- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 健康
- あなたは大丈夫?命にかかわる病気「便秘」度チェック
「便秘は万病のもと」と消化器内科の専門医 中島淳さんは言います。慢性的な便秘は心筋梗塞などの病気を招き、不快なだけではなく命にもかかわるんだとか! まずは、便秘症セルフチェックをしてみましょう。症状が軽いうちからケアをすることが大切です。
私って便秘?こんな便のお悩みありませんか?
「お通じが最近あまりない」「トイレに行ってもスッキリしない」など、下記のような便の悩みはありませんか?
- 3日に1回くらいしか、お通じがない
- 便が硬くて、出すのにひと苦労
- 毎日出てはいるけど、コロコロ便がちょっとだけ
- 排便後もなんだかスッキリしない
- 若い頃は快便だったのに、最近どうも便秘気味
上記に心当たりがある方は便秘の可能性大!「便秘対策は、あれ?と思ったら恥ずかしがらずに早めにするのが効果的です」と便秘に詳しい横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室主任教授の中島淳さんは言います。
そこで今回は、便秘の原因と危険性を知り、便秘のセルフチェックをしていきます。
便ができるまでの腸の働き
便は大腸でつくられ、蠕動(ぜんどう)運動により直腸に送られます。
食べたものは小腸で栄養素を吸収された後、大腸へ。大腸はいわば便の製造工場。液状の内容物が徐々に水分を吸収され、こね固められて便となります。
便は、腸が大きく動く「大蠕動」によって直腸に運ばれ、便意が生じます。
この大腸でのいずれかの働きが不十分なことで、本来、体外に出すべき便を十分量、かつ快適に排出できない状態を「便秘」といいます。
毎日出ていても「便秘症」?
便秘というと排便回数が減ることと思いがちですが、実は毎日出ていても便秘の場合があります。中島さんは、こう説明します。
「便秘には大きく2つのタイプがあります。排便回数が週に3回未満になる"排便回数減少型"と、便が硬くて強くいきむ、なかなか出なくて時間がかかるといった"排便困難型"です。両方に当てはまる方も多いですね」
つまり、2日に1回でもスッキリ出ていれば便秘ではないし、逆に毎日出ていても排便困難や残便感があるなら立派な便秘というわけです。
50代以降、便秘になる人は増加する
便秘は若い年代では圧倒的に女性に多いですが、加齢に伴って男女ともに増加します。
60代から増え始め、特に70代以降は急増して、男女比がほぼ同じに。若い頃は便秘と無縁だった人も発症しやすくなります。
主な原因は、加齢に伴う大腸の機能低下。大腸の動きが悪くなって便を直腸にまで送る働きが弱くなったり、直腸の知覚が鈍感になって便意を感じにくくなったりします。
もちろん、食事や運動、睡眠、ストレスといった生活習慣も大いに関係します。
「最近、50代以上の女性では、コロナ禍での運動不足や環境変化によるストレスから、便秘が悪化する傾向が見られます。また、この年代になると大腸がんも心配ですね。最近、どういうわけか急に便秘になったという方は、ぜひ受診して検査を受けましょう」と中島さん。
実は命にもかかわる「便秘症」
従来は「たかが便秘」といわれてきましたが、実は便秘は命にも関わる病気だということが近年、わかってきました。排便時のいきみで血圧が急上昇し、心筋梗塞や脳卒中を招くことがあるのです。
「若い方はトイレでいきんでもそれほど血圧が上がりませんが、年をとると動脈硬化が進んでいますから、血圧が跳ね上がります。実際、トイレで倒れて救急車を要請するケースも少なくなく、便秘の人はそうでない人より心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクが高いという報告も。
また、便秘だと慢性腎臓病(CKD)の発症率も上がります。まさに便秘は万病のもとです」と中島さんは警鐘を鳴らします。
あなたは大丈夫?便秘症セルフチェック
2017年に日本初の『慢性便秘症診療ガイドライン』が作成され、便秘は「本来、体外に出すべき便を十分量、かつ快適に排出できない状態」と定義されました。
さて、あなたは大丈夫ですか? まずは下のチェック表で便秘かどうか、確認してみましょう。
- 強くいきまないと出ない
- 便が硬い、ウサギのフンのようにコロコロ
- 排便後も残便感がある
- お尻の穴が詰まった感じや便の出にくさ(排便困難感)がある
- なかなか出ないので、指で便をかき出す必要がある
- 薬を使わないと2日以上便が出ない
排便の4回に1回以上の頻度で上の2項目以上に該当する場合、「便秘症」と診断されます。
若い頃から便秘だった人も、そうでなかった人も、50代以降は便秘問題がさらに身近になってきます。恥ずかしがらずに、症状が軽いうちからケアを始めましょう。
次回からは、お通じをよくする「食べる腸活習慣」と日常生活の中で実践したい「生活と動きの腸活習慣」を紹介します。
教えてくれたのは中島淳(なかじま・あつし)さん
中島 淳(なかじま・あつし)さん
横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室主任教授。1989年、大阪大学医学部卒業。東京大学医学部第三内科、米ハーバード大学客員研究員などを経て、2014年から現職。『慢性便秘症 診療ガイドライン2017』の作成にも携わる。著書は『寿命の9割は「便」で決まる』(SB新書)など。
取材・文=佐田節子 イラストレーション=achaca
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年7月号を再編集し、掲載しています。
■もっと知りたい■
■最新・腸活習慣で便秘にさよなら!■
1.あなたは大丈夫?命にかかわる病気「便秘」度チェック ←今ココ!
