知っておきたい!活性酸素の基礎知識と除去する方法6つ

知っておきたい!活性酸素の基礎知識と除去する方法6つ

公開日:2025年08月28日

知っておきたい!活性酸素の基礎知識と除去する方法6つ

活性酸素の基礎知識やエイジングとの関係、増え過ぎを予防する方法をご紹介!年齢を重ねるごとに気になる老化や体調の変化。その大きな要因となる活性酸素は、適度に除去することが大切です。美しく健康的に過ごすために、正しい知識を知っておきましょう。

小阪 捺稀
監修者
小阪 捺稀
監修者 小阪 捺稀 仙台N美容クリニック

活性酸素の基礎知識

活性酸素の基礎知識
As1Piece / PIXTA

活性酸素は、生物が生きるうえで欠かせない酵素の一つです。しかし、「健康を害するから減らした方がよい」という認識が広まりつつあることからもわかるように、体内で活性化すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

では、そもそも活性酸素とはどのようなものなのか、なぜ増え過ぎてしまうのかご存じですか?ここでは、活性酸素の基礎知識を紹介します。

活性酸素とは?

活性酸素とは、人間が呼吸で取り入れる酸素の一部が、体内で変化して化学反応を起こして非常に反応しやすくなった状態で、体内で他の物質を酸化させる力が強いのが特徴です。

この活性酸素は、適度な量であればエネルギーを作るときや、体内で細菌やウイルスを攻撃するときに役立ちます。しかし、過剰に作られると健康な細胞やDNAまで傷付けて体を酸化させてしまい、さまざまな病気や老化の原因となるのです。

体には活性酸素を抑える仕組みも備わっていて、通常であれば活性酸素が増え過ぎないよう体内の抗酸化作用によって抑えられていますが、この抗酸化作用は20代頃をピークに弱まっていき、加齢や生活習慣の乱れによって活性酸素が発生しやすくなっていきます。

活性酸素が増える主な要因

殺菌力があり、体の免疫機能を高めてウイルスや細菌感染を防ぐなど、人間が生命を維持するために必要な一方で、過剰に発生すると体に悪影響を及ぼす可能性がある活性酸素。

私たちの生活の中にある以下のような原因により、必要以上に増加する傾向があります。

  • 加齢
  • 紫外線
  • ストレス
  • 大気汚染
  • 喫煙
  • 多量の飲酒
  • 激しい運動
  • 食品添加物

活性酸素が増える加齢以外の原因は、紫外線やストレス、大気汚染などの身近なものです。人によっては喫煙や多量の飲酒、激しい運動なども原因となります。

また、食品添加物を含む食べ物、例えばウインナーやハムなどの加工肉、コンビニのおにぎりやお弁当、冷凍食品、酸化しやすい脂肪を多く含むスナック菓子、インスタントラーメンなども活性酸素を増やす原因の一つです。

これらの原因に加えて、加齢によって活性酸素を分解する能力が衰えていくため、年齢を重ねれば重ねるほど、より活性酸素が発生しやすい状態になるといえるでしょう。

ハルメク世代が知っておきたい!活性酸素とエイジングの関係

ハルメク世代が知っておきたい!活性酸素とエイジングの関係
mits / PIXTA

「いつまでも若々しく健康で過ごしたい」そう願うハルメク世代の女性たちが気になるのは、活性酸素とエイジングの関係ではないでしょうか。

ここでは、活性酸素が体や肌に与える影響について、詳しく紹介します。

体・肌の老化が進行しやすくなる

体や肌の老化は、「酸化」と「糖化」、「炎症」の3つの要因が複雑に絡み合って進行します。

「酸化」は細胞が錆びること、「糖化」は細胞が焦げること、炎症は細胞が火事になったような状態のことです。

活性酸素はこの中の「酸化」の主な原因で、増え過ぎるとDNAや脂質、タンパク質、酵素などを攻撃して酸化させます。それにより、脂質の過酸化やDNA変異、タンパク質の変性、酵素の失活などの損傷を起こすことが、活性酸素によって老化が進むメカニズムです。

また、紫外線によって活性酸素が増え過ぎると、コラーゲンエラスチンが減少してたるみや乾燥が起こったり、メラニン色素が増加してシミができたりなど、あらゆる肌トラブルが増加して、いわゆる「年齢肌」と呼ばれる状態になります。

