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更新日:2022年11月12日 公開日:2022年11月11日
映画「あちらにいる鬼」女性の心を翻弄する役の作り方
俳優・豊川悦司さんが、瀬戸内寂聴さんと道ならぬ恋に落ちた作家・井上光晴さんをモデルにした男性を演じている映画「あちらにいる鬼」。複数の女性の心を翻弄する役作りや、どのように理解して演じたのかなど、お話を伺いました。
「あちらにいる鬼」は、直木賞作家の井上荒野さんが、父親である井上光晴さん、その妻である母親、そして瀬戸内寂聴さんという3人の特別な関係を綴った小説の映画化作品。
作家同士として出会った長内みはる(瀬戸内寂聴さんがモデルのキャラクター)と白木篤郎(井上光晴さんがモデル)。白木には妻子がいましたが、みはると惹かれ合うのを止められず深い仲に。白木は妻・笙子のことも愛し続け、みはると笙子にはいつしか同志のような感情が芽生えていきます。白木との関係は7年にも及び、みはるは悩んだ末、出家を決意します。
豊川さんは、原作から発展した映画ならではのキャラクターとしての魅力も最大限に表現しています。
――白木篤郎という役は、男性として好感を持てないタイプのキャラクターだと感じたそうですが、どのように理解して演じられたのでしょうか?
豊川悦司さん(以下、豊川悦司)
実在の小説家の方なので、幸い資料が結構ありましたし、作品も読んで、「こういう感じの人だったんだ」と知ることができました。そこから、映画のキャラクターとして、どういうふうにデフォルメしていこうかと考えました。
不倫の事実だけをリアルに取り上げて「女性の敵」みたいに思われてしまうのは良くないなと。女性が彼を受け入れてしまうような、彼の持つ魅力って何なんだろうって
少なくとも彼のことを愛した女性たちはいたわけだし、どんな目にあわされても奥さんは彼から離れなかったわけだしね。そんな彼の魅力を探しながら、そこを大切に演じようと思いました。
――白木は、女性ならみんな好きになってしまう男性として描かれていて、実際モデルである井上光晴さんがそうだったわけですが、「白木に惹かれる女性たちの気持ち」をどう理解して演じられましたか?
豊川悦司
「全身小説家」という井上光晴さんのドキュメンタリー映画があって、その中に井上さんが開講していた小説学校の女性生徒さんたちの証言のシーンがあるんですね。それを見ると、彼がモテる理由の一つは、ちゃんとその人自身に向き合っているからだと思いました
もしかしたら、その女性たちは、日常生活ではあまりパートナーに向き合ってもらえていなくて、だからこそ小説学校に来て、師匠である井上さんが向き合ってくれることに喜びを感じていたんじゃないのかなと。井上さんは、必然的にモテたんだろうなという気がします。
ちゃんと女性と向き合って、真摯に褒めたり叱ったり、きちんと言葉にして相手に届けていたからモテたんじゃないかな?
――女性一人一人に対して、それぞれが心を打たれるようなことを言っていたんですね。
豊川悦司
そうだと思います。すごくマメな人だったんだろうなと思うし、その労力も結構大変だったと思いますが、それをやってのける人だったんですね。
――生徒たちの前で女装をしてストリップをやったりなど、サービス精神も感じられますよね。ストリップシーンの撮影は大変でしたか?
豊川悦司
シナリオにあのシーンがあって、「これ、本当にやるのかなぁ。カットになるんじゃないの?」と思っていましたけど、本当にやることになりました(笑)。あれも、「全身小説家」にストリップのシーンがあったので、参考にさせていただきましたが、とにかくお茶目な人だったんだと思います。
どんな時でもメガネを外さないことも含めて、映画の白木にもそのお茶目さを取り入れようと思いました。ストーリーは重いんだけど、重たくなり過ぎないように、どこかおとぎ話の登場人物のような雰囲気を持たせたてあげたかったです。
――豊川さんが演じたことでチャーミングさが増していると思いました。みはると白木の関係、妻・笙子と白木の関係を、豊川さんはそれぞれどのように解釈して演じたのでしょうか?