2.腸の働きを活発にする食べ物&食べ方6選
3.スッキリ便が出る体質に変わる!腸活にいい生活習慣6
4.便秘をこじらせる前に!市販薬と処方薬の賢い活用法
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
値上がりを実感したものは何ですか
最近、なんでもかんでも値上がりですねえ。皆さん、値上がりを実感したものは何ですか? 私は電気料金が去年より1.5倍ぐらいになっていて驚きました。あと、よく飲んでいるコーヒーも3割ぐらい値上がりしていて困りました・・・
締切済み ベストアンサー2023.02.22 -
がんとともに生きるの映画を見逃してしまいました。
がんと共に生きるの映画を見逃してしまいました。白内障と 緑内障で眼科に通っております。見れるうちに見ておきたいとおもいまして 投稿させて頂きました。がんサバイバーとして今後の参考にさせて頂ければ とおもいます。よろしくお願いいたします。
締切済み2022.12.24 -
室内での日焼け対策は本当に必要ですか
日焼け対策という観点から、在宅時にレースのカーテンを閉める必要は本当にありますか。 直射日光が入ってなくても、紫外線は入ってきます。 UVカット素材のレースのカーテンもあります。 閉めたほうが紫外線が室内に入る量が減り日焼け対策になります。 皮膚ガンの可能性が少しでも下がります。 他にもメリットはあるでしょう。 前提: ・防犯の観点、外から見える、鳥がぶつかる、などの、日焼け以外の理由は今回除去してください。5階以上で外からは見えません。 ・直射日光は当たりません。 ・日焼けの観点から、本当に必要かどうか、でお願いします。 開ける派は、「閉めると暗い、閉めて電灯を点けるのと自然光は違う、開いていたほうが開放的」というのがあると思います。 閉める派は、「日焼けする、少しでも日焼けを抑えられる」というのがあると思います。 「人間は日焼け対策のためいつもレースのカーテンを閉めておく必要があるのか」という点についてどうでしょうか。 しかし、わたし個人としては、少々(人によって何が少々かという判断は異なりますが)日焼けしても、そこまでしてレースのカーテンを閉めて部屋を暗くする必要なないと感じています。ずっと薄暗いほうが、電灯をつけていても、精神的にまいりそうです。 (こういうと、他の方法で気分転換しましょうとか、いろいろご意見もあると思いますが・・・) 何が何でも日焼けを抑える、日焼けがいやだ、という方もおられるでしょう。 みなさんはいかがですか。
締切済み ベストアンサー2022.05.26 -
切れ毛、頭皮に良いシャンプートリートメント
45歳、主婦です。5年前くらいから、髪の痛みが激しくて悩んでいます。それまでは、誰からも綺麗だねと言われるほどだったのですが…… カラー(3年前からは白髪染め)は2ヶ月に1度くらい美容院に行ってます。パーマは20年くらいかけてません。 特にひどいのは切れ毛です。 色々調べて、食生活を気をつけたり、集中ケアやインバス、アウトバストリートメントも何年も続けています。 ケラスターゼ、ミルボルン、ルベル、モゴプレミアム、NMF原液トリートメント、イオニート、アミノミックス、DHCなども過去に続けてみましたが、特に変わらず…今のところ、アウトバスのモロッカンオイルがまとまりやすいので続けてます。 現在イリュージョニストのシャンプートリートメントを使っていますが、手に入りにくく、かなり高価なので、他のものを探しています。 おすすめの集中ケア、シャンプー、トリートメント、を教えていただきたいです。 宜しくお願い致します。
締切済み2022.05.13
-
短時間で認知症リスク減
認知機能の維持・向上効果がある「コグニサイズ」をご存知ですか?現在、詳しいやり方を公開中★ぜひチャレンジしてみましょう! -
急な尿意に焦らない!
眠りから目覚めた瞬間の強い尿意。夜~朝にかけての尿モレ不安に悩む方に知ってほしい「対策」は… -
ひざの違和感 早めの対策
ハルメク世代は「階段の上り下り」に不安を抱える人が多くなります。「ひざ関節の違和感」の軽減をサポートする成分を毎日の生活に取り入れてみませんか? -
長引く咳、放置はキケン!
「肺NTM症」という病気が近年ハルメク世代で急増しているのをご存じですか?風邪と似た症状が3週間以上続く人は感染している可能性が… -
別格のおいしさ“超軟水”
「奇跡の水」とも言われる『富士山の源流水』。今回、水にこだわりのあるハルトモさんが1週間お試し。さて、そのご感想は? -
画期的エンディングノート
いつでも書き直しのできるエンディングノートなら気軽に始められそう!買ってきても置いてあるだけのノートはもう卒業! -
60日で学べる簡単英会話
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
その聞き間違い、難聴かも
【2分で簡単!聞こえレベル診断も】脳や心の健康、生活の質にも影響を与える「聞こえ」。予防や対策をお医者さんが解説! -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
クーポン進呈!尿モレ対策
ハルメク読者の約8割が「不安」な尿モレ。その対策に、注目の「夜~朝専用」吸水パッドをご紹介。特別クーポンも進呈! -
シミを増やさない「鉄則」
秋は、夏に浴びた紫外線ダメージが表面化してくる季節。シミを増やさないために「今」絶対やるべき3つの対策とは