このように、活性酸素の増加は健康寿命と見た目年齢を大きく左右するため、体の内側と外側から、抗酸化対策を強化することが大切です。

病気を引き起こしやすくなる

活性酸素は、老化だけでなく糖尿病脂質異常症動脈硬化などの生活習慣病や、がんなどの原因となります。

特に年齢を重ねると、体の抗酸化力が低下して、活性酸素による細胞ダメージが進みやすくなります。活性酸素は本来、細菌やウイルスから体を守る役割を担っていますが、過剰に作られると細胞や遺伝子を傷付けて動脈硬化やがんなどのリスクを高めてしまうのです。

大きな病気でなくても、活性酸素が細胞や組織を攻撃することで免疫機能が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症や、食中毒、歯周病にかかりやすくなります。また、感染症の症状が長引いたり重症化したり、繰り返しかかったりなどの悪影響が多くなるため注意が必要です。

これ以外にも、炎症やアレルギー反応を活性化させ、自己免疫疾患やアレルギー性疾患を引き起こすこともあります。免疫機能を正常に保ち、病気にかかりにくくするためにも、活性酸素を適切に除去し、コントロールすることが大切です。

更年期による不調が強くなりやすい

閉経前後5年ずつの10年間を指し、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって心身にさまざまな不調が現れる更年期

ほてりやのぼせ、頭痛、めまい、多量の発汗、動悸、気分の落ち込み、イライラ、不眠、肌荒れなどの「更年期障害」が起こり、日常生活に支障をきたしている人も多いのではないでしょうか。

症状が強い人は、不足したエストロゲンを補うホルモン補充療法などを行って対処しているかもしれませんが、それでも改善されずに悩んでいる人が多いのも現状です。

近年では、「体内で発生した活性酸素が更年期障害を悪化させる可能性がある」という研究結果も報告されています。

エストロゲンは、活性酸素の発生やダメージを抑える働きを担っていることから、更年期にエストロゲンが減少すると、活性酸素による酸化ストレスが増加すると考えられます。

まだ断言できる段階ではありませんが、逆にいうと活性酵素を適切に減らしたり抑えたりできれば、酸化ストレスを減少させ、更年期の身体的な不調改善に役立つ可能性があるということだともいえるでしょう。

余分な活性酸素を除去する方法

余分な活性酸素を除去する方法
ろじ / PIXTA

活性酸素が増え過ぎてしまうと、異物だけでなく正常な細胞まで傷付けて老化や生活習慣病などの原因となるため、体内で発生する活性酸素の量を増やさないことが大切です。

ここでは、余分な活性酸素を除去する方法を紹介します。

抗酸化作用のある食品・栄養素を積極的に摂取する

余分な活性酸素を除去するために手軽にできることの一つに、抗酸化作用のある食品や栄養素を積極的に摂取する方法があります。

抗酸化作用の強い栄養素として知られているのは、ポリフェノールです。

植物の色素や苦味、渋み、香りのもととなる成分で、自然界には8000以上の種類があるといわれています。具体的には、ブドウやリンゴ、ベリー類、大豆、緑茶、パセリ、グレープフルーツなどに多く含まれています。

他にも、ビタミンA・C・Eやカロテノイドなどは、活性酸素の除去におすすめの抗酸化成分を多く含んだ栄養素です。

これらの栄養素は、キウイ・イチゴ・トマト・ブロッコリー・アーモンド・くるみ・大豆製品・緑黄色野菜・黒豆などに多く含まれています。肌のハリやツヤ、免疫力アップだけでなく、細胞の修復や血管の健康維持にも役立つため、積極的に取り入れましょう。

より多くの栄養素を取り入れたい場合は、黒豆茶やベリー系のスムージー、赤ワイン(適量)などの飲み物を補うのもおすすめです。

十分な休息と睡眠を取るよう心がける

バランスの取れた食事はもちろん、十分な休息や睡眠を取り、ストレスを溜めない工夫をすることも、余分な活性酸素を減らすために重要です。

日々、強いストレスを受けていると、交感神経が活性化して活性酸素が増加してしまうため、十分に休息や睡眠を取ってストレスを解消しましょう。

ぬるめのお湯にゆっくりと浸かったり、好きな音楽や本で体をリラックスさせたりして、スッと睡眠に入りやすい状態を作ってみてください。

ストレスでなかなか寝付けない場合は、無理に眠ろうとしないことも大切です。食後にウォーキングや散歩などの軽めの有酸素運動を行うと、寝付きがよくなることもあるため、試してみるとよいでしょう。

