便秘をこじらせる前に!市販薬と処方薬の賢い活用法

更新日:2023年11月03日 公開日:2023年02月12日

最新・腸活習慣で便秘にさよなら!#4

便秘をこじらせる前に!市販薬と処方薬の賢い活用法

便秘をこじらせる前に!市販薬と処方薬の賢い活用法

「この10年ほどで新しい薬が続々登場し、便秘治療は格段に進歩しています」と、専門医の中島淳さん。長年の便秘で腸が伸びきってしまうこともあるとか! ひどくなる前に、市販薬を上手に活用したり、診察を受けたりして治療薬を服用しましょう。

便をやわらかく OR 大腸を動かす 2種類の便秘薬

医者がすすめる便秘薬 お通じ

前回ご紹介した、日常生活の中で実践したい「食べる腸活習慣」「生活と動きの腸活習慣」を実践しても便秘が改善しない場合は、市販薬も上手に使いましょう。

便秘の薬は、便をやわらかくする「非刺激性下剤」と、大腸を動かす「刺激性下剤」に大別されます。

「基本となるのは、非刺激性。少なくとも2日に1回はスムーズな排便があるよう、飲む量を調整します。毎日使ってもかまいません。

ただし、腎臓が悪いと副作用が出る恐れのある薬もありますので注意を」と便秘に詳しい横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室主任教授の中島淳さん。

一方、刺激性は使い方に注意が必要。習慣的に飲んでいると効き目が落ち、大腸の動きも悪くなってくるからです。「使っているうちに服用量がどんどん増え、薬なしでは排便できなくなる方も少なくありません。刺激性は便が出ないときのみ週1回程度使うのが鉄則です」(中島さん)

「大腸を動かす薬」の特徴と使い方

医者がすすめる便秘薬 お通じ

<刺激性下剤>
腸を直接刺激して蠕動(ぜんどう)運動を引き起こし、排便を促す効能があります。

センナやアロエなどを含むものが代表的です。習慣性や依存性があるので、日常的に使用するのではなく、旅行時などの突然の便秘に対して一時的に使用するのに適しています。

「便をやわらかくする薬」の特徴と使い方

医者がすすめる便秘薬 お通じ

<非刺激性下剤>
腸内の水分を増やして便をやわらかくし、排便しやすくする効能があります。

酸化マグネシウムを含むものが代表的です。効き目が穏やかで、おなかが痛くなりにくいため、便秘治療の第1候補として選択されることが多い薬です。

改善しないときは治療と処方薬を

医者がすすめる便秘薬 お通じ

市販の便秘薬で十分な改善がみられないときは、医療機関で診療を受けましょう。

この10年ほどで、働き方が異なる新しい薬が続々登場し、便秘治療は格段に進歩しています。漢方薬にも効果的なものがいくつもあります。

「便秘は軽いうちなら治すのも簡単ですが、ひどくなると治療が難しくなります。中には長年の便秘で腸が伸びきって元に戻らなくなる人も。『便秘かな?』と思ったときが、治すタイミングです」と中島さんはアドバイスします。

便秘にはこんな病気が隠れていることも

医者がすすめる便秘薬 お通じ

  • 大腸がん
  • 糖尿病
  • うつ病
  • パーキンソン病
  • 甲状腺機能低下症
  • レビー小体型認知症 など

最も気を付けたいのは大腸がん。がんで大腸が狭くなり、便が出にくい状態になります。血便や体重減少なども伴う場合は早く受診を。また糖尿病になると、自律神経が障害されて腸の動きが低下しがちです。

他にも、うつ病やパーキンソン病、甲状腺機能低下症、レビー小体型認知症などでも便秘が起こりやすくなるので注意しましょう。

教えてくれたのは中島淳(なかじま・あつし)さん

医者がすすめる便秘薬 お通じ

中島 淳(なかじま・あつし)さん
横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室主任教授。1989年、大阪大学医学部卒業。東京大学医学部第三内科、米ハーバード大学客員研究員などを経て、2014年から現職。『慢性便秘症 診療ガイドライン2017』の作成にも携わる。著書は『寿命の9割は「便」で決まる』(SB新書)など。

