自律神経を整える食べ物、ストレッチ、つぼ押し

疲労感、不調…自律神経を整える方法で快適な生活に

公開日:2021/03/12

更新日:2021/03/17

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何となくの不調や疲れが続いている場合、自律神経のバランスが乱れている可能性が。そもそも自律神経とは何なのか、自律神経の乱れる原因と自律神経を整える生活スタイルとストレッチ、手軽なツボ押しをご紹介します。

疲労感、不調…自律神経を整える方法で快適な生活に

そもそも自律神経とは?

そもそも自律神経とは?

よく「自律神経が乱れる」と耳にすると思いますが、自律神経とは内臓と血管などの働きを自動的に調整する神経を指します。自律神経は、全身の器官、内臓に張り巡らされており、意識とは関係なく環境に合わせて自動で調節されるように動きます。

自律神経は2種類に分かれています。主に覚醒時に活発になる「交感神経」と、主に安静時に活発になる「副交感神経」があり、それぞれがシーソーのようにバランスをとって作用します。

交感神経

交感神経は覚醒時に活発になります。交感神経が強く働くと、血圧を上げたり、脈を速くしたり、胃腸の動きを鈍くしたり、汗を分泌したり、排便と排尿を抑制したりします。心や体が興奮状態のとき、不安やストレスを強く感じるとき、緊張したときに優位に働きます。

副交感神経

副交感神経は、安静時に活発になります。副交感神経が優位に働くと、血圧が下がり心拍数が減少し、呼吸が遅くなり、胃腸の働きが活発になったり、排便・排尿が促進されたりします。睡眠中やリラックス中、食後にゆっくりしているときに優位に働きます。

自律神経の乱れとは?

自律神経の乱れとは?

次に「自律神経が乱れる」とは、どんな状態のことを指すのかをご紹介しましょう。自律神経が乱れると、体と心にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

交感神経と副交感神経の切り替えが上手く行かない状態

自律神経は、環境に合わせて交感神経と副交感神経がバランスをとりながら作用します。交感神経が優位になれば副交感神経は抑制されるというように、それぞれがシーソーのように働き、それによって私たちの健康が保たれているのです。

しかし、環境に応じた交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなり、バランスが崩れてしまうことがあり、そのような状態を「自律神経が乱れている」といいます。

乱れたときに起きる身体的な不調

乱れたときに起きる身体的な不調

自律神経が乱れると、

  • 頭痛
  • 肩こり、首こり
  • 胃痛・吐き気
  • 全身倦怠感・疲労感
  • めまい
  • 低血圧
  • 冷え性
  • 喉のつまり
  • 下痢・便秘
  • 動悸
  • 多汗
  • 口の渇き
  • 食欲がない
  • 不眠・眠りが浅い
    などのさまざまな不調が現れます。この症状は人によって大きく異なります。

自律神経の乱れは、精神的な不調も引き起こす

自律神経の乱れは、身体面だけでなく精神面にも影響を与えます。例えば、イライラしているときは交感神経が優位になった状態です。
緊張や興奮を司るため、戦闘モードといえる交感神経が優位になると、呼吸が浅くなり、胃腸の働きが鈍くなり、筋肉はこわばるため血行も悪くなります。戦闘モードになった精神状態が続くことで、交感神経が優位な状態が続き、身体の不調が現れ、自律神経の乱れが続くという悪循環が生まれてしまいます。

その結果、怒りっぽくなることや、集中力や記憶力の低下、不安感や恐怖心の増大、うつ気分が進むなど、精神的な不調につながる場合があります。その結果、怒りっぽくなったり、集中力や記憶力の低下、不安感や恐怖心の増大、うつ気分が進むなど、精神的な不調につながる場合があります。

自律神経失調症

自律神経が乱れ、正常に機能しなくなり引き起こされる症状の総称を「自律神経失調症」と呼びます。自律神経の乱れから引き起こされる症状のそれぞれを検査しても、はっきりと病気が見つからないときの診断結果として「自律神経失調症」と診断されることもあります。

 

自律神経の乱れの原因とは?

自律神経の乱れの原因とは?

