ドライマウスチェックリスト付き!
更年期からの新常識!口の渇きが“脳”を老けさせる!?
更年期からの新常識!口の渇きが“脳”を老けさせる!?
公開日:2026年02月27日
唾液の役割とは?
気温も湿度もまだまだ低い春先は、肌や喉だけでなく口の中も乾きやすくなり、ドライマウスに悩む人が急増します。
ドライマウスは「口腔乾燥症」とも呼ばれる口の中のトラブルの一つで、唾液の分泌量が通常よりも低下し、口腔内が乾燥する状態のことを指します。中には、唾液の分泌量は正常なのに、口呼吸が多くて唾液がどんどん蒸発してしまうタイプのドライマウスもあります。
唾液には「口腔内を洗い流す」「細菌の増殖を抑える」「傷ついた粘膜を修復する」「歯の再石灰化を促し虫歯になりにくくする」など、口腔内の健康や衛生を守る働きがあるため、口の中が乾燥すると口腔内が不衛生になり、口臭や虫歯、歯周病、口内炎などにつながります。
次のような症状が1つでもある人は、ドライマウスの可能性があります。まずはチェックしてみましょう。
<ドライマウスチェックリスト>
・口の中の渇きを感じる
・口の中がネバネバする
・食べ物の味がよくわからない
・水分を摂取しないと食べ物を飲み込みづらい
・口臭が気になる
・口が乾いて会話がしづらい
・口内炎がよくできる
・よく夜間に目が覚めて水を飲む
更年期は要注意!ドライマウスの原因
ドライマウスの原因には、緊張(ストレス)や口呼吸の習慣化などがあります。
口呼吸は、鼻呼吸ができないときに口から空気を取り込む呼吸方法。感染症や花粉シーズンでは、鼻水や鼻づまりが原因で口呼吸となり、ドライマウスの症状が出る人も少なくありません。
また、更年期以降の女性はドライマウスになりやすいので特に注意が必要。医学博士の福島さんは、その理由をこう解説します。
「女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減ると唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量も減りやすくなります。その結果、唾液が出づらくなり、ドライマウスにつながっていきます」(福島さん)
40~50代にとって、そうした体の変化に加えて、空気の乾燥や鼻づまりも気になる冬は、1年の中でもっともドライマウスに気を付けたい時期といえそう。薬による副作用でドライマウスになる人もいるので、服用中の薬がある人はかかりつけの医師に相談してみましょう。
ドライマウスと認知症の関係
ドライマウスは口臭や虫歯、歯周病だけでなく、さまざまな健康リスクを高めることが知られています。その一つが認知症です。
唾液には、口に入った食べ物を分解し、その過程で味物質を溶け出させて甘みや苦みといった味を感じさせる働きがあります。ドライマウスではこの働きがスムーズに行われなくなるため、味覚障害が発生しやすいと言われています。
「味覚障害が続くと食事の満足感が減ると同時に咀嚼回数も減って、脳への刺激が減少します。さらに、ドライマウスから歯周病が進行すると、歯周病による慢性的な炎症が全身に悪影響を及ぼし、アルツハイマー型認知症の進行を早める可能性もあります」(福島さん)
歯周病が進行すると、歯周病菌の一部が口腔内の小さな傷から血液中に入り込み、血管壁を傷つけたり、血小板に異常をきたして血栓ができやすくなるなど、心血管疾患のリスクが上がることもわかっています。
「口の渇きくらいで……」と軽視せず、気になる症状があれば早めにケアを始めましょう。
今すぐ取り入れたいドライマウス対策
ドライマウスは生活習慣のちょっとした工夫で改善が期待できます。そこで福島さんに、今日からできるドライマウス対策を教えてもらいました。
■ドライマウス対策1:冬でもこまめな水分補給を
口の中が乾燥しないように、喉が渇いていなくても1~2時間に1回は水分を取る習慣をつけましょう。
おすすめは水、麦茶、ハーブティなどカフェインや糖が入っていない飲み物です。中でも麦茶はミネラル補給にもつながるのでおすすめ。カフェインの入っている飲み物は利尿作用があり、体の水分を出すことにつながるので飲みすぎないようにしましょう。
フレーバー付きの水など、フルーツの風味が付いた飲み物は虫歯のリスクがあるので、飲んだ後は歯みがきを忘れずに。
