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2020年05月16日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
最近、夫さんが仕事で大変そうなんだけれど、それに合わせてなんだかシャツや下着が臭くなっている気がするのよね。
それを友人に話したところ「それって、疲労臭じゃない?」と言われました。「疲労臭」って何?と気になったので、においを研究する、東海大学理学部化学科教授の関根嘉香さんに疲労臭について聞いてみました。
そもそも、疲労臭はどんな臭いなのでしょうか?
関根さん 疲労臭は、アンモニア臭です。ツンとした尿の臭いといったらわかりやすいでしょうか。アンモニアなので、普通の洗濯では落ちません。
どうしてシャツなのに尿と同じアンモニア臭がするのかしら。
関根さん 体臭は、皮膚から発生しているガス「皮膚ガス」のことで、これが空気中に広がっていくことで臭いとして感じ取られます。汗や加齢臭の臭いは、肌表面で菌が繁殖し分解されることで発生しますが、疲労臭は血液由来です。疲れたりストレスを感じたりすると、血中のアンモニアが増えて皮膚ガスとして放出されてしまうんです。
アンモニアというと、尿として体から出されるものなのに血中を漂っているなんて! しかも、疲れると血中のアンモニアが増えてしまうということは、いかにも体によくなさそう。疲労臭を防ぐのには、どうしたらいいのかしら?
関根さん 血中のアンモニアが増える原因は、5つあります。
関根さん 加齢や肉体的な疲労、心理的なストレスがかかると肝臓の機能が低下してしまいます。すると肝臓で尿素に変換されるべきところが、血中のアンモニア濃度が増して、皮膚から放散されてしまうのです。
そのため疲労臭を発生させないためには、当たり前ですが、まずは疲れないことが大切です。そのためには入浴などで、心身ともに疲れ対策を行いましょう。また、暴飲暴食を控えることも腸内環境を整えることが大切です。さらに、腸内環境をよくするために大腸をケアすることも有効です。
大腸内の善玉菌であるビフィズス菌は、短鎖脂肪酸を作り出す性質があります。短鎖脂肪酸が増えると、大腸内が弱酸性に保たれますのでアルカリ性であるアンモニアは発生しにくくなります。
水溶性食物繊維やミルクオリゴ糖(ラクチュロース)は、ビフィズス菌のエサとなり、腸内環境を整える作用があります。ビフィズス菌ともに、豆類、イモ類、根菜類、海藻類、果物類などに多く含まれる水溶性食物繊維やミルクオリゴ糖を取りましょう。
「アンモニアは普通の洗濯では落ちない」と関根さんは言っていたけれど、そのままにするわけにもいきません。アンモニア臭はどうすれば落ちるのか調べてみました。
まずアンモニアはアルカリ性なので、反対の性質である酸性のクエン酸で、中和反応を起こすと臭いが取れるそう。水にクエン酸を溶かしたクエン酸水を作って、クエン酸水に臭いを落としたいところを付けると効果的です。
また、水に溶けると酸性になる「ミョウバン」を使うのもいいんですって。ミョウバンを溶かした水をスプレーボトルに入れて、洋服に拭きかけると疲労臭が洋服に付かない上に、周りにも漂いません。
また、洗剤メーカー各社から尿の臭いを取ることができる洗剤が開発されているので、それでしっかり洗うのがよさそうね。
体臭は疲れのバロメーターにもなることがわかりました。臭いときほど、ダンナさんをねぎらってあげなくちゃね……。
【監修】
関根嘉香(せきね・よしか)東海大学理学部化学科教授 理学博士
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参照:
J CAST ニュース
コジカジ
イラスト:飛田冬子