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- 長谷川博己!水の世界が心を浄化してくれる
映画「はい、泳げません」で主演をつとめた長谷川博己さんにインタビュー。綾瀬はるかさんとの共演について、またキャリアを重ねたからこそできる芝居について、お話を伺いました。
綾瀬はるかさんとは、NHK大河ドラマ以来の再共演
――映画「はい、泳げません」は、長谷川さんが演じるカナヅチの主人公が水恐怖症を克服しようと奮闘する物語なので、スイミングのシーンが多いのですが、長谷川さんは、実際は泳げるんですよね?
長谷川博己さん(以下、長谷川博己)
はい、特に水が怖いわけでもないし、普通に泳げます。子どもの頃は、近所の大学が夏にプールを解放していたので、そこでよく泳いでいました。
――下手に泳ぐ演技は苦労されましたか?
長谷川博己
いえ、泳げる人間が、演技で下手な泳ぎを見せるのはそれほど難しいことでないんです。それよりも、小鳥遊(たかなし)の水に対する向き合い方が、泳ぎを通して変化していく様子が描けているかに、より気を遣いました。
最後はどこまで泳げるようになるのかを考えて、そこに向かってワンシーンごとに少しずつ成長していくという感じで進めました。水泳のシーンは撮影が、ほぼ脚本の順番通りだったので、それはやり易かったですね。
――水泳コーチの薄原静香を演じた綾瀬はるかさんとはNHK大河ドラマ「八重の桜」以来の共演ですが、いかがでしたか?
長谷川博己
やっぱりさすがの一言でしたね!主演としての在り方が以前にも増していました。存在感だけでなく、華もありますし、以前共演したときよりも、すべてにおいて洗練されたその雰囲気が、静香コーチの役に合っていたと思います。
今の年齢だからこそ演じられる役に巡り合いたい
――長谷川さんは、キャリアを重ねていくにつれて、演じたい役に変化があったり、芝居に対する向き合い方が変わったりということはありましたか?
長谷川博己
それはいろいろありました(笑)。若い頃は歳を重ねた大人の役を演じたいと思っていましたね。でも実際に年齢やキャリアを重ねていくうちに、今しかできない役や芝居をやりたいという気持ちに変わっていきました。
その年齢ごとに、自分と向き合って大事にやっていきたいと思っています。実年齢より若い役を演じるなど、チャレンジすることもいいとは思いますが、今の年齢の考え方や生き方を芝居で表現することの方が自分にとっては貴重なので、そういう役と巡り合いたいです。ある意味、今回の小鳥遊の役は、今の自分だからこそ演じられた役だと考えています。
人生の終わりは予測できないからこそ深く考える
――年齢を重ねることについて、人生の青写真というか、こうありたいという考えはありますか?
長谷川博己
年を取ることは全然怖いと思わないのですが、死ぬのは怖いですね。いつ自分の人生が終わりになるかなんて誰にもわからないじゃないですか。そういう意味では、死とは何だろう、どうなってしまうのだろうと怖くなります。よく考えてみると、年を取るということは死に近づくことなので、予測がつかないからこそ、怖いと思ったり、逆に興味を持ったりするのかもしれません。
――確かに死は怖いですし、長生きするためには健康でありたいと思いますが、長谷川さんは健康について気を付けていることはありますか?
長谷川博己
幸いあまり気にしなくても過ごせているのですが、昔と比べると、できていたことができなかったりというのはあるかもしれませんね(笑)。やはり年を重ねるほど、もっと気合を入れてがんばらないといけませんね!
水恐怖症克服に向けて奮闘する姿が、何か新しいことを始めるきっかけになれば!
――ハルメク読者世代は、子育てを終えて人生がひと段落して新たな楽しみを探している人も多いですが、何かメッセージをいただきたいです。
長谷川博己
それはまさに「はい、泳げません」を見ていただくのがいいと思います(笑)。小鳥遊が水恐怖症を克服するために奮闘する姿、前向きな姿勢を見ていただければ、元気になれます。水の世界が心を浄化してくれますし、何か新しいことを始めるきっかけになるのではないでしょうか。
――ありがとうございます。ちなみに長谷川さんが好きなシーンはありますか?
長谷川博己
ナイトプールのシーンです。脚本を読んだとき、とても幻想的でどう映像化されるのだろうと思っていたのですが、完成した映画を見たら、とても綺麗ないいシーンになっていました。小鳥遊が過去のさまざまな出来事を思い出す様子が、印象的な水中での画となって表現されていて、この作品ならではの特別なものだと思います。
長谷川博己(はせがわ・ひろき)
1977年、東京都出身。2002年舞台「BENT」でデビュー。その後「ヘンリー六世」(10年)など数々の舞台で活躍。08年から映画やテレビドラマなどに活動の場を広げていく。「セカンドバージン」(10年/NHK)で話題を集め、「鈴木先生」(11年/テレビ東京)でドラマ初主演。そのほか「家政婦のミタ」(11年/日本テレビ)、朝の連続テレビ小説「まんぷく」(18年/NHK)、大河ドラマ「麒麟がくる」(20年/NHK)など。スクリーンデビューは「セカンドバージン」(11年)。ほか「シン・ゴジラ」(16年/日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞)など。
「はい、泳げません」
(2022年6月10日(金)TOHOシネマズ 日比谷 ほかにて全国ロードショー)
監督・脚本:渡辺謙作
出演:長谷川博己/綾瀬はるか
伊佐山ひろ子 広岡由里子 占部房子 上原奈美/小林薫
阿部純子/麻生久美子
配給:東京テアトル、リトルモア
コピーライト:C2022「はい、泳げません」製作委員会
取材・文=斎藤香 写真=泉三郎 編集=鳥居史(ハルメクWEB)
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