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便秘解消に効果的な食べ物や飲み物、NGな食べ物について詳しく解説!便秘の多くは、生活習慣や食習慣を整えることで改善します。栄養バランスの整った食事に加えて便秘に効果的な食べ物を摂取して、腸内環境を整え、お腹をすっきりさせましょう!
便秘とは?
便秘は、慢性便秘症診療ガイドライン2017(日本内科学会雑誌第109巻第2号)では「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。
慢性便秘症の治療の基本は「生活習慣の改善」であり、規則正しい生活や食習慣の改善、食物繊維を目標量摂取するなどが有効な方法です。
女性は男性に比べて腹筋が弱く、排便時に十分な腹圧がかからないため便秘になりやすいといわれています。
また、女性ホルモンの一つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)は大腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑える作用があり、プロゲステロンが活発に分泌される排卵~月経の期間は、便秘が起こりやすくなります。
さらに、女性はダイエットに取り組むことも多く、食事制限によって便のカサが減ったり、水分や脂質、食物繊維の摂取量が減ることで便が硬くなり、出にくくなることがあります。
更年期に入って便秘になった、悪化したという人も
中には「若い頃はスムーズだったのに更年期に入ったらお通じが悪くなった」「更年期になって便秘が前よりひどくなった」という人もいます。
更年期に見られる便秘は、女性ホルモンや自律神経のバランスが崩れて乱れが生じていることが原因の一つです。ホルモンバランスが崩れて自律神経の一つである交感神経が過敏になると、腸の蠕動運動が鈍くなり、便秘が起こりやすくなります。
エストロゲンが減ると腸内の潤いも少なくなりがちになるといわれているため、更年期の女性はしっかり便秘対策をするのがおすすめです。
更年期にはお腹の張りやガスがたまりやすい(腹部膨満感)、お腹が苦しい、ポコポコするといった症状を感じる人もいます。
便秘の種類・原因に合わせた治療や対策が重要
便秘には大きく分けて「機能性便秘」と「器質性便秘」の2つがあります。
機能性便秘とは、生活習慣や食生活が主な原因となって起こる便秘のこと。機能性便秘は原因によって「弛緩性便秘」「痙攣(けいれん)性便秘」「直腸性便秘」の3つに分けられます。
一般的にいわれる便秘はこの機能性便秘であることがほとんどで、日常生活を改善することで便秘も良くなっていきます。
一方、器質性便秘は胃や小腸、大腸、肛門といった器官に生じた、なんらかの疾患が原因で便秘になっている状態です。生活習慣や食生活の改善だけでなく、医療機関を受診して、適切な治療を受ける必要があります。
便秘の改善効果が期待できる食べ物
ここからは、便秘の改善効果が期待できる食べ物をご紹介します。すぐに便通がよくなるといった即効性は期待できないものの、積極的に摂取することで便秘の改善効果が期待できるでしょう。
食物繊維が豊富な食べ物
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、便秘予防のためには基本的に、どちらかだけでなくバランスよく摂取することが大切です。
すでに便秘になっている場合、便が硬くなりがちな人は水溶性食物繊維を、大腸の蠕動運動が低下する弛緩性便秘や下痢になりがちな人は不溶性食物繊維を意識して摂取するといいでしょう。
きのこ類
きのこ類には、不溶性食物繊維が豊富です。大腸の蠕動運動を促し、便のカサを増して体の中にたまった便を押し出してくれる効果が期待できます。
きのこはしいたけ、しめじ、舞茸、エリンギ、えのきだけ、きくらげ、なめこ、マッシュルーム、ポルチーニなどたくさんの種類があり、煮物や汁物、炒め物などさまざまな調理法で料理できるので、飽きずに毎日の食事に取り入れられるでしょう。
いも類
さつまいもやじゃがいも、里芋、山芋、長芋といった「いも類」にも、不溶性食物繊維が豊富に含まれているため、便秘におすすめの食材です。
いも類は腸管内で発酵してガスを発生させるため、大腸を刺激する効果が期待できます。
穀物や豆類
