症状を解消できる可能性があります。
ここでは、つらいお腹の張りを解消する5つの方法をご紹介します。
ホルモン補充療法(HRT)
更年期のお腹の張りを解消するには、医療機関を受診して治療を受けることも大切です。
更年期症状の代表的な治療は「ホルモン補充療法」。人工的に作ったエストロゲンを薬として補充して乱れていた自律神経のバランスを整えることで、つらい症状の緩和や予防を行います。
エストロゲンの投与方法は、飲み薬や塗り薬、注射、貼り薬などです。
症状や月経の状況、生活環境やストレスなどについての問診や血液検査、その他の病気の検査を行い、医師と相談しながらベストな方法を選択します。
ホルモン補充療法は、更年期症状の改善に加えて骨粗鬆症や動脈硬化の予防、悪玉コレステロールの低下、認知症のリスク低下、美肌効果、胃がんや大腸がんなどのリスク低下に効果的です。
その他、必要に応じて睡眠導入剤や抗うつ剤、抗不安薬などを症状に合わせて処方しながら、一人ひとりに適した治療を行っていきます。
ただし、乳がんや心筋梗塞、脳卒中などの既往歴がある方はホルモン補充療法を受けられません。ホルモン補充療法以外にもいくつか治療方法があるため、まずは医師に相談してみましょう。
漢方薬
更年期の症状によるお腹の張り解消には、漢方薬も向いています。
特に体力が落ちていて、お腹が冷えたときにお腹が張りやすくなると感じる場合は、婦人科や漢方専門の医師に相談してみましょう。
女性のお腹の張りによく処方されるのは、以下の漢方薬です。
(漢方はそれぞれの医師でもこだわりがある分野です。桂枝茯苓丸、補中益気湯も使う場面がありますが、比較的マイナーな選択ですので、今回は比較的メジャーなものにいたしました。)
- 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
- 大建中湯(だいけんちゅうとう)
- 当帰湯(とうきとう)
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
更年期の症状に漢方薬を用いるときは、体質や症状によって適切なものを選ぶ必要があります。
お腹の張り以外に下痢や便秘、吐き気を感じている場合は、2〜3回の服用で効果を感じられる場合もあるでしょう。
また、漢方薬は腹部の症状だけでなく、その他の不調も一緒に改善できる可能性もあります。
忙しくて病院へ行く時間が取れない場合は、ドラッグストアや通信販売で手軽に購入できるサプリメントを利用するのもひとつの方法です。
生活習慣を整える
お腹の張りは体調や体力の低下、疲れが大きく影響しているため、食事、睡眠、適度な運動など、生活習慣の乱れを整えると改善できるかもしれません。
年齢を重ねても好きなものを好きなだけ食べたり飲んだりする生活をしていると、消化が追いつかずに消化不良を起こしやすくなったり、体重が増加したりすることもあります。
そのため、更年期で少しお腹がぽっこりしたという場合は、栄養バランスの取れた適量の食事を取り、規則正しい生活を送ることが大切です。
繊維質や水分を十分に取り、腸内環境を整える食事を心がけ、適度な運動をすることで便秘の解消にもつながるでしょう。
日頃運動する習慣がない場合は、掃除や洗濯、庭仕事などの家事で全身の筋肉を使うことを意識するところから始めるのがおすすめ。外出時はエスカレーターを使わずに階段を使用するなど、毎日の小さな習慣を作ってみるとよいでしょう。
そして毎日決まった時間に就寝したり睡眠時間をしっかり確保したりなど、睡眠に気を配ることが大切です。
体内時計は朝日を浴びることでリセットされるため、目が覚めたらカーテンを開けて朝日を取り込み、コップ1杯の水を飲んで腸を刺激しましょう。
ただし、セルフケアで改善しない場合には、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
マッサージ・ストレッチ
お腹の張りは便やガスが溜まって起こるため、マッサージやストレッチで腸の動きをよくすると改善できる可能性があります。
マッサージをする際は、大腸と小腸の滞りやすい場所を押す「腸もみ」を取り入れるのがおすすめです。
大腸もみをするときは、手を重ねて大腸の滞りやすいところを5か所、息を吐きながら指先を使ってM字型に押しもみます。
小腸もみでは、手を重ねてへその上に置いて親指側、左手首側、小指側、右手首側へとグルグルと繰り返し押し回していきましょう。
ただし、腸もみは食後1時間以内や体調が悪いときは控えるようにしてください。
他にも、仰向けに寝て両膝を抱えるようにしてストレッチをすると、腸に溜まったガスが抜けやすくなってお腹の張りが解消できる可能性があります。
骨盤を大きく回したりお腹をひねるように動かしたりして、腸を動かすことを意識しながら行いましょう。
姿勢に気を付ける
仕事で座っている時間が長いと、腸が圧迫されて動きが抑制されたり蠕動(ぜんどう)運動が弱くなったりしてガスが溜まりやすくなるため、意識してかかとの上げ下げをしたり椅子に腰掛けたまま腰や背中をねじったりなどあ、定期的に立ち上がってストレッチをしたりするのがおすすめです。
猫背の方は、隙間時間でもできる簡単な「猫背改善ストレッチ」をするなどして、正しい姿勢をキープするように心がけましょう。
猫背だと呼吸が浅くなってしまうため、「腹式呼吸」で意識的に呼吸を整えるのもおすすめです。
更年期のお腹の張りは自分に合った方法で上手に解消しよう!
更年期に女性のお腹が張る原因は、主にホルモンバランスの変化による自律神経の乱れです。
年齢を重ねるにつれて筋肉量も低下するため、脂肪もつきやすくなってお腹がぽっこりと出てしまうこともあります。
お腹の張りは、生活習慣の見直しや姿勢を正すだけで解消できる場合もありますが、つらいときは無理せず医療機関で適切な治療を受けることも大切です。
自分に合った方法を見つけて、ストレスなく過ごせるようにしましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
監修者プロフィール:三橋裕一さん
1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。趣味はお酒とバイクジムカーナ。利き酒師やフードマイスターの資格も保有。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。
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