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更年期障害の症状と対処法
更年期の動悸・息切れは病気の可能性もあるので要注意
![浜中聡子さん(クレアージュ エイジングケアクリニック総院長)](https://halmek.co.jp/media/superintendent/6cd2dc5c071feae2a298af13b90ce2d6.jpg)
クレアージュ エイジングケアクリニック総院長
浜中聡子
公開日:2018.07.02
更新日:2024.06.07
「これって更年期障害?」という人のために、更年期の気になる症状・対処法を医師が解説する連載企画。今回のテーマは「動悸・息切れ」。心配のないものが多いのですが、更年期になると男性並みに心臓病も増えてくるため、油断は禁物です。
更年期の動悸・息切れの多くは自律神経の乱れが原因
更年期障害の原因は、女性ホルモンの分泌が急激に減少すること。これにより、自律神経のバランスが崩れると、さまざまな症状があらわれます。
自律神経には呼吸や心拍、血圧、血管の拡張・収縮や内臓の動きなど、全身の機能をコントロールする役割があります。
更年期の女性が、運動した後でもないのにいきなり心臓がドキドキしたり、息切れがしたりするのは、自律神経がバランスを崩し、心拍や呼吸が乱れやすいからです。
動悸や息切れは、更年期によくある症状とはいえ、心臓や呼吸に異変があると不安になるもの。「何か悪い病気では?」と心配になる人も多いでしょう。
更年期に入り女性ホルモンの分泌が減ると、それまでホルモンに守られていた心臓や血管の異常が起こりやすくなるのも事実です。男性並みに狭心症や心筋梗塞といった心臓病や、脳梗塞などの脳卒中を起こすリスクも高くなっていきます。
心臓や高血圧といった循環器の病気も否定できないため、更年期障害だと決めつけず、まずは病院を受診しましょう。
更年期障害と紛らわしい病気もあるので、まずは受診を!
更年期障害以外で、動悸や息切れといった症状が現れる原因の代表が「貧血」です。
女性はもともと体内に蓄えている鉄分量が不足している人が多く、更年期には月経がだらだら長く続いたり、量が極端に多くなったりすると、貧血になりやすいものです。貧血がひどくなると、少し動いただけで動悸や息切れがするようになります。
また、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)でも動悸や息切れ、不整脈などの症状が現れます。この病気は特に女性に多く見られます。
さらに、不安やパニックなどによる発作で動悸や息切れ、息苦しさといった症状が起こることもあります。
いずれにしろ、自己判断はいけません。「年齢的に更年期障害かな」などと決めつけないで、婦人科やかかりつけの病院を受診し、検査を受け、まぎらわしい病気を除外することが大切です。
更年期障害は気にし過ぎはNG!深呼吸で自律神経を整える
動悸・息切れが更年期障害によるものだとわかれば、あまり気にし過ぎず、リラックスを心掛けるのが一番です。女性ホルモンの減少に体が慣れてくるにつれ、徐々に症状が治まってくるので心配はいりません。
急に心臓がドキドキしたり、息切れがしたりするときは、大きく深呼吸をして気持ちをゆったり落ち着かせましょう。
特に腹式呼吸が効果的です。おなかをふくらませながら鼻から深く息を吸いこみ、静かに口から息を吐き出します。呼吸に意識を集中して、これを数回くり返します。
アロマの香りもおすすめ!適度な運動でリラックスを
アロマの香りでリラックスするのもおすすめです。
自分の好きな香りでもかまいませんし、ラベンダーのように心を落ち着かせる作用があるものを選ぶとよいでしょう。精油をアロマポットで温めて香りを楽しんだり、お湯に入れて足湯をしたりするとリラックス効果が高まります。
また、ストレスがあると症状が出やすくなるので、寝不足や過労にならないように規則正しい生活リズムを守るようにします。体調がよければ、ウォーキングなどで適度に運動するとストレス解消にもなります。
もし、症状がひどくなるときは婦人科で相談してホルモン補充療法を受けるか、症状に応じて精神安定薬などを処方してもらうとよいでしょう。
TOP写真(撮影=中西裕人 ヘアメイク=小島けさき モデル=桂智子)、それ以外のイメージ写真=PIXTA
監修者プロフィール:浜中聡子さん
クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長。女性の頭髪に関する悩みから更年期・女性ホルモンといった悩みが専門分野。14年にわたり女性の髪の悩みに携わってきた女性専門・頭髪治療の第一人者として、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医療面からのサポートを行っている。
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