女性の強さが描かれた「大コメ騒動」に出演

夏木マリ!3つのライフワークとコロナ禍の思考

公開日:2021/01/19

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俳優活動だけでなく、演出、歌手、支援活動など、多方面で活躍している夏木マリさん。映画「大コメ騒動」では、ヒロインの姑タキを好演しています。映画、現在の活動、ライフスタイルのことなどインタビューしました。

夏木マリ!3つのライフワークとコロナ禍の思考

夏木マリ的には珍しくいいお母さん役(笑)

夏木マリ的には珍しくいいお母さん役(笑)

映画「大コメ騒動」は、大正時代、富山の漁師町で女性たちが起こした市民運動をエンタティメント色たっぷりに描いた作品。米の値段が高騰し、米を買えなくなった漁師の嫁たちが家族のために奮起! 米俵が北海道へと送られるのを阻止しようと団結する物語。夏木マリさんは、ヒロイン松浦いと(井上真央)の姑・松浦タキを演じています。

個性的で強くかっこいい女性を演じることが多い夏木さんですが、本作では、時には厳しく、でも心は温かいお姑さんを演じています。そんな夏木マリさんに「大コメ騒動」のお話に加え、お仕事のこと、私生活のことなど、さまざまなお話をしていただきました。

役作りでは「富山弁」に四苦八苦

役作りでは「富山弁」に四苦八苦

―映画「大コメ騒動」、とても楽しくいい映画でした。夏木マリさんは主人公いとのお姑さんを演じていますが、今回の役作りなどについて、どのようにアプローチしましたか?

夏木マリさん(以下、夏木マリ)
台本を読ませていただいて、大正時代の女が一揆を起こした実話というのが魅力的だと感じました。タキという女性は、お母さんの鏡みたいな素晴らしい女性。私は強い女性を演じることが多いので、タキは今まで演じたことのないキャラクターというところに惹かれました。「ちゃんと地に足がついている正統派のお母さん役」が私としては新鮮でしたね。

役作りで大変だったのは、方言です。私は富山出身ではないので、方言の先生の音声録音をいただいて、クランクインまでに予習をするのですが、本当に難しくって。でも地元の方が私のセリフを聞いたとき、違和感がないように話したかったので、とにかくきちんと予習をしていき、現場で方言指導の先生の助言に従いながら調整していきました。

女性は強い!富山のおかかたちの活躍は必然だった

女性は強い!富山のおかかたちの活躍は必然だった

―完成した映画を見た感想はいかがでしたか?

夏木マリ
私は本木克英監督のファンなんです(笑)。さすが本木監督、痛快エンターテインメント映画に仕上げていたので、楽しめました。内容はけっこうシリアスなのですが、お客様に重さを感じさせず、楽しませながら史実を描いています。とてもいい映画になっていて良かったです。

―「大コメ騒動」を見て、富山の女性たちのたくましさ、強さに驚きましたが。彼女たちの強さの源はどこにあると思いますか?

夏木マリ
彼女たちは家庭の大黒柱なんです。男たちが仕事で長く家を空けていたときですから、女性たちが働き、家も守らないといけません。それなのに懸命に働いても、米が値上がりして買えない。子どもを育てていかないといけないのに、米がないなんて生きていけないじゃないですか。だから彼女たちの行動は必然なんですね。生きていくためには声をあげるしかないのですから。

それに女性は強いし現実的だから「家族が食べるための米だ」と思ったら動くでしょう。もしこれが男性だったら、あんなふうにみんなで集まって行動に移さなかったと思います。一人は飲んだくれて、一人は文句ばかり言って……みたいな感じになっていたんじゃないでしょうか(笑)。

―確かに、いとやタキの家族も含め、女性たちは行動しないと生きていけない状況でしたよね。

夏木マリ
やはり考えるばかりではなく、行動に移すことは大事です。100年前の富山で、女性たちが一揆を起こし、歴史を引っ張ったという、日本女性のかっこいい一面が出ている作品です。行動することで幸福を掴んだ富山のおかかたちの活躍をぜひ見ていただきたいです。

コロナ禍の無観客ステージ配信の空しさ、寂しさ

コロナ禍の無観客ステージ配信の空しさ、寂しさ

―夏木マリさんの活動は俳優活動だけでなく、多岐にわたっていて、2014年からは「NATSUKI MARI FESTIVAL in KYOTO 2020」『PLAY×PRAY』の清水寺の奉納パフォーマンスなどYouTubeで配信されていますね。

