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においの原因は生活習慣!?すぐにケアを始めよう!
体臭がきつい女性の特徴って何?原因&対処法も紹介
たいや内科クリニック
加藤大也
公開日:2024.04.12
更新日:2024.04.19
「体臭がきつい女性の特徴は?」年齢を重ねるごとに気になってくる自分のにおい。体臭は他の人に不快な思いをさせることもあるため、早めに対処しておきたいもの。どんな人がにおいやすいのか、その特徴と原因、簡単にできる体臭対策法もご紹介します。
体臭がきつい女性の特徴と原因は?
街中で人とすれ違ったとき、男性だけでなく女性のにおいが気になることがあります。自分から発するにおいは気付きにくいため、「もしかして私もにおってる?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、体臭がきつい女性の特徴と原因をご紹介します。
40歳を超えている
嫌な体臭の代表ともいえる「加齢臭」は、年齢を重ねた中高年が注意すべきにおいです。
「おじさんの臭い」というイメージが強い加齢臭ですが、実は女性にも発生することがあります。
もともと、女性はホルモンの影響で皮脂の分泌量が少なく、「ラクトン」というフルーツのような甘い香りが発生しているため、それほど嫌なにおいが気になることはありません。
しかし、そのラクトンの濃度は10代をピークに20代後半までゆっくりと下がり、30代になると急激に減少することがわかっています。
それに加えて、加齢臭の原因となる「ノネナール」という物質が30代後半から増え始め、40代になると性別に関係なく検出される量が急激に増えるため、40代以降は女性でも加齢臭が発生しやすい状態になります。
特に40代半ばから50代半ばまでの更年期にある女性は、女性ホルモンの減少しと男性ホルモンの相対的増加により、皮脂が酸化しやすくなり、加齢臭が発生しやすい状態になります。
ホットフラッシュの発汗や便秘などの更年期症状も、嫌なにおいの原因となるため注意が必要です。
ベタベタした汗が出る
汗にはサラサラした汗とベタベタした汗の2種類があり、体臭がきつい女性は後者のベタベタした汗が出るのが特徴です。
サラサラした汗は、皮膚表面にある「エクリン腺」から出るもので、血中のミネラル(塩分)などが濾過され、ほとんど水のような状態で出てくるため肌もベタつきません。
一方、ベタベタした汗は毛穴の中にある「アポクリン腺」から出るものです。この汗にはミネラルや脂質、タンパク質、アンモニアなどを含んでいます。
本来、どちらの汗にもにおいはありませんが、アポクリン腺から出た汗には皮膚常在菌のエサとなる成分が含まれているため、常在菌の働きで作り出される代謝物によって酸っぱいにおいが発生する場合があります。
肉中心の食生活を送っている
肉類だけでなく、加工食品や高脂肪食中心の食生活を送っていると、腸で作られたアンモニアが皮膚から染み出して体臭がきつくなることがあります。
その理由は、アンモニアは肉などに含まれるタンパク質が分解されることでできるからです。
肉などの動物性タンパク質は、腸内で消化される際にアンモニアやインドール、硫化水素などの嫌なにおいの元となる成分を発生させます。
これらの成分は、腸から吸収されて血液と一緒に全身を巡り、肝臓で尿素に変換されて尿とともに排出されますが、加齢や疲れ、ストレスなどによって肝臓機能が低下していると、血中のアンモニアが増えて皮膚からアンモニアが放出されやすくなります。
仕事や家事で忙しい
体臭がきつい女性は、仕事や家事などで毎日忙しく過ごしている人が多いです。全身からツンとしたにおいがする場合は、「疲労臭」が発生している可能性があります。
疲労臭とは、疲れがたまったときに発生する体臭のこと。性別に関係なく発生しますが、女性の方が気になりやすいといわれているため、忙しくて疲労やストレスがたまっている女性は注意しましょう。
特に慢性的に寝不足の女性は、血中のアンモニアが増えることで汗にアンモニアが混ざったり、肝機能の低下によってアンモニアの分解がスムーズにいかなかったりするため、汗がくさくなりやすいのが特徴です。
また、忙しさによって過剰なストレスを感じている場合も、代謝が落ちて毒素や老廃物の排出がスムーズに行われなくなり、汗がくさくなることがあります。
疲労臭は、汗や加齢臭などとにおいの特徴が異なります。
例えば、加齢臭は皮脂の中にある「ノネナール」という物質によってにおいが発生しますが、疲労臭は体内から出る「アンモニア」が原因となるため、アンモニア特有のツンと鼻をつくようなにおいがする場合もあります。
運動をあまりしない
運動をあまりしない女性も、体臭がきつくなりやすいため注意が必要です。
運動不足によって日頃汗をかく機会が少なくなると、汗腺(汗が出るところ)機能が衰えて血中のミネラルなどの成分を濾過しきれなくなるため、においの元となる成分を含んだベタついた汗が出やすくなります。
また、運動不足により体内に乳酸が蓄積しやすくなり、これがアンモニアと結び付いて、不快なにおいの原因となることがあります。
便秘がひどい
ひどい便秘の人は、体臭がきつくなる可能性があります。
腸内環境がよいと、善玉菌が多く嫌なにおいも発生しません。しかし、便が腸内に長時間たまった状態が続くと、腸内のタンパク質とアミノ酸が腐敗して悪玉菌が増加し、便が腐敗して嫌なにおいを発する有害物質が発生してしまう場合があります。
悪玉菌によって発生した有害物質は、一部は腸壁を通過し、血液に乗って体内を巡ります。
