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50代女性のつらいお腹の張り・ガスだまりを解消!
更年期でおならが多い・臭い原因は?対策&予防法も!
Ladies clinic LOG原宿
清水拓哉
公開日:2024.03.06
更年期に「おならが増えた」「ガスだまりでお腹が張る」「便秘・下痢が増えた」など胃腸の不調を感じる人は多いです。原因が考えられる病気、解消・予防法を詳しく解説!恥ずかしいからと我慢すると腹痛や悪化の可能性も。早めの対処が大切です。
更年期でおならが増えたと感じる人は多い
更年期になって「おならが多くなった」「ガスでお腹が張ってパンパン」といった悩みを感じる人は多いです。
更年期になると女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が大きく減り、ホルモンバランスが急激に変化して、自律神経が乱れがちになります。
消化管はホルモンや神経によってコントロールされており、胃や腸の働きは自律神経と深い関連があります。
そのため、自律神経が乱れがちになる更年期は、消化管の機能低下によってさまざまな不調が起こるのです。
また、女性ホルモンが減少すると唾液の分泌量・質が低下し、食べ物を消化する力も下がります。すると消化不良を起こしやすくなり、大腸の働きが低下。
大腸の働きが悪くなることでガスがたまりやすくなったり、便秘、下痢が起こります。
更年期はおならの臭いが強くなることも
更年期になり「おならの臭いが強くなった」と感じる人もいます。
本来、おならも便もそこまで臭いものではありません。しかし、腸内で悪玉菌が増えると、おならの臭いが強くなることに。
腸内環境も年齢とともに機能低下していき、悪玉菌が増えていきます。加えて更年期は腸内環境が乱れがちになるため、おならが多くなる、臭いが強くなるといった悩みが起こりがちです。
おならが多い・止まらない原因
おならが作られる仕組みは、大きく分けて「腸内で発生するガス」「口や鼻から飲み込んだ空気」の2つです。
個人差もありますが、1日に200〜2000mLほどが作られ、回数にすると約7〜20回ほどのおならが出るといわれています。
ここからは、おならが多くなったり止まらなくなったりするときに考えられる原因について詳しく解説します。
更年期の影響
更年期のエストロゲン分泌量低下によって胃腸の働きが悪くなると、ガスがたまりやすくなります。また、更年期のストレスも腸の働きに影響を与えることがあります。
ホルモンバランスの変動(月経周期)
女性のホルモンバランスは、月経周期で変動が起こります。生理前に増加する女性ホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」には腸のぜん動運動を低下させる作用があり、便秘やガスだまりが起こりやすくなります。
便秘になると悪玉菌が増えるためガスの量も増え、臭いが強くなることもあるでしょう。
また、生理前はPMS(月経前症候群)でストレスを感じやすい状態になります。ストレスはお腹の調子を悪くしてしまうため、これもおならがよく出る、お腹が張るといった症状につながります。
加齢による筋力低下
「お腹が張っているわけではないのに、おならがよく出る」という場合、加齢による筋力低下が原因の可能性も考えられます。
骨盤底筋群(肛門括約筋や肛門挙筋などを含む骨盤を底から支える筋肉群)の筋力が低下すると、おならの音が出ないようにと思ってもうまく筋肉が使えず、おならが出てしまうのです。
食べ物や飲み物の影響
中には、おならが出やすくなる食べ物や飲み物もあります。
- たまねぎ
- 芋類
- ブロッコリー
- カリフラワー
- セロリ
- 人参
- 炭酸飲料
食物繊維は、適度に摂取すれば腸内環境を整え、さまざまな病気のリスクを低下させる働きがあります。しかし、食物繊維(特に芋類)を取り過ぎると、おならの量が多くなったり、臭いが強くなったりすることも。
また、肉や卵などの動物性タンパク質が豊富な食品は悪玉菌を増やし、おならの臭いを強くする原因になります。
