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便秘の原因は生活習慣やストレス
便秘解消・予防法を解説!食事・マッサージで症状改善
玉城クリニック 副院長
都木航
公開日:2020.07.27
更新日:2023.05.16
女性に多い便秘。便秘はお腹の張りや痛み、肌荒れ、むくみなどの症状を引き起こし、ぽっこりお腹の原因になります。食物繊維や乳酸菌などを含む便秘におすすめの食べ物、快腸マッサージや腸もみなど、日常生活でできる簡単な便秘解消法・予防法を解説します。
そもそも便秘とは?何が原因なの?
便秘とは、腸内に便が長時間とどまり、排便が順調に行われない症状のこと。便秘自体は病気ではなく、排泄障害の症状の一つであるため、明確な診断基準はありません。
便秘の医学的な定義について、日本内科学会では「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」とし、日本消化器病学会では「排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔が不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指す」としています。
便秘の原因はストレスや生活習慣などさまざまです。
【主な便秘の原因】
- 水分不足
- 便意を我慢すること
- 腸内環境の悪化
- ストレス
- 病気(大腸がんなど)
これらの原因により、便秘は大きく2つのタイプに分けられます。一般的に便秘と呼ばれるのは、「機能性便秘」のこと。そして、機能性便秘はさらに、一過性便秘と習慣性便秘に分けられます。多くの人が悩んでいるのはこの習慣性便秘です。
1.機能性便秘の原因
機能性便秘は、生活習慣やストレス、加齢などにより、大腸や直腸の機能が低下することが原因となります。習慣性便秘には、大腸のぜん動運動が弱まる「弛緩性便秘」、ストレスが原因となる「けいれん性便秘」、便意を我慢することで生じる「直腸性便秘」の3種類があります。
2.器質性便秘の原因
器質性便秘は、大腸がんやクローン病などによる腸管狭窄により大腸の中を便がスムーズに通過できないことが原因となります。また、女性は直腸の一部が膣に入り込む「直腸溜」が便秘の原因になることも多いです。器質性便秘の場合はまず、病気の治療が必要となります。
この他、甲状腺機能低下症などの病気や妊娠中・生理中など女性ホルモンの影響で便秘になる場合(症候性便秘)、薬の副作用で便秘になる場合(薬剤性便秘)もあります。
便秘の症状でセルフチェック!あなたの便秘のタイプは?
便秘を解消する方法は、その原因・症状によって違います。便秘のタイプに合わせて対処することが大切です。まずは、あなたの便秘の症状をチェックしてみましょう。
1.機能性便秘の症状
お腹の張りや痛み、便意を感じない、残便感がある、便が硬い・コロコロしている
2.器質性便秘の症状
血便、激しい腹痛、嘔吐など
その他、便秘の症状として不眠・体臭・肌荒れ・ぽっこりお腹などを感じる人も多いようです。
便秘で病院を受診する目安・危険な症状は?
排便回数や排便量は個人差があるので「何日出ないと便秘」という明確な定義はありません。
通常は1日1~2回の排便がありますが、2~3日に1回の排便でも、本人が苦痛を感じない場合は便秘とはいいません。逆に、毎日排便があっても便が硬い場合や残便感がある場合などは便秘といえます。
便秘を放置すると、便がさらに硬くなり、痔や脱肛、潰瘍などの原因になることもあります。病気や薬が原因の場合もあるので、長期間にわたって以下のような症状があれば、病院を受診しましょう。
- 以前より排便回数が減った
- 便が硬い、排便時に不快感がある
- 残便感がある
「器質性便秘の症状」で記載した通り、血便や嘔吐などは病気が原因の場合があるため、特に危険な症状です。早めに病院を受診してください。
また、便が出ないだけではなく、お腹の痛みがある、下痢と便秘を繰り返す、などの症状がある場合は、過敏性腸症候群(IBS)の可能性があるため、注意が必要です。
日常生活で便秘を解消するポイントは?