穀物や豆類にも、食物繊維が豊富です。中でも、もち麦は精白米の約20倍も食物繊維が含まれているといわれています。
その他、玄米や赤米、あわ、ひえ、きび、キヌアにも食物繊維が豊富に含まれているため、毎日食べる白米に雑穀を混ぜるだけでも、便秘対策になるでしょう。
豆類も食物繊維が豊富で、大豆やいんげん豆、枝豆、ひよこ豆、小豆などに多く含まれています。
海藻類
海藻類には特有のぬめり成分であるフコダインやアルギン酸などの水溶性食物繊維が豊富に含まれ、便を柔らかくしてくれる効果が期待できます。
また、海藻類はマグネシウムも豊富です。マグネシウムは吸収されにくく、腸内の水分を集めることで便を柔らかくする効果があります。
わかめや昆布、もずく、めかぶ、ひじき、寒天など乾物も使いながら積極的に食事に取り入れてみましょう。
果物類
果物では、2.5gもの食物繊維を含むキウイがおすすめです。これはバナナの2倍の食物繊維量で、キウイはビタミンCも豊富なため美肌効果も期待できます。
りんごに豊富なペクチンは水に溶けるとゼリー状になる性質があり、便を柔らかくして排便をスムーズにする効果があります。ペクチンは下痢のときはゼリー状の膜を作って腸壁を守る働きも持っています。
プルーンは、継続的に摂取することで1週目の終わりから3週目の終わりまでで便秘の重症度が低下したという報告もあり、比較的即効性が期待できるでしょう。
発酵食品
腸内細菌は大きく「善玉菌」「悪玉菌」「その他の菌(日和見菌)」に分けられます。悪玉菌が増えると腸内環境が悪くなり、便秘や下痢につながるため、注意しましょう。
発酵食品には生きた善玉菌が豊富に含まれており、腸内の善玉菌を増やせます。
ヨーグルト
ヨーグルトにはさまざまな乳酸菌やビフィズス菌が含まれ、整腸作用があります。製品によって含まれる菌の種類が異なるため、自分に合ったものを探すといいでしょう。
納豆
納豆菌は生きたまま腸に届き、善玉菌を増やしてくれるといわれています。食物繊維が豊富なめかぶと一緒に食べるのもおすすめです。
漬物
キムチ、ぬか漬けなどの漬物には乳酸菌が豊富に含まれています。植物性食品に含まれる乳酸菌は温度変化や酸に強いといわれているため、腸内環境の改善効果が期待できるでしょう。
オリゴ糖を含む食べ物
オリゴ糖は消化酵素ではほとんど分解されないため、腸内の善玉菌のエサになり善玉菌を増やす効果が期待できます。
オリゴ糖は血糖値が上がりにくく、砂糖の代わりとして使用するのもおすすめです。ただし、急に摂取すると下痢を起こすことがあるため、健康食品などから摂取する場合は少しの量から試して、慣らしていくといいでしょう。
オリゴ糖ははちみつやサトウキビ、りんご、バナナ、アスパラガス、たまねぎ、キャベツ、ごぼう、じゃがいも、とうもろこし、にんにく、納豆などに含まれています。
近年ではプロバイオティクス(善玉菌そのものを摂取すること)とプレバイオティクス(善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を取ること)を組み合わせた「シンバイオティクス」が注目されており、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせると、より便秘解消効果が期待できます。
抗酸化作用のある食べ物
活性酸素は、腸内環境を乱して便秘に影響を与えます。抗酸化作用のある食材を摂取して、活性酸素を除去するのも便秘対策におすすめです。
緑黄色野菜や果物、玄米、緑茶、全粒小麦などは抗酸化作用があるものが多くあります。
有機酸が豊富な食べ物
有機酸(クエン酸・リンゴ酸・コハク酸・酢酸などの総称)は腸内の善玉菌を増やしたり、大腸の蠕動運動を促す働きがあるため、腸内環境を整えられます。
有機酸はパイナップルやりんご、いちご、キウイなどのフルーツの他、牛乳やヨーグルト、ピュアココア(砂糖や乳製品などで調整されていない純ココア)などにも含まれています。
良質な脂質を含む食べ物
便秘の解消のためには、良質な脂質を適度に摂取することも大切です。脂質には大腸を刺激する脂肪酸が含まれているため、不足しないようにしましょう。