腸内環境の乱れ
悪玉菌が増え過ぎて腸内環境が乱れると、お腹にガスがたまりやすくなります。
通常、腸内では善玉菌・日和見菌・悪玉菌がうまくバランスを取ることで、健康を保っている状態です。
しかし、栄養バランスの偏り、食べ過ぎや飲み過ぎ、食物繊維の少ない食事、不規則な生活習慣などは腸内細菌のバランスを乱し、腸内環境を悪くしてしまいます。
悪玉菌はおならの悪臭やガスの増加の原因になるだけでなく、発がん性を持つ毒素なども生み出すため注意しましょう。
ストレス・寝不足・疲労
ストレスや慢性的な寝不足も、自律神経を乱す原因です。ストレスが多いと唾を飲み込む量が増加するため、その分飲み込む空気の量も多くなるといわれています。
また、疲労も腸の働きを低下させる原因。適度にストレス発散をし、しっかり睡眠を取って寝不足・疲労を解消しましょう。
体の冷え
体が冷えると、胃腸の働きが鈍くなり、お腹にガスがたまりやすい状態になります。
冬のような寒い季節だけでなく、夏場のエアコン、冷たい飲み物や食べ物の摂取も体を冷やすことになるため、冷えには十分注意して過ごしましょう。
呑気症(空気嚥下症)
「吞気症(どんきしょう)」が原因の可能性も考えられます。
呑気症は「空気嚥下症(くうきえんげしょう)」とも呼ばれ、無意識のうちにたくさんの空気を飲み込んでしまうことで、お腹の張り、おなら・ゲップが増えたり、頻繁に出たりする症状のことです。
食事のときに空気を飲み込んでしまうことは誰にでもあり、通常はおならやゲップで排出されます。しかし、飲み込む空気の量が多いと、これらの症状につながることに。
呑気症は早食いの人、炭酸飲料をよく飲む人、神経質な人、唾を飲み込む癖のある人に多く見られます。
その他の病気
なんらかの病気が、おならやお腹の張りの原因となっている可能性もあります。おならやガスだまりが起こっているときに考えられる病気は、以下の通りです。
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 腸閉塞(イレウス)
- 急性胃炎・慢性胃炎
- 肝硬変
- 大腸がん
- 肝がん
これらの病気によって胃腸の調子が悪くなったり、腸が細くなったりするとおならの増加、お腹が張るといった症状が起こることがあります。
更年期のおならを減らす&お腹の張り予防・解消対策
ここからは、更年期のおならを減らす&お腹の張り解消対策を紹介します。
同じ姿勢を長時間続けない
デスクワークなど同じ時間を長時間続けると、圧迫によって腸の動きが鈍くなったり、腸への刺激がないことでぜん動運動が弱くなり、お腹にガスがたまりがちに。
また、座る体勢ではお尻が下になるため、お腹にたまったガスが排出されにくくなります。
同じ姿勢で過ごすことが多い人は、たまに立ち上がってストレッチをしたり、歩き回ったり、体を動かすことを意識してみましょう。
食事の改善(メニュー・食べ方)
発酵食品や乳酸菌やオリゴ糖、適度な食物繊維の摂取で腸内環境を整えることも大切です。肉食中心や脂肪、炭水化物が多過ぎる食事はおならの量を増やし、臭いを強くする原因になります。
また、食べ方を意識してみるのもおすすめです。
よく噛まずに早食いしたり、おしゃべりしながら食べることが多いと、余分な空気を飲み込んでしまいがち。よく噛んでゆっくり食事すると、食べるときに飲み込む空気の量を少なくできます。
適度な運動を習慣化する
運動不足も、腸の動きや腸内環境を悪くしてしまう原因です。ハードな運動ではなく、ウォーキングのような簡単にできる運動でいいので、習慣化すると腸のぜん動運動を良くすることにつながります。
更年期は脂肪がつきやすく、ぽっこりお腹が気になるという人も少なくありませんが、そんな人にも適度な運動はおすすめです。
ストレス解消してリラックスする
ストレスが増加すると、自律神経が乱れて胃腸の働きが低下。その結果、ガスがたまりやすくおならが出やすい状態になります。
おならが出やすいと、人前でおならを我慢することがストレスになり、さらにおならが生じやすくなるといった悪循環につながることも。
