
巻き爪解消を目指せる「正しい歩き方」
間違った歩き方は足トラブルを招き、健康寿命に影響があることを知ってましたか?正しい歩き方と足トラブル対策を専門家が解説!
更新日:2025年05月10日 公開日:2025年04月18日
手指の痛み・しびれを自分で治す・3
ふとした手指の不調、実は病気の予兆かもしれません。手指の痛みの専門医・富永喜代さんの書籍『へバーデン結節 手指の痛み・しびれを自分で治す』より一部抜粋し、50代がかかりやすい手指の病気と症状別にやわらげる対処法を紹介していきます。
※本記事は『へバーデン結節 手指の痛み・しびれを自分で治す』(永岡書店刊)より一部抜粋して構成しています。
第1回の記事では、「手指の痛みや違和感を放置してはいけない理由」と「症状を回復させるための道筋」を、第2回では「10秒神経マッサージの基本」について解説しました。
今回は50代が特に注意したい手指の病気と、つらい症状を軽くする「10秒神経マッサージ」のやり方を紹介していきます。
手指の病気の兆候は、ふとした不調に現れます。まずは、下記の項目に当てはまるものがないか、セルフ診断してみましょう。
【A】
□指がカクンと勝手に跳ね上がる
□指のつけ根が痛くて動かしづらい
□パソコンの入力作業などで、手指を使い続けることが多い
□手指に力を込めることが多い仕事をしている
【B】
□スマホを親指でスクロールするときに手首が痛む
□ギュッと物をつかんだり、重いものを持ったりすると手首が痛む
□タオルをしぼったりビンのフタを開けたりするときに手首が痛む
□手首の親指側が痛くてパソコンのキーボードが打てない
【C】
□親指から薬指の半分にかけてしびれがある
□手指の感覚が鈍くなった感じがある
□「指先でつまむ動作」に苦労する
□夜間や朝方に症状がひどくなることが多い
動かしにくい指を動かそうと力を込めると、指がカクンと跳ね上がってしまう病気です。
親指を動かすたびに手首に痛みが走る病気。スマホやパソコンで親指を酷使している人に増えています。
手首の手根管(しゅこんかん)に炎症が発生し、親指から薬指の半分にかけて痛みやしびれが現われる病気です。
いかがでしたか? たくさん当てはまったからと言って、落ち込む必要はありませんよ。
まずは、それぞれの病気の症状と原因を知ることから。そして、症状を和らげる「10秒神経マッサージ」を実践し、効率的に症状を改善させていきましょう。
ばね指は、手指の使い過ぎにより腱や腱鞘がこすれ、炎症が起こって指を動かしにくくなる病気です。動かしにくい指を何とか動かそうと力を込めると、指がカクンとばねのように跳ね上がることから「ばね指」という病名がついています。
症状はどの指にも起こりますが、特に中指と薬指に多く見られます。
「跳ね上がり症状」は朝方に多く起こる傾向があります。しかし、病気が進行してくると一日中、症状が起こるようになり、指の曲げ伸ばしがしづらくなります。
ばね指は、男女問わず、日頃から仕事や家事で手指を酷使している人や、糖尿病の持病がある人に多く見られます。
例えば、一日中パソコンのキーボードに向かって入力作業をしていたり、重い荷物を運んだり。手指にグッと力を込めて行なうような作業を日常的に行なっている人は、十分気を付けなくてはなりません。
また、ばね指は女性ホルモンのエストロゲンの分泌低下との関係性が指摘されており、更年期以降の女性に多く発症する傾向があります。
痛みや動かしにくさがとれていく
上図の4つの手順のうち、手順1「手首(親指側)」と手順2「人差し指のつけ根」を重点的にマッサージしてください。血液や神経の流れが回復して、痛みや動かしづらさを着実に軽減させていくことができるでしょう。
手術で治すという方法もありますが、手指をしっかり休ませた上で、このマッサージを行っていけば、それだけで十分な効果を上げられる方もいます。
手首の親指側に現われる「手首の腱鞘炎」をドケルバン病と呼びます。
代表的な症状は、親指を動かしたときに手首の親指側に痛みが出るという点です。炎症性の病気なので、炎症が増すと痛みが強くなり、手首の親指側が腫れて熱っぽくなるケースもあります。
ドケルバン病を引き起こす最大の原因は、親指をはじめとした手指の酷使にあります。
