食事や運動も原因に?心の病気の可能性も

やる気が起きないときの対処法は?ストレスと脳の状態

公開日:2021/03/26

更新日:2021/07/25

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「最近、なんだかやる気が起きない」とお悩みではありませんか。この記事では、やる気が出ないときの対処法を解説します。また、やる気が起きない人の心理・脳の状態、やる気が出ない原因となる心の病気についても説明していきます。

やる気が起きないときの対処法は?
やる気が起きないときの対処法は?

やる気が出ないときの対処法

やる気を出すためにできること

家事や仕事など、やらなければならないことがあるのに、やる気が起きないという状態は、とてもつらいものです。でも、日常生活のちょっとした工夫で改善できる場合もあります。今すぐできる、やる気が出ないときの対処法を紹介します。

食事・睡眠・運動で神経伝達物質のバランスを整える

心身を健康に保つことが、やる気を出すための第一歩です。日頃の疲れやストレスを食事・睡眠・運動で取り除きましょう。

食事のポイント

まずはバランスのいい食事を心掛けること。その上で、ドーパミンの生成に必要なアミノ酸「フェニルアラニン」や「チロシン」を含んだ食べ物を摂取するのがおすすめです。また、脳の疲労を回復する「ビタミンB12」も積極的に取りましょう。

それぞれの栄養素を多く含む食べ物には、以下のようなものがあります。

  • フェニルアラニン:豆類、ナッツ類など
  • チロシン:チーズ、納豆、味噌、たらこ、乳製品、バナナなど
  • ビタミンB12:レバー、魚介類など

睡眠のポイント

睡眠中に分泌される「成長ホルモン」には体の疲労回復や記憶力・集中力と意欲を高める働きがあるとされています。しかし、睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌も悪くなってしまいます。

質の高い睡眠をとるためには、以下のことを心掛けてください。

  • 自分の体格に合った寝具を選ぶ
  • 日中に体を動かし、寝る前は静かに過ごす
  • 寝る前にはスマホやテレビなどは見ない

運動のポイント

神経伝達物質の「セロトニン」は、精神の安定や脳を活発に働かせる物質です。セロトニンの分泌を促すために、日光浴や有酸素運動の効果があると言われています。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどを習慣化しましょう。

やる気スイッチ「淡蒼球」を活性化する

脳の大脳基底核の一部である「淡蒼球(たんそうきゅう)」は、その働きから、通称“やる気スイッチ”と呼ばれます。

淡蒼球から信号が送られることで、やる気やモチベーションが湧くという仕組みなので、「やる気が起きない=淡蒼球が動いていない」状態と言えます。

淡蒼球は自分の意志では動かすことができませんが、以下のような行動をすることで活性化できます。

  • 体を動かす
  • いつもと違うことをする
  • 報酬(ごほうび)を与える
  • やる気がある自分になりきる

やるべきことを紙に書き出してみる

何からすればいいのか判断できないときにおすすめなのが、紙にやるべきことを書き出す方法です。

タスクを書き出すときには、以下のことを書くようにします。

  • やること
  • いつまでにやるなどの期限
  • 優先順位

そうすることで頭が整理され、未来や結果へのいいイメージを持ちやすくなります。

苦手なことも少し手を付けてみる

ドイツの精神科医エミール・クレペリンが発見した「作業興奮」という作用を利用するのも手です。気が進まない作業でも、まずは取りかかることで徐々に気分が乗って、やる気が出る状態のことをいいます。

「5分で終わる範囲で片付けをしてみる」「パソコンで文字を打ってみる」など、少し手を付けてみてください。徐々にエンジンがかかってきて、いつの間にかやるべきことが終わっていた、30分経過していた、というふうになるはずです。

また、体を動かすことで脳にある側坐核に刺激が与えられ、ドーパミンが分泌されます。本格的な作業に入る前の準備運動のような感覚で体を動かしてから、少しずつ作業に手を付けてみましょう。

やる気がない原因は?心の病気である可能性も!

