専門家監修│おいしいドリンクで手軽に疲れを撃退!

疲労回復にいい飲み物・栄養素!おすすめレシピも!

林安津美
監修者
たいや内科クリニック
林安津美

公開日:2022.10.31

更新日:2024.07.28

監修者プロフィール:林安津美さん

林安津美さん

大学卒業後JAあいち厚生連に入職し37年間病院の管理栄養士として勤務、その間豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。2022年5月よりたいや内科クリニックへ入職。病態栄養専門管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・腎臓病療養指導士・がん病態栄養専門管理栄養士・和漢薬膳師等の資格を生かし患者さんの思いを聴き・応え、患者目線でテーラーメイドの医療をお届けできるように努めています。

飲み物で手軽に疲労回復!

家事や育児、介護や仕事など毎日忙しく過ごしている現代人は、ストレスや疲れがたまりやすいといわれています。

更年期に差し掛かる女性の場合、女性ホルモンの急激な低下によって身体的にも肉体的にも不調が現れやすい時期であるため、しっかりと自分の体を労ってあげることが大切です。

忙しい合間でも手軽にできる疲労回復・リフレッシュ方法が、飲み物を飲むこと!

飲み物はどんな疲労回復方法よりも手軽で、手間も時間もかかりません。生活環境や生活のリズムを変えるのは難しい人も、すぐに試すことができ、習慣化もしやすいこともメリット。ぜひ今日から疲労回復にいい飲み物を取り入れてみましょう。

疲労回復に効果的な栄養素

疲労回復効果を期待するのであれば、栄養素をチェックしてドリンクを選ぶのがおすすめです。

  • ビタミンB1
    疲労回復ビタミンとも呼ばれ、頭をスッキリさせる効果が期待できる。身体的な疲労の他、精神的な疲労にも効果を発揮する。食べ物なら豚肉や鰻に多く、飲み物なら豆乳がおすすめ
  • ビタミンC
    抗酸化作用があり、疲れの原因になる活性酸素を除去する効果や、ストレス・風邪・日焼けに対する抵抗力を高めるともいわれている。野菜やフルーツに豊富
  • クエン酸
    糖を代謝してエネルギーに変える効果、抗酸化作用があり、疲れにくい体づくりにつながる。柑橘類(レモンやみかんなど)、梅干し、酢などに含まれている
  • BCAA(分岐鎖アミノ酸)
    運動時のエネルギー源になる。運動前後にBCAAを摂取すると疲れにくい体質に。牛乳、栄養ドリンクに含まれている
  • 鉄分
    全身に酸素を届ける役割を持っており、鉄分が不足すると疲れやすい、だるい、体が重たいなどの症状が現れる。鉄分は果物ならプルーンやレーズンに豊富に含まれている

コンビニでも買える!疲労回復効果が期待できる飲み物

コンビニでも買える!疲労回復効果が期待できる飲み物

疲れがあるときは、即効性の高い栄養素である「糖質」を含むものを選ぶのがおすすめです。脳のエネルギー源は9割以上がグルコース(ブドウ糖)であるため、脳にエネルギーを届けることで脳を元気にする効果が期待できます。

しかし、飲み物で摂取した糖質は脳だけではなく、体全体に送り込まれるため、血糖値の上昇にもつながります。飲み過ぎはメタボリックシンドロームや肥満、生活習慣病のリスクを高めるため、飲み過ぎには注意しましょう。

ここからは、コンビニやスーパーなどで手軽に買える、疲労回復効果が期待できる飲み物をご紹介します。

甘酒

「飲む点滴」ともいわれる甘酒は、疲労回復におすすめの飲み物です。

でんぷんが糖化された天然の甘さは、体内に素早く吸収される良質なエネルギーとして疲労回復に効果的です。ビタミンやアミノ酸も豊富に含まれています。

甘酒を選ぶときは、なるべく砂糖が添加されていないものがおすすめです。

豆乳

豆乳には、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1が豊富に含まれています。豆乳はタンパク質も豊富で、女性に嬉しい大豆イソフラボンが含まれている飲み物です。

