生理が早まる、少ない、長引くのは…更年期のせい?

更年期と生理の関係性。 月経異常の対処法とは?

公開日:2020/11/04

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更年期の生理にはさまざまな変化があります。「生理周期が短くなる」「生理が長引く」「経血量が少ない」をはじめ、更年期にはどのような生理不順が起こるのか、月経異常の対処法とともに解説していきましょう。

更年期の月経異常はなぜ起こる?
更年期の月経異常はなぜ起こる?

更年期とは閉経前後の10年間のこと。始まる年代はいつ?

更年期とは、一般的に閉経前後の5年間ずつの10年間のことを指します。更年期とはいつから始まり、どういった状態で起きるのでしょうか。

更年期の開始時期は個人差があります!多くの場合40代半ば頃から始まります。

日本人の閉経時期の平均は50歳前後で、閉経前後の約5年ずつが更年期となりますから、40代半ば~50代半ばの約10年間が更年期世代にあたります。

ただし、閉経時期には個人差がありますので、30代半ばから始まる人もいれば、50代半ばからという人もいます。30代で更年期を迎える方は「早発閉経」になり、早期の医療介入が必要になります。

更年期が起きる原因とメカニズム

なぜ更年期が訪れるのでしょうか? それには女性ホルモンが大きく関わっています。女性ホルモンには、卵巣から分泌され、女性らしい体をつくる「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と、乳腺や子宮に作用する「黄体ホルモン(プロゲステロン)」があります。この女性ホルモンは脳の指令によって分泌されますが、閉経時期前後になると、脳の指令に対し、卵巣が正常に反応せず、卵胞の消失や排卵の停止など卵巣機能が低下するため、分泌量が減少するのです。

女性ホルモンが上手く出せなくなった結果、当然ホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れます。それによって起こるのが「更年期障害の症状」です。更年期障害の症状の主なものには、のぼせやほてりなどの「ホットフラッシュ」や、頭痛、イライラ、うつ状態、不眠、など多岐にわたります。

また、更年期に入ったサインの一つとして、月経周期や経血量などの乱れも起こります。これは、卵巣機能の低下により、ホルモン分泌が不安定になるためです。経血量が増加したり、逆に経血量が極少量になったり月経期以外でダラダラと不正出血が起きたりします。

更年期は女性の誰もが迎えるものです。更年期障害の症状が現れたとしても、「自分だけどうして……」と不安になることはありません。きちんと正しい知識を持って、向き合っていくことが大切なのです。

プレ更年期とは?本格的な更年期を迎える前の不調期

更年期とは?

本格的な更年期が始まる前の「プレ更年期」というものも多く聞かれるようになりました。この項では、プレ更年期が始まる年代や原因、メカニズムをご紹介します。

プレ更年期が始まる年代は?

プレ更年期は、30代後半あたりから始まるのが一般的です。本格的な更年期を迎える40代半ば頃まで続きます。閉経は50歳前後とまだまだ先ですが、この頃になると、閉経に向けて女性ホルモンの分泌量が徐々に減っていきます。

プレ更年期の原因とメカニズム

プレ更年期の原因も、女性ホルモンの分泌に大きく関わっています。女性ホルモンは、肌や骨、血管、脳など、女性の体づくりに欠かせないホルモンですが、30代後半あたりから減少することにより、更年期症状に似た心と体の不調や、月経不順、経血量の減少が起こります。

月経異常は更年期のサイン⁉どのような生理不順が起こる?

