生理不順・不正出血の原因にも…簡単セルフチェックも

ホルモンバランスの乱れの原因・起こる症状・改善方法

月城 沙美
監修者
レディクリニック名古屋伏見
月城 沙美

公開日:2023.11.14

更新日:2023.11.14

エストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンバランスが乱れると、さまざまな体調不良の症状につながります。ホルモンバランスが乱れる原因やセルフチェック、改善法を解説!女性ホルモンのゆらぎが起こる50代、早めの対処でつらい症状を緩和!

ホルモンバランスとは

人間の体内では、100種類以上のホルモンが分泌され、全身のさまざまな機能をコントロールしています。

一般的に「ホルモンバランス」というと、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という、女性の月経周期や妊娠などに重要な役割を果たす2種類の女性ホルモンを指すことが多いです。

それぞれのホルモンの作用は、以下のようになります。

  • エストロゲン(卵胞ホルモン)
    卵胞期(月経~排卵の間)に分泌されるホルモン。肌の弾力や潤い、髪のハリコシ、骨密度など女性の体全体の健康を支えている
  • プロゲステロン(黄体ホルモン)
    黄体期(排卵~次の月経開始までの間)に分泌されるホルモン。妊娠維持に必要なホルモンとして知られ、子宮内膜や乳腺を整える、基礎体温を上昇させる。生理前の体の変化はプロゲステロンが原因とされている

ホルモンバランスは生理周期で変化が起こる

ホルモンバランスは生理周期で変化が起こる

エストロゲンとプロゲステロンは、月経周期(約28日※個人差あり)の中で分泌量が変化します。月経周期は「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「月経期」の4つに分けられます。

  • 卵胞期……月経の最初の日から排卵日まで。エストロゲンの分泌量が徐々に増えていく
  • 排卵期……エストロゲンの分泌量がピークに達すると同時に、黄体形成ホルモンの急激な増加により排卵が起こる
  • 黄体期……プロゲステロンが増加、子宮内膜が厚くなる
  • 月経期……子宮内膜がはがれて体外に排出される(月経が起こる)

エストロゲンとプロゲステロンは月経周期の中で分泌量が増減しながら、お互いにバランスを取り合って分泌されており、これがいわゆる「ホルモンバランスが整った状態」です。

エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減ったり、増減のサイクルが変化したりした状態を「ホルモンバランスが乱れる」といいます。

卵巣から分泌される女性ホルモンは、女性の体に大きな影響を与えるもの。ホルモンバランスが乱れると、生理不順やさまざまな体調不良につながります。

更年期はホルモンバランスが大きく変化する時期

更年期はホルモンバランスが大きく変化する時期

40代半ば~50代半ばの10年間を指す「更年期」には、女性ホルモンバランスの大きな変化が起こる時期です。

閉経に向けて卵巣機能が低下するのに伴い、エストロゲンの分泌が不安定になり、多くなったり、少なくなったり、ゆらぎながら減少していきます。

このようなホルモンバランスの乱れは自律神経を乱すことにつながり、これによってホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)や頭痛、倦怠感、イライラ、不安感などさまざまな不調が起こります。

また、生理も不安定なホルモン分泌による影響を受けます。

更年期では、子宮内膜がうまく剥がれず厚くなり過ぎて、不正出血や大量出血が起こることも。排卵を伴わない無排卵月経の確率も高まり、妊娠する力も減っていきます。

生理も徐々に減少します。周期が非常に不安定になり、40代後半では2~3カ月に1回のペースに。そして50代になると、生理が完全にストップします。1年以上生理がない状態が続くと閉経とみなされます。

