子宮筋腫はどう治療する?閉経後に気を付けたい病気も

公開日:2022年03月05日

50代前後に気を付けたい女性の病気「子宮筋腫」2

子宮筋腫はどう治療する?閉経後に気を付けたい病気も

子宮筋腫はどう治療する?閉経後に気を付けたい病気も

浅田弘法
監修者
浅田弘法
監修者 浅田弘法 新百合ヶ丘総合病院 産婦人科統括部長

前回は、女性特有の病気「子宮筋腫」の症状について解説しました。では、症状がなかなか改善しない場合、どのような治療方法があるのでしょうか。閉経後、腫瘍が大きくなったら気を付けたい病気についてもお伝えします。

取材・監修:浅田弘法さんのプロフィール

あさだ・ひろのり 新百合ヶ丘総合病院 産婦人科統括部長、内視鏡技術に優れた医師たちを率いる同病院低侵襲婦人科手術センター長。日本産科婦人科学会認定医、日本産科婦人科内視鏡学会理事・腹腔鏡技術認定医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会産婦人科指導医。神奈川・川崎市の新百合ケ丘総合病院は、腹腔鏡による手術数は国内トップクラス。

子宮筋腫の治療法

子宮筋腫の治療法

前回は子宮筋腫の症状についてお伝えしました。子宮筋腫は良性の病気ですから、日常生活上、不便を感じない場合は治療の必要はないでしょう。しかし、つらい症状が続いた場合、自分の子宮筋腫にはどの治療法が適応となるのか、医師とよく相談し、納得した上で治療を受けることが大切です。

薬物療法

子宮筋腫を根本的に治す薬は今のところありません。しかし、薬で子宮筋腫を小さくする、出血や疼痛などの症状を軽減する などの効果は期待できます。治療には抗エストロゲン薬を使い、月経を止める偽閉経療法が行われます。

この療法は更年期症状が発生し、また長期使用により骨粗鬆症になるリスクがあり、半年以上の長期の投与はできません。また、治療を中止すると、2~3か月で子宮筋腫が元の大きさに戻ってしまいます。そのため閉経が近い年齢で、一時的な治療として行われるか、手術前に子宮筋腫を小さくする目的での一時的な使用が一般的です。低用量ピル(経口避妊薬)の使用によって、過多月経や月経困難症の症状の軽減も可能ですが、ピルには子宮筋腫縮小の治療効果はありません。


日本人女性の平均的な閉経年齢は50.5歳です。個人差があり40代で閉経する人もいれば、56〜57歳ぐらいまで月経がある人もいます。閉経年齢に近い方は、薬物療法を受けながら、自然に筋腫が退縮するのを待つことも選択肢の一つといえるでしょう。

UAE(子宮動脈塞栓術)

子宮に酸素や栄養を運ぶ血管内に塞栓物質を混ぜた造影剤を注入し、筋腫の血流を止め、筋腫を縮小させる療法がUAE(子宮動脈塞栓術)です。子宮筋腫の縮小効果はあり、腹部に傷がつかない治療であるメリットがあります。一方、変性した筋腫が残ることによる症状(不正出血や変性筋腫の排出)が継続することもあります。

UAEを適応できないケースもあります。子宮の悪性疾患は適応外ですので、事前に子宮がん検診を受けることは必要です。また、骨盤内に感染症がある、造影剤にアレルギーがある、腎機能障害がある、などの人は受けられません。また、妊娠を希望されている場合は、一般的にUAEは適応となりません。子宮への血流を少なくする治療のため、UAE治療後には妊娠・出産に関わるトラブルが増加するリスクが指摘されています。

手術療法

筋腫を根本から治療できる唯一の治療法が手術療法です。手術には...

宇津木理恵子
宇津木理恵子

東京生まれ。医学・健康専門のフリー取材記者。日本医学ジャーナリスト協会会員。医学書院(株)にて、婦人科専門誌『臨床婦人科産科』の編集制作などを担当、1982年に独立。以来、女性及び患者の立場から、医師への疑問に対する回答を、読者向けに平易に解説することを旨として執筆活動を行ってきた。

みんなの コメント
ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

驚きの軽さ&使いやすさ!

