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更年期障害の対処法
更年期の不快な症状に!呼吸法で自律神経を整えるコツ
![浜中聡子さん(クレアージュ エイジングケアクリニック総院長)](https://halmek.co.jp/media/superintendent/6cd2dc5c071feae2a298af13b90ce2d6.jpg)
クレアージュ エイジングケアクリニック総院長
浜中聡子
公開日:2018.07.02
更新日:2023.10.17
更年期の不快な症状に、ストレスを感じていませんか? 自律神経の働きが乱れると、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなっていきます。そんな時は呼吸に意識を向けてみましょう。自律神経は「腹式呼吸」で整えることが可能! やり方を医師が解説します。
監修者プロフィール:浜中聡子さん
クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長。女性の頭髪に関する悩みから更年期・女性ホルモンといった悩みが専門分野。14年にわたり女性の髪の悩みに携わってきた女性専門・頭髪治療の第一人者として、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医療面からのサポートを行っている。
自律神経は整えられる!呼吸を意識して行なおう
動悸や息切れがしたり、イライラしたり落ち込んだり……。更年期のこうした不快な症状が続くと、自分でも気づかないうちに呼吸が浅く、速くなっています。すると、息苦しさを感じてますます症状が悪化するという悪循環に陥ります。
更年期障害の不調は自律神経のバランスの乱れが影響して起こりますが、呼吸をコントロールしているのも自律神経です。更年期は自律神経の働きが乱れやすいため、呼吸も乱れがちになります。
しかし、呼吸は自律神経の働きで無意識にするだけでなく、自分の意思で深くしたり浅くしたりできます。同じく自律神経に支配されている心臓の鼓動や胃腸の動きなどは自分ではどうにもコントロールできませんが、呼吸ならそれが可能です。
つまり、自分で意識して呼吸を整えることによって、逆に自律神経の働きにアプローチすることで、不快な症状を軽減できるというわけです。
腹式呼吸はさまざまな更年期の不調に効果あり!
動悸・息切れがするときや些細なことでイライラしたときなどは、深い呼吸を心がけると効果的です。緊張したときに深呼吸をするのと同じ要領です。呼吸を整えることで、自律神経の働きが安定し、不快な症状が軽減することにつながります。
この場合、「腹式呼吸」を意識するとより効果的です。ふだんの呼吸は胸(肺)を使っていますが、腹式呼吸ではおなかをふくらませたり、へこませたりしながら行います。より深く呼吸ができるので、気持ちを落ち着かせやすくなります。
何より呼吸に意識を集中しやすいというメリットがあります。呼吸に集中することで心臓のドキドキや息苦しさ、ほてり、頭に血が上った状態を鎮めやすくなるのです。
特に就寝前に行うと心身ともにリラックスできるので、寝つきがよくなり、熟睡できるメリットもあります。
腹式呼吸のコツは、ゆっくりと長く息を吐くこと!
腹式呼吸は名前の通り、おなかの動きを意識しながら呼吸をします。以下の要領で行うと簡単にできます。
壁を背にして立ち、両脚は肩幅ほどに開いてリラックスします。肩、おしり、かかとが壁につくようにするのがポイントです。理由は猫背にならないようにするため。
猫背になっていると気道が大きく開かず、呼吸が浅くなってしまいます。猫背防止のためには、壁を利用すると簡単です。
腹式呼吸のやり方
- おへそに両手を当てて、お腹が膨らむのを感じながら鼻から息を吸い込みます。
- 大きく息を吸い込んだら4つ数え、そして口をすぼめるようにして少しずつ、ゆっくりと6つ数えて息を吐ききります。
- 息を吐き出すときには、お腹がへこむのを手で確認しながら行います。
これを数回、気持ちが落ち着くまでくり返します。仕事の休憩時間などに椅子に座ったまま行う場合は、猫背にならないように注意しながら行いましょう。
就寝前には、あお向けに寝た姿勢で行うとよいでしょう。この場合は腰が浮かないように気をつけます。胸を大きく開いて、肩甲骨が床にぴったりつくのを意識しながら、両手をへそに当てて腹式呼吸を数回くり返します。
症状が続く場合は、婦人科やメンタルクリニックの受診も検討を
なお、呼吸法はリラックスにおすすめの対処法ではありますが、日常生活に支障をきたすほど症状がひどい更年期障害の場合には漢方療法・プラセンタ療法・ホルモン補充療法などで治療する必要があります。
不安・不眠といった症状が続く場合は、一人で我慢せず、メンタルクリニックや精神科、不眠外来などの受診も検討しましょう。
※この記事は2018年7月の記事を再編集して掲載しています。
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