ホルモンバランスが乱れる原因

ホルモンバランスが乱れる原因

ここからは、ホルモンバランスが乱れる原因をご紹介します。

加齢

女性ホルモンの分泌は、加齢によって減少していきます。特に、閉経を前にした50代前後の更年期は、ホルモンが乱れやすい時期です。

ストレス・疲労

忙しさや疲れなどで過度なストレスがかかったり、慢性的な疲労があったりすると、ホルモンバランスが狂う原因になります。

過度なストレスや疲労が脳からのホルモン指令を乱し、卵巣の動きを低下させると、女性ホルモンが正常に分泌されなくなってしまうためです。

ストレスは自律神経にも悪影響を与えるため、適度なストレス発散を行うなどの対策を行いましょう。

睡眠不足

睡眠不足になると、ホルモンの分泌量を調整している脳の視床下部の機能が乱れ、これがホルモンバランスの乱れを引き起こす原因になります。

ホルモンバランスが乱れると脳や自律神経の機能低下につながることもあり、健康的な生活のためにもしっかりと睡眠を取ることが大切です。

無理なダイエット

体に負担のかかるような無理なダイエットも、ホルモンバランスを乱す原因です。急激に痩せると脳の視床下部が乱れ、女性ホルモンの分泌が悪くなります。

無理なダイエットをしていると月経が止まってしまう(体重減少性の無月経)こともあり、体調不良につながるため、ダイエットを行う際は栄養バランスに注意しながら行うことが大切です。

ホルモンバランスの乱れによって起こる症状・病気

ホルモンバランスの乱れによって起こる症状・病気

ここからは、ホルモンバランスの乱れによって起こる症状について解説します。

生理不順(月経異常)

ホルモンバランスが乱れると、生理周期が崩れたり、出血量が変化したりする「生理不順(月経異常)」が起こります。生理周期が25〜40日の範囲内であれば問題ないといわれていますが、これより短い・長い場合は生理不順です。

更年期は月経周期・経血量の変化など、生理トラブルに悩まされることも少なくありません。

  • 過少月経……経血量が極端に少ない
  • 過短月経…………月経が2日以内に終わってしまう
  • 過多月経……経血量が極端に多い
  • 過長月経……月経が8日以上続く
  • 頻発月経……月経周期が24日以内よりも短い状態
  • 無月経……妊娠していないものの、3か月以上月経がない

生理痛

生理痛とは、生理時に起こる痛みのことです。

生理中には経血を押し出すため、子宮を収縮させる働きのある「プロスタグランジン」が作られます。このプロスタグランジンの一種には痛みを強める作用があり、下腹部痛、腰痛、頭痛などにつながるのです。

ホルモンバランスが乱れると自律神経のバランスが崩れ、血行不良が起こりますが、血行が悪くなると生理痛の痛みが強くなります。

不正出血

ホルモンバランスの乱れは、不正出血を引き起こすこともあります。不正出血とは、月経ではないときに子宮から出血することです。

ホルモンバランスの乱れによって起こる不正出血は「機能性出血」と呼ばれ、病的な原因はありません。

しかし、なんらかの病気が原因となって不正出血が起きるケースもあります。

病気が原因で起こる不正出血を「器質性出血」といい、膣・子宮・卵巣などの病気が隠れている可能性も。不正出血があった場合は、病院で見てもらいましょう。

PMS(月経前症候群)

PMS(月経前症候群)とは、生理の3日~10日位くらいに始まる、さまざまな精神的・身体的な不調のことです。

ホルモンバランスが乱れると交感神経や副交感神経の乱れや機能低下につながりますが、これがPMSの原因となるという説があります。

肌荒れ・ニキビ・むくみ・髪のパサつき

女性ホルモンのエストロゲンには、肌や髪を美しく健康的な状態に保つ働きがあります。

ホルモンバランスの変化や乱れによって、肌荒れやニキビ、むくみ、髪のパサつきといった症状が気になることもあるようです。

太りやすくなる

ホルモンバランスが乱れ、プロゲステロンが過剰に分泌されると、太りやすくなることもあります。

妊娠を維持するためのホルモンであるプロゲステロンが増えると、体に脂肪や水分をため込みやすくなるためです。

更年期症状・更年期障害

更年期にはエストロゲンの分泌量が大きく減少することでホルモンバランスが乱れ、心身にさまざまな不調が現れます。これを、更年期症状といいます。

そして、日常生活を送るのもつらいほど更年期症状が重い場合は「更年期障害」と呼ばれます。

更年期に起こるさまざまな身体的・精神的不調にはホルモンバランスの乱れが大きく影響しているため、ホルモンバランスを整えることが大切です。

自律神経の乱れによる症状・自律神経失調症

ホルモンバランスと自律神経には関連があり、ホルモンバランスが乱れると自律神経の乱れにつながることがあります。反対に、自律神経の乱れがホルモンバランスの乱れにつながることも。

交感神経と副交感神経からなる自律神経は呼吸・代謝・消化・内臓の働きといった体の機能をコントロールしています。そのため、自律神経が乱れるとのぼせやほてり、多汗、動悸、イライラ、不安感、肩こりなどさまざまな不調につながることに。

更年期の時期はホルモンバランスが乱れがちになり、自律神経失調症になりやすいといわれているため、注意が必要です。

骨粗鬆症や子宮・卵巣などその他の病気

エストロゲンには、骨や血管を健康に保つ作用もあります。更年期に伴うエストロゲンの減少は、骨粗鬆症や子宮・卵巣の病気、萎縮性腟炎、脂質異常症や動脈硬化のリスクを高めます。

閉経によって体に変化が起こるため、50代からはこれまで以上に自分の健康に気をかけてあげることが大切です。

ホルモンバランスが乱れてる?セルフチェック!