やる気がない原因が心の病気である可能性も!

やる気が起きない原因は1つではなく、さまざまな要因が複雑に絡みあっていることが多いものです。当てはまるものがないか、チェックしましょう。

不規則な生活習慣

上の対処法でも説明した通り、食事・睡眠・運動などの生活習慣は、やる気に大きく関係する要因です。

食事の内容も健康状態に影響します。セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を作り出す「タンパク質」や、脳の働きに必要なエネルギーとして多く消費される「ビタミンB群」などが不足すると、やる気が出ない原因になります。

昨今よく耳にするようになった「睡眠負債」も、やる気と関係しています。睡眠の質が悪いと自分でも気づかぬ間に睡眠負債が蓄積して、やる気が起きない状態が続いてしまいます。

運動不足もやる気が起きない原因になる場合があります。適度な運動は、ストレス解消や睡眠の質をアップさせることにもつながります。

食事・睡眠・運動など生活習慣に気を付けて、規則的な生活を心掛けましょう。

心身に疲れやストレスが溜まっている

残業が続いている人や、睡眠をしっかりとっても体の疲れが取れないと感じている人は、要注意! 心身に疲れやストレスが蓄積され続けると、エネルギーが枯渇して、やる気が起きない状態になってしまいます。

特に女性は、家事・仕事・育児の両立のため、疲労回復・ストレス解消のための時間が取れない人も多いようです。コロナ禍でテレワーク中の人もONとOFFのメリハリをつけ、休日はしっかりと休息をとることが大切です。

コロナうつや自律神経失調症にも注意!

心の病気が原因で、やる気が起きない状態になっている可能性もあります。代表的な心の病気に「うつ病」があります。うつ病の症状の一つに意欲低下や、興味や喜びの喪失があります。

自律神経失調症でも、やる気が起きない症状が出ます。最近は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によるストレスやライフスタイルの急激な変化が原因でうつ病を引き起こす「コロナうつ」にも注意が必要です。

一時的なメンタル不調である「春バテ」や「夏バテ」などもありますが、長期間やる気が起きない状態が続くようであれば、専門家に相談しましょう。

ADHDなど発達障害が原因の場合も

特に憂鬱ではないが、なぜかいつもやる気が起きないという人は、ADHD(注意欠如・多動症)など発達障害の可能性もあります。

ADHDとは、落ちつきのなさや不注意・衝動性などが生活や仕事、学習に悪影響を及ぼし、その状態が6か月以上持続していることをいいます。

発達障害といっても、子どもの頃ではなく、大人になってから気付くこともあります。大人のADHDの場合、やる気に関して、以下のような特徴があるとされています。

  • 結果がすぐに出ない事柄にはやる気が出ない
  • 新しいことに興味を持つが、同じことの繰り返しにはやる気が出ない
  • 何からすればいいのか考えているうちに、やる気がなくなる

ADHDの人は、脳内の情報を運ぶ神経伝達物質がうまく働かないため、本人の気持ちに関係なく、やる気が起きづらい状況である可能性があります。

うつ病や自律神経失調症、発達障害はどれも、専門医がカウンセリングで本人の周囲の環境を聞き、心身のさまざまな症状なども踏まえて診断する必要があります。やる気が起きない状態が長引く場合には、病院の受診をおすすめします。

やる気が起きないときにありがちな心理状態

やる気が起きないときにありがちな状態

その他、作業の進め方や周囲の環境が原因となっている可能性もあります。やる気が起きないときにありがちな心理状態を説明していきます。

何からすればいいのか判断できない

部屋を片付けられない人の特徴でもありますが、やるべきことが多すぎると、頭の中が散らかっているような状態になり、何からすればいいのかわからなくなります。

また「あれもこれもやらなければ」と手当たり次第に手をつけ、すべてが中途半端になってしまうケースも見られます。

目標やメリットが見い出せない

仕事や家事など、具体的にやるべきことはわかっていてもやる気が起きないときには、その作業にメリットを見い出せていないからかもしれません。目標や魅力が見い出せないのは、前向きな意欲が低くなっている、要注意サインです。

