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更年期障害の症状と対処法・5
更年期の頭痛の原因と頭が重い時のおすすめ対処法
つづきレディスクリニック
吉岡 範人
公開日:2018.07.02
更新日:2024.06.23
更年期障害の気になる症状・対処法を医師が解説する連載企画。今回のテーマは、更年期の頭痛です。更年期は女性ホルモン・エストロゲンの減少により、頭痛が起こりやすい時期。ひどい頭痛は吐き気につながることもあるため、早めに対処しましょう。
更年期の頭痛の原因は女性ホルモンの減少&自律神経の乱れ
頭痛には脳内のセロトニンという物質の量が関係しています。セロトニンには血管の拡張と収縮をコントロールしたり、痛みを抑えたりする作用がありますが、更年期になって女性ホルモンが減少すると、あわせてセロトニンも減ってしまいます。
セロトニンが不足すると、ギュッと収縮した血管が反動で拡張し、炎症が起こります。そして血管近くにある神経を刺激するため、頭痛が起こるのです。
更年期障害だけでなく、若い頃から月経の前後になるとたびたび頭痛に悩まされてきた人もいるかもしれません。これも、月経周期により女性ホルモンの分泌が一時的に減ることが関係しています。
また、エストロゲンが不安定な状態だと自律神経のバランスも乱れやすいため、これも頭痛を招く一因になると考えられています。
間違えると逆効果!更年期頭痛のタイプ別おすすめ対処法
女性ホルモンの減少が原因で起こる頭痛の他に、血流の低下や筋疲労が原因で起こる頭痛が原因の場合もあります。同じ更年期の頭痛でも、それぞれ原因が違うため、頭痛の原因が何かを正しく判断することが大切です。
脈を打つようにズキンズキンと痛む、体を動かすと痛みが増す頭痛の対処法は、暗くて静かな場所で安静にして、痛みを感じる部分を冷やしてあげること。頭痛の症状がひどいときは、アルコールやカフェインの摂取は避けましょう。
逆に、首や肩が痛い、頭全体が締め付けられるように痛む頭痛の対処法は、温めてコリをほぐし、血流を促すこと。お風呂にゆっくりと浸かり、首や肩をマッサージすると効果的です。
自己判断は禁物!長引く頭痛は病院受診がおすすめ
更年期の頭痛の場合、病院に行って治療せず、漢方薬や市販薬などで対処する人も多いようです。ただ、もともと頭痛持ちだった人は、更年期障害の症状なのか、判断がつかないケースもあると思います。
頭痛持ちの人が注意したいのは、頭痛脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など、危険な病気との見極めです。ただ、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血の場合、いつもの頭痛とは比べものにならないくらい激痛になることが多いもの。
いつもと違う痛み方や痛みが長引くようなときは、要注意のサインです。「何だかおかしい」と感じたら、早めに脳神経外科や神経内科を受診しましょう。
また、こうした危険な病気以外にも、うつや自律神経失調症による不定愁訴、気象病(天気痛:天気や気圧の変化によって起こる不調)など、頭痛の原因はさまざまです。
更年期障害とは更年期時期に起こる症状の総称ですが、その他の原因を除外して初めて、更年期障害と呼びます。頭痛の症状が長引く場合は、他の原因も含めて精査するためにも、自己判断せず病院で相談してみてください。
監修者プロフィール:吉岡範人さん(つづきレディスクリニック院長)
1978年生まれ。千葉県出身。2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学。がんの研究に従事。2019年に事業を引き継ぐ形で、つづきレディースクリニックの院長に就任。その後、自らの発案で訪問医療を新たにスタートさせるなど、枠に捉われない多角的な医療サービスを促進。大きな注目を集めている。
撮影=中西裕人 ヘアメイク=小島けさき モデル=菊池洋華
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