更年期症状は健康習慣で乗り切れる?

更年期に眠い原因は?眠気対策も紹介!

公開日:2021/02/23

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眠気を感じて、日中つらい……。もしかしたらそれは、更年期障害かもしれません。当記事では、眠気を感じやすくなるといわれる更年期障害の症状について解説します。また、更年期に感じる眠気対策や、過眠症を不安に感じた場合の対処法もご紹介しています。

更年期に眠い原因は?眠気対策も紹介!
更年期に眠い原因は?眠気対策も紹介!

その眠気、更年期障害の症状かも?

今まで、しっかり眠れていたのに、急によく眠れなくなった。睡眠が浅くなった気がする。それは、更年期障害が原因かもしれません。

更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間、つまり閉経をはさんだ合計10年間のことを指します。閉経は一般的には50歳前後とされていますので、45歳〜55歳くらいの時期が更年期と考えられます。更年期には、女性の体にさまざまな変化が生まれます。この変化に伴う不調やトラブルを総称して「更年期障害」と呼びます。

更年期障害の原因は?

更年期障害の原因は、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少です。エストロゲンは卵巣から分泌されますが、加齢とともにその分泌量は減少します。

また、女性ホルモンの分泌は、脳の「視床下部(ししょうかぶ)」がコントロールしているのですが、卵巣からの分泌が急激に減ると、視床下部はそれにうまく対応できず、卵巣に対して女性ホルモンの分泌を促す指令を出します。

その結果、視床下部、つまり脳の指令と、卵巣、つまり体の機能のバランスが崩れてしまい、自律神経のバランスなども乱れてしまいます。これが更年期障害の原因と考えられています。

更年期障害の主な症状

更年期障害とは、いわば脳と体のバランスの乱れ。ですので、具体的にあらわれてくる症状は人によってさまざまなものになります。

身体的な症状

のぼせ、顔のほてり、疲労感、頭痛、発汗、動悸、息切れ、めまい、不眠など

精神的な症状

不安感、イライラ、無気力感など

更年期に眠気を感じやすくなるのはなぜ?

更年期に眠気を感じやすくなるのはなぜ?

更年期には、ホルモンバランスの変化から体にさまざまなトラブルが起きることがあります。その1つが、眠気です。更年期になると昼間でも強い眠気を感じやすくなることがあります。

【更年期に眠くなる原因1】のぼせや発汗といった更年期障害の症状が原因

女性は思春期に女性ホルモン「エストロゲン」が急激に増え、更年期になると急激に低下します。女性ホルモンの低下に伴う体の不調が「更年期障害」です。更年期障害は、のぼせ、動悸や息切れ、発汗、頭痛、めまいなど、さまざまな症状が現れますが、睡眠前や睡眠中にこうした症状が出ると、夜、よく眠れず、昼間に強い眠気を感じてしまうことがあります。

【更年期に眠くなる原因2】更年期障害の疲れ、だるさ、倦怠感

更年期障害でよく眠れないことのほかに、だるさや倦怠感などから、眠気を感じやすくなることもあります。

【更年期に眠くなる原因3】更年期障害の精神的な影響

女性ホルモンの急激な減少は、女性の体はもちろん、心にも大きな影響を与えます。なぜだかイライラしたり、急に不安になったり、夜眠れなくなったり。精神的に不安定になることから不眠になり、昼間、眠気を感じやすくなることがあります。

【更年期に眠くなる原因4】加齢による、ノンレム睡眠の減少

特に更年期障害の症状が現れていないのに、昼間、強い眠気を感じやすくなることもあります。その場合は、加齢によるノンレム睡眠の減少が原因かもしれません。

睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があり、睡眠中はこの2つを繰り返しています。レム睡眠では、体は休んでいるものの脳が活発に動いています。睡眠中に脳は記憶の整理をしているからです。

一方、ノンレム睡眠は脳も休んでいる、いわば「深い眠り」です。ノンレム睡眠は、眠りの深さによって、3段階、もしくは4段階のレベルにわけられますが、加齢とともに深い眠りは減るとされています。

つまり加齢によって夜の眠りが浅くなっているため、日中、眠気を感じてしまうのです。

【更年期に眠くなる原因5】睡眠時無呼吸症候群など、他の病気

更年期障害や加齢以外にも、他の病気が原因で十分な睡眠が取れず、日中、眠くなってしまうことがあります。例えば、睡眠中に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群は、深い眠りが取れなくなり、昼間に強い眠気を感じることがあります。いびきがでる、いくら寝ても眠い、夜中に何度も目が覚める、起床時に頭痛がする、口が乾くなどの症状があり、更年期の時期が睡眠時無呼吸症候群の起こりやすい時期ですので注意が必要です。

更年期に感じる眠気対策とは?

