だる重疲れ解消!自律神経改善プログラム「朝昼編」

2024年06月07日

【更年期】整う!自律神経セルフケア大特集 #4

だる重疲れ解消!自律神経改善プログラム「朝昼編」

眠りが浅い、疲れが取れない、だるい…。そんな“なんとなく不調”は、自律神経の乱れが原因かもしれません。特に更年期世代は、自律神経のバランスが乱れやすく、さまざまな不調を招きやすくなります。今回はそんな自律神経を整える生活習慣をご紹介します。

 

教えてくれたのは小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さん

教えてくれたのは小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さん
 順天堂大学医学部教授 小林弘幸さん

1960(昭和35)年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での動務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上の指導に携わる。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本初の便秘外来を開設し、腸内環境を整える食事や運動などの生活習慣の指導にも取り組む。『なんとなくだるい、疲れやすいを解消する! 自律神経について小林弘幸先生に聞いてみた』(Gakken刊)など著書多数。

忙しい50代向け!自律神経を整える“生活”のコツ

忙しい50代向け!自律神経を整える“生活”のコツ

「最近、体がだる重い」「なんだかやる気がでない」……。そんな“なんとなく不調”は、自律神経の乱れから起きているかもしれません。 

特に50代女性は、仕事や介護などに追われ、不規則な生活になりがち。しかも更年期を迎えるため、自律神経のバランスが乱れやすく、慢性疲労や不眠などさまざまな不調を招きやすくなっています。

>>もしかして「自律神経失調症」?セルフチェックはこちら!

ですが、自律神経を整えるのためには、難しいことも、特別なことも必要ありません。

「自律神経を整えるための一番のカギは、生活リズムを一定にすること。そして、一日の活動の中で、自律神経(交感神経と副交感神経)のスイッチをスムーズに切り替えることです」と、順天堂大学医学部教授の小林弘幸さん。 

実は朝・昼・晩の生活リズムを整えるだけでも、2週間ほどで自律神経のバランスが整い、それに伴うさまざまな不調も改善が期待できるといいます。

そこで自律神経がみるみる整う、朝昼夜にオススメのルーティンをご紹介します。

前編は、朝と昼のルーティンです。

交感神経をスムーズに高める!3つの朝習慣

交感神経をスムーズに高める!3つの朝習慣

仕事に家事に忙しい50代女性の朝はバタバタしがち。「時間がない!」と焦ってしまうと、交感神経が急激に高まり、自律神経が乱れる原因になります。

朝は急に起き上がらず、寝たまま伸びをするなどして、ゆったりと体を起こすことで、副交感神経から交感神経へとゆるやかに切り替わり、自律神経のバランスが整いやすくなります。

また、一日の始まりに自律神経を乱す原因となる“ストレス”をつくらないことも大事。急がず慌てずゆったり過ごし、一日中、ご機嫌でいられるための土台をつくっていきましょう。

習慣1:プチ片付けをする

「毎朝、慌ただしく過ごしている人は、いつもより30分~1時間程度、早く起きてみて。時間にも心にもゆとりが生まれ、自律神経のスイッチがスムーズに切り替わりますよ」と小林さん。

早く起きてできた時間は、いつもと違う行動を取り入れてみるのがオススメです。

例えば、「1日1か所」「30分以内」などのプチ片付けなら適度な運動にもなり、空間もスッキリ整います。「目から入る不要な情報」=「自律神経を乱す要因となるストレス」も減ることで、気持ちよく朝をスタートできるでしょう。

習慣2:コップ1杯の水を飲む

朝起きたら、すぐにコップ1杯の水を飲みましょう。

眠っている腸がゆるやかに刺激され、スムーズな排泄につながると同時に、副交感神経が高まり、自律神経のバランスが整いやすくなります。

「コップの水はちびちび飲むのではなく、腸に水を届けるイメージで一気に飲むようにすると、腸の動きがより活発になります」(小林さん)

習慣3:今日の予定を全部書き出す

「あれもやらなきゃ!」「これも終わってない、どうしよう!」と、頭の中がやるべきことでいっぱいになっていると、焦りが生じ、自律神経を乱してしまいます。

一日をスタートさせる朝時間に、その日の仕事ややるべきこと、ついつい後回しにしてしまっている“気がかりなこと”も、すべて紙に書き出して「見える化」しましょう。

書き出すだけでも気持ちに余白ができて、「意外と大丈夫かも」と安心感が生まれます。
このとき、“期限”も書き入れておくと、効率よく動けるようになり、スムーズに物事が片付いていきます。

