50代前後に気を付けたい女性の病気「子宮筋腫」1

貧血・過多月経なら要注意!子宮筋腫はどんな病気?

浅田弘法
監修者
新百合ヶ丘総合病院 産婦人科統括部長
浅田弘法

公開日:2022.03.05

更新日:2024.02.27

50%以上の女性が発症すると言われ、身近な良性の腫瘍「子宮筋腫」。ただ、80~90%は、子宮がん検診などで発見されるまで気付かないことが多いようです。貧血や過多月経で困っている人は、子宮筋腫かもしれません。子宮筋腫の種類や症状を解説します。

なぜ子宮筋腫ができるのか、原因は不明

なぜ子宮筋腫ができるのか、原因は不明です 

子宮筋腫は子宮の筋層(筋肉の中)にできる良性腫瘍です。婦人科の腫瘍の中で最も頻度が高いと言われ、30歳以上の女性の20~30%にみられます。子宮筋腫はすべての年齢を考慮すると50%以上の女性に発症するとも言われ、逆に、子宮筋腫だから病気であるということにはなりません。

なぜこのような“できもの”が子宮にできるのか、現段階では原因はわかっていません。卵巣から分泌される女性ホルモンが影響し、筋腫が発育することはわかっていますが、同じように女性ホルモンを分泌しているのに、筋腫ができやすい人、できにくい人がいるのはなぜかについても、明確にはわかっていないのです。

筋腫は良性の腫瘍ですから、悪性腫瘍のように無制限に増殖したり、他の臓器に転移することはありません。子宮の筋肉内にできる悪性腫瘍は子宮肉腫といいます。現在のMRIなどの画層診断で子宮筋腫と診断されている場合はほぼ確実に良性腫瘍であると推測されます。一方、画像診断で悪性の疑いがあったり、閉経期前後で急に大きさが大きくなる腫瘍は悪性疾患(肉腫)の可能性があり、早めの診断と治療が必要となります。

子宮筋腫の分類

子宮筋腫の分類

子宮筋腫は一般に複数個できることが多く、子宮筋腫が発生する場所によって3つに分類されます。最も多発しやすいのが、子宮の筋肉の中にで...

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宇津木理恵子

東京生まれ。医学・健康専門のフリー取材記者。日本医学ジャーナリスト協会会員。医学書院(株)にて、婦人科専門誌『臨床婦人科産科』の編集制作などを担当、1982年に独立。以来、女性及び患者の立場から、医師への疑問に対する回答を、読者向けに平易に解説することを旨として執筆活動を行ってきた。

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