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- 女優・松下由樹!葬儀社の役作りで気付いた終活の意義
結婚50年を迎える熟年夫婦の終活の準備をコミカルに楽しく描いた映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』で、葬儀社の葬祭ディレクターの桃井梓を演じているのが松下由樹さん。役作りや映画に込めた思い、ライフスタイルについて伺いました。
終活のイメージを一新するコミカルな映画
映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』は、結婚50年を迎える熟年夫婦の終活の準備をコミカルに楽しく描いた作品です。
亭主関白の大原真一(橋爪功)と夫婦ゲンカばかりしている妻の千賀子(高畑淳子)は、友人と健康コーラスとおしゃべりでストレスを発散する日々。しかし、ある日、娘の亜矢(剛力彩芽)が知り合った葬儀社の社員・菅野(水野勝)にもらった「終活フェア」のちらしをきっかけに大原家は「終活」に向かって、明るく前向きに突き進んでいく……という物語。
この映画で「終活フェア」を催す葬儀社の一級葬祭ディレクターの資格を持った菅野の上司を演じている松下由樹さん。この映画に出演して、終活のイメージが変わったという松下さんに映画と私生活についてインタビューしました。
お客様の心に寄り添う葬儀屋さんを目指す
―『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』、とても楽しい映画でした。まさか終活がテーマの映画を見て、こんなに明るい気持ちになれるとは思いませんでした。松下さんは葬儀社の葬祭ディレクターを演じていますが、どのような役作りをされたのでしょうか。
松下由樹さん(以下、松下由樹)
葬儀屋さんについて、わからないことがたくさんありました。いずれお世話になることがわかっているけれど、お葬式のことを考えるのは、なんとなく縁起が良くないような気もしたので、できるだけ遠くに置いておきたいと思って、調べようとしていなかったのです。
でもこの映画で葬儀社の桃井さんを演じることになり、彼女はお客様であるご家族にどのように寄り添うのだろうと考えました。香月監督からは、「転職してきた菅野(水野勝)の上司ではあるけれど、姉と弟のような関係性を意識してほしい」と言われましたので、きっと情の厚い、温かい人柄なんだろうと思いました。あとは彼女のそういうキャラクターを葬儀社の仕事とどのようにマッチングさせていこうかと考えました。
お終活とは「人生をどう生きるかと考えること」
―実際に、この映画に協力してくださった葬儀社の方の終活セミナーを見たりしたそうですね。
松下由樹
はい。すごく勉強になりました。終活セミナーに出席する人は、年齢が高齢の方などに限定される内容なのではないかと思っていたのですが、実際は違うんですね。
終活というのは、とても身近なことなんだと思いました。人生の終わりではなく、どうやって生きていくかという人生計画の一部であり、それを家族と一緒に話し合ったり、自分の家系について知ったりすることなのです。お話を聞いていて、初めて知ることも多く、役に立つ要素がたくさんありました。
お終活は親が元気なうちにやった方がいい
―松下さんの抱く、葬儀社や終活のイメージも変わりましたか?
松下由樹
変わりましたね。お終活は、自分の身の回りを整えておくことだと知りました。家族が、親のお終活を話し合い、事前に決めておけば、いざというとき、慌てずに家族の意思を知った上でお見送りができます。お終活には、いろんな思いが込められていると感じました。
けっこう私くらいの年代がいちばん必要かもしれませんね。親の生活のお手伝いを考える世代ですから。でも若い人が早いうちから考えるのもありだと思います。状況が変わったら、いくらでもプランを変えてしまえばいいんです。それに親が元気なうちの方がいろいろ話し合えますから。
―完成した映画を実際に見た感想は? いかがでしたか。
松下由樹
今、エンディングノートに関する情報も多く、お終活も定着した言葉ではありますが、完成した映画を見たとき「この映画は世間の人たちのお終活のイメージを良い意味で覆す映画になっている」と感じました。
また、大原家と彼らを取り巻く人たちが明るく、エネルギーに溢れていて素敵なんですよ。とても明るく前向きな作品になっていたことがうれしかったです。
松下由樹(まつした・ゆき)
1968年、愛知県出身。1983年、映画「アイコ十六歳」で女優デビュー。1989年ドラマ「オイシーのが好き!」(TBS)がドラマ初主演。内館牧子脚本によるドラマ「想い出にかわるまで」(90年/TBS)の姉の婚約者を略奪する妹役が話題に。ほかドラマ「29歳のクリスマス」(96年/フジテレビ)「ナースのお仕事」シリーズ(フジテレビ)「大奥 第一章」(04/フジテレビ)など多くの出演作がある。最近では、ドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~」シリーズ(テレビ東京)に出演している。
『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』
(5月21日よりロードショー)
監督・脚本:香月秀之
主題歌:財津和夫
出演:水野勝 剛力彩芽 松下由樹 / 藤吉久美子 大島さと子 増子倭文江
袴田吉彦 佐々木みゆ 小林綾子 螢雪次朗 大和田伸也 石丸謙二郎 金田明夫
西村まさ彦 石橋蓮司 / 高畑淳子 橋爪功
(C)2021「お終活」製作委員会
取材・文=斎藤香 写真=窪徳健作 編集=鳥居史(ハルメクWEB)
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