女性ホルモンを増やす食べ物って?おすすめ&NG食品

更新日:2024年01月26日 公開日:2022年10月31日

専門家監修│エストロゲンを増やすには?更年期対策に

女性ホルモンを増やす食べ物って?おすすめ&NG食品

女性ホルモンを増やす食べ物って?おすすめ&NG食品

林安津美
監修者
林安津美
監修者 林安津美 たいや内科クリニック

更年期のホルモンバランスの乱れ、食生活から見直してみませんか? とはいえ、残念ながら「女性ホルモンであるエストロゲンそのものを増やす食べ物」は存在しません。大切なのは正しい食生活! おすすめの食べ物・避けたいNGな食べ物をご紹介します。

監修者プロフィール:林安津美さん

林安津美さん

大学卒業後JAあいち厚生連に入職し37年間病院の管理栄養士として勤務、その間豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。2022年5月よりたいや内科クリニックへ入職。病態栄養専門管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・腎臓病療養指導士・がん病態栄養専門管理栄養士・和漢薬膳師等の資格を生かし患者さんの思いを聴き・応え、患者目線でテーラーメイドの医療をお届けできるように努めています。

更年期に大きく関わる女性ホルモン

女性ホルモンは女性の体を守る大切なホルモンで、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。

女性的な丸みのある体つきや、髪や肌の潤い、女性の体全体の健康を保つ役割を果たしているのが「エストロゲン」です。

エストロゲンは30代後半になると徐々に分泌量が少なくなり始め、そこからは減少を続けるのみで、増加することはありません。そして、閉経前後の45~55歳にはエストロゲンの分泌量は大きく減少します。

更年期に影響するのが、このエストロゲンの激減です。エストロゲンが減少することで、更年期には身体的・精神的なさまざまな不調が現れます。

女性ホルモンのバランスを乱す食生活チェックリスト

女性ホルモンのバランスを乱す食生活チェックリスト

乱れた食生活は、ホルモンバランスを崩してしまいます。ホルモンバランスを乱す食生活になってしまっていないか、以下のリストをチェックしてみましょう。

  • 朝食をほとんど食べない
  • 食事の時間が決まっておらず、不規則である
  • 冷たい飲み物をよく飲む
  • 甘い物をよく食べる
  • インスタント食品やファストフードをよく食べる
  • コーヒーや紅茶を1日5杯以上飲む
  • 水分をあまり取らない(1日1L以下)
  • 肉や魚などをあまり食べない
  • 1か月に3kg以上の減量をしたことがある
  • ダイエットで食事制限をよく行う
  • ダイエットでのリバウンドを繰り返している

3個以下の場合は、この調子で規則正しい食生活を続け、0個を目指しましょう。

4〜8個の場合、このままの生活を続けるとホルモンバランスの乱れによる不調が起こる可能性があるため、できそうな項目を2つ以上選んで改善していきましょう。

9個以上当てはまる場合は、すぐに食生活を見直す必要があります。毎日3項目以上改善することを意識して、生活しましょう。

女性ホルモンを「増やす」食べ物はない

残念ながら、「女性ホルモンであるエストロゲンを増やす食べ物や食材、レシピ」は存在しません。あくまで食べ物であり、薬で得られる効果とはまったく異なるためです。

女性ホルモンを増やすのではなく「コントロール」することを考え、栄養バランスのいい食事に加えて、女性ホルモンを整えることにつながる食べ物や栄養を摂取するといいでしょう。

女性ホルモンバランスを整える食べ物・飲み物・料理

女性ホルモンバランスを整える食べ物・飲み物・料理

ここからは、女性ホルモンを整える食べ物・飲み物・料理をご紹介します。

大豆食品

大豆食品には、更年期に減少してしまう女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つ大豆イソフラボンが豊富に含まれています。大豆イソフラボンには、エストロゲンの働きをサポートする作用があります。

ただし、大豆イソフラボンを取れば取るほどいいというわけではありません。

内閣府食品安全委員会事務局が公表する「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」によれば、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は1日あたり70〜75mgと定められています。サプリメント等で一気に過剰摂取せず、毎日適量摂取することが大切です。

以下は、代表的な大豆食品に含まれる大豆イソフラボンの量です。

  • 豆乳200mL……約20〜40mg
  • 納豆1パック(約45g)……約35mg
  • 豆腐1丁(300g)……約80mg

大豆イソフラボンは「エクオール」になる

大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝されると「エクオール」と呼ばれる物質になり、これが女性ホルモンに似た働きをします。大豆イソフラボンをエクオールに変えるためには、腸内環境を整えることが大切です。

しかし、エクオールはすべての人が腸内で生み出せるわけではありません。日本人でエクオールを体内で作れる人はおよそ5割ほどといわれており、2人に1人はエクオールを作ることができないのです。

エクオールを自分で生み出せない人は、エクオールのサプリメントを飲むことで摂取できます。

肉・魚・卵・乳製品

肉や魚、卵、乳製品など、動物性タンパク質を適量摂取することも大切です。これらは女性ホルモンのもとにもなるコレステロールを補うことができ、筋肉や内臓、皮膚など細胞のもとにもなります。

動物性タンパク質だけでなく植物性のタンパク質も合わせて摂取し、半分ずつ摂取するのが理想的です。

睡眠に関係しているメラトニンというホルモンはトリプトファン(タンパク質を作るアミノ酸の一種)から作られます。

トリプトファンは乳製品や大豆製品に含まれているため、寝付きが悪くなった、深夜に目が覚めてしまうなど睡眠の質の低下を感じている人は、これらを積極的に摂取するのがおすすめです。

