更年期以降に気を付けたい病気・6

更年期以降の女性はまぶたのたるみ(眼瞼下垂)に注意

公開日:2018/07/02

更新日:2022/03/24

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更年期以降に気を付けたい病気ついて、医師が解説します。今回のテーマは、「まぶたのたるみ(眼瞼下垂:がんけんかすい)」。更年期には皮膚のハリが失われ、シワやたるみが増えてきます。中でも多いのが、まぶたのたるみ。睡眠&保湿を心掛けましょう。

更年期女性は「まぶたのたるみ(眼瞼下垂)」に注意!

まぶたのたるみのほとんどは加齢によるもの

更年期以降は女性ホルモンの分泌が減少し、皮膚の新陳代謝が低下するため、さらにハリや弾力のもととなるコラーゲンも減少します。そのため、皮膚のシワやたるみが目立つようになります。

シワやたるみがあると年齢よりも老けて見えてしまうため、気になって懸命にケアをしている人も多いでしょう。特に気にしている人が多いのが、顔のほうれい線や目の下のふくらみ、そして、まぶたのたるみです。

まぶたのたるみは「眼瞼下垂」といい、女性ホルモンの減少によるハリや弾力の低下に加え、まぶたを上に引っ張り上げる筋肉(眼瞼挙筋:がんけんきょきん)が衰えてくることが原因で起こります。

まぶたのたるみ:正常な状態と眼瞼下垂の比較

若い頃より目が小さくなったように感じたり、まぶたが腫れぼったく見えたりするのはこのためです。

さらに、たるんだまぶたで視界が遮られるようになると、別の問題が起こります。まぶたを引き上げようとして無意識に力が入るために額にシワができたり、常に顔や首の筋肉が緊張し、肩こりや頭痛が起こったりするようになります。

マッサージをしても改善されない頑固な肩こりや頭痛は、まぶたのたるみが原因だったという場合もあるのです。

なお、まぶたのたるみには動眼神経麻痺や重症筋無力症、脳卒中といった病気が原因のものがありますが、この場合は主に片側のまぶたに突然たるみが起こるのが特徴です。

徐々に左右両方のまぶたがたるんでくる場合は老化によるものなので、心配はいりません。

セルフケアには食事・睡眠、ホットタオルがおすすめ

まぶたのたるみが気になるときは、皮膚のハリや弾力を改善するためにコラーゲンやヒアルロン酸を多く含む食品を摂りましょう。

コラーゲンは鶏の手羽、牛すじ肉、カレイ、うなぎなどに、ヒアルロン酸はオクラや納豆、とろろなどに多く含まれています。

また、スキンケアで保湿を心がけることも大切です。皮膚のハリと弾力を補うようにアイクリームなどでしっかり保湿し、さらに十分な睡眠をとって目を休ませると、まぶたの筋肉の疲労が回復し、たるみが軽減されます。

特に効果的なのが、ホットタオルで目を温めながら休むこと。血行が促進されてまぶたの筋肉疲労が早く回復します。

まぶたのたるみにはホットタオルがおすすめ

午前中よりも午後になると、まぶたのたるみが悪化してくるという人は、まぶたの筋肉を使い過ぎていることが考えられます。適度に休憩時間をとり、目を閉じてまぶたを休ませましょう。

また、コンタクトレンズを長年にわたり愛用している人は、まぶたに負担がかかりやすいため、思い切って眼鏡に切り替えるか、しばらくの間コンタクトレンズの使用を控え、まぶたを休ませるとよいでしょう。

眼瞼下垂の治療法は?マッサージやストレッチは要注意

顔のたるみやシワの改善には、顔のマッサージや表情筋ストレッチなどが効果的ですが、まぶたのたるみに関しては、マッサージやストレッチは避けてください。

まぶたを含め、目の周囲はとても皮膚が薄くデリケート。まぶたを引き上げる筋肉をマッサージやストレッチなどで強く刺激すると、かえって皮膚や筋肉が傷つき疲労してしまうため、たるみが悪化することがあります。

まぶたのたるみがどうしても気になるときや、それに伴う肩こりや頭痛を一時的に軽減するには、二重メイク用ののりやアイテープでまぶたを引き上げて、まぶたの筋肉を休ませる方法がおすすめです。

また、思い切って手術で治す方法もありますが、この場合は信頼のおける美容外科や形成外科を受診して施術することが大切です。

更年期障害の症状でドライアイや目のかゆみが気になる場合も、こすってしまうと、まぶたの筋肉を傷つけるので要注意です。ドライアイや目のかゆみがあるときは眼科を受診するか、婦人科でホルモン補充療法を受けて早めに治療しましょう。

まぶたのたるみには漢方薬もおすすめ

若い頃から毎月のホルモンの変化により、心とからだ全体にストレスがかかっていた女性ですが、更年期以降も注意が必要です。漢方薬は心とからだの全体的なバランスの乱れを回復させる働きを持っています。

目の症状以外で、更年期以降に倦怠感、もの忘れ、関節痛など、多彩な症状がある方には、漢方薬もおすすめです。

まぶたのたるみなど、肌のたるみやくすみは、中医学では老化現象の一つとされており、腎臓などの臓器の機能が低下し、血液をきれいにしたり、体内の老廃物を排出できない状態(腎虚、じんきょ)が原因と考えられています。

自然由来の漢方薬は婦人科の治療でも使われていて、中には「腎虚」に用いる腎臓などの機能を元気にしてくれるものもあります。さらに、漢方薬は飲むだけなので、手っ取り早く体質の改善を目指したいときにおすすめです。

生薬がからだ全体を体質から改善し、加齢に負けない健康づくりができるでしょう。

「腎虚」には次のような漢方薬が用いられます。

  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):疲れやすく手足が冷え、口の渇きやかすみ目、腰痛、頻尿、むくみなどがみられる方に
    からだを温める働きのある生薬を含むため、冷えや血行不良が改善します。さらに、からだ全体の機能低下を改善する効果も期待できます。
     
  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん):疲れやすく冷えや痛みがやや強い方に
    八味地黄丸に2つの生薬が加わった処方で、痛みやしびれ、尿のトラブルにも用いられます。
     
  • 六味丸(ろくみがん):疲れやすく、口が渇き、頻尿やむくみ、ほてりがある方に
    手足は冷えるが、ほてりがある場合に用います。

 漢方薬は、ご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。また「腎虚」だけでも陰陽があるように、自分に合う漢方薬を探すのは大変です。

しかし、最近では、オンラインで体質チェックができ、漢方薬を選んでくれるサービスもあるので、一度無料相談をするのもおすすめです。
 

監修者プロフィール:横倉恒雄さん(横倉クリニック)

横倉恒雄さん(横倉クリニック)

よこくら・つねお 医学博士。医師。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。婦人科、心療内科、内科などが専門。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る脳の健康法』『脳疲労に克つ』他。日本産婦人科学会認定医 /日本医師会健康スポーツ医/日本女性医学学会 /更年期と加齢のヘルスケア学会ほか。

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