脂質はさまざまな食べ物に含まれていますが、中でもおすすめなのが吸収されにくく腸まで届きやすい不飽和脂肪酸(オレイン酸・リノール酸・リノレン酸など)が豊富なものです。オリーブオイルやアマニ油などのオイルや、くるみ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツなどのナッツ類に含まれています。
また、マグロやイワシ、サンマなどは不飽和脂肪酸が豊富な魚です。
便秘の改善効果が期待できる飲み物
ここからは、便秘の改善効果が期待できる飲み物をご紹介します。
水やお湯
朝起き抜けに冷たい水を飲むと、腸が刺激されて排便を促す効果が期待できます。ただし、冷え性の人は冷たい水ではなく常温の水がおすすめです。
寒い日や冷えを感じるときは、50度くらいのお湯をコップ1杯ほどゆっくり飲むと、内臓を温めて胃腸の動きを促してくれるでしょう、
炭酸水
炭酸水に含まれる二酸化炭素には、便を柔らかくする効果や胃酸分泌をサポートして消化を助けてくれる効果があります。
お茶
緑茶に含まれる茶カテキンには殺菌作用があり、悪玉菌の増殖を防ぐことで腸内環境を整える効果が期待できます。この他にも、茶カテキンには抗酸化作用、抗ウイルス作用、体脂肪やコレステロール値の低減作用、虫歯や口臭予防などさまざまなうれしい効果も。
ビタミンC豊富なローズヒップティー(ハーブティー)、食物繊維が豊富な玄米茶などもおすすめです。
ココア
ココアには不溶性食物繊維のリグニンが含まれる他、水溶性食物繊維も含まれているため便秘解消効果が期待できます。
一般的にココアと呼ばれる物には「ピュアココア(砂糖やミルクなしの純ココア)」と、ピュアココアに砂糖やナッツ、乳製品などを加えて飲みやすくした「調整ココア」がありますが、食物繊維が豊富なのはピュアココアです。便秘対策であればピュアココアを選ぶといいでしょう。
その他飲み物
その他にも、新陳代謝を高めて大腸の蠕動運動を活発にする効果が期待できる「酢ドリンク」、オリゴ糖や食物繊維豊富な「甘酒」などもおすすめの飲み物です。コンビニでも手軽に手に入るので、好みのものを選ぶといいでしょう。
便秘の原因になることがある食べ物・食べ方
肉に含まれるタンパク質はほとんどが腸で吸収されるため、便の量が減り、蠕動運動が弱まります。また、腸内で悪玉菌を増やすことで腸内環境を悪化させるともいわれています。
動物性の脂肪が含まれているため適度であれば便秘の解消にいいと考えられますが、偏った食事にならないよう、肉類の他にもバランスよく食べることが大切です。
ファーストフードやインスタント食品、冷凍食品は野菜が不足しがちになり、食物繊維が足りなくなって便秘につながりやすいため注意しましょう。
また、お茶や柿などに含まれるタンニンは、取り過ぎると大腸の蠕動運動を抑えてしまうため、適量に留めるといいでしょう。
便秘改善・予防のポイント
便秘改善・予防のポイントには、以下のようなものがあります。
- 1日3食を規則正しく食べる
- 栄養バランスのいい食事を心掛ける
- 暴飲暴食は避けて適量を食べる
- マッサージや適度な運動を取り入れる
適度な運動やマッサージによって筋肉に刺激を与えることも便秘解消に効果的です。ハードなトレーニングではなく、軽い運動でOKなので取り入れてみましょう。
便秘改善・予防ができる食べ物を上手に取り入れよう!
便秘の多くは、生活習慣や食生活が原因となった機能性便秘だといわれており、日常生活を改善することで便秘も良くなっていくことが多いです。
食物繊維を豊富に含む食べ物や、腸内環境を改善する効果が期待できる食べ物を積極的に摂取して、便秘の解消につなげましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
監修者プロフィール:林安津美さん
大学卒業後JAあいち厚生連に入職し37年間病院の管理栄養士として勤務、その間豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。2022年5月よりたいや内科クリニックへ入職。病態栄養専門管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・腎臓病療養指導士・がん病態栄養専門管理栄養士・和漢薬膳師等の資格を生かし患者さんの思いを聴き・応え、患者目線でテーラーメイドの医療をお届けできるように努めています。
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