良質なタンパク質であるヨーグルトの上澄みの「ホエイ(乳清)」も、女性におすすめの食品です。女性は男性に比べて骨粗鬆症になりやすく、閉経期を迎えるとエストロゲンが激減することでさらに骨粗鬆症リスクが高まります。

骨を作るのに必要なカルシウムと一緒にビタミンD・ビタミンKを摂取してカルシウムの積極的な摂取など、骨対策も合わせて行いましょう。

亜鉛・鉄分を多く含む食材

女性ホルモンを増やしたいと思ったときに大切なのが、亜鉛・鉄分を多く含む食材です。亜鉛は、女性ホルモンを作り出す力や増やす力をサポートする栄養素です。そして、体の中に取り込んだ亜鉛などのミネラルを体中に届けるサポートをするのが、鉄分です。

女性は月経によって定期的に血液が失われていくため、鉄分が不足しやすい傾向にあります。鉄不足にならないよう、意識して摂取しましょう。

亜鉛は牡蠣などの貝類、赤身の魚、牛肉などに含まれています。鉄分はレバー、赤身の肉、赤身の魚、ひじき、ほうれん草に豊富です。

ナッツ類は、女性にとって大切なビタミンEや鉄分や亜鉛などの栄養素が豊富。アーモンド、くるみ、クコの実などが特におすすめです。

和食

女性ホルモンを整えるための食事としておすすめなのが、和食です。和食は脂質やタンパク質の量を調整しやすいメニューが豊富で、納豆や豆腐、豆乳など大豆イソフラボンを含む食材との相性もいい料理です。

納豆や糠漬け・味噌などの発酵食品や、食物繊維をしっかり摂取することは腸内環境を整えることにもつながります。

栄養バランスの取れた食事

女性ホルモンを整える食べ物・飲み物・料理ばかりを食べても、栄養バランスが崩れてしまっては女性ホルモンの分泌に悪影響を及ぼしてしまいます。

特定の食品のみの摂取によってホルモンバランスが整うことはないため、食事ではまず栄養バランスを意識して、適量をまんべんなく摂取することが大切です。

更年期に避けたい・注意したい食べ物

更年期に避けたい・注意したい食べ物

中には、女性ホルモンのバランスを乱すことにつながったり、更年期症状の悪化につながると考えられる注意したい食べ物もあります。

女性ホルモンバランスが崩れると、大人女性の場合は更年期に見られるさまざまな症状の悪化につながるため、注意しましょう。

極端に油の少ない食事

コレステロールは、女性ホルモンの材料になります。更年期になると代謝が落ちて太りやすくなるためダイエットを行う人もいるかもしれませんが、極端に油の少ない食事には注意が必要です。

オリーブオイルやごま油など、良質な脂質を適度に摂取しましょう。

刺激が強い食べ物

唐辛子など、刺激の強い食べ物は、更年期の代表的な症状であるホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗)への影響が考えられています。

刺激の強い食べ物が直接ホットフラッシュの原因になるかどうかははっきりわかっていないものの、食べ物による刺激がきっかけとなって顔のほてりなどホットフラッシュの症状を感じることがあるため、注意したい食べ物です。

アルコール・カフェイン

アルコールも、ホットフラッシュを引き起こす原因になると考えられています。

アルコールを飲むと顔がほてる、体が熱くなるなどの感覚を感じやすくなるため、ホットフラッシュの症状を感じている人はアルコールを控える、量を減らすなど対策しましょう。

精白された糖や炭水化物

血糖値を急激に上げてしまう精白された糖や炭水化物は、更年期の女性は注意したい食べ物です。

内臓脂肪が多かったり、血糖値の変動が大きいと、血糖値を調節するホルモンであるインスリンが効きにくくなります。すると、ほてりなどの更年期症状が起こりやすくなるのです。

メタボリックシンドロームや高血糖、インスリン抵抗性は更年期女性のホットフラッシュの症状を悪化させる原因ではないかと考えられており、GI値が高く、急激に血糖値を高める精白された糖や炭水化物は過剰摂取しないように注意が必要です。

ジュースや洋菓子や和菓子など加工食品には砂糖や甘味料が多く使われており、砂糖の取り過ぎにつながるため、なるべく避けるか、少ない量に留めるといいでしょう。

インスタント食品

インスタント食品は、女性ホルモンバランスの乱れにつながるため、避けたい食べ物です。インスタント食品に使われている添加物の中には、ミネラルを奪い成長ホルモン分泌を低下させてしまうものもあります。

冷たい飲み物

体を冷やす冷たい飲み物も、なるべく避けましょう。冷たい飲み物を飲むと体が内側から冷えてしまい、冷えは自律神経の乱れを引き起こします。そして自律神経が乱れると、女性ホルモンも乱れてしまいます。

女性は男性に比べて冷えが起こりやすく、もともと冷えに悩んでいる女性も少なくありません。

冷えは更年期症状の一つでもあり、更年期で以前からの冷え性がさらにひどくなったという人もいます。体を冷やしてしまうことのないよう、冷たい飲み物には注意しましょう。

女性ホルモンは栄養バランスの整った食事で整える!

「これを食べれば女性ホルモンそのものが増える」という食べ物やレシピ、料理はありません。栄養バランスの整った食事を心掛けて、ホルモンバランスを整えることが大切です。それに加えて、ホルモンバランスを整える助けとなる栄養素や食材を摂取するといいでしょう。

ホルモンバランスは食生活の他にも、睡眠や運動、ストレスなども影響しています。規則正しい生活を心掛けることが大切です。

※この記事は2022年10月の記事を再編集して掲載しています。

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