このように病院の受診が必要となる危険な便秘もありますが、水分不足や運動不足など生活習慣が原因の便秘の場合は、食事やマッサージで便秘を解消することができる場合が多いもの。
日常生活で便秘を解消するポイントは以下の4点です。
■便秘解消のポイント
- 腸内環境を整える
- 便の量を増やす・軟らかくする
- マッサージや運動で腸の動きを促す
- ストレスを減らす・リラックスする
腸活・ 腸食に!便秘解消におすすめの食べ物はコレ
腸内環境を整え、便を軟らかくするためには、食事の内容が大切です。最近では、食事で腸内環境を整える方法を「腸活」や「腸食」と呼ぶことも多いよう。便秘におすすめの栄養素・食べ物を紹介します。
1.乳酸菌
腸内環境を改善するためには、悪玉菌を減らして、善玉菌を増やすことが大切です。まずは、食事から腸内の善玉菌である乳酸菌を取ることで、腸内細菌のバランスを整えましょう。乳酸菌は腸内に定着できないので、毎日継続してとることが大切です。なお、善玉菌には、乳酸菌の他にも、ビフィズス菌、酵母菌、麹菌などがあります。
【便秘におすすめの食べ物】
ヨーグルト、チーズ、納豆、漬物など
2.食物繊維
食物繊維には、便の量を増やして腸の動きを活発にする「不溶性食物繊維」と、腸内善玉菌のエサになる「水溶性食物繊維」の2種類があり、どちらもバランスよく食べることが大切です。ただし、食物繊維だけを大量に摂取しても、水分不足だと便意が起こらず、お腹の張りが悪化してしまうことがあるので、お茶や水などの飲み物も積極的に飲みましょう。
【便秘におすすめの食べ物】
水溶性食物繊維を含む食べ物:ほうれん草、リンゴ、バナナ、海藻類など
不溶性食物繊維を含む食べ物:サツマイモ、ゴボウ、キノコ類、豆類など
3.オリゴ糖
水溶性食物繊維と同じように、オリゴ糖も善玉菌のエサになる栄養素です。食品から取る場合は「バナナきな粉ヨーグルト」など、乳酸菌と組み合わせて食べるのがおすすめ。また、手軽に使えるシロップタイプの商品もあります。ただし、糖の一種なので、取り過ぎには注意しましょう。
【便秘におすすめの食べ物】
玉ネギ、にんにく、きな粉、はちみつなど
便秘解消におすすめ!快腸マッサージ&腸もみ
便秘解消には、食事とともに、適度な運動やマッサージで腸を刺激することが大切です。ここでは、便秘解消におすすめのマッサージを2つご紹介します。
「快腸マッサージ」のやり方
まずは、腸の動きを活発にして便秘を解消する、快腸マッサージのやり方を解説します。マッサージのタイミングは、入浴中など体が温まっているときがおすすめです。
1.両手の手のひらを横腹に当てます。
2.息を吐きながら、親指以外の4本の指でお腹を押します。斜め後ろの腰骨の方へ押し込み、腹筋の奥まで指を入れるイメージで。
3.1か所10秒くらいかけて押しながら、横腹から中央にかけて手を移動しながらマッサージしましょう(※手順1~3を3回繰り返す)
監修:大貫隆博さん
「腸もみ(大腸もみ)」のやり方
続いてご紹介するのは、便が滞りやすい5か所を押すことで動きをよくする、大腸もみのやり方です。食後1時間以内や体調が悪いときは注意して、体調に合わせて行いましょう。
1.大腸の流れに沿って、重ねた手で、フーッと息を吐きながらゆっくり押していきます。
2.大腸が向きを変えているところが、滞りやすい場所。M字型に4か所を押していきます。
3.最後の5か所目は円を描くように、しっかり押しながらもみます。
監修:真野わかさん
便秘の予防方法は?
便秘解消におすすめの食べ物や運動の他に、以下の予防法もチェックしておきましょう。
便秘予防のポイント1:水分をしっかり取る(水・白湯)
便が硬いと排便しづらくなるため、水分不足に注意が必要です。成人の場合、1日1.5L以上の水分を取ることが、便秘解消につながるといわれています。また、起床後すぐに、コップ1杯の水を飲むと、大腸が刺激されて便意をもよおしやすくなります。水の代わりに白湯を飲むのもおすすめです。
便秘予防のポイント2:ストレス解消&リラックスする
腸のぜん動運動は、リラックスして「副交感神経」が優位な状態になると活発になります。そのため、便秘解消のためにはリラックスすることが大切です。焦らず落ち着いた状態で意識的にリラックスできる環境や時間を作るよう心掛けましょう。
便秘解消・予防のポイントは、食事とマッサージ、ストレス解消です。便秘の原因に合わせて、毎日の生活の中で腸内環境を改善していきましょう!
便秘解消について教えてくれたのは?
玉城クリニック副院長 都木航
和歌山県立医科大学卒業。市立豊中病院、市立ひらかた病院、大阪医科大学付属病院で勤務した後、「玉城クリニック」へ。消化器・内視鏡内科を担当。専門性の高さと共に、些細なことでも相談できるアットホームなクリニックを目指している。日本内科学会 認定内科医、日本消化器病学会 認定消化器病専門医。
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