豆乳に含まれているペプチド(アミノ酸が2個以上つながった構造のもの)には、疲労回復効果が期待できます。

牛乳

牛乳には、BCAA(分岐鎖アミノ酸)、ビタミン、ミネラル、カルシウムが豊富。疲労に負けない体づくりに役立つでしょう。

女性は骨粗鬆症になりやすいといわれており、特に更年期の影響で骨がもろくなりやすい大人女性は、骨の健康ためにもカルシウムは積極的に摂取したい成分です。

黒酢ドリンク

黒酢は、一般的な米酢の約4.5倍もの豊富なアミノ酸を含むといわれています。また、黒酢に含まれるクエン酸や酢酸には、乳酸を分解する働きがあるため、スポーツで体を動かした後の疲労回復にも効果的です。

果汁100%のフルーツジュース

フルーツジュースは、クエン酸やビタミンCを手軽に補給できます。フルーツジュースに豊富に含まれている果糖が素早くエネルギーに変換されることで、疲れの回復を後押ししてくれるでしょう。

最近は鉄分を補給できるフルーツジュースもあり、疲れの症状に合わせて選ぶのがおすすめです。疲労回復のために飲むのであれば、果汁100%フルーツジュースがいいでしょう。

トマトジュース

トマトには強い抗酸化作用を持つリコピンが含まれており、体を疲労から守ってくれます。トマトにはビタミンCも含まれているため、おすすめの飲み物です。

コーヒー

コーヒーに含まれるクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)には高い抗酸化作用があり、カフェインと同じように疲労回復効果があるといわれています。

コーヒーは香りもよく、疲労軽減やリフレッシュ効果も期待できるでしょう。

水出し緑茶

緑茶はお湯で入れるとカフェインが増えますが、水出しにするとカフェインが減り、代わりに疲労改善物質のテアニンが増えます。寝る前に緑茶を飲む場合は、水出し緑茶を飲むと、疲労回復や入眠に効果的でしょう。

疲労をためない!リフレッシュにおすすめの飲み物

ちょっと疲れたときや、気分転換でリフレッシュしたいときに飲み物を飲むのも効果的です。

  • 緑茶
  • 抹茶
  • 玄米茶
  • ほうじ茶
  • ジャスミン茶
  • 紅茶
  • コーヒー
  • ウーロン茶
  • ハーブティー

上記のような飲み物は香りがよく、リフレッシュしたいときにぴったり。中でも紅茶は特にリラックス効果が有名で、疲労回復、ストレス解消、集中力アップなどが期待できるおすすめの飲み物です。

手作りで!疲労回復効果が期待できる飲み物レシピ

疲労回復効果のあるドリンクは、自宅にあるもので手作りすることもできます。ここでは、疲労回復効果が期待できる飲み物レシピをご紹介します。

ゆずグリーンティー

ゆずグリーンティーは、抹茶の中にゆずがふんわり香るホットドリンクです。片栗粉を使うので少しとろみがつき、もともと冷え性に悩んでいる人や更年期の冷えが気になる人にもおすすめ。体の中からじんわりと温めてくれる、寒い時期にぴったりの飲み物です。

抹茶は茶カテキンテアニンの他、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンAなどビタミンも豊富に含んでおり、栄養豊富。

ビタミンB1が疲労回復や精神の安定に効果を発揮し、ビタミンCやビタミンAには美肌効果もあります。疲れを解消しながらお肌のケアもできる一杯です。

ゆずにはクエン酸やリンゴ酸が豊富に含まれ、疲労の蓄積を抑え、疲れを回復する効果があります。

【材料】

  • 抹茶……小さじ4
  • 片栗粉……小さじ1
  • 熱湯……150cc
  • スライスしたゆず……1枚

【作り方】

耐熱グラスに抹茶と片栗粉を入れ、混ぜながら熱湯を加えて、スライスしたゆずを浮かべる。

はちみつレモンジュース

はちみつは昔からスポーツ後の疲労回復にいいと愛されてきた食品で、ビタミンやミネラル、アミノ酸など栄養豊富。疲れて食欲がないときは、レモン(クエン酸)の酸味が食欲を増進してくれるはちみつレモンジュースがおすすめです。

【材料】

  • アカシアはちみつ……大さじ2
  • レモン……2個
  • 水……400cc
  • パプリカパウダー(チリパウダー)……少々

【作り方】

レモンの果汁を絞り、はちみつ、水、パプリカパウダー(チリパウダー)と混ぜ合わせる。

ミルクセーキ

ウォーキングや筋トレなど有酸素運動やトレーニングで体を動かした後の捕食としてもおすすめなのが、ミルクセーキ。卵にはビタミンB群が含まれており、疲労回復に効果的です。

