消化器内科医が教える老化を防ぐ食べ物#4

「老けない人」の腸内環境を整える二つの食習慣とは

「老けない人」の腸内環境を整える二つの食習慣とは

更新日:2025年07月03日

公開日:2023年01月16日

「老けない人」の腸内環境を整える二つの食習慣とは

50代を過ぎると特に気になる肌のくすみ。加齢のせいだけでなく、腸内環境の乱れが原因の一つになることも。そんな腸内環境を食事を通して改善する方法を、消化器内科医で美腸・美肌評論家の工藤あきさんに教えてもらいます。

そのくすみ、便秘が原因かも?食生活だけで改善!

そのくすみ、便秘が原因かも?

「この頃ずいぶん肌荒れが気になるなぁ」と悩んでいるとしたら、根本的な原因は腸の不調にあるかもしれません。その例として、特にわかりやすいのが便秘です。特にシニア女性は便秘に悩まされることが多いのではないでしょうか。

そもそも便秘とは、医学的には「本来体外に出すべき便を十分な量かつ快適に排出できない状態」と定義され、あくまで状態であって「疾患名」ではありません。健康な人では、通常1日1回程度の排便がありますが、便秘の場合は排便の回数が数日に1回程度に減ります。

ただ、排便の習慣は個人差も大きいため、毎日便通があっても排便が困難だと感じている人もいます。便通の頻度ではなく、「排便が困難」「お腹が張って苦しい」などの症状を伴う状態を「便秘症」と呼びます。

では、そんな便秘症が、なぜ肌に悪影響を与えるのでしょうか?

便秘症がなぜ肌に悪影響を与える?

体の外に排出される便は食べ物のカスで固形というイメージですが、実は健康な便の約80%は水分です。そして残りの20%のうち、7割くらいが生きたままの腸内細菌やはがれ落ちた腸の粘膜です。

これらを何日も腸の中にため込んでしまうと、腐敗して腸内に悪玉菌が増え、有害物質がたまってしまいます。それが大腸で吸収され、血液にのって全身を巡り、さまざまな悪さをするのです。

その一つが肌への悪影響。慢性の便秘によって肌荒れやニキビができやすくなることは、医学的にも検証されています。そして、便秘が改善すると、お肌の調子も良くなる人が多いことも事実です。

このように、便秘症によって肌にダメージが出ている場合、いくら肌の外側からケアをしても、なかなか治らない可能性が大きく、肌の内側、つまり「食事」の見直しが欠かせません。

もちろん、症状の程度によっては便秘の治療薬を併用することもありますが、薬だけに頼るのではなく、時間をかけて食生活から改善していくことが大切だと考えています。

1日1杯の習慣で便秘を解消!大人の肌荒れを撃退

誰でもできる便秘症の対策として、次の二つをおすすめしています。 

  • 朝起きてすぐに白湯を1杯飲むこと
  • 1日にスプーン1杯のオリーブオイルをとること

朝1杯の白湯は、水分補給と同時に胃腸を温めます。すると血行も良くなって胃腸の働きを促進する効果があります。

オリーブオイルは、主な成分であるオレイン酸が腸を活性化させます。小腸で吸収されにくいので、大腸にまで届いて便通を助け、便秘の解消につながります。「油=太る」と思い込んですべての油を敬遠する人もいますが、オリーブオイルのような良質な油は健康にとって欠かせないのです。

オリーブオイルのような良質な油は健康に不可欠

さらに、オリーブオイルは美肌にも有用です。

健康な肌の組織では、常に適度な油分(皮脂)が分泌され皮膚の水分を保つバリア機能が作用しています。油抜きダイエットなどをしていると、皮脂が不足し、潤いが失われてカサカサの肌になってしまいます。しっとり肌のためにも、良質で適度な油が必要なのです。

オリーブオイルは他にも、悪玉コレステロールを減らす、ポリフェノールの抗酸化作用が期待できる、緑黄色野菜のビタミンAやビタミンEなどの消化・吸収を助ける、といった働きがあり特におすすめです。