取材・文=佐田節子 イラストレーション=achaca、PIXTA
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年7月号を再編集し、掲載しています。

■もっと知りたい■

【特集】専門医が教える!「最新・腸活習慣で便秘を解消!」
1.あなたは大丈夫?命にかかわる病気「便秘」度チェック
2.腸の働きを活発にする食べ物&食べ方6選 
3.スッキリ便が出る体質に変わる!腸活にいい生活習慣6
4.便秘をこじらせる前に!市販薬と処方薬の賢い活用法

雑誌「ハルメク」
雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら

みんなの コメント
ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

驚きの軽さ&使いやすさ!

1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール
1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール

【PR】税公金を簡単にお得に支払うには?

税公金をスマホで払うと…

税公金の支払いはスマホからが圧倒的にラク&お得!「ゆうちょ銀行」では抽選で毎月1万名様に1,000円が当たるキャンペーン実施中!

2025.04.21
【PR】災害のために今備えたいのはポータブル電源!

便利すぎ!大容量ポータブル電源

地震・台風などの災害時に心強い「大容量ポータブル電源」は、普段使いで電気代の節約にも大きく貢献します!知らなきゃ損!

2025.04.16
【PR】部分入れ歯のウソホント!?正しいケアって?

部分入れ歯のウソ・ホント!?

部分入れ歯が不安定・外れそうで怖い…そんなお悩みは「ケアの仕方」に原因が!?間違えている人が意外に多い、部分入れ歯の「正しい使い方」を専門家が紹介します!

2025.03.12
【PR】50代の尿トラブル大調査! なんと8割の方が……

50代で8割以上!?尿モレの悩み

ヒトに話しにくい尿トラブルの話…「私だけ?」とお悩みの方も多いのでは?50代ハルトモさん達にアンケートを実施し、実態を調査しました!

2025.04.10
認知症のご本人の財産や権利をどう守るか?

お金に困りたくない!

認知症になると、不動産の手続きや預貯金の引き出しが自由にできなくなります!事前に知らないと苦労する「法律」とは…

2025.04.08
ご家族の認知症介護の進め方、向き合い方

もし親が認知症になったら…

家族が認知症になった時、介護や通院など一体何を準備すればいいのでしょうか?「もしも」の場合のスムーズな対応を解説!

2025.04.04
【PR】飽き症でも、ゼロから英語が話せるようになったワケ

ゼロから英語が話せる!

飽き症さんでもOK!たった60日で英語が苦手な人でも英会話ができるようになると話題の「インド式英会話」をご存知ですか?無料体験セミナー実施中です!

2025.02.05
【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金のこと、なんでも無料相談

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
【PR】タイプで分かる!ライフスタイル別レンズ診断

タイプ別!ぴったりの眼鏡

「近くのものが見えづらくなった」と感じる人は眼鏡の変え時かも!ライフスタイル別におすすめの眼鏡レンズを無料で診断♪

2025.03.10
「ひょっとして認知症かも」と心配になったらどうすればいい?(後編)

認知症の分かれ道!41%が…

認知症1歩手前「MCI(軽度認知障害)」と診断された場合、最大41%の方が健常な状態に戻ることが分かっています!認知症を「発症させない」ためにすべき事とは…?

2025.04.14
これだけ覚えておけばOK!海外旅行先で使う英会話10選&英会話学習法

海外旅行で「英会話」を楽しむ♥

海外旅行先で使う英会話10選&手軽に英会話力を伸ばす方法をご紹介!50代からの新しい趣味・学び直しにいかが?

2025.04.10

ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

「奇跡の60代!木村友泉 大人のリンパケアLesson」横隔膜をゆるめる動き