■ドライマウス対策2:食事はよく噛んで食べる
あごの筋肉を動かすことで咬筋(噛む筋肉)が働き、唾液の分泌が促されます。噛み応えのある食材なら自然と噛む回数が増えるので、根菜類やきのこ類などを日々の献立に上手に取り入れましょう。
■ドライマウス対策3:キシリトールガムや口腔保湿剤を活用する
ガムを噛むことでも唾液の分泌が促されます。糖分入りのガムは虫歯リスクを高めるため、虫歯菌のエサにならないキシリトール配合のガムがおすすめです。
「ただし、『キシリトール配合』と書かれていても、砂糖やブドウ糖、果糖などの甘味料が含まれている製品もあるので、購入する際は成分表示の確認を。キシリトール50%以上、できれば歯科で購入できるキシリトール100%のガムがおすすめです」(福島さん)
他に、口の渇きを感じたときは、ドラッグストアなどで購入できるゼリー状の口腔保湿剤を使うのも一手です。
■ドライマウス対策4:唾液腺マッサージを行う
唾液を分泌する「唾液腺」をマッサージすることで、唾液の分泌がスムーズになります。唾液を作る唾液腺は主に3つあります。
<唾液腺の場所とマッサージの方法>
●耳下腺(じかせん)……耳たぶの前あたり。
耳たぶの前あたりに人差し指・中指・薬指・小指の4本を置き、後ろから前へ10回くらい回すようにマッサージします。
●顎下腺(がっかせん)……顎の下、ちょうどエラの部分。
顎の下に親指を当てて、耳の下方向へ滑らせるように5回くらい動かします。
●舌下腺(ぜっかせん)……舌の裏側にある腺。
あごの下から舌の裏側に向けて、親指2本で軽く押すように5回くらいマッサージします。
これらの唾液腺マッサージは、電車やオフィスでも気軽に行えます。マッサージの回数は1日2~3回程度が目安。特に耳まわりには、さまざまなツボがあるので、マッサージすることでリフレッシュにもつながりますよ。
■ドライマウス対策5:はちみつで保湿、プロポリスで抗菌を
昔から口腔や喉の健康に役立てられてきたミツバチ産品のはちみつとプロポリス。はちみつは保湿性に優れ、プロポリスは抗菌性に優れています。
「はちみつは唾液の分泌を促したり、口の中の潤いを保つ効果が期待できる他、歯石をできにくくする効果も報告されています。一方で、糖をほとんど含まないプロポリスは、虫歯菌や歯周病菌の増殖を抑える働きがあり、口腔内の炎症を改善する効果が期待されています」(福島さん)
ミツバチ産品に詳しい福島さんに、ドライマウス対策に役立つはちみつとプロポリスの使い方を教えてもらいました。
<口腔内の乾燥を防ぐはちみつのおすすめの使い方>
- ハーブティやカフェインレスのお茶に、砂糖代わりにはちみつを少量。口の中の潤いを保つ効果が期待できます。
- 唾液腺マッサージの前後に小さじ半分程度のはちみつを口に含む。マッサージ前に使えば唾液の分泌をサポートし、マッサージ後に使えば口の中の潤いを保つのをサポートします。
- 朝の歯みがき後に小さじ半分程度のはちみつを。口の中で転がすようにして広げれば、粘膜を包み込んで唾液の分泌を促します。
甘いはちみつは虫歯につながりそうなイメージがありますが、水あめなど余計なものを含まない純粋なはちみつを少量取る程度であれば、虫歯や歯周病の心配はないそうです。
<口腔内を清潔に保つプロポリスのおすすめの使い方>
- プロポリス配合の歯磨き粉を使う
- スプレーや液体タイプのプロポリスを歯みがきの後に口に含む
いかがでしたか?
ドライマウスを予防・改善し、唾液量を増やすことは、歯の健康はもちろん、脳や血管の健康維持にもつながります。
空気が乾燥する冬~春先はドライマウス対策を始めるのにぴったりの時期。「口を潤す習慣」で、口腔環境を整えていきましょう!
※ドライマウスは糖尿病やシェーグレン症候群(免疫バランスが崩れてしまう自己免疫疾患の一種)、服用中の薬の副作用などによってあらわれる場合もあります。病気や薬の影響が考えられる場合は医師に相談しましょう。
■取材協力:山田養蜂場 健康科学研究所
■監修者プロフィール:福島忍(ふくしま・しのぶ)さん

山田養蜂場 健康科学研究所 学術情報担当。入社以来、最先端の研究学術情報を集約・発信する業務に従事する他、全国各地の大学との共同研究や自社の臨床研究などにも携わり、ミツバチ産品の効果を明らかにしてきた。医学博士。