自律神経を整える!昼習慣の血流UPエクササイズ

自律神経を整える!昼習慣の血流UPエクササイズ

「疲れて何もしたくない……」。自律神経が乱れていると、そんな状態になる場合も少なくありません。また、忙しくて気付いたらデスクワークや立ち仕事で同じ姿勢のまま…という人も。がんばりすぎると呼吸が浅くなり、血行不良を引き起こしてしまいます。

実は体を動かした方が自律神経のバランスが整いやすく、心身の元気を取り戻せることも。

交感神経が活発になる日中は、仕事も家事もアクティブモードに。そのため、日中はストレッチなどで、ほどよく体を動かして血行を促し、自律神経のバランスを整えておきましょう。

習慣4:45分に1回は立つ・動く

長時間、座ったままでいると血行が悪くなり、自律神経が乱れる原因にもなります。デスクワーク時はあまり根詰めずに、「45分に1回」は立って姿勢を変えるようにしましょう。

立ち上がったときに、「かかととつま先を上げ下げ」をするだけでも、さらに血行が促され、足の冷え・むくみ改善につながります。自宅に居るときも座りっぱなしに注意して、リモコンをきちんと立ち上がって取るなど、こまめに体を動かすようにしましょう。

習慣5:すきま時間にストレッチ

仕事中などに肩や腰がつらいな、集中力が切れたなと感じたら、ちょっとひと息入れて「自律神経が整うストレッチ」を。筋肉がほぐれると血流がアップし、自律神経の乱れが整いやすくなります。

「ストレッチをするときは深い呼吸を意識しながら、ゆっくり動くのが効果的です」(小林さん)

今回は、小林さんが考案した自律神経の状態を測定し、可視化できるアプリ「 CARTE」の中で紹介しているエクササイズからイチオシの3選をご紹介します。

お腹つかみ骨盤回し

自律神経を整える!昼習慣の血流UPエクササイズ
自律神経計測アプリ「CARTE」より

(1)お腹をつかんで骨盤を回す

足を肩幅に開いて立ち、左手で肋骨の下を、右手で腰骨のすぐ上をつかみます。そのまま骨盤をゆっくり、大きく時計回りに回します。

(2)左右各8回、手を替えて左右各8回、骨盤を回す

8回、腰を回したら、逆方向へ8回、腰を回しましょう。左右の手の位置を替えて、同様に行います。

首まわし

自律神経を整える!昼習慣の血流UPエクササイズ
自律神経計測アプリ「CARTE」より

(1)  体の前で手首を交差

いすに座り、背筋を伸ばして胸を張ります。腕を伸ばして、体の前で腕を交差させます。このとき、ひじはしっかり伸ばします。

(2)  手首をロックし、首を左右に回す

(1)の姿勢のまま、首を時計回りにゆっくり回します。1周したら、次に反時計回りの方向に首をゆっくりと回しましょう。それを3回繰り返します。

肩甲骨アップ&ダウン

自律神経を整える!昼習慣の血流UPエクササイズ
自律神経計測アプリ「CARTE」より

(1)胸の高さで腕を閉じ、手の甲を合わせる

足を肩幅ぐらいに開いて立ちます。ひじが胸と同じくらいの高さになる位置で、ひじから手の甲を体の正面で合わせます。

(2)手のひらを返し、腕を開く

次にひじの高さをキープしたまま、腕を開き、ひじを3回上げ下げします。重力に任せて、ひじを落とすイメージで。

(3)一連の動きを3回繰り返す

それぞれ3回上げ下げして、一連の動きを3回繰り返しましょう。肩の高さ、わき腹の高さでも行ってみましょう。

次回は、自律神経を整えるために必要な「睡眠」の質を高める夜習慣を解説します。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

取材・文:伯耆原良子 構成:長倉志乃(ハルメク365編集部)


ハルメク厳選「自律神経を整える」エクササイズ

ハルメク厳選「自律神経を整える」エクササイズ

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【整う!自律神経セルフケア】大特集を読む!>>

 

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

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