平野レミ、夫との突然の別れ…それでも元気に生きる

ハルメク365編集部

公開日：2022.03.19

更新日：2022.03.20

いつも明るく、家族が一番の平野レミさんにも、2019年にご主人との死別がありました。誰もがいつかは経験する別れですが、その寂しさが癒えることはないといいます。どんなふうに受け止めたのでしょうか？

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いっぱい働いて、おいしいものを食べて、よく眠るのが健康法
驚くほど歩いているから、夜もぐっすり眠れる
来世でも、また夫と結婚したい！
最愛の夫を亡くした悲しみ。友達や家族の励ましに助けられた
2人の元気な嫁が、家族に仲間入り！

いっぱい働いて、おいしいものを食べて、よく眠るのが健康法

――テレビで見る平野レミさんの元気な姿にいつも励まされていますが、日頃心掛けていらっしゃる健康法は、何かありますか？

平野レミさん（以下、平野レミ）
いっぱい寝ることですね。いっぱい働いて、おいしいものを食べて、よく寝ること（笑）。あとは、嫌な人と付き合わないことかな。若い頃に知り合った人で苦手な人がいて、最近連絡があってまた付き合ったけど、やっぱり嫌な人だったのね（笑）。なるべく気の合う人とだけ付き合うのがベター。

普段は22時くらいには寝ますが、今朝は9時まで熟睡しちゃった！猫がいると邪魔してくるから部屋から出して、よーく寝ます。（ご主人の）和田さんは、夜中まで本を読んだり映画を何本も見て、寝るのが遅いタイプでしたね。

――レミさんには更年期がなかったと聞きましたが、今も体の不調はないんですか？

平野レミ
ないないない。何にもない（笑）。肩こりも虫歯もない。とっても元気で、日頃からよく歩いていますし、トマト一つ買うにも渋谷区の家から少し遠くの下北沢や初台まで歩くようにしています。自転車は長男のお嫁さんの樹里ちゃんにあげちゃった。

やっぱり元気じゃないと、笑いが出ないしね。お医者さんに「今食べているものが、3か月後に体に出る」って言われたから、ちゃんとしたもの食べようと改めて思ったの。とりあえず健康じゃなくちゃね。

驚くほど歩いているから、夜もぐっすり眠れる

――50代になると寝つきが悪かったり夜中に目が覚めるという女性も多いですが、レミさんは大丈夫ですか？

平野レミ
朝までで目が覚めないですね。電車も乗らないで、とにかくどこまでも歩くから、毎日疲れてぐっすり眠れる。主人の和田さんと渋谷区の自宅から品川区の天王洲アイルまで歩いたこともあるし、靴底もすぐに減っちゃって（笑）。

家の中では筋肉を鍛えるために、簡単な体操を1日30分くらいやっています。左右の手の平を合わせてぎゅっと押し合うなどの簡単な動きです。あとは庭を掃いたりとかの家事かしら？ジムに行かなくても体を動かせることはいっぱいあるから。

来世でも、また夫と結婚したい！

――ご主人のイラストレーター和田誠さんとは、2019年に死別されました。レミさんにとってつらい出来事でしたね。

平野レミ
もうこんなにつらいことがあるなんて……。でも、ちょんまげの時代からみんなが経験してきたことだから。来世で和田さんと結婚したら、私が先に死ぬつもり。和田さんに「こんなに悲しかったんだから～！」って味わってもらいたいです。いつも元気で病院にいったことがなかったのに……肺炎だったんです。もっとずっと一緒にいたかった。

2021年、東京オペラシティで「和田誠展」という回顧展をして、作品の一部のイラストなど2800点が展示されました。2か月で5万8000人もの方が来場してくれたんです。

私は全部見終わって、その膨大な仕事量にしばらく圧倒されてから、ハッとしました。ここまで一度も病気しなかったのは、私の食事のおかげじゃないかな～って思っちゃったんです（笑）。　和田さんは好きなことやってきた人だから幸せだったと思います。