月経異常

更年期の目安となるのが生理の変化です。更年期に入ると、最初のうちは生理周期が短くなり頻繁に起こるようになります。しばらくすると生理周期が長くなって生理の回数が減っていき、やがて生理がなくなって閉経(最後の生理から1年間生理がないこと)となります。

更年期により、生理周期や経血量にどのような変化が起こるのかを解説しますので、チェックしながら見てみてください。

更年期の生理不順チェックシート

  • 生理周期が長くなる
  • 生理周期が短くなる
  • 経血量が多い
  • 経血量が少ない
  • 出血がダラダラと長引く(止まらない)
  • 出血する期間が短い
  • レバー状など、血の塊が出る
  • 月経期間ではないのに、出血する

【更年期の生理異常1】頻発月経とは?生理がたびたび起こる

頻発月経とは生理不順の一つで、生理周期がいつもよりも短くなり(24日以下)、生理の回数が多くなることをいいます。これは、更年期と思春期によく見られる月経不順です。

頻発月経が起こる原因は、以下の3つなどが考えられます。

  • 女性ホルモンの分泌バランスが乱れ、卵巣刺激ホルモンが過剰に分泌されるため、卵子が排卵するまでの期間(卵胞期)が短くなる
  • 女性ホルモンや卵巣刺激ホルモンの分泌異常やストレスなどにより、黄体期(排卵から生理が始まるまでの期間)が短くなるため
  • 卵胞がうまく育たないなどの原因により、排卵がない(無排卵周期症)

【更年期の生理異常2】不正出血とは?月経期以外の出血

不正出血は、月経期間中以外のときに性器から出血することです。不正出血では、鮮血や茶色っぽい血が出たり、おりものに血が混じったりする場合があります。

不正出血の原因は、ホルモンバランスの乱れや子宮や卵巣の病気などが考えられます。子宮頸がんや子宮体がん、卵巣腫瘍といった重大な病気の可能性もあるので、不正出血が長引く場合は婦人科を受診するようにしましょう。また、がんの早期発見のためにも、無症状でも年に1回のがん検診を受けることが大切です。

【更年期の生理異常3】稀発月経とは?月経周期が長くなる

稀発月経は、生理周期が39日以上と長くなることです。症状の現れ方としては、いつもの生理周期が急に長くなったり、緩やかに長くなったり、また以前の周期に戻ったりを繰り返す場合があります。

原因は、卵巣機能の働きが低下し、女性ホルモンの分泌量が乱れていることと考えられています。

【更年期の生理異常4】過長月経とは?月経が長引く

過長月経は、8日以上だらだらと出血が長引く生理のことです。視床下部、脳下垂体、卵巣などに異常があり、無排卵周期になっていたり、黄体ホルモンの分泌が十分ではなかったりすることが原因と考えられます。また、子宮筋腫など子宮の病気の可能性もあります。

【更年期の生理異常5】過多月経とは?経血量が多くなる

過多月経は、経血量が異常に多いことをいいます。症状としては、出血量が増えたり、レバー状の血の塊のような経血が出たり、生理痛がひどいなどです。一時間おきにナプキンを変えないと間に合わない、日中も夜用のナプキンをしている、またはタンポンとナプキンの併用が必要という方は、過多月経と判断してよいでしょう。慢性的な過多月経になり、重症貧血に陥っても気が付かないことなどもみられます。更年期世代は子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症など女性ホルモンに関係する疾患が見つかりやすいので、注意が必要です。

【更年期の生理異常6】過短月経・過少月経とは?期間や出血量が減る

過長月経とは反対に、2日以内で終わる短い生理を「過短月経」といいます。この過短月経のときに併発するのが「過少月経」です。過少月経は、経血量が異常に少ないことです。ナプキンにうっすら付く程度の経血であれば、過少月経と判断してもよいでしょう。

過短月経・過少月経の原因となっているのは、女性ホルモンの分泌量が少ないことから、子宮内膜が薄い、または子宮の発育不全、ストレスや過度なダイエットによるホルモン異常が原因として考えられます。月経はあっても排卵のない無排卵月経になっている場合も多く、長期間放置していると不妊の原因になるので、お子さんを希望されている場合は特に注意が必要です。

更年期の生理異常の対処法とは?