なるべくストレスをため込まないように過ごし、定期的に趣味の時間をつくったり、好きなことをしてリラックスしたりと、日頃からストレス解消することが大切です。
イライラを感じたときは、腹式呼吸でゆっくり深呼吸するとリラックスにつながります。
ガス抜きのポーズをする
ガスがお腹にたまっているときは、「ガス抜きのポーズ」をしてガス抜きをするのもおすすめです。簡単にできるので、ぜひ実践してみてください。
- 仰向けに寝転がって、両手で両膝を抱える
- 息を吐きながら両膝を胸に引き寄せ、上体を起こす
- そのままの状態で下腹に太ももを押しつけ、お尻を持ち上げて5回呼吸する
- 体をもとに戻したら息を吸い、ここまでと同じ動作を繰り返す
うつ伏せでゴロゴロ転がる運動
腸のぜん動運動を活発にする運動もおすすめです。ゴロゴロ転がることで腸内のガスや内容物を移動させて、不要なガスを排出しやすくします。
うつ伏せになってゴロゴロ転がるだけなので、体に負担をかけず簡単にできます。食事の前後に行うのは避け、朝起きたときや寝る前に行うと効果的です。
- 布団や床の上にうつ伏せになり、5分ほど休んでリラックスする
- 左右どちらかに2、3回ほど転がる
- 元の位置に戻って5分ほど休んだら、同じようにしてさっきとは反対方向に転がる
お腹のガス抜きのツボを押す
お腹のガスだまりがつらいときは、お腹の張りや便秘に効果的なツボを押すのもおすすめです。
おへその中心から、左右それぞれ指3本分外側にある「天枢(てんすう)」というツボを、気持ちいいくらいの強さで指で5秒間ほど押してみましょう。
腸もみ
腸の動きを良くする、腸もみも効果的です。息を吐きながら、重ねた手で1から順番にゆっくり押し、最後の5では円を描くようにしっかり押し揉みします。
大腸の滞りやすい5か所を押して刺激することで、動きをよくできますよ。
市販薬・漢方薬を服用する
おならの多さやお腹の張りが気になる場合、市販薬・漢方薬の服用によって対処するのも一つの方法です。
腸内環境を整える薬、たまったガスをつぶす消泡剤を含む薬、漢方薬などさまざまな種類があります。
漢方薬では、「大建中湯(だいけんちゅうとう)」がおならの悩みにおすすめです。お腹を温めることで胃腸の働きを整え、腹部膨満感や便秘、おならの量や臭いの軽減が期待できます。
なかなか改善しない・病気が疑われる場合は病院を受診
更年期には胃腸の働きの低下、腸内環境の乱れなどによって、おならが多くなったり、臭いが強くなったりすることがあります。
しかし、生活習慣・食習慣の改善、運動、ストレッチやマッサージなどを行っても改善しない場合は、なんらかの病気が原因になっている可能性も。
また、おならが多いことがストレスになると、それがさらに症状を悪化させてしまうこともあるため、放置せず早めに病院を受診することが大切です。
おならや腹部膨満感などは、消化器内科・胃腸内科を受診するといいでしょう。
更年期に増えるおならは食事・運動で対策
自律神経が乱れがちな更年期は腸の働きが低下し、腸内環境が悪くなりやすい時期です。これによっておならがたくさん出る、臭いが強くなるといった悩みにつながることもあります。
おならやお腹の張りは、食事の工夫や適度な運動、ストレッチやマッサージなどのセルフケアで対策可能です。また、市販薬や漢方薬での対策もできます。
ただし、病気が原因になっている可能性もあるため、症状が改善しない場合は早めに病院を受診して詳しい検査を受けましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
監修者プロフィール:清水拓哉さん
明治神宮前駅から徒歩3分、JR原宿駅より徒歩7分とアクセスの良い都心部でLadies clinic LOG原宿を昨年開業しました。生理不順や生理痛、更年期症状など女性特有のお悩みを患者様と一緒に考え、診療を行っています。また、プラセンタ注射や、日本で導入しているクリニックが少ない内膜ポリープなどの日帰り手術も行っています。
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