以下で、ホルモンバランスの乱れを簡単にセルフチェックできる15のリストをご紹介します。

  1. 生理不順になっている
  2. 重い生理痛がある
  3. 体がむくみがち
  4. 肩こり、頭痛がひどい
  5. 無理なダイエットをしている、または過去に経験がある
  6. 体がだるい、疲れやすい
  7. 仕事や家庭でのストレスが多い
  8. イライラすることが多い
  9. 気分の落ち込みがある
  10. 日中は眠いのに、夜よく眠れない
  11. 肌にハリがなくなった、シミやシワが増えた気がする
  12. 乾燥・肌荒れ・ニキビが気になる
  13. 髪のパサつきが増えた、白髪が気になるようになった
  14. 爪が割れやすい
  15. 濃い体毛やヒゲが生えてくる

チェックが0個なら、ホルモンバランスが整っている状態です。1~5個の人は、現在はホルモンバランスは整っている方ですがこれから乱れないように注意しましょう。

6~10個の人は、ホルモンバランスがやや乱れがちです。11~15個の人はホルモンバランスの乱れが見られるため、まずは食事・睡眠・生活など生活習慣の見直しをしましょう。

50代以降は他の病気の可能性も考えて検査を

さまざまな不調の原因が、必ずしもホルモンバランスの乱れであるとは限りません。

50代以降でリスクが高まる病気もあるため「更年期だから」「ホルモンバランスの乱れのせい」と決めつけず、気になる症状がある場合や体調不良が長引く場合は、他の病気の可能性も考えて検査を受けることが大切です。

ホルモンバランスを整える方法

ホルモンバランスを整える方法

ホルモンバランスを整えるためには、普段の生活が非常に重要です。また、症状に応じて病院での治療を行うといいでしょう。

  • 質の高い睡眠を十分取る
  • ストレスの軽減
  • 生活習慣の改善
  • 栄養バランスのいい食事
  • ホルモンバランスを整える食べ物・サプリメント
  • ストレッチや運動を行う
  • 漢方薬
  • ホルモン補充療法(HRT)

睡眠不足や不規則な生活、偏った食生活はホルモンバランスの乱れにつながるため、生活習慣の見直しを行いましょう。

栄養バランスのいい食事に加えて、更年期障害対策におすすめの食べ物女性ホルモンをサポートする食べ物サプリメントなどを取り入れるのもおすすめ。

趣味や運動でストレス発散をして、ホルモンバランスを乱す原因となるストレスを取り除くことも大切です。

更年期に見られるさまざまな不調がつらい場合は、漢方薬ホルモン補充療法(HRT)による治療も検討しましょう。

ホルモンバランスを整えて更年期の不調に対処!

ホルモンバランスの乱れは、生理不順や不正出血、さまざまな更年期症状などにつながります。

50代はホルモンバランスの乱れが起こりやすい時期のため、自分の体を労り、ホルモンバランスを整えることが大切です。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:月城 沙美さん

月城 沙美さん

福井医科大学(現 福井大学)医学部を卒業後、名古屋市立大学病院で研修、名古屋市立大学医学部大学院を卒業、複数の医療機関で勤務。東京都内の婦人科や美容皮膚科でも経験を積み、2021年に〈レディクリニック名古屋伏見〉を開業し、2023年医療法人沙月を設立。

「安心•納得の医療を提供する」ことをモットーに、女性の健康の増進に美容が助けになるという思いから、婦人科•美容皮膚科の〈レディクリニック八事山手通〉を令和5年11月11日に開院予定。

■もっと知りたい■

ハルメク365編集部

女性誌No.1「ハルメク」の公式サイト。50代からの女性の毎日を応援する「観る・聴く・学ぶ・つながる」体験型コンテンツをお届けします。
会員登録をすれば、会員限定動画を始めさまざまな特典が楽しめます!

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