もう一つ、オリーブオイルと並んで「いい油」といわれているのが「オメガ3不飽和脂肪酸」です。

オメガ3も人体にとって「いい油」

オメガ3は人体にとって必須の脂肪酸の一つで、アマニ油、エゴマ油、そしてイワシなどの青魚に含まれる油です。DHAやEPA配合とうたうサプリメントなどでも摂取することができます。

一方、肉類の脂肪分やバター、乳製品、ココナッツなどに含まれる脂質「飽和脂肪酸」は、同じ油でも細胞の酸化を進めてしまうので、あまりおすすめできません。飽和脂肪酸はタンパク源としては必要ですが、過剰に摂取し過ぎると血液の流れを悪くして、肌のくすみを招いてしまいます。

酵素のパワーで腸内環境を整える

近年、体のために取り入れたいものの一つとしてブームになっている酵素。酵素とは、炭水化物やタンパク質、脂質、ビタミンなどの栄養素が体内で吸収されて、エネルギーなどに変換されるときに大切な働きをする物質です。

酵素のパワーで腸内環境を整える

酵素は2つの種類があり、「消化酵素」は食べた物を分解して吸収しやすくする働き、「代謝酵素」は吸収された栄養を全身の細胞に供給し、有害物質の排出と傷ついた組織の修復を行う働きをします。

これらの作用により、酵素は腸内環境を整えたり、新陳代謝を促して余分な脂肪を燃焼させたり、皮膚のターンオーバーを促進したりと、さまざまな役割を果たすのです。

しかし、保存料や甘味料など添加物の多い加工食品は、消化吸収のために大量の酵素を必要とするため、体内にストックしていた酵素が使われてしまいます。また、ストレスやタバコ、そして加齢によっても、酵素は減少していきます。

こうして体内の酵素が不足すると、便秘や疲労感を招くとともに、肌のシミやたるみといった肌トラブルが起こりやすくなります。

そこで、不足した酵素を外から補うという手段があります。食品に含まれる「食物酵素」を摂取する方法です。

発酵食品には酵素が豊富

食物酵素は生肉や魚、野菜、フルーツなどさまざまな食品に含まれており、腸内環境の改善ときれいな肌を目指すなら、積極的に取り入れるのがおすすめです。

ところが、酵素は熱に弱い性質があるため、効果的に摂取したいなら、できるだけ熱を加えない調理法で食べることがポイント。また、納豆や味噌、ぬか漬け、ヨーグルトなどの発酵食品にも、酵素が豊富に含まれています。

中でも、美肌食品として注目されているのがキムチ。お漬け物としては塩分も少なめで、むくみや肌荒れにつながる心配もありません。発酵食品どうしのコラボレーションである「納豆キムチ」などにして、楽しんでみてはいかがでしょうか。

普段の食事の中で健康に良い油や食物酵素を上手に取り入れ、便秘の解消や、肌のシミ・くすみ・たるみの予防にぜひチャレンジしてみてください。

最終回の次回は、体の糖化による老け見えを防ぐ食材について解説します。

教えてくれたのは工藤あき(くどう・あき)さん

教えてくれたのは工藤あき(くどう・あき)さん

消化器内科医、美腸・美肌評論家。一般内科医として地域医療に貢献する一方、腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活×菌活を生かしたダイエット・美肌・エイジングケア治療にも力を注いでいる。また「植物由来で内面から美しく」をモットーに、日本でのインナーボタニカル研究の第一人者としても注目されている。 

※本記事は、『老けない人が食べているもの』(株式会社アスコム/1540円・税込)より一部抜粋して構成しています。

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【次回】「老けない人」は体の糖化を防いで肌のくすみを退治!


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老けない人が食べているもの
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この連載の引用元である『老けない人が食べているもの』(アスコム刊)では、消化器内科医で美腸・美肌評論家の工藤あきさんが、シワ、シミ、ガサガサ肌など、あれ?老けたかな?と思ったときに実践したい、体の中から若返る食事法を解説。気になる人はあわせてチェックしてみてください。

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HALMEK up編集部
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