最愛の夫を亡くした悲しみ。友達や家族の励ましに助けられた

――和田さんが亡くなられてのつらい気持ちに、どんな対処をしましたか？

平野レミ
和田さんとのお別れの悲しさは、言葉で言え表せるものではありません。ただお友達にはずいぶん励まされて、ご飯食べようよとか、ドライブに行こうとか誘ってくれました。友達の励ましは大事ですね。

タレントの吉村真理さんには、和田さんの写真あちこちにいっぱい飾りなさいと言われて。実際にやってみたら、ずいぶん救われた気持ちになりました。それだけで、そばにいる感じがするの。和田さんのお友達の篠山紀信さんが撮ったいい写真があって、それに向かっていつも「行ってくるね！」とか「今日は楽しかったね」と、日々話かけています。

黒柳徹子さんからは「和田さんを愛し、愛されたことを誇りに思いなさい」と言われましたが、それでも何かぎゅっとつかめる確かなモノがほしいと思う時がありました。

そのことを、（長男・唱さんの妻の）樹里ちゃんに伝えたところ「唱さん手出して、レミさんの手をぎゅっと握って」と言ってくれて。そのとき、ああ息子の中に半分は和田さんがいるんだ、と感じてうれしくなりました。

2人の元気な嫁が、家族に仲間入り！

――息子さん二人は結婚されて、二人のお嫁さんも家族の一員になりました。女優の上野樹里さんと料理家・食育インストラクターの和田明日香さん。新刊『おいしい子育て』の巻末にも3人のおしゃべりが掲載されて、まるで本当の親子みたいですね。

（編集部注：長男はロックバンド『TRICERATOPS（トライセラトップス）』のボーカルとギターを担当する和田唱さんで、妻は女優の上野樹里さん。次男はキッチンウェアブランド『remy』の企画開発などを行う和田率さんで、妻は食育インストラクターの和田明日香さん）

平野レミ
樹里ちゃんもあー（明日香）ちゃんも、なんでも言いあえる仲。だから本当の親子みたい。二人とも目がデカくて、背もでっかくて、態度もデカいけど（笑）いい子たち。

お料理も一緒にやっていて、平野家の伝統料理「牛トマ」も二人とも作ってくれてます。ウチにみんながやって来たり、樹里ちゃんのところで集まったり。嫁姑のもめ事もないですね。一緒にご飯食べたり楽しくやっています。

――家族や友人と離れて孤食になる人が増えて社会問題にもなっていますが、そんな人たちに何かアドバイスはありますか？

平野レミ
直接人と会うのが難しい場合、たまには誰かとインターネットを通じて話しながら一緒にごはんを食べるのはどうでしょう？今はコロナ禍で自由に外で人と会ったりしづらい場合もあるから。zoomとか便利ですよね。やっぱり一人で黙って食べるよりは、たまには誰かと一緒だといいと思います。

でも中には、「一人で自由になって天国よ！」と思う人もいるから、人それぞれ。女やもめに花が咲く、っていうくらいだからね。

食に始まり、食に終わった、平野レミさんのパワフルトーク。近著『おいしい子育て』にも、こんな食でつながる強い絆の家族のエピソードと、それにまつわる47の料理レシピが満載です。

『おいしい子育て』ポプラ社刊　1540円

かつて家事、2人の息子さんの育児、そしてシャンソン歌手や料理家としての仕事に追われる日々を過ごしていた平野レミさん。幼少期の２人の息子さんとの思い出話から、育児と仕事との向き合い方、レミさん流の料理哲学まで、子育てと料理の喜びがたっぷり詰まったお料理エッセイです。

平野レミ（ひらの・れみ）

料理愛好家、シャンソン歌手。主婦として料理を作り続けた経験を生かし、NHK「平野レミの早わざレシピ」などテレビ、雑誌を通じて数々のアイデア料理を発信。また、レミパンやエプロンなどのキッチングッズの開発も手がける。著書に『ド・レミの子守歌』（中央公論新社）、『新版平野レミの作って幸せ・食べて幸せ』（主婦の友社）、『家族の味』（ポプラ社）など多数。

文＝金田千里、写真＝中西裕人、編集＝鳥居史（ハルメクWEB）　

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