【材料】

  • 牛乳……200cc
  • 卵……1個
  • 砂糖……小さじ2
  • バニラエッセンス……好みで

【作り方】

シェーカーにすべての材料を入れて、よく振り、なめらかになったらグラスに注ぐ。シェーカーがない場合はボウルに材料を入れて、泡立て器でよく混ぜ合わせてもOK。夏の暑い時期は氷を入れるのもおすすめ。

疲労回復・予防に!栄養ドリンクの選び方

疲労回復・予防に!栄養ドリンクの選び方

栄養ドリンクは、疲れや体力の低下を感じたとき、体がだるいときに効く飲み物としてコンビニやスーパー、ドラッグストアなどで販売されています。

栄養ドリンクによっても含まれている成分が異なるため、状況や目的に合わせて選ぶのがおすすめです。

なお、栄養ドリンクにはカフェインが入っているものもあります。寝る前に飲む場合は、カフェイン入りのものは避け、カフェインが入っていないものを選ぶといいでしょう。

体がだるいとき、体調が優れないとき、睡眠不足のとき

睡眠不足などで体がだるいときには、エネルギーを生成し疲れを軽減する効果が期待できる「ビタミンB群」「ニコチン酸アミド」が入っている栄養ドリンクを選ぶのがおすすめです。

風邪のひきはじめのとき

風邪のひきはじめのときは、食欲低下によって体力も落ちてしまいがち。そんなときは、疲労回復や栄養補給ができる生薬やビタミンCが配合された栄養ドリンクを選ぶのがおすすめです。

風邪薬の中にはカフェインが入っているものもあるため、過剰摂取にならないよう、カフェインの入っていない栄養ドリンクを選ぶといいでしょう。

スポーツ後の疲労回復をしたいとき

スポーツ後の疲労回復や、筋肉痛対策には、アミノ酸やビタミンB群を含んだ栄養ドリンクがおすすめ。アミノ酸は筋肉を構成するタンパク質のもとになります。

トレーニング中の人は、筋肉のエネルギー代謝や合成に深く影響しているといわれるバリン・ロイシン・イソロイシンという3種類のアミノ酸を摂取するといいでしょう。この3種類はBCAA(Branched Chain Amino Acidの略)や分岐鎖アミノ酸と呼ばれます。

お酒の飲み過ぎ・二日酔いのとき

お酒の飲み過ぎ・二日酔いのときは、肝機能の働きを高める効果のあるタウリンが含まれている栄養ドリンクを選ぶのがおすすめです。

タウリンには筋肉細胞のダメージ軽減、運動機能の向上などの効果も期待できるため、体の疲労にも効果が期待できます。

疲労回復のために飲み物を飲むときの注意点

疲労回復のために飲み物を飲むときの注意点

ここからは、疲労回復のために飲み物を飲むときの注意点をご紹介します。

カフェインの取り過ぎ・取るタイミングに気をつける

疲労回復効果やリフレッシュ効果が期待できる飲み物の中には、カフェインを含む飲み物もあります。

カフェインには脳を目覚めさせる効果があるため、摂取は遅くとも寝る2時間前までしておきましょう。普段から不眠気味の人、寝付きがよくない人、眠れなくなるのが心配な人は、カフェインを含む飲み物は午前中までにしておくと安心です。

また、飲み物でカフェインを取り過ぎないよう、過剰摂取にも注意しましょう。

一緒にお菓子を食べるのはなるべく避ける

飲み物と一緒にお菓子を食べてしまうと、血糖値も上昇してしまうことになります。糖質を多く含む飲み物を飲む場合は特に、糖質の取り過ぎにつながるため、ナッツ類などと一緒に食べるかお菓子をつまむのはできる限り避けましょう。

疲労回復・リフレッシュは飲み物で手軽においしく!

飲み物を飲むことは、忙しいときでも気軽にできる疲労回復・リフレッシュ方法としておすすめです。

時間や手間、お金もかからず、習慣化もしやすいことがメリット。疲労回復効果が期待できる飲み物には豊富な種類があるため、その日の気分に合わせて飲み物を選ぶことで、飽きずに楽しくリフレッシュできるでしょう。

カフェインや糖質の取り過ぎには注意しつつ、ぜひ飲み物を活用して疲労回復につなげてみてください。

※この記事は2022年10月の記事を再編集をして掲載しています。

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