では、自律神経が乱れる主な原因をいくつかご紹介しましょう。

季節や気候の変化といった環境のストレス

寒い日が続いたと思ったら、突然暖かくなるなど、春先などの季節の変わり目は気候の変化が激しくなります。そのような大きな寒暖差や、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるような季節は、気候や気圧の変化に体が対応しようとして、自律神経のバランスを崩しやすくなります。
春先や梅雨時に「なんとなく体調がすぐれない」と感じる方が多いのは、そのような気候の変化によって自律神経のバランスが崩れやすくなっていることが一因と考えられます。

また、騒音や悪臭がするといった、身を置くだけでストレスがたまる環境も交感神経が優位になりやすく、自律神経の乱れにつながります。

不規則な生活

交感神経と副交感神経は、私たちの意思とは関係なく、生体リズムに従って働きます。しかし、睡眠不足が続いたり、昼夜が逆転した生活を送っていたり、不規則な生活を続けていると、生体リズムが狂い自律神経のバランスを乱す引き金となってしまいます。

現代人の場合は、長時間仕事をし続けたり、スマートフォンやテレビを見たり、考え事をし続けたりなど、覚醒状態を続けることが多いため、交感神経が優位に働く時間が長くなっています。その結果自律神経が乱れ、疲労感が取れないなど心身に不調をきたしていると考えられます。

精神的ストレス

私たちは、仕事のプレッシャーや家庭の悩みなど、大小さまざまなストレスを抱えて生活しています。しかし、そのストレスが大きくなっていくと、本来なら副交感神経が優位になる休息の時間がとれず、自律神経の乱れにつながりかねません。

ホルモンバランス

女性は月経周期にあわせて、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンの量が変化します。また、出産直後や、閉経の前後10年にあたる更年期には、女性ホルモンの分泌量が急激に減少します。このようなホルモンバランスの変化が影響して、自律神経の乱れを引き起こすことがあります。

背骨、骨格の歪み

自律神経は、脳から背骨にあたる脊椎(せきつい)の中の脊髄(せきずい)を通って、全身の器官につながっています。猫背や反り腰、ストレートネックといった脊椎が歪んだ状態でいると、脊髄が圧迫されて自律神経の働きの乱れにつながります。また、姿勢が悪いと呼吸も浅くなるため、交感神経が優位に働きやすい状態になります。

 

自律神経を整える方法:生活スタイル編

自律神経を整える方法:生活スタイル編

一度バランスを崩すとさまざまな不調をもたらすのが、自律神経です。自律神経が乱れないように、普段の暮らしの中でできることをご紹介しましょう。

バランスの取れた食事・食べ物・飲み物

自律神経を整えるためには、特別な食べ物は必要ありません。ビタミン類がたっぷり含まれた緑黄色野菜など、栄養バランスのいい健康的な食事をとるようにしましょう。特に、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品には「トリプトファン」が多く含まれていて、これは幸せを感じるホルモンとして知られる「セロトニン」を作る材料となるため、自律神経を整えるためにはおすすめの食材です。

規則正しい生活

人類は長い間、日中は太陽の光によって活動し、日が沈んだ夜は休息するという自然のリズムで生活をしてきました。生体リズムは、自然のリズムに合わせたものであるのに、電気の普及等によりリズムを崩していることが、現代人の不調に繋がっていると考えられます。

自律神経は人の生体リズムに合わせて働きます。ですので、自律神経が正常に作用するためには、私たち自身が規則正しく生活することが大切です。食事は毎日なるべく同じ時間に行い、ゆっくり味わうこと。昼間はなるべく太陽の光を浴びること。寝る前の1時間はスマートフォンの操作をやめて入眠し、決まった時間に起きるといった、正しい生活リズムを続けることが必要です。

シャワーで済ますのではなく、入浴をしよう

1日が終わってお風呂に入るときは、ぜひシャワーではなくお風呂に入って体を温めるようにしましょう。39~40度のお湯に15分ほどゆっくり入浴することで、深部体温が上がり、副交感神経が優位になり、心身をリラックスさせることができます。これによって交感神経と副交感神経の切り替えを助け、夜にぐっすり眠れるようになるでしょう。

ただし、42度以上の熱いお風呂に入ると、逆に交感神経を活発にさせますので、ご注意ください。

正しい座り姿勢、立ち姿勢を行う

自律神経を整える正しい姿勢と駄目な姿勢

骨格の歪みが自律神経の乱れにもつながるため、長時間同じ姿勢を取り続ける人は特に注意をしないといけません。デスクワークを行う場合、骨盤が後傾した猫背の状態や、前に倒れた反り越しの状態になっていないか気を付けましょう。

