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- 油で脳・血管・腸の老化を防止!とるべき3つの油は?
毎日の食事に欠かせない油。実は、油を賢くとることが、脳や血管、腸の老化予防にもつながると医師の澤田幸男さん。そこで今とるべき油の種類やとり方のコツについて詳しく伺います。管理栄養士・牧野直子さんによるアドバイスも。
教えてくれた2人の専門家
澤田幸男(さわだ・ゆきお)さん
澤田肝臓・消化器内科クリニック院長。兵庫医科大学卒業、同大学院医学研究科修了。共著に『腸が寿命を決める』(集英社新書)がある。
牧野直子(まきの・なおこ)さん
管理栄養士、料理研究家、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。著書に『野菜の栄養と食べ方まるわかりBOOK』(ワン・パブリッシング刊)などがある。
脳の約6割は脂質!いい油で脳の機能改善を
現在、店頭でさまざまな種類の油を見掛けます。「私たちが意識してとるべき油は、アマニ油やエゴマ油など“オメガ3系脂肪酸”の油。オメガ3系脂肪酸は、体でつくることができないので、食事でとる必要があります」と肝臓・消化器内科の医師・澤田幸男(さわだ・ゆきお)さん。
「オメガ3系の油をとると、体内でDHAやEPAという栄養素に変化し、動脈硬化の予防、脳機能の改善などが期待できます。また、脳の約6割が脂質でできているので、良質な油をとることは重要です」と澤田さんは言います。
DHAやEPAは魚に多く含まれますが、「魚は調理が手間、価格が高い、魚が苦手という方もいて、とりにくい場合があります。そんなときはオメガ3系の油を上手にとりましょう」と管理栄養士で料理研究家の牧野直子(まきの・なおこ)さん。
50代60代がとるべき3つの油とは?
体内でDHAやEPAに変わるオメガ3系のオイルは、脳、血管の老化防止に効果的と言われています。また、腸にいいとされているのはオメガ9系オイル。悪玉コレステロールを減少させる効果を期待できると言います。
特に50代60代がとるべき油は下記の3種類。
50代60代がとるべき油1:アマニ油
アマニ油とは、亜麻の種子から抽出される植物油。アマニ油には、体内でDHAやEPAといった栄養素に変化する必須脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)が多く含まれ、動脈硬化のリスクを低減、血流や脳機能の改善、免疫力向上などの効果が期待できます。
50代60代がとるべき油2:エゴマ油
エゴマ油とは、シソ科のエゴマの種子から抽出される植物油。アマニ油と同様、必須脂肪酸(オメガ3系脂肪酸)が多く含まれます。アマニ油もエゴマ油も熱に弱いため、基本的に生でいただくのがおすすめ。温かい料理に加えるのは問題ありません。
50代60代がとるべき油3:オリーブ油
オリーブ油は、オリーブの果実から得られる植物油。オレイン酸(オメガ9系脂肪酸)が多く含まれ、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールは減らさない働きがあります。腸の働きをよくして便秘を予防、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞・高血圧など生活習慣病の予防にも。加熱調理にもおすすめです。
賢い油のとり方!知っておくべき新常識3
新常識1:魚を食べない日はオメガ3系の油を足せばOK!
DHAやEPAは、マグロ(トロ)やイワシ、ブリ、サンマといった青魚に多く含まれています。魚を食べない日が続いているときは、特にオメガ3系の油を食事に取り入れましょう。
新常識2:1日合計20g(小さじ5杯)が目安。オメガ3系の油は、小さじ1杯!
サラダ油などの調理油を含めて、1日で調理などに使う油の量の目安は小さじ5杯(合計20g)。オメガ3系の油は、小さじ1杯(4g)を目安に、飲み物や食事に取り入れましょう。
新常識3:オメガ6系の油は、実はとり過ぎ。減らすことを意識して!
オメガ6系油とは……
- サラダ油
- コーン油
- 紅花油
- ゴマ油
など
サラダ油や紅花油など私たちになじみのある油は、リノール酸を多く含むオメガ6系の油。食材をサラダ油で炒めたり、外食で洋食メニューを頼んだりするとオメガ6系の油の摂取量が多くなりがち。
オメガ6系とオメガ3系の摂取量の理想は2:1。オメガ3を小さじ1でもとるとバランスがよくなります。
油は適度にとった方がいいですが、とり過ぎは禁物。そこで次回は、おいしく、無理なくできる油のとり方について詳しく教えてもらいます。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
取材・文=野田有香(ハルメク編集部) イラストレーション=田渕正敏
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年10号を再編集し、掲載しています。
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