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- ウォーキングで健康維持!最適な効果が出る歩数と時間
「たくさん歩くほど健康にいい」そんな思い込みを覆す、ウォーキングの新常識が話題を集めています。20年にわたって運動量と病気予防の関係性を研究してきた青栁幸利さんに、健康寿命を延ばす効果的なウォーキング方法と歩数の目安を教えてもらいました。
教えてくれた青栁幸利さんプロフィー
あおやぎ・ゆきとし 東京都健康長寿医療センター研究所・運動科学研究室長。1962(昭和37)年生まれ。トロント大学大学院医学系研究科博士課程修了、医学博士取得。近著に『やってはいけないウォーキング』(SB新書)など。
健康維持には「1日8000歩/20分速歩き」がベスト!
ウォーキングをするときに、距離や時間、歩数など、運動量の目安が気になる人も多いのではないでしょうか。
つい「たくさん歩けば歩くほど健康にいい」と思いがちですが、東京都健康長寿医療センター研究所・青栁幸利さんは「大事なのはたくさん歩くことではない」と言います。
青栁さんは、2000年から20年以上にわたって、群馬県中之条町の65歳以上の住民5000人を対象に、運動量と病気との関連性を調査・研究してきました(中之条研究)。その結果わかったのが「1日8000歩、そのうち20分は速歩きをすると、健康を維持できる」というものでした。
それまで世間では「目指すは1日1万歩」など、歩数が多いほど健康に効果があるといわれていましたが、青栁さんの研究結果では、8000歩以上歩いても運動の健康効果は頭打ちで変化は見られませんでした。
「運動のし過ぎで疲れて免疫力が低下し、むしろ病気になりやすくなった事例もあります。つまり、運動する体力と病気を防ぐ体力は別物。たくさん歩くことばかりを意識するよりも、健康にいい歩き方を身に付けることが大切です」と青栁さんは言います。
「1日7000歩/15分速歩き」で動脈硬化・がんを予防
これほど長期にわたる生活に密着した調査の成功は、世界でも例を見ないことから、中之条研究は「奇跡の研究」と呼ばれ、注目を集めています。
その結果を基に、青栁さんが60代以上の女性におすすめするのが「1日7000歩/15分速歩き」です。この“黄金律”を守ってウォーキングすることで、認知症や心疾患の他、骨粗しょう症・乳がんなど、女性に多い病気や症状を予防できるといいます。

目標とする「7000歩」は、特別にウォーキングの時間を作って歩く必要はありません。スーパーまでの行き帰りやショッピングモールの中、家の中など、あくまで生活の中で無意識に歩く時間も含めて目指す歩数です。
ただし、ダラダラ歩くだけでは、健康効果が薄くなってしまいます。
青栁さんは、毎日1万歩以上歩いていながら骨粗しょう症になった70代女性の例を挙げ、「いつもすり足で小股歩きだったことが原因の一つ。歩き方に強度をプラスすることが重要」だと言います。
ウォーキングの健康効果を高める速歩きのポイント
強度をアップさせるために取り入れるのが、速歩きです。歩数はウォーキングの「量」の目安、そして速歩きの時間は「質」の目安になります。
健康効果を高める速歩きのポイントは次の3点です。
▼速歩きのポイント
- 背すじを伸ばして腕を大きく振る
- 何とか会話できる程度の速さで
- ひざが伸びるくらい大股で
特に大事なのは、大股で歩くことです。大股を意識すれば、自然と速歩きになり、背すじが伸びて、腕も振れるようになります。
速歩きの速度の目安は「何とか会話できるくらい」。息が切れて話せないほどだと、速すぎるということになります。
その他にもウォーキングをするタイミングなど、健康効果をアップさせるための注意点をチェックしておきましょう。
▼健康効果アップのための注意点
1.快眠のため朝より夕方に
1日の中で体温がもっとも高くなる夕方に速歩きをすると、最高体温が上昇。快眠につながります。起床後・就寝前それぞれ1時間以内は避けましょう。
2.2か月続ければ長寿遺伝子が活性化
「中強度の運動を2か月続けると、体内で眠っている長寿遺伝子が活性化し、老化を抑制する」というデータがスウェーデンの研究所により証明されています。
3.運動不足の人は4000歩から
これまで体を動かしてこなかった人が急にたくさん歩くと、疲労により免疫力が低下してしまいます。まずは1日4000歩を目標に始めて、徐々に歩数を重ねてみましょう。
歩数より継続が大切!歩けない日は家事で工夫も
健康効果を高めるためにもっとも大切なのは、毎日継続することです。
「ウォーキングを継続するためのコツは、数値を“見える化”すること」と青栁さん。家電量販店で市販されている歩数と活動強度を計る「身体活動計」を身に付けることをすすめます。
とはいえ、外出の有無や天候によって、毎日「1日7000歩/15分速歩き」を達成するのが難しいことも。青栁さんは「『1週間平均で達成できればOK』というふうに、おおらかに捉えてみてください」とアドバイスします。
また、日常生活の中にも速歩きに該当する強度の動きがたくさんあります。例えば、鉢の植え替えや草取りなどのガーデニング作業は、足腰を曲げたり重いものを持ち上げたりするため、速歩きと同様の活動量になります。
「外を歩けないときは、体に負荷のかかる家事でも、不足分を十分補えます」と青栁さん。雨の日は掃除機をかけるなど、家の中でできる家事をして、活動強度を上げるようにしましょう。

取材・文=小林美香(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2016年7月号に掲載された記事を再編集しています。
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