- ハルメク365トップ
- カルチャー
- エンタメ
- 長谷川博己!監督との対話を重ねた役づくり
長谷川博己さんが主演する映画「はい、泳げません」は、カナヅチの哲学者が水泳を学ぶことで、過去の悲劇を乗り越え人生の再スタートを切る物語。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍している長谷川さんに役作りと年を重ねていくことへの変化などを伺いました。
実はコメディではない!カナヅチの哲学者が水恐怖症を克服していく物語
映画「はい、泳げません」は、実にユニークな人間ドラマです。大学で哲学を教えている小鳥遊(たかなし/長谷川博己)の悩みはカナヅチなこと。水が怖くて仕方がないのです。その彼がコンプレックス克服のために水泳教室に通うことに。水泳コーチの薄原静香(綾瀬はるか)の「必ず私が泳げるようにします!」という言葉を信じて入会した小鳥遊は、水泳を学ぶことで封印していた過去と対峙し、悲劇を乗り越えるきっかけを掴むのです。
主演の長谷川さんに、本作で演じた一風変わった小鳥遊の役作りや撮影の裏側などから話を伺いました。
――映画「はい、泳げません」、とても楽しく拝見しました。最初はコメディ映画だと思っていたのですが、人生について考えさせられる作品ですね。脚本を読んだときの感想を教えてください。
長谷川博己さん(以下、長谷川博己)
人が生まれ死んでいくことや、生きる意味を考えさせられる脚本でした。同時に、水の中のやさしさ、怖さ、そこに身を委ねることで見えるものがある、不思議な感動をもたらす物語だと思います。
――長谷川さんは小鳥遊について、どういうキャラクターと捉えて役作りをされたのでしょうか?
長谷川博己
今回の役は、あまり作り込まない方がいいのではないかと思いました。自分の知り合いに小鳥遊のようなキャラクターの人がいたので、参考にしつつ、考えすぎないようにして撮影に入りました。
演じながら小鳥遊という主人公を変化させていく
――渡辺謙作監督とは、たくさん話し合って役を作っていったそうですが、撮影現場ではどのような感じだったのですか?
長谷川博己
渡辺監督は、前半と後半をガラリと変えていきたいとおっしゃったんです。それと同時に小鳥遊の演技も、最初は軽やかにわかりやすく、後半はシリアスを強めていってほしいと言われました。
――確かに導入部はコミカルですが、小鳥遊さんの過去が見えてくるにつれて、彼が過去にとらわれ、苦しんでいることがわかります。
長谷川博己
ええ。でも、実際に撮影をしていくと、小鳥遊の変化を描くのにそれでは矛盾が生じるところが出てきたので、その度に監督と話をしながら進めていきました。結果としてその変化は自然に流れる形でスクリーンに出ていると思います。
――演じることで、役に血が通い、変化していくのですね。
長谷川博己
普段は役のことで監督と意見を交わすことは少ないのですが、この作品は、渡辺監督の方から「一緒に小鳥遊を作っていきましょう」とおっしゃってくださったので、話し合いながらキャラクターを作り上げることができました。
とはいえ、やはり大変な作業でした。監督はこの映画の脚本も書いているので、ご自身の考える小鳥遊像があり、思い入れも強かったと思います。僕自身にも脚本を読んで感じた小鳥遊があり、当然その見方で違った部分は出てきますが、その中で役の一貫性は損なわれないよう常に気を配りました。
撮影現場で細かく考えた演技が実を結んだ作品
――出来上がった映画をご覧になった感想は?
長谷川博己
僕が偉そうに言うのもなんですが、うまく物語が流れて、いい感動を生み出していたと思います。もちろん、結末も知っていますが、それでも感動できるし、面白いパートは素直に笑えましたから。
小鳥遊の水恐怖症や過去の出来事など、さまざまなエピソードが物語の中できれいに成立していたので、撮影中にいろいろ考えたことを思い出し「あんなに細かく考えなくてもよかったのだろうか。いや、考えたからこそうまくいったのかもしれない」といろいろな思いが脳裏をよぎりました。渡辺監督の映像手腕もあいまって、良い作品になったと思います。
長谷川博己(はせがわ・ひろき)
1977年、東京都出身。2002年に舞台「BENT」でデビュー。その後「ヘンリー六世」(10年)など数々の舞台で活躍。08年から映画やテレビドラマなどに活動の場を広げていく。「セカンドバージン」(10年/NHK)で話題を集め、「鈴木先生」(11年/テレビ東京)でドラマ初主演。そのほか「家政婦のミタ」(11年/日本テレビ)、朝の連続テレビ小説「まんぷく」(18年/NHK)、大河ドラマ「麒麟がくる」(20年/NHK)など。スクリーンデビューは「セカンドバージン」(11年)。ほか「シン・ゴジラ」(16年/日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞)など。
「はい、泳げません」
(2022年6月10日(金)TOHOシネマズ 日比谷 ほかにて全国ロードショー)
監督・脚本:渡辺謙作
出演:長谷川博己/綾瀬はるか
伊佐山ひろ子 広岡由里子 占部房子 上原奈美/小林薫
配給:東京テアトル、リトルモア
コピーライト:C2022「はい、泳げません」製作委員会
取材・文=斎藤香 写真=泉三郎 編集=鳥居史(ハルメクWEB)
■もっと知りたい■
- 長谷川博己!人生の終わりは予測できないから考える
- 本音あふれる!女優・俳優インタビュー記事一覧
- YOUに聞く!人生後半を楽しむには?