過度な飲酒を控えて禁煙をする

過度な飲酒や喫煙も、体内で活性酸素が増え過ぎる原因の一つです。

お酒を飲むとアルコールが体内で分解される際に活性酸素が発生するため、過度な飲酒を控えたり、ナッツやゴマ、青魚などの抗酸化物質が含まれているおつまみを選んだりなどして活性酸素の増え過ぎを防ぎましょう。

お酒とセットになることも多いタバコですが、煙には多くの有害物質が含まれています。

また、タバコの煙には活性酸素自体もある程度の量は含まれているといわれており、それらの有害物質を肺の免疫細胞が取り込む際にも大量の活性酸素が発生します。しかも体内のビタミンCを破壊してしまうため、体や肌の老化を防ぎたい人はすぐに禁煙することをおすすめします。

紫外線対策を徹底する

活性酸素を増やす原因となる紫外線を浴びないよう、徹底的に対策することが大切です。

仕事や用事で日中外出することが多い場合は、日焼け止めを塗るだけでなく、極力肌の露出を避けるためにツバの広い帽子やサングラスを着用するなどの工夫をしましょう。

紫外線の心配が少ないと思われがちな冬や曇りの日、室内でも、紫外線は降り注いでいるため、日焼け止めは常に塗っておくと安心です。外出する際は、30分前には日焼け止めを塗り、1〜2時間ごとに塗り直しましょう。

近年は内服での飲むタイプの日焼け止めなども美容クリニックにて販売されていますので、併用してもいいかもしれませんね。

軽めの運動を習慣にする

激しい運動をすると、大量の活性酸素が発生してしまいますが、軽めの運動であれば活性酸素の増え過ぎを抑えてくれます。

なぜなら、運動で発生した活性酸素に対抗して抗酸化酵素の働きが活性化され、活性酸素への抵抗が高まるからです。

適度な運動を定期的に行うと、活性酸素に対しての抵抗力が高まった状態がキープされると考えられるため、毎日の生活に負担のない程度の運動を習慣化していきましょう。

これまで運動習慣のなかった人は、「続けられる運動」を見つけることが大切です。軽めで安全なウォーキングや水中ウォーキングから始めて、無理のない範囲で負荷を増やしながら続けてください。

サプリメントや美容治療を活用する

食が細くて食事だけで抗酸化物質を十分に取れない場合は、市販のサプリメントを活用するのもおすすめです。

抗酸化作用のあるサプリメントには、ビタミンA(βカロテン)やビタミンCビタミンE、リポ酸、コエンザイムQ10、抗酸化ミネラル(セレン・亜鉛・銅)などがあります。

さらに、イオン導入やケミカルピーリングなどの美容治療も取り入れると、活性酸素の除去や肌の若返りに効果的です。自分の体調やライフスタイルに合わせて、医師や専門家と相談しながら取り入れましょう。

また、アスタキサンチンという天然の赤色の色素は、強力な抗酸化作用があるといわれています。こちらが配合された化粧品なども販売されています。

活性酸素を除去して体の内側から若々しく!

活性酸素は人間の体にとって必要不可欠な存在ですが、過剰に増えると老化や病気のリスクを高めてしまいます。

ハルメク世代の女性は、加齢や更年期による体の変化により、活性酸素の影響を受けやすい時期です。

日々の食事で抗酸化成分を意識して摂取し、適度な運動や質のよい睡眠、紫外線対策、ストレスケアを習慣化することで、活性酸素をコントロールしやすくなります。

ぜひ本記事を参考に、無理なく続けられる方法を取り入れ、体の内側から若々しさと健康を守りましょう。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:小阪 捺稀さん

監修者プロフィール:小阪 捺稀さん

日本医科大学卒業。大手美容クリニックにて院長経験後、2024年に仙台駅前で「仙台N美容クリニック」を開業。カウンセリングからアフターサポートまで全て院長自らが行い、県外からも指名多数の人気クリニック。目元整形の症例は年間1500件以上を誇る。

HALMEK up編集部
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