ドケルバン病は、別名「スマートフォンサム」とも呼ばれています。これはスマホを片手で持ち、親指を使って操作をする人が多いことからきています。
「母指CM関節症」と同じように、スマホ操作の動きは、手首の関節に非常に大きな負担をかけることになるのです。
また、パソコンのキーボードで入力作業をする人、楽器演奏者、美容師、調理師といったように、日常的に手指や手首を使い続けている人にも、ドケルバン病を訴える人が目立つ傾向があります。
さらに、女性ホルモンの分泌減少も影響していると見られ、更年期の女性の場合、手指を酷使していなくても起こるケースもあります。
手首を安定させた上でマッサージを
まず炎症を起こしている手首の患部を安定させることが大切です。整形外科などを受診すると、親指の負担を軽くするための装具やサポーターが処方されるはずですので、これらで手首の関節を安定させるようにしてください。
こうした治療と併せ、セルフケアとして朝晩の「10秒神経マッサージ」を行いましょう。
上図の4つの手順のうち、手順1「手首(親指側)」と手順2「人差し指のつけ根」を重点的に行ってください。症状を早く解消するには、これらの神経ポイント刺激がおすすめです。
「手根管」(しゅこんかん)とは、手指の神経(正中神経)が通っている「手首のトンネル状のパイプ」のこと。手根管症候群は、この手指のパイプの腱や滑膜に炎症が発生することで、手指や手のひらにしびれや痛みが現れる疾患です。
しびれや痛みは、親指から薬指の半分にかけて起こります。指先の感覚が鈍っていたりするため、小さなものをつまんだり、ボタンをかけたりといった細かい指先作業に苦労するようになります。
また、進行すると親指のつけ根の筋肉がやせてきて、親指と人差し指を丸めて「OKサイン」をつくることができなくなります。
夜間や明け方に、痛みやしびれが出ることが多いのも特徴の一つです。
他の手指の病気と同様、更年期以降の女性に発症しやすく、女性ホルモンの減少が影響していることも原因と言われています。
体の正面で両手の甲を合わせて、その状態を1分間保ちます(両手の高さは肩と同じくらいになるようにしましょう)。1分以内に手がしびれたり、指先の痛みが強まったりしたら手根管症候群が疑われます。
まずはマッサージで症状を軽くする
手根管症候群の治療には、装具装着、薬物治療、ステロイド注射、手術など、さまざまな選択肢がありますが、まずは「10秒神経マッサージ」で症状を少しでも軽くすることをおすすめします。
上図の4つの手順のうち、特に有効なのは、手順2「人差し指のつけ根」への刺激です。
これに加えて「乳輪マッサージ」(乳輪をつまんで前へ引き出し、90度外側へギュッと強めに10秒間ひねる)も行えば、手指への神経の流れがよくなり、効率的に症状を改善させることができるでしょう。
また、他の手指の病気と同様、手指の酷使は極力控えるようにしてください。
次回は、手指の症状を悪化させる元凶である、ストレスと自律神経の緊張をほぐすセルフケアを紹介します。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
富永ペインクリニック院長。2008年に愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業し、ヘバーデン結節外来を開設する。著書に『指先の激痛・腫れ・しびれヘバーデン結節は自分で治せる!』『へバーデン結節 手指の痛み・しびれを自分で治す』(ともに、永岡書店刊)など。
#1:50代以降の「手指の変形・痛み・しびれ」を放置してはいけない理由
#2:「10秒神経マッサージ」で、手指の痛み・しびれを自分で治そう!
#3:「手指の病気」セルフ診断!更年期以降、リスクは早期発見がカギ
#4:手指の痛みがやわらぐ!専門医が教える簡単「10秒体操&呼吸」
『へバーデン結節 手指の痛み・しびれを自分で治す』(永岡書店刊)
痛みの専門医が考案した、手指の痛み改善メソッド「10秒神経マッサージ」を紹介。痛み予防に有効な生活習慣もアドバイスしています。
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