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素朴な疑問老化の元凶「AGE」とは?その予防法とは?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。最近よく雑誌や健康番組で見かけるようになったのが「AGE」という言葉。どうやら老化に関係する専門用語のよう。ちょっと気になるので調べてみました。
老化を進める物質AGEとは
AGE(エージ―イー)とは「Advanced Glycation End Products」の略で、直訳すると「終末糖化産物」。簡単にいえば、たんぱく質と糖が加熱されて劣化した「たんぱく質のなれのはて」ということ。強い毒性を持ち、老化を促進する原因物質とされています。AGEは、まさに体の『焦げ』ともいえる茶褐色の物質です。
たんぱく質はお肌や髪の毛、筋肉や組織、血液などを作り出す、ワタシたちが生きていくために欠かせない栄養分です。それが糖分と結合して劣化し、悪玉物質AGEに変わると、お肌のシミ、シワ、くすみ、たるみ、薄毛など美容に悪影響を与える他、糖尿病やがん、アルツハイマー型認知症、更年期障害、動脈硬化、心筋梗塞などさまざまな健康被害を引き起こす可能性があります。
糖尿病や糖尿病予備群の方は、インシュリンがうまく機能しないことで血液中に糖がたくさん流れ、血糖値が高い状態が続くことで、AGEが増えてしまいます。AGEが血管内や組織に蓄積すると、糖尿病性合併症を発症させたり、進展させたりすることがあるとわかっています。
老化の元凶であるAGEを、いかに体に溜めないようにするか。「AGE予防がアンチエイジングのカギ」ということで、世界中で大きな注目が集まっています。
あなたの体にAGEは溜まっている?AGEチェックリスト
AGEがたまりやすい生活をチェックリストにしたものです。何個当てはまるか、答えてみましょう。
AGE研究の第一人者、糖尿病性血管合併症病態・治療学講座教授 山岸 昌一教授監修のAGEチェックリスト10項目
- 丼物が大好きでよく食べる
- いびきをよくかく
- 食べるのが早いと言われている
- 朝ごはんを抜くことが多い
- 煙草を吸う
- 家ではゴロゴロしている
- 煮物より揚げ物が好き
- 少し太っている
- お茶よりは炭酸飲料が好きだ
- 体の関節がかたい
1~2個:実年齢マイナス10歳、3~4個:実年齢よりマイナス5歳、 5~6個:実年齢、7~8個:実年齢よりプラス5歳 9~10歳:実年齢プラス10歳。
AGEができるメカニズムとは
では、AGEはどうやってできるのでしょうか? AGEがつくられる仕組みは2通り。1つは体の中で作られるケースです。たんぱく質は血液中のブドウ糖が多いほど糖と結びつきやすくなるという特性があるため、血糖値が高い状態が続けば続くほどAGE化しやすいんだとか。
もう1つは、食べ物によって体内に取り込まれるケース。AGEはたんぱく質と糖が加熱されることで生まれる「メイラード反応」、つまり、焼き目や焦げ目に生成されます。こんがり焼けたトーストや焼き目のついた香ばしいステーキ、高温の油で揚げた唐揚げなどは、実はAGE量の多い料理ということになります。
AGEを作らないようにするポイントは、「血糖値が高くならないようにする」「AGE量の多い食品を取らないようにする」の2つ。まずは血液検査を受けて「ヘモグロビンA1c」の数値をチェックしてみましょう。数値が高い人ほど全身の糖化が進んでいて、AGEが溜まりやすい体になっているんだそうです。血糖値が高い状態が続かないように、生活習慣の見直しをする必要がありそうですね。
老化、AGE量を抑える食べ方
食材を食べる順番を工夫したり、食べる食材を気にすることでAGEの量を抑えることができます。
- 繊維の多い食品から先に食べる
食物繊維は食べ物の消化と吸収を緩やかにして、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。下記の順で食べると、AGEの生成を防ぐ効果が期待できます。
- 野菜・海藻類・食物繊維の豊富なもの
- 肉・魚・大豆などのタンパク質
- ご飯・麺などの炭水化物
- ファーストフードはなるべく取らない
肉や魚、チーズなどたんぱく質の多い食材は、「焼く・揚げる」などの高温調理で食品中のAGE量が増えやすいので、極力避けるようにしましょう。また、ファストフードは手軽に食べられるのがいい点ですが、早食いになりがちなので、血糖値が急激に上がりやすくなります。どうしても食べたいときは、野菜サラダを一緒に注文し、サラダを先に食べましよう。
- 人工甘味料の入った清涼飲料水をなるべく取らない
ジュースや炭酸飲料などに使われている異性化糖はブドウ糖の10倍の速さでAGEをつくるといわれていますので、控えるようにしましょう。
- ゆっくり食べる
早食いをすると、血糖値を急激に上がり、体内でAGE化が促進されます。ゆっくり時間をかけて、よく噛んで食べましょう。
- 調理方法を工夫する
調理方法によってもAGEの蓄積量は増えます。以下の6つはAGEが増加しやすい調理方法です。できるだけ避けて調理するといいでしょう。
- 電子レンジでの調理(特に10分以上の加熱。電子レンジで調理した食品の再加熱)
- 揚げ物を炒める料理(酢豚などの中華料理)
- 二度揚げ(フレンチフライなど)
- 肉や魚、炭水化物をこげつかせる
- 長時間高温で加熱したレトルト食品を多用すること
- オーブンや圧力鍋での調理
他にも、以下のような食べ方がAGE対策に有効だと言われています。
- 3食規則正しく食事を取る
- 食間は4時間以上空け、間食をしない
- 腹八分目に食べる
- 主食・主菜・副菜をそろえ、バランスをよく食べる
- 主食(穀類・芋類)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品)、副菜(野菜類)を組み合わせ、副菜から食べる
- 油脂の多い揚げ物・炒め物などの料理、嗜好食品の清涼飲料水・菓子類・アルコールを控える
老化を防ぐ食べ物
- レモン・酢酢
レモンや酢に含まれるクエン酸には、食品中のAGEを減らす作用があり、糖の代謝をスムーズにする働きもあります。 - 鶏むね肉
鶏むね肉に含まれる「カルノシン」は、糖化を促進する活性酸素を取り除き、強力にAGEを抑え、肌を若々しく保つ効果があります。
- キノコ
キノコ類に豊富に含まれるビタミンB1とB6は、糖尿病合併症の治療でも使われる抗AGEビタミン。また、キノコには、食物繊維も多く含まれるため、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。
- 緑黄色野菜
緑黄色野菜に含まれる「αリポ酸」には、糖化を防ぐ作用があります。また、強力な抗酸化作用があり、疲労回復にも効果も期待できます。
- オリーブオイル
パンやごはんなどの炭水化物は、オリーブオイルなどの脂質と一緒に食べたほうが血糖値は上がりにくく、AGEの増加を抑えることにつながります。
AGEのことがいろいろとわかりました。食べ方や調理法を少し工夫するだけでも効果はありそうなので、できることからちょっとずつ取り入れて、できるだけAGEを体内で増やさないようにして、アンチエイジングに取り組みたいと思います!
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参照: 杏林大学医学部
イラスト:飛田冬子
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