50代前後に気を付けたい女性の病気「子宮筋腫」1

貧血・過多月経なら要注意!子宮筋腫はどんな病気?

浅田弘法
監修者
新百合ヶ丘総合病院 産婦人科統括部長
浅田弘法

公開日:2022.03.05

更新日:2023.06.01

子宮筋腫は、すべての年齢を考慮すると50%以上の女性が発症するほど身近な良性の腫瘍です。閉経後は徐々に退縮しますが、現在貧血や過多月経で困っている人は、子宮筋腫かもしれません。子宮筋腫の種類や症状を専門医の浅田弘法さんに伺いました

取材・監修:浅田弘法さんのプロフィール

あさだ・ひろのり 新百合ヶ丘総合病院 産婦人科統括部長、内視鏡技術に優れた医師たちを率いる同病院低侵襲婦人科手術センター長。日本産科婦人科学会認定医、日本産科婦人科内視鏡学会理事・腹腔鏡技術認定医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会産婦人科指導医。神奈川・川崎市の新百合ケ丘総合病院は、腹腔鏡による手術数は国内トップクラス。

なぜ子宮筋腫ができるのか、原因は不明です 

なぜ子宮筋腫ができるのか、原因は不明です 

子宮筋腫は子宮の筋層(筋肉の中)にできる良性腫瘍です。婦人科の腫瘍の中で最も頻度が高いと言われ、30歳以上の女性の20~30%にみられます。子宮筋腫はすべての年齢を考慮すると50%以上の女性に発症するとも言われ、逆に、子宮筋腫だから病気であるということにはなりません。

なぜこのような“できもの”が子宮にできるのか、現段階では原因はわかっていません。卵巣から分泌される女性ホルモンが影響し、筋腫が発育することはわかっていますが、同じように女性ホルモンを分泌しているのに、筋腫ができやすい人、できにくい人がいるのはなぜかについても、明確にはわかっていないのです。

筋腫は良性の腫瘍ですから、悪性腫瘍のように無制限に増殖したり、他の臓器に転移することはありません。子宮の筋肉内にできる悪性腫瘍は子宮肉腫といいます。現在のMRIなどの画層診断で子宮筋腫と診断されている場合はほぼ確実に良性腫瘍であると推測されます。一方、画像診断で悪性の疑いがあったり、閉経期前後で急に大きさが大きくなる腫瘍は悪性疾患(肉腫)の可能性があり、早めの診断と治療が必要となります。

子宮筋腫の分類

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宇津木理恵子

東京生まれ。医学・健康専門のフリー取材記者。日本医学ジャーナリスト協会会員。医学書院(株)にて、婦人科専門誌『臨床婦人科産科』の編集制作などを担当、1982年に独立。以来、女性及び患者の立場から、医師への疑問に対する回答を、読者向けに平易に解説することを旨として執筆活動を行ってきた。

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