【更年期】整う!自律神経セルフケア大特集 #5

だる重疲れ解消!自律神経改善プログラム「夜編」

公開日:2024.06.06

更新日:2024.06.14

眠りが浅い、疲れがとれない、だるい……。そんな“なんとなく不調”は、自律神経の乱れが原因かもしれません。特に更年期世代は自律神経のバランスが乱れやすく、さまざまな不調を招きやすいもの。そこで自律神経を整える夜にすべき生活習慣をご紹介します。

 

教えてくれたのは小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さん

教えてくれたのは小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さん
順天堂大学医学部教授 小林弘幸さん

1960(昭和35)年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での動務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上の指導に携わる。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本初の便秘外来を開設し、腸内環境を整える食事や運動などの生活習慣の指導にも取り組む。『なんとなくだるい、疲れやすいを解消する! 自律神経について小林弘幸先生に聞いてみた』(Gakken刊)など著書多数。

疲れがとれない人は「質のいい睡眠」で自律神経を整える!

疲れがとれない人は「質のいい睡眠」で自律神経を整える!

「寝て起きても疲れがとれない」「疲れているのになかなか寝付けない…」……そんな“不眠からくる”だる重疲れ”の原因も、自律神経の乱れかもしれません。 

「自律神経を整えるには、睡眠の質を上げることも大切」と、順天堂大学医学部教授の小林弘幸さん。 

朝・昼・夜の生活リズムを整えると、2週間ほどで自律神経のバランスが整い、それに伴うさまざまな不調も改善が期待できますが、中でも夜の習慣は意識して習慣づけてほしいと言います。

自律神経は本来、寝ている間は副交感神経が優位になり、目覚めて活動を始めると次第に交感神経が高くなります。交感神経がしっかり働いているから日中を活発に活動できるのですが、一方で、夜になっても交感神経が高いままだと、なかなかリラックスモードに入れなくなってしまいます。

重要なのは、夕食後から寝るまでの3時間くらいの間。この時間に、副交感神経をスムーズに優位にできれば、質のいい睡眠を得ることができるのです。

ここからは、前回記事の「朝と昼の5つの習慣」に加えて、「夜の4つの習慣」をご紹介します。

副交感神経を優位にしていい眠りへ!4つの夜習慣

副交感神経を優位にしていい眠りへ!4つの夜習慣

質のよい眠りへとつなげる「副交感神経のゴールデンタイム」を迎えるために、寝るまでの3時間は、逆に交感神経を刺激してしまう原因をできる限り取り除きましょう。

できるだけ決まった時間に寝るようにし、逆算して動いていくと習慣化しやすくなります。

習慣6:【寝る3時間前】夕食をすませる

夜遅い時間帯の食事は、交感神経が高まり、胃腸での消化吸収がうまく行われなくなることも。すると、睡眠の質が低下してしまいます。食事でとったものが胃で消化されるのに、約3時間はかかるので、できれば寝る3時間前までに夕食をすませるようにしましょう。

習慣7:【寝る2時間前】ゆっくり湯船で温まる

39~40℃くらいの少しぬるめのお湯に15分くらい浸かるとほどよく体温が上がり、血行がよくなると同時に、副交感神経の働きも高まります。寝る2時間前に入浴すると、ちょうどいいタイミングで深部体温が下がり、心地よい睡眠へと導かれやすくなります。 

習慣8:【寝る1時間前】スマホ・TVの電源オフ

夜の眠りには副交感神経が優位になるスムーズな切り替えが必要不可欠。また、デジタルデバイスから発せられるブルーライトは、睡眠を妨げる原因にもなります。そのため、交感神経を刺激するスマホなどのデジタルデバイスから離れることが肝心。

寝る前にテレビや動画を見たり、感情をゆさぶる本を読んだりするのも交感神経を高ぶらせる原因に。「なかなか寝つけないときは、美しい写真や絵本を眺めて、3分ぐらいのストーリーを考えてみるとスッと眠りやすくなりますよ」(小林さん)

習慣9:【寝る直前】3分間の「1:2呼吸法」

習慣9:【寝る直前】3分間の「1:2呼吸法」
自律神経計測アプリ「CARTE」より

寝る前の3分間を使い、鼻から4秒吸って、口から8秒吐く「1:2呼吸法」を行いましょう。

意識的に深くゆったりした呼吸をすることで、副交感神経が高まり、睡眠の質がグっと上がります。ぐっすりと眠れることで、酸素も栄養もたっぷり含んだ血液を全身に巡らせることができ、翌朝の目覚めも格段に良くなります。

1:2呼吸法のやり方

(1)  丹田を意識して息を吸う

いすに座り(あぐらで座り)、背筋を伸ばして胸を張ります。手で三角形をつくり、頂点がおへその下(丹田)に当たるように置いて、4秒かけて吸います。

(2)  口をすぼめて息を吐ききる

続いて、口をすぼめて8秒かけて息を吐きます。吸う時間:吐く時間=1:2にするのがポイント。(1)→(2)を3回繰り返しましょう。

次回は、だる重疲れに悩む50代女性3名が今回の「自律神経改善プログラム」の朝・昼・夜ルーティンを実践!その体験ルポ「2週間で驚きの改善!劇的改善ビフォーアフター」を大公開します!

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

取材・文:伯耆原良子 構成:長倉志乃(ハルメク365編集部)


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ハルメク365編集部

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