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- 動悸が止まらない時の対処法&予防法・考えられる病気
動悸が止まらないときの対処法や予防法を詳しく解説!女性ホルモンの激減や自律神経の乱れなど更年期の影響、ストレスなどが原因で起こる動悸・息切れですが、不整脈や心不全、狭心症といった心臓の病気が隠れていることも。放置せず早めに対処しましょう。
動悸とは?
動悸とは、自分の心臓の拍動に対して敏感になり、違和感や不快感、乱れを感じる状態のことです。
例えば「脈拍が速く感じる、遅く感じる」「普段よりも脈拍を強く感じる」「速さは普通だが飛んだり詰まったりする」など。脈拍が速いだけでなく遅い場合も、「普段と違う」場合は、動悸と表現されます。
動悸は、緊張したときのドキドキや、激しい運動でも起こることがありますが、中には病気が原因となっているケースもあるため注意が必要です。
動悸の症状
動悸というと「胸がドキドキする」「心臓がバクバクする」というイメージを持っている人が多いですが、人によって表現の仕方は異なります。
そのため、「どのような動悸があるか」ということが重要です。動悸の症状は、主に以下の3パターンがあります。
- 鼓動が大きい
- 脈拍が不規則(飛んだり詰まったりする)
- 脈拍が速い
「鼓動が大きい」は、ストレスを感じたときに見られることの多い動悸の症状です。
「脈拍が不規則(飛んだり詰まったりする)」は問題のない不整脈の一種(期外収縮)であり、大きな問題はないことが多いでしょう。家族で心疾患の方がいる場合には循環器内科に受診しましょう。
「脈拍が速い」は他の動悸に比べると、病気が潜んでいることも多いため注意が必要な症状です。
動悸が起こる原因
ここでは、動悸が起こる原因をご紹介します。
自律神経の乱れ
心拍の働きには、交感神経と副交感神経の2つからなる自律神経が大きく関わっています。
普段は交感神経と副交感神経がバランスを保ちながら体の機能をコントロールしていますが、これが乱れると動悸や息切れ、血圧の上昇などが起こることも。
女性は更年期になると女性ホルモンの分泌量が低下し、自律神経の乱れが起こりやすくなります。
更年期の動悸や息切れの多くは、自律神経の乱れが原因であることが多いです。
ストレス・疲労
ストレスや疲労は、自律神経を乱す原因となります。
ストレスを受け続けると常に交感神経が優位になる状態が続いて、ある日突然、動悸が起こることも。ストレスが強い場合、副交感神経によって抑制されていた不整脈が起こることもあります。
嗜好品(カフェイン・アルコール・タバコなど)
カフェイン・アルコール・タバコなどの嗜好品は交感神経を刺激するため、過剰摂取すると、動悸が起こりやすくなります。動悸がひどい場合はデカフェの飲み物に変えたり、アルコールも休肝日を設けましょう。
病気
思い当たる原因がないのに動悸が頻繁に起こる場合は、病気の可能性も考えられます。動悸が起こる病気の中には命にかかわる病気もあるため、早めの受診が大切です。
動悸が起こるときに考えられる病気
動悸の原因となる病気は、大きく「心臓に原因のある病気」と「心臓以外に原因のある病気」の2つに分けられます。
ここでは、動悸が起こるときに考えられる病気について見ていきましょう。
心臓に原因のある病気(不整脈・狭心症・心不全など)
動悸は、以下のように命にかかわる病気が隠れている可能性もあります。
狭心症や心筋梗塞は加齢とともに患者数が増加し、女性の場合は閉経以降から増え始めます。更年期以降の女性ほど、心臓の病気には注意が必要です。
心臓以外に原因のある病気
更年期による症状や貧血、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの病気でも、動悸が起こることがあります。また、パニック障害、うつ病、自律神経失調症、不安障害など精神的な病気が原因ということも考えられるでしょう。
- 更年期による症状、更年期障害
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
- 貧血
- 低血糖症
- 気管支喘息
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)
- 精神疾患(パニック障害、うつ病、自律神経失調症、不安障害など)
心臓は大丈夫?脈のセルフチェック
脈拍は、以下の方法で自分で測ることもできます。回数だけでなく、脈拍のペースもチェックしましょう。
- 人差し指と中指を、手首の内側の親指側の骨と筋の間に置く
- 脈拍が感じられるまで押さえる
- 15秒間の脈拍の回数を数える
- これを4倍に計算して1分間の心拍数を算出する(50~70回が正常な心拍数)
動悸がするときの対処法
ここからは、動悸がするときの対処法をご紹介します。
安静にする
動悸を感じたときは、まずは安静にすることが大切です。楽な姿勢になり、ゆっくりと呼吸をして、リラックスを心掛けましょう。
動悸の症状がいつまでも落ち着かない場合や、急に呼吸が苦しくなり、両足がむくんだりした場合、胸が痛む場合などは我慢せず救急車を呼びましょう。
深呼吸(腹式呼吸)で自律神経を整える
動悸がするときは、ゆっくりと深呼吸をして自律神経を整えましょう。特に、お腹を膨らませる腹式呼吸が効果的です。
- 背筋を伸ばし、両手をおへそに当て、お腹が膨らむのを感じながら鼻から息を吸う
- 4秒くらいかけて大きく息を吸い込んだら、口をすぼめるようにしてゆっくりと6秒くらいかけて息を吐く。息を吐くときお腹がへこむのを手で確認しながら行うのがポイント
- これを5分~10分ほど繰り返し行う
座って腹式呼吸をするときは、猫背にならないよう注意して行いましょう。寝ながら行うときは、仰向けの姿勢で腹式呼吸をすると、リラックスできます。
ツボ押し
自律神経を整えるには、副交感神経に働きやすいツボを押すのも効果的。乱れがちな自律神経を整える効果が期待できるのは、以下の3つのツボです。