スマートフォンを長時間操作し続ける場合も、首が常に下を向いた状態になりストレートネックにつながりやすいです。

立ち姿勢も骨盤が前に倒れていたり、後ろに倒れていたり、左右高さ異なると骨格の歪みにつながります。

骨格の歪み

適度な運動、ストレッチも大事

運動で汗をかき、心地よい疲労感を感じられると、心も体もスッキリするもの。ですので、運動は心身の健康には必要不可欠といえるでしょう。また、定期的に運動することで、生活リズムを作りやすくなります。決してハードな運動は必要ありません。

決してハードな運動は必要ありません。気軽にはじめられるウォーキングや、姿勢を支える筋力をつけるための体幹トレーニングなどがおすすめです。続けることが大切なので、自分の体力や筋力に合わせて実施しましょう。

また筋肉の一部が凝り固まると骨格が歪み、自律神経の乱れにつながります。そこでおすすめなのが、ストレッチやヨガです。全身の筋肉を緩めると、自然と精神的なストレスも解消されやすくなります。夜寝る前にストレッチなどを行う習慣をつけると、体をほぐした状態でいい睡眠をとりやすくなるでしょう。

アロマでリラックス

日中仕事をしていると緊張状態にあることが多いため、自宅ではリラックスして副交感神経を優位にすることが、自律神経を整えるためには大切。
そこで、アロマオイルやアロマキャンドルなどを利用してみましょう。自律神経のバランスを整えることに有用な、ラベンダーやベルガモットやフランキンセンスがおすすめです。香りの感じ方は個人差があるため、自分に合ったリラックスできる香りを選びましょう。

お気に入りの音楽を聞いたりしてもいいですし、自分なりのリラックス方法を見つけておくと安心できるでしょう。

呼吸を整える方法:腹式呼吸編

呼吸を整える方法:腹式呼吸編

胸を広げながら行う胸式呼吸は、主に日中行っている呼吸で交感神経を優位にします。横隔膜の上下運動を促す腹式呼吸は、主に眠っているときの呼吸で副交感神経を優位にします。

そのため、意識的に腹式呼吸を行うことで、副交感神経を優位にすることができます。不調を感じたときや、緊張や不安があるとき、夜寝る前などのリラックスをしたいときに行うのがおすすめです。

息を吐く時間は、息を吸う時間の2倍ほどになるようにゆっくりと吐き切ります。腹式呼吸を行いながらストレッチを行うと、なお効果的です。

  1. お腹をへこませながら、ゆっくりと時間をかけて口から息を吐き切ります
  2. お腹を膨らませながら、鼻から息を吸います

 

自律神経を整える方法:ストレッチ編

「ヨガスタジオアルモニ」 のインストラクターの吉川里奈さんが、自律神経を整えるストレッチをお伝えします。

副交感神経を優位にして自律神経のバランスを整えるのに最適なストレッチは、「スタティックストレッチ」です。各部位の骨格筋を伸長させて、30秒から1分ほど、ゆったりとした呼吸をしながらキープします。伸長させるタイミングに吐きながら伸ばしていき、キープするポイントは、「いつもよりも伸びていて気持ちがいい」と感じられる箇所で痛みを感じる手前です。

自身の重みや重力をうまく使って、力まないようリラックスしながら行ってください。ここでは、こりやすい部位のストレッチをご紹介します。

首のストレッチ:【肩こりの原因・僧帽筋を伸ばす】

自律神経を整える方法:首のストレッチ編


背筋を伸ばして座ります。(立った姿勢でもOKです)

右手を頭の上から左後頭部にまわし、息を吐きながら右斜め下に倒します。手と頭の重みで、首の左後方が伸びます。背骨が丸まらないようにして、30秒、深呼吸をしながらキープ。

息を吸いながら戻ります。反対側も同様に行います。

肩のストレッチ:【猫背を改善・胸を大きく開く】

肩のストレッチ:【猫背を改善・胸を大きく開く】


背筋を伸ばして座ります。(立った姿勢でもOKです)

右手を上から背面にまわし、左手で右肘を押すようにして、右手の指先が背骨を下りていくように辿ります。このとき、顔は上げて正面を向いた状態に。十分ならこのままキープします。

左手を左わきから背面に回し、可能なら背面で手を繋ぐ。届かない場合は、タオルやベルトを使って、胸を大きく開きます。
30秒、深呼吸をしながらキープします。反対側も同様に行います。
 