1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール
1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール

足の爪が切りづらい方必見!医師監修「正しい爪の切り方」

足の爪が切りづらい方必見!

年齢とともに爪の形が変化し、「足の爪が切りづらい」「爪が巻いてきてどう切ればいいか分からない」と悩んでいませんか?トラブルを防ぐための正しい爪のケア方法を専門家に伺いました。

2025.07.16
夏に暑い・冬に寒い部屋は 断熱窓リフォーム!

ハルメク読者がショールームで体験!

環境省「先進的窓リノベ2025事業」で、窓やドアのリフォームに最大200万円の補助金が!お得にリフォームできる断熱窓の重要性が分かるショールームを、読者が体験しました。さらに、実際にリフォームしたご自宅にも潜入します!

2025.07.10
あれっおまたが擦れる……?40代からのおしもの悩みチェックリスト

あれっおまたが擦れる……?

40代、最近デリケートゾーンが気になったり、尿モレが気になったりということはありませんか。実はそれ、単に年齢のせいではなく、更年期に向かい始めている1つのサインかもしれません。今回は早めに知っておきたい閉経前後の症状「GSM」を解説します。

2025.07.10
今、レンズを薄いカラーにするのがおしゃれ♪

今、レンズを薄いカラーにするのがおしゃれ

50代女性の紫外線対策は、メガネのレンズを「カラーレンズ」にするのがおすすめ!おしゃれ&機能的に、カラーレンズを選ぶコツを紹介します。

2025.06.24
【PR】自分の尿モレタイプはどれ? 簡易診断でチェック!

自分の尿モレタイプはどれ?

たまに尿モレがあっても、だましだまし過ごされている方も多いのでは? けれど一口に尿モレと言っても症状によってタイプはさまざま。そこで自身の尿モレのタイプがわかる簡易診断チャートをご紹介!

2025.06.10
【PR】巻き爪や外反母趾などの足悩み解消を目指せる「正しい歩き方」

巻き爪解消を目指せる「正しい歩き方」

間違った歩き方は足トラブルを招き、健康寿命に影響があることを知ってましたか?正しい歩き方と足トラブル対策を専門家が解説!

2025.05.12
健康への意識が高い人へのギフトにもぴったりなオリーブオイル

夏のギフトはオリーブオイルで差を付ける!

健康志向の高い人や料理好きの人に喜ばれるオリーブオイルは、贈り物にもぴったり。かけるだけでもリッチな気分になれる優れモノなんです。

2025.07.16
皮脂・メイク汚れに要注意!夏こそ眼鏡をメンテナンスしよう

眼鏡の皮脂汚れ気になる…

夏は汗や皮脂、メイク崩れなどで、いつもより眼鏡が汚れやすい季節。レンズやフレームの汚れを放っておくと、眼鏡の寿命が縮むことにもつながります!

2025.07.01
眼鏡愛好家の紫外線対策に!度付きサングラス・調光レンズを活用しよう

紫外線の量でレンズの色が変わる眼鏡!?

紫外線に反応して色の濃さが変わる調光レンズはこの季節にぴったり。屋外などではレンズカラーが濃くなり、紫外線が弱い屋内などではクリアに近くなります。

2025.07.01
更年期は気象病になりやすい?つらい症状を遠ざけるおすすめ対策3つ

更年期は気象病になりやすい?

雨が降ると頭痛やめまい、だるさなどの不調が起こる「気象病」。天気の変化によって起こる気象病は、実は更年期とも関わりがあると言われます。気象病のメカニズムや更年期との関係、つらい症状を和らげる対策について、医師の石原新菜さんに伺います。

2025.06.22
「ほったらかしの投資」~手軽に投資を始める・続ける方法

「投資は難しそう…」と思っている人は必見

興味があるけど自信がない人におすすめな、長期的に資金を積み立てていく「ほったらかしの投資」。家計をラクにする資産運用の方法が知りたい人はぜひチェック!

2025.06.02
【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金のこと、なんでも無料相談

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17