夏木マリ
とても大変な作業なのですが、清水寺の奉納パフォーマンスは今年で7回目になりました。パフォーマンス活動は、私のライフワークでもあります。

2021年にはBlue Note TOKYOで恒例のステー ジを行う予定もあり、その他、途上国への支援活動「One of Loveプロジェクト」のライブもあります。そんなふうに、いろんなことをやっているのですが、コロナ禍のため2020はすべて無観客でした。手応えを直に感じられないというか、とても寂しいです。

やはり、ライブはパフォーマンスだけでは成立しない。お客様に観ていただいて、その空間は作られていくものですし、私たちパフォーマーもお客様からエネルギーをいただいてますから。お客様に来ていただくステージが100%だとしたら、無観客で配信だけだと…考えてしまいます。

「印象派・音楽活動・支援活動」3つのライフワーク 

「印象派・音楽活動・支援活動」3つのライフワーク 

―夏木マリさんの表現活動の中で、俳優のお仕事はどういう位置づけなのでしょうか?

夏木マリ
私が自分で発信しているものは3つあって、コンセプチュアルアートシアター「印象派」の演出やパフォーマンス、歌手としての音楽活動、途上国への支援活動「One of Loveプロジェクト」です。俳優の仕事も大切ですが、依頼を受けて成立するものなので、3つの自分発信の仕事とは別枠ですね。

誤解を恐れず言えば、自分のライフワークは「印象派・音楽活動・支援活動」で、それを続けるためには、多くの人に私自身を知っていただかないといけない訳ですね。1993年に「印象派」をスタートさせてから、そういうスタンスで活動をするようになりました。

―なるほど。軸になっているのは自分発信のお仕事で、俳優のお仕事は、その3つの活動を支えるような形で行っているんですね。

夏木マリ
そうですね、一時期、日本ではわかってもらえないと、ちょっとふてくされて日本を飛び出して(笑)、ロンドンを拠点にパフォーマンス活動していた時期もあったんです。でも「日本でソールドアウトになるステージを創っていかないとダメだ」とちょっと反省しまして、帰国して、日本の映画やドラマ、メディアにも積極的に参加させていただくようになりました。

「印象派」の活動が軸ではありますが、もちろん映画やドラマの仕事も大切な表現と思っています。


映画「大コメ騒動」

映画「大コメ騒動」

全国ロードショー中
監督:本木克英
出演:井上真央、室井滋、夏木マリ、立川志の輔、左時枝、柴田理恵、鈴木砂羽、西村まさ彦、内浦純一、石橋蓮司ほか
(C)2021「大コメ騒動」製作委員会

夏木マリ(なつき・まり)
東京出身。1973年に歌手デビュー。80年代から演劇の世界に活躍の場を移し、芸術選奨文部大臣新人賞など、多くの賞を受賞。映画出演作は「鬼龍院花子の生涯」(1982年)「里見八犬伝』(1983年)「ピンポン」(2002年)「パーマネント野ばら」(2010年)「生きる街」(2018年)や声の出演作として「千と千尋の神隠し」(2001年)「モアナと伝説の海」(2017年)など。ネット配信作品は、蜷川実花監督作「FOLLOWERS」(Netflix)、三谷幸喜脚本・演出のドラマ「誰かが、見ている」(Amazon Prime Video)が配信中。YouTubeチャンネル「マリより証拠」「GIFTiD」を開設した。また1993年からコンセプチュアルアートシアター「印象派」を立ち上げ、国内外で活動。2014年からは、京都の世界文化遺産・清水寺にてパフォーマンス「PLAY×PRAY」を文化奉納している。
2020年よりBS朝日「むかしばなしのおへや」のナレーション。また2021年、毎週金曜日fmよこはまのレギュラー番組、夏木マリの「Life Goes On〜スワサントンBLUS〜」のパーソナルを務めている
最新情報としては、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021年度前期)に出演。世界初演『印象派NÉO vol4「The Last of Pinocchio ピノキオの終わり」』を公演予定。

取材・文=斎藤香 写真=泉三郎 編集=鳥居史(ハルメクWEB)
 

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ハルメクWEB編集部

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