このうち、一部は肝臓で解毒されますが、解毒しきれずに余ってしまった物質が、皮膚を通じて排出され、汗と混ざり合って不快な体臭の原因となり得ます。
独特の体臭は病気が原因の可能性もある
本来、汗はにおいがしないものです。独特の体臭を放っている場合は、何らかの病気が進行している可能性もあるため注意しましょう。
以下は、体臭が変化する可能性のある病気と発生するにおいの例です。
体臭は誰にでもあるものですが、以前は感じなかった体臭が発生し、ケアをしてもにおいがなくならなかったり強くなったりする場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
特に更年期の女性は、糖尿病や高血圧などさまざまな病気のリスクが高まっているため、検査を受けて原因を明らかにし、適切な治療を受けるようにしましょう。
きつい体臭を緩和する対策法
体臭を緩和するには、外側からケアするだけでなく日頃の生活習慣や食生活を改善し、体の内側から整えていく必要があります。
ここでは、きつい体臭を緩和する対策法を5つご紹介します。
汗のケアを怠らない
皮膚の表面や皮脂腺からのにおいは、汗のケアをしっかりと行うことで対策できる可能性があります。
まず、汗をかいたときはこまめに拭き取ること。汗は時間が経つと臭ってしまうため、外出時などはサッと汗を拭けるボディシートなどを持ち歩きましょう。
足やワキなど、汗をかいたときにその場で拭けないことが多い部分は、外出前にデオドラントスプレーやクリームなどでケアしておくのがおすすめです。
入浴時には、「殺菌・消臭成分」が配合されたデオドラントソープなどを使用し、皮膚の汚れをしっかりと落としておきましょう。
湯船に浸かって日頃から汗をかく習慣をつけておくことも大切です。
適度な運動を心がける
日頃汗をかく習慣がない人は、適度な運動を行って衰えた汗腺の機能を回復しましょう。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を続けることが大切です。
定期的に汗をかくようにすれば、汗腺でのミネラルの再吸収力が高まり、水のようなサラサラした汗をかけるようになります。
抗酸化作用のある食品を積極的に摂取する
加齢臭の原因であるノネナールの発生を抑えるには、抗酸化作用のある食品を積極的に取ることが大切です。
ノネナールは、皮脂の中に存在する「パルミトレイン酸」という脂肪酸の一種が、過酸化脂質によって酸化することで作られるため、体の酸化を防ぐことがノネナールの生成抑制につながります。
以下は、抗酸化作用のある食べ物の例です。
- 緑黄色野菜:にんじん・ほうれん草・小松菜・サニーレタスなど
- 果物:りんご・みかん・ブドウ・もも・あんずなど
- 植物油:なたね油・ひまわり油・米油・オリーブオイルなど
- ナッツ類:アーモンド・ヘーゼルナッツ・落花生など
- 魚介類:鮭・マス・カニ・エビ・桜エビなど
体の酸化を防ぐのは、ビタミンA・C・Eやポリフェノール、カロテノイドなどの栄養素です。
それらの栄養が含まれる食べ物を積極的に摂取すると同時に、肉類やバター、チーズ、揚げ物などの動物性脂肪の取り過ぎに十分注意しましょう。
睡眠の質を向上させる
ストレスなどからくる体臭は、睡眠の質を向上させることで緩和できる可能性があります。
例えば、適度に運動して体を疲れさせる、布団に入ってからはスマホを見ないようにする、早寝早起きを心掛け、朝日をしっかり浴びるなどすると睡眠の質が向上します。
いろいろ試してみたけれど解消できないという場合は、睡眠外来や心療内科、精神科、内科などを受診し、必要であれば専門的な治療を受けましょう。
ストレスを発散させる
ストレスは食事や運動、睡眠などの基本的な生活習慣の改善によっても軽減できますが、趣味を楽しむなど自分なりのストレス発散方法を見つけることも重要です。
また、仕事が原因になっているのであれば、転職や異動などでストレスの要因から遠ざかるのもよいでしょう。
すぐに離れることが難しい場合は、一人でリラックスできる時間を設けるのも一つの方法だといえます。マッサージなどもストレスのケアになるため、休みの日にご褒美として通ってみるのもおすすめです。
体の内側から気になるにおいをケアしよう!
きつい体臭は、加齢やストレス、偏った食生活、運動不足などの生活習慣の乱れによって起こります。
体臭は男性に多いから関係ないと思われがちですが、女性も年齢を重ねることで強くなる恐れもあるため、しっかりと対策しておきたいところ。
においを緩和するには、基本的な生活習慣を整えることが大切です。それに加えて抗酸化作用のある食べ物を積極的に取ったりストレスを発散したりして、体の内側からケアしていきましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
監修者プロフィール:加藤大也さん
たいや内科クリニック院長。1997年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業後、同大学院医学研究科内分泌・代謝内科学修了。2003年4月から同大学医学部内分泌・代謝内科助手を務める。2010年5月、JA愛知厚生連豊田厚生病院内分泌代謝科病棟部長などを経て2022年5月、たいや内科クリニックを開院。藤田医科大学医学部客員講師・医学博士・糖尿病専門医・総合内科専門医・甲状腺専門医。糖尿病、生活習慣病を中心に、日々診療に取り組む。患者さん目線で分かり易い説明がモットー。
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