苦手なことや人間関係など、避けたい要因がある

やるべきことが苦手なことだったり、周囲の人間関係が悪化していたりすると、やる気が起きないことがあります。例えば「過去の経験で苦手意識を持ち、クレーム対応が億劫になる」、「嫌いな相手と仕事をしなければならない」などです。

人はやりたくないことをやらなければいけない状態に置かれたとき、強いストレスがかかります。すると憂鬱になり、やる気が起きない状態になるのです。

やる気が起きない人の脳の状態とは?

やる気が起きない人の心理・脳の状態とは?

やる気が起きない状態のとき、人の脳はどのような状態になっているのでしょうか。

ドーパミンの分泌量が低下している

やる気を左右しているのは、脳内にある神経伝達物質「ドーパミン」の分泌量です。このドーパミンは、側坐核(そくざかく)から分泌される物質で、食べ物に含まれるアミノ酸の「チロシン」や「フェニルアラニン」が合成されて作られます。

ドーパミンが大量に分泌されると、やる気がある状態となり、反対にドーパミンの分泌量が低下していると、やる気が起きない状態になります。

神経伝達物質のバランスの乱れ

ドーパミンの他にも、戦うためのホルモンともいわれる「アドレナリン」、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」などの神経伝達物質のバランスが乱れると、やる気が起きない状態になりやすいと言われています。

やる気がないときにやってはいけないこと

やる気がないときにやってはいけないこと

このように、やる気が起きないときは、体や脳にさまざまな変化が起こっている状況です。

その状態でさらにストレスがかかると、メンタル不調を引き起こすなど、ますます状態が悪化する原因になるため、やる気がないときにやってはいけないこともチェックしておきましょう。

自分を攻めるマイナス思考

一番やる気がないときにやってはいけないことが、自分を責めることです。

できない自分を「ダメな人間だ」などと責めると自己肯定感が低下し、マイナス思考に陥ってしまいます。やる気が起きないときは誰にでもあり、決して悪いことではありません。自分を責めず、自分にやさしくしてあげましょう。

感情に任せて転職など重大な決断をする

やる気が出ないときは、メンタル不調を引き起こしている可能性があります。集中力や決断力が鈍っているため、転職や離婚などの重大な決断は避けた方が無難です。

周りの人と自分を比較する

やる気が起きないときに、周りの人と自分を比較することは控えましょう。周りの人がよく見えたり、羨ましいと思うことで自己嫌悪に陥ることも。やる気がないときには、できるだけ周囲が気にならないような工夫を心掛けてください。

やる気が起きないときの対処法まとめ

やる気が起きないときに無理にやる気を出すと、リバウンドでどっと疲れが出てしまうこともあるため、焦りは禁物です。自分のやる気が起きない原因を知り、食事・睡眠・運動など生活習慣を見直すことから始めてみましょう。

特にコロナ禍の今は、外出自粛による在宅ストレスや運動不足も気になります。ウォーキングなど外でやる運動以外にも、トランポリンスクワットなど、室内でできる運動もあるので、チェックしてみましょう。

周囲の人間関係など、周りの環境が原因の場合には、すぐに改善が難しい場合もあるかもしれません。その場合も、ONとOFFのメリハリをつける、休日はしっかりと休息をとるなどの対処法を心掛けてください。

やる気が起きないからといって、自分を責める必要はありません。「長い人生にはそんな時もある」と前向きに捉え、心身が疲れたときはゆっくり休みましょう。

※ここで紹介した「やる気が起きないときの対処法」を試しても長期間メンタル不調が続くようであれば、専門家に相談しましょう。

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