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更年期障害の症状と対処法・4
更年期の肩こり・腰痛のおすすめ対処法を医師が解説!
つづきレディスクリニック
吉岡 範人
公開日:2018.07.02
更新日:2021.11.04
更年期障害の気になる症状・対処法を医師が解説する連載企画。今回のテーマは、肩こり・腰痛です。更年期の女性ホルモンの減少は血行不良を招き、肩こりや腰痛を引き起こします。肩こりがひどくなると頭痛や吐き気の症状も。早めに対策しましょう。
更年期は血行不良と筋力低下で症状が悪化…眼精疲労も
もともと肩こりや腰痛がある女性は多いのですが、更年期になると悪化する人が増えてきます。
更年期の肩こり・腰痛の原因は、女性ホルモンの減少によって全身の血行が悪くなるため。血液の循環が悪いと、筋肉にたまった疲労物質がなかなか体外に排出されず、こりや痛みが長引くようになるのです。
更年期になると筋肉量が減ってきますが、これも肩こりや腰痛を悪化させる要因になります。筋肉が少なくなると首や上体を支える筋力が低下し、肩や腰に負担がかかるようになるからです。また、筋肉の減少は血行不良も起こしやすくなります。
さらに、更年期には自律神経のバランスが乱れる影響で体のあちこちに不調が現れます。そのことで気が滅入ったり、落ち込んで憂うつな気分になったりすることも、肩こりや腰痛を悪化させる要因になります。
他にも、眼精疲労が原因になっていることがあります。加齢で老眼が進んでくるので、合わないメガネやコンタクトレンズを使っていると、知らず知らずのうちに目を酷使してしまいます。その疲労が肩こり・首のこりを引き起す原因になるのです。
おすすめ対処法は入浴&ストレッチで筋肉をほぐすこと!
肩こりや腰痛は、こまめにケアをしないと悪化して腕が上がらなくなったり、立ち座りや寝起きの動作のたびに強い痛みが出るようになったりします。
ひどい肩こりは頭痛や頭重感(頭が重い感じ)、吐き気の原因になることもしばしばです。そうなる前に、家庭でできるケアでこりをほぐすことが大切です。
肩こりや腰痛の対処法というと、マッサージを思いつくかもしれませんが、強い力で揉むと筋肉が傷つき、かえって痛みが悪化します。マッサージは力を入れ過ぎず、痛みを感じるほど強く揉まないようにします。
血行を促すには入浴が最適です。熱いお湯よりも38〜40℃のぬるめのお湯がベスト。ゆっくり浸かると血管が拡張し、全身の血行が改善します。入浴後、筋肉がほぐれた状態でストレッチや軽めの体操を行えば、さらに効果的です。
ふだんの姿勢の悪さも肩こりや腰痛を悪化させます。椅子に座るときなどに背中が丸く猫背になっていたり、下腹が前に突き出ていたりして姿勢が悪いと背骨に余計な負担がかかります。
座るときには姿勢を正すように、ちょっと意識するだけでも、肩こりや腰痛の予防につながります。
腰痛は子宮筋腫やがんの可能性も!婦人科で相談が安心
家庭でのケアでも改善しない頑固な肩こりや腰痛が続くときは、念のために整形外科を受診して、エックス線検査やCT検査を受けておくことがすすめられます。
ただの肩こりだと思っていても、四十肩や五十肩ということもあります。また、腰痛の場合は腰の骨(腰椎)や椎間板の変形による「腰椎症」や「椎間板ヘルニア」といった病気が原因のこともあります。
さらに腰痛で注意したいのが、実は腰が原因ではなく、大腸などの消化器や子宮、卵巣など婦人科系のがん、泌尿器科系の腎臓などのがんといった重大な病気が潜んでいるかもしれないという点です。
更年期になると、年齢的に子宮体がんや卵巣がんのリスクが高くなります。その症状として腰痛が起こっている場合があるのです。そのため、原因がわからないまま腰痛が続くときは、婦人科で検診を受けることも忘れないようにしましょう。
かかりつけの婦人科があると、婦人科系の病気や症状ではなくてもこうした相談をしやすく、すぐに検査も受けられて安心です。
また、これらの他の病気が否定できる場合には、更年期のホルモン補充療法により改善することもあるので、産婦人科の受診がおすすめです。 ぜひ気軽に産婦人科を受診していただければと思います。
監修者プロフィール:吉岡範人さん(つづきレディスクリニック院長)
1978年生まれ。千葉県出身。2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学。がんの研究に従事。2019年に事業を引き継ぐ形で、つづきレディースクリニックの院長に就任。その後、自らの発案で訪問医療を新たにスタートさせるなど、枠に捉われない多角的な医療サービスを促進。大きな注目を集めている。
撮影=中西裕人 ヘアメイク=小島けさき モデル=桂智子(トップ画像) それ以外のイメージ写真:PIXTA
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