更年期の疲れ、だるさ、倦怠感をどうにかしたい!

2024年06月21日

更年期障害の症状と対処法・2

更年期の疲れ、だるさ、倦怠感をどうにかしたい!

吉岡 範人
監修者
吉岡 範人
監修者 吉岡 範人 つづきレディスクリニック

「これって更年期障害?」という人のために、更年期障害の気になる症状・対処法を医師が解説する連載企画。今回のテーマは、疲れやだるさ、倦怠感。自律神経のバランスの乱れや代謝が悪くなることで、更年期は疲れやすい状態なので早めの対策を!

だるさ・倦怠感…更年期は疲れやすい!その原因は?

疲れやだるさは更年期によく見られる症状!その原因は?

以前なら一晩ぐっすり眠れば翌朝には元気になっていたのに、「更年期になった頃からやたらと疲れやすい」、「ぐっすり寝ても疲れが取れない」という人も多いはず。

また、気力がわかず、家事どころか何もする気にもなれず、ボーッとしたまま一日を過ごし、自己嫌悪に陥るという人も少なくありません。

こうした強い疲労感や倦怠感は、更年期によく見られる症状です。自律神経のバランスが乱れ、体調に影響しているのです(意欲の低下は、男性ホルモンの低下によるもの)。

自律神経の働きが低下すると全身の血行が悪くなり、必要な栄養や酸素を体のすみずみまで届けられません。

しかも、代謝が落ちて体の中にたまった疲労物質を体外にスムーズに排出できなくなり、疲労感が増すことになります。翌日も疲れが取れないのでぼーっとしたり、だるさが抜けなくて、仕事の能率が落ちてしまいます。

さらに、更年期に入って女性ホルモンが急激に減少すると、全身の筋肉量が減ります。エネルギーをつくりだす熱産生は筋肉でも行われます。そのため、筋肉量が減ると冷えて代謝も低下し、活動に必要なエネルギーも不足するのです。

真面目で責任感の強い人ほど早めの対策を

真面目で責任感の強い人ほど休みをとって

更年期世代の多くは、家事や仕事、介護など、自分のこと以外で時間をとられて、ゆっくり体を休める時間がありません。

しかも、真面目で責任感が強い人ほど、「だるいなんて言っていられない」と自分を追い詰めてしまいがちです。

中には、家族や周囲の人から「怠けている」とか「甘えだ」などと叱咤され、つらい状態にあるのに我慢してしまう人もいます。でも、本当に何もできなくなり、ただゴロゴロしているのはつらいもの。

ここまでつらくなる前に、疲れやだるさを感じたら、体の発したSOSサインと捉えて、ホルモンの検査や治療をしてください。産婦人科を受診することをおすすめします。

体の疲れやだるさ・倦怠感は、とてもありふれた症状ではありますが、あまりに強いときや何日も長引く場合は、放っておいてはいけません。更年期障害が原因と考えられる場合であっても、自己判断は禁物です。

バセドウ病や橋本病といった甲状腺の病気や貧血・膠原病なども更年期の時期の女性によくみられる異常です。一度は採血してこれらの項目をチェックしてもらってください。通常産婦人科での診察や検査が可能です。

人間ドックに含まれていることもあり、また特別オーダーをしなければできないこともあります。更年期障害が原因であれば、ホルモン補充療法などで改善できます。

疲れが取れない時の対策方法!入浴や軽めの運動も効果的

入浴でリラックス、軽めの運動が効果あり

疲れやだるさには、入浴で気分をリフレッシュするのがおすすめです。体が温まると血行が促進されて、たまった疲労物質が排出されやすくなります。

好きな香りの入浴剤やアロマオイルなどを使って、湯船に浸かりましょう。

お湯の温度は、38〜40℃のぬるめのほうがゆっくり長く浸かっていられます。逆に気分をシャッキリさせて元気を出したいときは、42℃前後の熱めのお湯でシャワーを浴びると効果的です。