豊川悦司
たぶん、彼の感じ方として、みはるにないものを妻の笙子に求め、笙子にないものをみはるに求めていたんだと思います。だから、もしかしたら白木の理想の人というのは、この2人を併せた女性だったのかもしれないですね。まあ、2人以外にも関係した女性はいっぱいいましたけどね(笑)。
白木という人は寂しがり屋で、女性に対してコンプレックスを持っていたんじゃないかという気がします。女好きというよりは、女性好きというのかなぁ。女性と一緒にいることによって、とても心が安らいでいたのかなと思います。
――女性を見下したりすることは決してなく、リスペクトしていたんですよね。
豊川悦司
そうだと思います。
――寺島しのぶさん、広末涼子さんとの共演で、印象的だったことはありますか?
豊川悦司
ほぼ3人芝居だったのですが、どういう芝居になるのか、どういうシーンになるのか、やってみないと分からない中で、すごく楽しんで芝居を作っていったという感覚でした。僕の中で、寺島さんはずっとみはるだったし、涼子ちゃんは笙子でした。
この3人の関係が、カメラが回っていないところでも、自然と役とダブってきているような感覚がありました。夫と妻と愛人というか、同志のような関係の3人ですね。
――妻と愛人が同志になるというのは、かなりレアな関係だと思いました。
豊川悦司
そうですね。でも、江戸時代には大奥というものがあって、本妻と妾が同等で、どちらにも男の子が生まれたら、それが世継ぎになったりしましたよね。確かに、今の時代にはまったく合わないけれど、いまだに一夫多妻制が残っている国もあるわけだし。
「2人の人を同時に愛することは不道徳なのか」という話にも発展しますよね。好きになっちゃったら、どうすればいいのか。どっちかを諦めるとしたら、それは誰が決めるのか……。
――善悪だけでは決められない話なのでしょうね。
豊川悦司
だから、恋に「落ちる」と言うんでしょうね。寂聴さんの作品にもそういう内容が多いし、エッセイでも書かれていますけど、やっぱり恋に落ちる瞬間というのは誰にも予測できないし、誰にも責められない。
ただ、その恋を持続させようとして、いろいろな弊害が出てくることに対しては、誰かが誰かを責めることはできるかもしれないけれど。恋に落ちること自体は誰にも責めることはできない。なぜなら、本人がそれを望んでいるわけじゃないから。
――望んで恋に落ちるわけじゃないということですね。
豊川悦司
そう、「落っこちちゃった」んですよね。穴に落ちるように。
――「あちらにいる鬼」を見た後は、観客それぞれが様々な感想を抱くと思うのですが、豊川さんは本作を通してハルメク読者にどんなことを感じてほしいでしょうか?
豊川悦司
この2人の女性のどちらに、より親しみを覚えるのか、逆に聞いてみたいです。妻・笙子に共感する人の方が多いのかな。でも、もしかしたら、みはるの奔放さに憧れを抱く方も意外と少なくないんじゃないかなという気もします。
僕は本作を恋愛映画だと思っているので、この映画を見て、自分の心を解放してもらって、楽しんでいただけたらいいですね。
■【後編】豊川悦司!やりたい欲求こそが一番のエネルギー
大阪府生まれ。映画「3-4×10月」(90)、「12人の優しい日本人」(91)、「きらきらひかる」、(92)、「Love Letter」(95)、TVドラマ「愛していると言ってくれ」(95)、「青い鳥」(97)などの作品に出演し、高い評価を得る。最近では山本五十六を演じ好評を博したハリウッド映画「ミッドウェイ」(20)、「キングダム2 遥かなる大地へ」(22)の麃公役も話題に。来年は映画「そして僕は途方に暮れる」、主演作「仕掛人・藤枝梅安」の公開が控える。
(2022年11月11日公開)
監督:廣木隆一 脚本:荒井晴彦 原作:井上荒野「あちらにいる鬼」(朝日文庫)
出演:寺島しのぶ 豊川悦司 / 広末涼子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2022「あちらにいる鬼」製作委員会
取材・文=清水久美子 写真=泉三郎 ヘアメイク=山崎聡 スタイリスト=富田彩人 編集=鳥居史(ハルメクWEB)
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