俳優・高橋惠子!肌ケアは「無理せずキレイ」が私流
2024.06.072024年06月08日
【前編】俳優・高橋惠子さんインタビュー
俳優・高橋惠子!芸歴55年でも「電車通勤が好き!」
デビューから55年。ベテラン俳優の風格がありながら、実はとても自然体で、私たちと変わらない”普通の感覚”をお持ちの高橋さん。そのルーツは、生まれ育った北海道の大自然にあるそうです。
高橋惠子さんのプロフィール
たかはし・けいこ 1955年北海道生まれ。70年のデビューから現在まで映画、ドラマ、舞台と活躍を続ける。2026年には主演映画が公開予定。1男1女の母で、娘の佑奈さんは高橋さんのマネージャーを務める。
北海道の大自然の中で過ごした幼少期
午前中の舞台出演を終え、ハルメクの撮影に来てくださった高橋惠子さん。
舞台がない日はドラマの撮影があるそうで、「明日は長セリフの収録があるんです。近くに住んでいる孫たちに手伝ってもらいながら覚えているんですよ!」と初対面のスタッフとも気さくに会話する高橋さん。飾らない、ナチュラルな美しさが印象的で「自然体」という言葉がぴったり。
「北海道の東側にある、標茶町(しべちゃちょう)というところで生まれて、8歳まで過ごしました。もうね、本当に原野なんです。寒い寒い冬が終わり、ふきのとうやよもぎなどが芽出す。自然の厳しさと、豊かさを身近に感じながら育ちました。
小学校までは片道1時間かけて通っていたんですよ。この体験が私の中の根っこにあるから、俳優の仕事を始めてからもずっと、肩ひじ張らず、素のままでいることが私らしさですね」(高橋さん)
今でも、電車でひとり仕事現場へ!
「娘が私のマネージャーをしているから、基本的には車で送迎もしてくれますが、娘には子ども(高橋さんにとっての孫)が5人もいるんです。だから孫の行事なんかで娘が忙しい日は、『今日は大変そうだから電車で行くわ!』と一人で電車で仕事現場まで行きますよ。息子や娘の保護者会も、他の親御さんと同じように電車やバスで参加していました。
もうだいぶ前ですが、私が電車に乗ってるのを関係者の方が見かけて、「高橋惠子は俳優なのに普段から電車に乗ってる!」と噂になって。JR東日本がSuicaカードを導入するとき(2001年に導入、編集部調べ)、初代のCMに起用していただいたほど(笑)
若い頃は自宅から現場まで、お届け物のように大事に送迎されていたという時期もありました。そうすると、外の世界とまったく触れることがないんです。それが私には合わなかったんですね(笑)
一人で行動する時間も好きだし、いろんな景色を眺めるだけで楽しいなって思うんです」と高橋さん。飾らない「自然体」の人柄を感じるユーモアあふれるエピソードです。
これからも、年齢にふさわしい美しさを目指したい!
もうすぐ70歳を迎える高橋さん。「今が一番忙しいくらい」というほど、ひっきりなしに仕事のオファーが絶えず、休みもほとんどないそうです。
演じる役柄はとても幅広く、あるときは、映画でノーメイクで病床に横たわる母を演じ、あるときは、舞台で、真っ赤な口紅をひいた濃いメイクで強い女性を演じる。どの撮影現場も強い照明、日差しの強い屋外ロケ、乾燥したスタジオと、肌には過酷な環境ばかり。気になるのがお肌のこと。
「俳優になったのが15歳のとき。その頃からずっと強いライトに当たっているし、紫外線を浴びるロケもしょっちゅう。肌には負担をかけ続けていますよね。しかも、昔のファンデーションはスティック状で、厚塗りタイプ。メイクを落とすのも一苦労でした。
だから、とにかく肌を休めたいという気持ちが強くて。寝る前には必ずメイクをきちんと落とすようにしています。これはデビューしたてのときから今まで、ずっと続いています。どんなに疲れていても、メイクしたままで寝てしまったということはないですね。
あと、保湿だけはきちんとしています。とにかく肌を潤いで満たす。ロケで泊まるホテルの部屋が乾燥していたら、必ず加湿器を貸してもらいます。あとはね、ほぼ何もしてません(笑)
美容も自然体がいいから、あらゆる手を尽くしてシミやしわを消そうとは思わないですね。そうすると、80歳、90歳になってもずっとそれを続けないといけないですから。
私が10代、20代の頃は、紫外線が肌によくないということも今ほど知られていなかったし、色白より、小麦色の肌を楽しむ方が流行っていました。日焼け止めをぬるという考えなんてありませんでした。
だから、今はそれがちゃんとシミになっています。たくさん楽しい思い出があるからまあ、いいかなって。これからも、なるべく美しく年を重ねていきたいと思います。もちろん、若い頃とは違うけれど、今の年齢の美しさや輝きを目指したいと思うんです。
ただね、そんなことを言いながらも、やっぱりシミもシワも気になるのが本音。若い頃の何もなかった肌への憧れというものはあるんです(笑)」(高橋さん)
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取材・文=有田絵里奈(ハルメク おしゃれ編集部) 写真=笹口悦民(SIGNO) スタイリスト=安野ともこ ヘアメイク=真知子(エムドルフィン)