基本的には休養第一ですが、だからといって一日中横になってゴロゴロするのもおすすめできません。もちろん、どうしてもだるくて動けない場合は無理をしてはいけませんが、気分がよく、動けそうなときは、軽めの体操や運動をしましょう。

運動によって全身の血行が改善されると、疲労感もやわらぎます。適度な運動を続けることで筋力も増すので、代謝をよくする効果もあります。

食べ物で気をつけたいのは、甘いものの食べ過ぎです。疲れたときほどつい甘いお菓子などに手がのびますが、これは逆効果。

確かに砂糖に含まれるブドウ糖はすぐにエネルギー源になるのですが、その後の急激な血糖値の低下を招き、だるさが増すこともあります。また糖分は、体内で利用されるときにビタミンB1を多く消費してしまいます。

B群が足りないと疲労回復ができません。おやつには、血行促進の効果があるビタミンEやビタミンB、良質の脂質、ミネラルなどが多いアーモンドやくるみなどのナッツ類を選ぶとよいでしょう。

監修者プロフィール:吉岡範人さん(つづきレディスクリニック院長)

吉岡範人さん(つづきレディスクリニック院長)

1978年生まれ。千葉県出身。2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学。がんの研究に従事。2019年に事業を引き継ぐ形で、つづきレディースクリニックの院長に就任。その後、自らの発案で訪問医療を新たにスタートさせるなど、枠に捉われない多角的な医療サービスを促進。大きな注目を集めている。

撮影=中西裕人 ヘアメイク=小島けさき モデル=菊池洋華(TOP画像)、その他イメージ=PIXTA

■もっと知りたい■

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。

みんなの コメント

【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金の疑問・不安を解消!

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17
【PR】三井住友銀行アプリにシンプルモードが登場

お金の管理が簡単に!

三井住友銀行アプリに「シンプルモード」が新登場!スマホ操作が苦手な人でも簡単に使える便利機能が満載です!

2024.11.29
【PR】個人情報の上手な管理・整理術とは

個人情報管理できてる?

銀行口座・保険・クレジットカードなど、「デジタルの情報」をきちんと管理できていますか?煩雑にしていると思わぬ落とし穴が…

2024.12.09
50代から1日1分!脳トレクイズで楽しく脳を活性化

50代から1日1分脳トレ

認知機能を衰えさせないためには、早い時期から「脳を活性化」させることが大切。脳トレ効果がグッとアップするコツって?

2024.12.04
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
【PR】50代からの願いを叶える新しい資金調達術

50代~お金の増やし方

将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか?

2024.11.20
【PR】たった60日で英語が話せる!3つのコツ

60日で英語が話せる!

英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは?

2024.08.29
突然の我慢できない尿意

突然の我慢できない尿意

実は多くのハルメク世代が悩んでいる「尿トラブル」…おでかけや着物でおめかしした日の尿トラブルを防ぐには?

2025.01.10
投資初心者におすすめなのは対面証券?ネット証券?

初心者向け!お金の知識

仕事以外で「お金」をふやすために多くの人が資産運用をはじめています。初心者が知っておくべき、お金の「基本のき」を解説!

2025.01.08
人生100年時代!50代〜のライフプランと資産形成

老後の支出いくらかかる?

もし100歳まで生きるとすると、65歳からでも約1億円も必要ってホント!?老後の支出と収入、ちゃんと把握してる?

2025.01.08
認知症セルフチェック

認知症セルフチェック

「もの忘れが増えた」「名前が思い出せない」という症状に心当たりがある方は要注意!それ、「認知機能のレベル低下」が原因かもしれません…

2024.11.22
子どもに残すべきはお金?不動産?どちらがお得?

子に遺すべき資産は?

「現金」か「不動産」か…どっちが得?メリット・デメリットは?相続や親族間のトラブルに悩まされないためにしておくべき準備とは

2024.12.12
【限定コラボ】職人技が光る!ハルメク×マエノリのセーター誕生秘話