- 黒木瞳!老化は怖がってもいい!
- 中山美穂のキレイの秘密は?
- 松嶋菜々子!女優業と母親業を両立する秘訣
- 安田成美!外見ではなく内面を育てたい
- 高畑淳子!大人こそ恋愛や人生を楽しんで
- 戸田恵子!アンパンマンから吹替まで声の誇り
- 大沢たかお!俳優人生を見直す2年の休業
- 板谷由夏!焦りを経て気づいた自分らしさ
- 熊谷真実!18歳年下夫との幸せライフの秘密
- 元・宝塚トップ真飛聖!遅咲きの女性を楽しむ
- 松雪泰子!運動とグルテンフリーを続ける
- 永作博美!ストレス解消術は〇〇?
- 室井滋!大人になって知った故郷の魅力
- 夏木マリの暮らし!格好良いスタイルの源
- 富司純子!女優業のこだわりと暮らし
- 国生さゆり!乃木坂46遠藤さくらの母に
- ミニスカ伝説!ツイッギーは今何してる?
- 松下由樹!葬儀社の役作りで気付いた終活
- 寺島しのぶ!息子の歌舞伎界デビュー
- 風吹ジュン!人生は飽きてもいい
- 鈴木保奈美!女優史上一番のダメ女を演じ
- 高岡早紀!魔性の女の素顔は……かなり
- 高島礼子!看護師&娼婦のクリスチャンを演じ
- 沢口靖子!実は体育会系でおっちょこちょい
- 坂井真紀!50代からポジティブな諦めのススメ
- 岩田剛典!ソロ活動を望んだ一線を越えたい想い
- 永瀬正敏!後悔と愛すべき存在
- 平野レミ、最愛の夫との死別…
- 篠原涼子!年下男性の魅力と「禁断の愛」
-
スマホで医師に健康相談
24時間365日OK!30秒以内に医師・看護師・薬剤師などの医療チームがあなたの「健康相談」に応答してくれる♪ -
最高のワイナリーツアー♥
家族・友だちと!雰囲気バツグンの熟成庫見学・高価な貴腐ワインのテイスティングはいかが?お得なクーポンも! -
やばっ、冬の尿モレ
寒い冬、なぜ尿モレが増える…?3つの原因&4つの「効果的な尿モレ対策」を専門医に教えてもらいました! -
人生で1度は訪れたい場所
ミネラル豊富な美人の湯、最高のオーシャンビューなど、心もカラダも癒やされる魅力が盛りだくさん!人生で1度は訪れたい名所をcheck -
生前親に●●聞き忘れると
老親の契約や登録しているサービス、これらを子が把握していないと将来ムダな出費や面倒なトラブルに発展する可能性が!特に見落としがちなのは… -
60日で英語が話せる!
英語をマスターするのに「完璧」はいらない!初心者でも60日で英語が話せるようになる、驚きの3つのコツとは? -
おひとり様の備えはOK?
この先「おひとり様」になったら意外な落とし穴がいっぱい…。そんな不安に備える、おひとり様専用お助けサービスが誕生! -
体験談:50代やって正解
銀行は断然「紙の通帳」派!そんな「デジタル嫌い」の私が 銀行アプリを使ってみたら想像よりもはるかに便利すぎて… -
50代~お金の増やし方
将来を見据えて、50代から「まとまった資金の調達」が重要になります。どんな選択肢があるか、ご存知ですか? -
認知症リスクに40%も差
最近、驚きの研究結果が…!「犬を飼っている人」は「飼っていない人」に比べて認知症リスクが… -
今なら無料でお試し!
将来、自分の認知機能が低下するリスクがあるか、簡単に予測できるサービスが誕生。今なら無料で先行利用できます! -
自分に似合う「眼鏡」は?
見た目の印象が若返る♥「自分に似合う眼鏡」を知って、ワンランク上のおしゃれを!