更年期による月経異常が起こった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。その方法をお伝えします。

更年期には、月経異常が起こりやすくなります。しかし、月経異常は子宮や卵巣などの病気のサインの可能性もあります。「更年期だから」と自己判断せず、月経異常が長引いたり、更年期特有の症状がつらい、不安があるのならば、婦人科を受診することをおすすめします。

【更年期月経異常の対処法1】基礎体温を測る

基礎体温を毎日測るようにすると、月経周期はもちろんのこと、排卵の機能の状態、閉経が近づいているのかどうかを読み取ることができます。また、婦人科を受診するときの診断基準にもなるのもメリットです。最近では、気軽にスマホのアプリでダウンロードできますので、婦人体温計という、基礎体温の変化をみるための体温計を購入し、日頃からチェックすることをおすすめします。

基礎体温は、低温期と呼ばれる体温が低いときと、高温期と呼ばれる黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用によって体温が高くなる時期が繰り返されます。これを二相性といい、月経周期(月経初日から次の月経開始日までの日数のこと)が28日であれば、低温期と高温期はそれぞれ2週間となります。基礎体温に低温期と高温期の区別がつかない場合、排卵が起きていない可能性があります。更年期が近づいてくると徐々に卵巣の機能が低下します。そうなると、低温期や高温期の周期が短くなり、頻発月経などが起こることがあります。

また、低温期と高温期の区別がつきにくいグラフになっているのであれば、閉経が近づいているサインです。ちなみに閉経後の一般的な基礎体温は、低温期のみが続きます。ただし、たまに排卵することもあり、「もう妊娠しない」と思って避妊せず性交に至ると、予期せぬ妊娠に至り、その選択に悩むこともあります。

【更年期月経異常の対処法2】生活を見直す

更年期の月経異常は日常の生活を見直すことも対処法となります。日常の生活で見直したい点には、下記のようなものがあります。

  • 質がよく、十分な睡眠をとる
  • 適度な運動を心掛ける
  • 偏った食事は避け、バランスのよい食事を目指す
  • 過度なダイエットはしない
  • 体を冷やさない
  • リラックスできる時間をつくる
  • ストレスを溜めないようにする
  • 大豆・大豆製品を積極的に取る
  • 鏡を見て、口角を上げて笑ってみる
  • 大好きな友人と会い、楽しい話をする
  • 心八分をめざす。完璧を求めない
  • なんでもいいので、心がときめくものを見つける

などがあります。これらは月経異常だけでなく、その他の更年期障害症状も和らげる作用がありますから、できることからやってみてください。

更年期の前後の月経異常は、女性なら誰にでも訪れます。月経周期が乱れてきたことに動揺せず、「更年期」は「幸年期=もっと幸せになる時期」とポジティブにとらえて心身の変化を受容し、この時期を乗り越えたら、もっと素敵な未来が待っていると思いたいですね。

更年期は、これまで家族や仕事のためにずっと走り続けた人生を、ゆっくりとした時間の中でふり返り、自分を見つめ直し、充電する時期かもしれません。訪れた心身の不調に対する診察、アドバイスを受けるためにも、ぜひかかりつけの信頼できる産婦人科医を見つけてください。更年期を迎えるすべての女性にエールを送ります!!

 

更年期について教えてくれたのは?

医療法人いぶき会 針間産婦人科院長 金子 法子


1989年川崎医科大学卒業後、同年山口大学産婦人科学教室入局。同大学病院、関連病院勤務を経て、1998年より実家である山口県宇部市の針間産婦人科副院長。2001年より現職。2016年第五回西予市おイネ賞全国奨励賞受賞。2017年山口県医師会功労賞受賞。日本産婦人科学会専門医。日本性感染症学会認定医。日本産婦人科学会女性のヘルスケアアドバイザー。敷居の低い産婦人科をモットーに、地域のかかりつけ医として、悩める全女性の良き相談相手となるべく、性教育や女性の健康教育の講演活動も精力的に行っている。二男一女の母でもある。

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