更年期

2024年06月24日

エストロゲンとプロゲステロンの違いを説明できますか

更年期|女性ホルモンが体にもたらす影響を知ろう

これから更年期を迎える人もまっただ中の人も、今までとは違う心と体の変化に戸惑っていることでしょう。なぜ更年期障害につながるような不調や症状が引き起こされるのか、女性ホルモンの基本的なメカニズムを知り、備えましょう。

女性を支える2つの女性ホルモン

私たちの体には約100種類以上のホルモンが存在し、全身のさまざまな機能をコントロールしています。女性ホルモンもその一つで、数あるホルモンのなかでも「命を守るホルモン」と呼ばれるほど重要な存在です。

というのも、女性の体には命を育み、出産するという役割があるからです。妊娠・出産はときに命の危険もあるほど、非常に大きな負担がかかります。そこで、女性の体を守るために女性ホルモンが働いているのです。

女性ホルモンに守られているのは、子宮や卵巣、乳房など妊娠・出産にかかわる臓器だけではありません。脳や心臓、血管、骨、皮膚など、あらゆる臓器が女性ホルモンに守られています。女性ホルモンが十分に分泌されている間は、男性よりも心臓発作や脳卒中を起こす危険が少ないのはこのためです。

このように女性の体を守ってくれる女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの種類があります。

プロゲステロンとエストロゲンの関係性

更年期に影響するのはエストロゲンの分泌量

エストロゲンとプロゲステロンはどちらも卵巣から分泌されており、基本的には妊娠を助ける働きがあります。

女性は思春期になると初経を迎え、月経が始まるようになりますが、この月経の周期をつくっているがエストロゲンとプロゲステロンです。

エストロゲンは卵巣内の卵胞から分泌され、子宮内膜を厚くして妊娠に備えるほか、脳や血管、臓器、皮膚など全身に作用します。楽しく、明るい気分にさせるのもこのホルモンの特徴です。

一方、プロゲステロンは排卵後の黄体(排卵後の卵胞が変化したもの)から分泌され、子宮内膜をやわらかくして妊娠しやすい状態に整える働きがあります。そして、妊娠しなかった場合は子宮内膜を剝がして月経を起こさせます。月経前に、敏感で内向的な、やや沈んだ気分になったり、体調が乱れたりするのはプロゲステロンの影響です。

このエストロゲンとプロゲステロンが生涯ずっと順調に分泌されれば、更年期障害が起こる心配もないのですが、だいたい40歳前後になると、この2つの女性ホルモンの分泌が徐々に減少します。まずプロゲステロンの分泌が悪くなり、次にエストロゲンが減少します。更年期の症状には、エストロゲンの減少が深く影響しています。

エストロゲンの減少の原因は、卵巣の働きの低下

では、なぜ、エストロゲンの分泌が減ってしまうのでしょう?

その理由は、女性が生まれたときから卵巣内にもっている卵胞(原始卵胞)の数が次第に減ってくるため。卵胞は、卵子の元になる細胞です。女性は生まれたときには卵巣内に約200万個もの卵胞を蓄えています。しかし、思春期頃までには10分の1から40分の1の量に自然に減る上に、月経が起こるたびほぼ300個もの卵胞が消滅していきます。

男性の場合、精子は生涯つくられますが、女性は違います。生まれつき卵巣内にもっている卵胞の数は、減ることはあっても増えることはありません。

そして排卵をしなくなると、プロゲステロンも出なくなります。

しかも現代の女性は、昔と比べて出産する子どもの数が少なく、生涯の月経回数が約10倍と非常に多くなっています。つまり、そのぶんだけ卵巣も酷使されているということです。

そして40歳前後のいわゆる「プレ更年期」が始まる頃になると、卵胞は約1万個を下回るまでに減少しています。さらに年齢を重ねると、1000個を割る頃には閉経になると言われています。

このようにエストロゲンを分泌する卵胞そのものが減るわけですから、当然エストロゲンの分泌量は激減します。これが更年期のさまざまな不調や症状の元になるのです。

■もっと知りたい■


次の「更年期(5)閉経以降女性が気を付けたい不調と病気」では、エストロゲンの分泌が減ることで更年期症状が引き起こされる理由、そして女性ホルモンが減ることで気を付けなければならない病気についてご説明します。

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。

みんなの コメント

【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金の疑問・不安を解消!

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17
【PR】三井住友銀行アプリにシンプルモードが登場

お金の管理が簡単に!

三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です!

2024.11.29
【PR】個人情報の上手な管理・整理術とは

個人情報管理できてる?

銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が…

2024.12.09
50代から1日1分!脳トレクイズで楽しく脳を活性化

50代から1日1分脳トレ

認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?

2024.12.04
【PR】50代からの願いを叶える新しい資金調達術

50代~お金の増やし方

将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか?

2024.11.20
人生100年時代!50代〜のライフプランと資産形成

老後の支出いくらかかる?

もし100歳まで生きるとすると、65歳からでも約1億円も必要ってホント!?老後の支出と収入、ちゃんと把握してる?

2025.01.08
子どもに残すべきはお金?不動産?どちらがお得?

子に遺すべき資産は?

「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは

2024.12.12
投資初心者におすすめなのは対面証券?ネット証券?

初心者向け!お金の知識

仕事以外で「お金」をふやすために多くの人が資産運用をはじめています。初心者が知っておくべき、お金の「基本のき」を解説!

2025.01.08
【PR】頼れる家族がいない……入院・入居どうする?

おひとり様の備えはOK?

この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生!

2024.07.22
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
突然の我慢できない尿意

突然の我慢できない尿意

実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…おでかけや着物でおめかしした日の尿トラブルを防ぐには?

2025.01.10
認知症のリスクを確認してみませんか?

今なら無料でお試し!

将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます!

2024.08.08
【限定コラボ】職人技が光る!ハルメク×マエノリのセーター誕生秘話