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更年期障害とホルモン補充療法を体験しました(2)
【更年期】HRTの効果が!やる気と自信を取り戻した
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座 院長
対馬ルリ子
公開日:2020.08.26
更新日:2024.08.24
閉経前後に訪れる「更年期」。気づかぬうちに始まった更年期の症状に悩まれていませんか? 更年期によってうつ状態になったライターの宇山恵風さんが、更年期障害とホルモン補充療法による治療後の変化についてつづります。
HRT開始後1週間で、異常発汗やほてりが軽減
HRTがスタートしました。毎晩、お風呂上がりの汗が引いたタイミングで、内腿にエストロゲンのジェルを1包、指定された面積に塗り伸ばします。アルコールを含んでいるので、肌荒れを防ぐため一日おきに違う場所(下腹部・太腿など)に塗ります。
塗り始めて1週間が過ぎると、ひどかった寝汗の量が減り、やる気と集中力が改善し、仕事の処理能力が高まったように感じました。それもあって明るく前向きな気分も戻ってきました。
さらに少し気になっていたデリケートゾーンの乾燥やかゆみも気にならなくなりました。薬の注意書きを読むと、子宮出血、乳房痛などが起こることがあると記載されているので、それについても注意深く観察しましたが乳房痛はなく、使い始めて10日後から3日間、少量の月経のような出血がありましたが、月経痛のような下腹部の痛みや頭痛はありませんでした。
仕事の集中力や活力、自信も復活
HRTを始めて2か月目に入ると、プロゲステロンの錠剤も、朝と夕に1錠ずつ1か月のうち12日間だけ飲むことになっていました。エストロゲンは子宮内膜を厚くする働きもあり、子宮体がんのリスクが高まる可能性があるため、そのリスクを下げるために、子宮内膜が厚くなり過ぎないように子宮内膜を排出する働きも持つプロゲステロンを一定期間飲むというHRTの方法です。
これによって人工的に月経周期に似たようなサイクルができ、軽い月経が毎月訪れるようになりましたが、それほど苦には感じず、それよりもHRTによって、発汗やほてりが改善し、仕事の集中力や意欲が復活したことで自分にも自信が持てるようになり、どんよりとした灰色の曇り空だった自分の心の中が、晴れ上がって気持ちいい青空になっていることがうれしく感じています。
更年期のピンチはチャンスと前向きに!
更年期障害を体験して、私は今までの自分とは全く違う「弱くなった自分」「老化した自分」と出会った気分でした。仕事のストレスでめまいや吐き気が止まらなくなるなどという弱い自分ではなかったはずなのに、実は少しずつ体力や忍耐力や自信ややる気などが低下していたのだと思います。
もしかしたら、老眼が進んだり、体力が落ちたり、髪質が悪くなって白髪が増えたりしていく自分を感じながら、「抗えない老い」を感じて不安と焦り、イライラを感じていたのかもしれません。心の奥底で、「自分が今までの自分よりずっと弱くなった」と気付きながら、「まだまだ自分は若い」「老いなんかに負けない!」と認めたくなかったのだとも思います。
その葛藤やストレスが長年続き、我慢しきれなくなって更年期障害の症状として出たのだと思います。私は幸いなことに、仕事で更年期障害の治療法についての記事をたくさん書いていたので、早めにレスキューを求めて更年期外来にたどり着き、ホルモン補充療法で、更年期障害を改善することができました。
更年期障害は怖いものでもないし、なった人は老化が早くて不幸で、ならない人は若々しくて幸せというわけでもないと思います。むしろ更年期障害が、「体質が変わってきたのよ!」とか、「もっと自分を大切にしなさい」とか、「あなたは自分が思うほど、強い人間ではないよ」ということを、教えてくれたように思っています。更年期障害のおかげで、素晴らしい主治医たちにも出会うことができましたし、自分の生き方も変わりました。
更年期というピンチは大なり小なり、誰にでも訪れると考えて、自分の心と体に関心を持ち、自分を好きになるチャンスとして活用し、輝き続けましょう。
前回の記事はこちら【更年期】自分が更年期障害でうつ状態になるなんて
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