 手が届かないときは、タオルやベルトを使いましょう。
 手が届かないときは、タオルやベルトを使いましょう

腰のストレッチ:【ツイストの刺激で自律神経を調整】

腰のストレッチ:【ツイストの刺激で自律神経を調整】


長座で座り、左ひざを立て、伸ばした右足の外側に置き、左足を右手で抱えます。左手をお尻の近くに置き、息を吸いながら床を押して背筋を伸ばす。

息を吐きながら左側にねじり、左肩の延長線を見るようにして30秒、深呼吸しながらキープする。このとき、力んで肩が上がらないように気を付けます。

息を吸いながら正面に戻ります。反対側も同様に行います。

 

お尻のストレッチ:【デスクワークでこわばったお尻をほぐす】

お尻のストレッチ:【デスクワークでこわばったお尻をほぐす】

長座で座り、左足を右ももにのせます。のせたまま右ひざを立てます。左足のすねが床と平行になるようにして、息を吸いながら腰から背筋を伸ばし、吐きながら胸とすねを近づけ左のお尻を伸ばします。30秒、深呼吸をしながらキープします。反対側も同様に行います。 
 

 

自律神経を整える方法:簡単にすぐできるツボ押し編

自律神経を整える方法:簡単にすぐできるツボ押し編

乱れがちな自律神経を整えるためには、ツボ押しも簡単です。いくつかのツボを覚えておいて、移動中などのスキマ時間に自分で押すようにしてみましょう。

ツボを押して副交感神経を上手に使用

ツボは、全身にある神経が重なり合う場所といわれています。副交感神経に働きやすいツボを刺激すれば、心身をリラックスさせることができるでしょう。ここで紹介するツボを1回あたり1~2分、1日2~3回くらい刺激してみてください。ちょっとした合間の時間に行うだけでも、効果を感じられるようになるかもしれません。

自律神経を整えるツボの場所1:労宮(ろうきゅう)

自律神経を整えるツボ労宮(ろうきゅう)

手のひらの中心のくぼんだ部分のツボ。手を軽く握るようにしたとき、ちょうど折り返した中指があたる位置です。このツボは緊張を和らげ、交感神経を優位にする効果があります。反対側の手の親指を使って、「少し強めに押してゆっくり放す」動作を繰り返しましょう。

自律神経を整えるツボの場所2:内関(ないかん)

自律神経を整えるツボの場所2:内関(ないかん)

手と手首の境目にあるしわの真ん中にあるツボです。手のひらを上に向けた状態で、手首にできるしわから指3本分、肘の方へ進んだところにあります。自律神経を整え、平衡感覚を正常にする働きがあり、乗り物酔いや二日酔いにも利用されるツボです。

自律神経を整えるツボの場所3:井穴(せいけつ)

自律神経を整えるツボの場所:井穴(せいけつ)

「井穴(せいけつ)」は、左右の手の指先にあるツボの総称です。爪の付け根から2㎜のところにあるツボをつまんで刺激をします。ここには神経線維が集中していて、押したりもんだりすることで副交感神経の働きを活発にします。薬指だけは交感神経を刺激することになるので、薬指以外の4本の爪の付け根を、10秒ほどプッシュすることを繰り返してみましょう。

女性は生理周期や更年期の影響で、自律神経が乱れやすくなります。また両親の介護や家族の悩みなど、ストレスを抱えやすい世代の方は特に、自律神経を整えて健康的に暮らすためにも、ここで紹介した生活習慣やツボ押しをぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

監修者のプロフィール

順天堂大学医学部教授 小林弘幸さん

小林弘幸さん

こばやし·ひろゆき 1960(昭和35)年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業、 同大学院医学研究科修了。 ロンドン大学付属英国王立小児奈院外科、 アイルランド国立小児病院外科での動務を経て、 現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文と人のコンディジョニング、パフォーマンス向上の指導に携わる。 日本体育協会公認スポーツドクター。日本初の便秘外来を開設し、腸内環境を整える食事や運動などの生活習慣の指導にも取り組む。 『スゴ伸び』(小学館集社プロダクション刊)、『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話: 自律神経のギモンを専門医がすべて解説! 』(日本文芸社刊)など著書多数。

 

吉川里奈さん

吉川里奈さんのプロフィール

ヨガスタジオアルモニ代表・AYJヨガスクール主宰。神奈川県厚木市でヨガスタジオとヨガスクールの2店舗を運営し、これまで、お寺・病院・学校・幼稚園・企業などでもヨガレッスンや健康教室を開催。東海大学体育学研究科出身で、健康心理学・スポーツ心理学を学び、修了後、非常勤講師として、複数の大学や短大で、健康・フィットネス・スポーツに関する授業を担当し、ストレッチやヨガを学生に教えている。

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ハルメクWEB編集部

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