更年期に感じる眠気対策とは

突然襲ってくる昼間の眠気にどのように対応すればいいのでしょうか。対策をまとめてみました。

【更年期の眠気対策1】規則正しい生活リズム・健康習慣をつくる

まずは規則正しい生活リズムや健康習慣を作ることが第一です。同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにし、体の体内時計を整えましょう。

私たちの体には1日周期で動く体内時計があります。体内時計のおかげで、昼間、活動状態にあった体は、夜、休息状態に変わります。体内時計が乱れると、寝つきが悪くなったり、朝スムーズに起きれなくなります。

体内時計は朝、光を浴びるとリセットされます。朝起きたら、カーテンを開け、朝日を部屋の中に取り入れましょう。その他にも、

  • 朝食をしっかり取る
  • 運動習慣を身につける
  • 夕食は寝る2時間前までに済ませる
  • 寝る前にテレビやスマートフォンを見ないようにする

など、生活リズムを整え、健康習慣を作るようにしましょう。

【更年期の眠気対策2】食生活の見直し

昼間の眠気対策には、食生活の見直しも大切です。睡眠には、脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン「メラトニン」がかかわっています。「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンは、朝、目が覚めてから14〜16時間くらいで分泌され、体を眠りに導きます。また、朝、光を浴びると、メラトニンの分泌が止まります。

朝起きたあとに光を浴びると体内時計がリセットされることには、このメラトニンの働きがかかわっています。

実はこのメラトニンは加齢とともに分泌が減ってしまいます。加齢とともに朝早く目が覚めるようになるのは、メラトニンが減ってしまうためと考えられています。

朝食をしっかり取ると、生活リズムを整えることに役立ちます。また、毎朝メラトニンの分泌に欠かせないトリプトファンを多く含む食事を取ると、さらに効果的です。

トリプトファンは大豆製品(味噌・納豆・豆腐など)、乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)、卵、バナナなどに多く含まれています。

食生活、特に朝食を見直すことは、一石二鳥の効果があります。

【更年期の眠気対策3】睡眠環境を整える

ぐっすり眠れない、寝つきが悪いという方は、睡眠環境を見直してみましょう。例えば、部屋の明るさ、音、温度や湿度は、よく眠れる環境になっているでしょうか。外の明かりが気になるという方は遮光カーテンなどを使ってみてください。暗いところで眠ると、メラトニンの分泌も促進されます。音は対策が難しい面もありますが、できるだけ静かな環境を整えてください。

温度や湿度には、寝具も関係してきます。寝具の環境を「寝床内環境」といいますが、寝床内環境は、温度は33℃(±1℃)、湿度は50%(±5%)が適切とされています。寝床内環境を整えるために、寝具は保温性、吸湿性、放湿性のいいものを選ぶようにしましょう。

■枕
枕は高すぎても低すぎても、首や肩に負担がかかります。体に合った、安定感のある枕を選びましょう。

■マットレス、敷布団
マットレスや敷布団は、適度な硬さが必要です。背中や腰が沈みすぎず、背骨がS字カーブを描くものを選びます。

■掛ふとん
掛ふとんは、保温性はもちろん、睡眠中の汗を吸収して放出してくれるものがいいでしょう。さらに軽くて、フィット感のあるものを選ぶと、睡眠中の寝返りも楽にできるようになります。

お気に入りの寝具をずっと使っているという方も、睡眠の質に問題がある場合は、寝具を一度見直してみてください。

【更年期の眠気対策4】就寝1時間前までに入浴する

入浴は寝る時間の1〜2時間くらい前に入るようにします。お風呂の温度は少しぬるめ(40℃程度)に。ぬるめのお風呂でリラックスすると、寝つきもよくなります。

また私たちの体は、眠るときには体温、特に体の奥の体温が下がります。お風呂に入って体の奥の体温を上げておくと、お風呂から出たあとに徐々に体の奥の体温が下がっていき、体が眠る状態になります。

熱いお風呂に入ると、体はリラックスできないばかりか、入浴時間が短くなるため、体の奥の体温があまり上がらず、睡眠に向けてうまく体温が下がらなくなってしまいます。

加齢?病気?不安なときは病院の受診を

これまでの症状を改善するのに、病院やクリニックで相談することも重要です。更年期症状には、ホルモン剤や漢方、プラセンタ注射などがありますので、更年期症状の治療を行うことで眠気が改善することもあります。かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

ここまでは、更年期が原因となる眠気や睡眠トラブルについてご紹介してきましたが、昼間の強い眠気は、加齢や更年期ではなく、他の病気が原因になっていることもあります。

過眠症とは?

過眠症は、夜、しっかり睡眠を取っているにもかかわらず、昼間、強い眠気を感じ、起きていられない状態になるものです。仕事中でも突然、眠ってしまい、日常生活に支障をきたします。

過眠症の症状

昼間に強い眠気に襲われ、居眠りを繰り返します。過眠症のなかでもナルコレプシーと呼ばれるものは、笑ったり、怒ったりして感情が高ぶると突然力が入らなくなったり(情動脱力発作)、眠る前に幻覚を見たりすることもあるようです。

突発性過眠症もナルコレプシーと同じように強い眠気と居眠りを繰り返しますが、情動脱力発作はありません。

不安に感じたら医師に相談しよう

ナルコレプシーや突発性過眠症のほかに、いびきなどが原因で不眠になり、昼間、強い眠気を感じることもあります。

いずれにせよ、不安な場合や日常生活に支障が出ている場合は、早めに医師に相談してください。

今回は、更年期に起きる眠気や睡眠のトラブルについて見てきました。更年期は女性にとって避けて通ることはできません。更年期に不調やトラブルが起きる原因を知り、更年期と上手に付き合っていきましょう。

 

更年期の眠気対策について教えてくれたのは?

つづきレディスクリニック院長 吉岡 範人

1978年生まれ。千葉県出身。2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学。がんの研究に従事。2019年に事業を引き継ぐ形でつづきレディースクリニックの院長に就任。その後、自らの発案で訪問医療を新たにスタートさせるなど、枠に捉われない多角的な医療サービスを促進。大きな注目を集めている。

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