- 労宮(ろうきゅう)……手のひらの中心のくぼんだ部分にあるツボ
- 井穴(せいけつ)……左右の手の指先にあるツボの総称で、各指の爪の付け根から2mmのところにある
- 内関(ないかん)……手と手首の境目のシワの真ん中にあるツボ
上記のツボを1回あたり1~2分刺激するのを1日2、3回ほど行うといいでしょう。ツボはいつでも手軽に刺激できるので、気付いたときに指圧すると、自律神経の乱れによる動悸の予防効果も期待できます。
アロマでリラックスする
植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を使った「アロマオイル」の香りでリラックスするのもおすすめです。
おすすめは心を落ち着かせ、不安を鎮める効果がある「ラベンダー」ですが、自分の好きな香りでもOK。
アロマオイルはさまざまな使い方ができ、ハンカチに精油を1滴落としたものの香りを嗅ぎながら深呼吸する、アロマポットで温めて香りを楽しむ、お風呂や足湯に入れて楽しむなど、自分に合った方法でリラックスできます。
動悸を予防する方法
ここでは、動悸を予防する方法をご紹介します。
生活習慣・食習慣の改善
質の良い睡眠を十分に取ることや、栄養バランスの整った食事など生活習慣・食習慣の改善は、自律神経を整えることにつながります。
栄養バランスの整った食事を3食規則正しい時間に食べる他、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが含まれる大豆製品を取るのもおすすめです。
適度な運動を習慣化する
運動不足によって筋力が低下すると、動悸や息切れが起こりやすくなります。適度な運動を行うことを習慣にして、体力をつけましょう。
運動をすると交感神経が優位になりますが、その後はゆっくりと副交感神経が優位になっていきます。そのため、運動を行うことで交感神経と副交感神経のバランス調節機能が整う効果が期待できるでしょう。
目安はうっすら汗をかく程度の運動から始め、熱中症にならない時間に運動しましょう。室内プールなどでウォーキングすることもおすすめです。
運動にはストレス発散効果もあるため、ストレスがたまっている人にもおすすめです。
スタティックストレッチ
スタティックストレッチとは、筋肉をゆっくり伸ばし、ゆったりとした呼吸をしながら30秒〜1分ほどキープするストレッチのことです。副交感神経を優位にし、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
自律神経を刺激する嗜好品を避ける
コーヒーなどカフェインの多い飲み物やアルコールを過剰摂取すると、自律神経が刺激されて動悸につながることも。タバコの吸い過ぎも動悸・息切れを引き起こすため、禁煙がおすすめです。
漢方薬を飲む
動悸・息切れが起きにくい体質への改善のため、漢方薬を活用するのも一つの方法です。
動悸は病気以外では自律神経やホルモンバランスの乱れ、血行不良、過労などが原因として考えられます。これらの症状を改善する作用のある漢方薬を選ぶといいでしょう。逆に麻黄や地黄、大黄が含まれる漢方薬は交感神経を強めるので控えるようにしましょう。
以下は、動悸や息切れがある場合におすすめの漢方薬です。
- 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
動悸が止まらないときは早めの受診を!病院に行く目安
動悸が止まらない場合や、頻繁に動悸が起こる場合は、なんらかの病気が隠れている可能性もあります。「更年期だから」「年齢や疲れのせい」と放置していると、症状の悪化や、重大な病気を見逃してしまうかもしれません。
動悸や息切れが続く場合や、痛みや息苦しさなど他の気になる症状がある場合は、我慢せずに早めに病院を受診することが大切です。
- 突然動悸が起こった
- 脈拍数が1分間に40回以下で体を動かすと息切れがある
- 脈拍数が1分間に100回以上
- 動悸が1〜2時間など長時間続く
- 息が苦しい
- 胸に圧迫感を感じる
- 胸が痛む
- めまいがする
- 体がむくんでいる
上記のような症状が見られる場合、早急に病院を受診して詳しい検査を受ける必要があります。
動悸の状況を医師に伝えると正確な診断につながる
普段から動悸を感じている場合は、正確な診断のためにも動悸を感じたときのことをメモしておくといいでしょう。例えば、以下のような点です。
- どんなことがきっかけで動悸が起こるか
- どのような動悸だったか
- どのくらい動悸が続いたか
- 動悸の他の症状はあったか
- 脈拍が規則正しかったか、脈拍数はどのくらいか など
動悸がある場合、病院では脈拍数の計測や心音を聞き、必要に応じて血圧測定、血液検査、心電図検査、超音波検査などを行います。
動悸が止まらないときは何科を受診すればいい?
何科に行けばいいか迷ったら、まずは内科や循環器科を受診して体に異常がないか調べるといいでしょう。体には問題がないものの動悸が続く場合は、心療内科や精神科を受診します。
更年期にあたる年齢(閉経の前後10年間)であれば、更年期症状である可能性があるため、婦人科を受診するといいでしょう。
動悸が止まらないときは早めの受診が大切
動悸や息切れは更年期症状の一つとしても見られるものですが、心臓の病気など重大な病気が潜んでいる可能性もゼロではありません。
「いつまでも動悸が止まらない」「安静にしているのに一日中動悸を感じる」「頻繁に動悸が起こる」場合は、放置せず早めに病院を受診することが大切です。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
監修者プロフィール:大和行男さん
医療法人社団先陣会理事長、こころと美容のクリニック東京院長。資格は子どものこころ専門医、精神科専門医。お子さんから大人の方まで誰でもこころの診療を行っております。
https://www.kokoro-clinic.tokyo/
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