中井貴一!惚れたらトコトン追及「大河への道」とは?
2022.05.212022年05月26日
ドラマ「ふぞろいの林檎たち」で気づいたことは?
中井貴一!大人世代が目指すべき生き様とは?
映画「大河への道」主演の中井貴一さん。年齢を重ねてますます円熟味を増す演技は本作の見どころです。そんな中井さんに俳優の仕事との向き合い方、健康についてお話しを伺いました。
大人は脇へ!若い世代を全力でサポートしていきたい
――ハルメクの読者は、中井さんが20代の時に出演したドラマ「ふぞろいの林檎たち」(TBS)に夢中になっていた世代。あの頃からずっと第一線で活躍されていますが、仕事に向き合うとき、年を重ねての変化はありましたでしょうか?
中井貴一さん(以下、中井貴一)
僕はエンタテインメントというのは、若い人が作っていくものだと思っています。「ふぞろいの林檎たち」に出演しているとき、ベテランの先輩たちは「若い俳優が出てきたな。面白いことやっているな。誰だろう?」と思って見ていたのではないかと、年を重ねた今、そんなふうに思います。それは自分が今、若い俳優やスタッフたちをそうやって興味深く見ているからなんですね。
僕ら、俳優の仕事には「高さ」と「長さ」があって、ワーっと人気が出て売れるのは「高さ」、ずっと長く仕事を継続できるのは「長さ」です。この「長さ」が実に難しく、継続させていくことの困難さは、ある程度の年齢になると実感としてわかります。でも僕は、「高さ」と「長さ」の難しさを理解しつつ、第一線で活躍するのは若い人の方がいいと思っています。
――それはなぜでしょうか?
中井貴一
若い人には未来がある、自分たちの未来を決めることを自分たちで行わないと。僕らの年代は、第一線の彼らの脇で、若い人達が考えていることに対してどうサポートするかと考えることが大切だし、健全だと思います。それは俳優の世界に限らず、政治の世界とか、どんな世界でもそうあってほしいと願っています。
大人世代は若い人と同じ土俵に乗るために、考え方を変える柔軟性が必要ですね。「自分はこうやってきたから、そのやり方が正しい」と、自分のやり方を強く押し通すのではなく、若い人たちと協調しながら物づくりをしていきたい。俳優は定年のない仕事なので、そう思うのかもしれませんね。
年齢を重ねたら若い人より何倍も努力しないと同じ土俵に上がれない
――中井さんは若い人達の活躍をちゃんと見ているのですね。
中井貴一
若い人はやはり優れていますよ。例えば将棋の世界などは、経験がものをいうのではないかと思っていたけど、棋士の藤井聡太さんが五冠を達成したとき、そうではないんだと。将棋の世界でも若い人が台頭してくるのだから、俳優業はもちろん、スポーツなども同じ。若い子は優れている部分が多いのだから、大人は経験にあぐらをかくだけでなく、時には倍の努力をしないといけないんです。
ただ、かくいう私も若い頃は逆のことを思っていました。先輩から「お前若いんだから。〇〇やっておけよ」など、僕らにアドバイスをして、先輩は仕事をしたあと、車でパっと帰っていく。「いいなあ、先輩になったら、素敵な車で早く帰れるんだな」と思っていたけど、現実は違いました(笑)。自分が先輩になったら、若い人より2倍,3倍の努力をしないと同じステージに上がれない。今、それを痛感しています。
健康は数値、元気は心!挑戦する気持ちは失わない
――健康面の変化はありますか?気を付けていることなど教えてください。
中井貴一
やはり、健康にはより気を遣うようになりました。僕はスポーツをやってきたので、若い頃は、新陳代謝が落ちるとかの意味が分からなかったんですよ。仕事上、役柄によっては体重の増減が必須なことがありますが、日常でできることだと思っていました。
でも、年齢を重ねていくうちに、代謝が落ちてきたので、太るのは簡単なのですが、痩せるのは困難になりましたね。若いときは、太るのが大変で、痩せるのは楽だったのですが、今は逆です(笑)。これが年齢を重ねての体の変化なんだと思います。自己管理の仕方を変えないといけないと思っているので、若い人の知識と力を借りたいです。
――読者の中には中井さんと同世代の方もいるので、最後に元気が出るメッセージをいただきたいです。
中井貴一
僕たちの年代の重要なミッションは、若い人をサポートしていくことだとお話してきましたが、だからといって、人生において、勝負したり、挑戦したりすることが終わりだとは思っていません。サポートをすることをエネルギーにして、若い人と勝負していく気持ちが僕の中には強くあります。
健康と元気というのは違うもので、数値で測るのが健康。元気は気持ちの問題。人生が終わるまで、生き続けるわけですから、健康ばかりを気にしないで、読者の皆さん、元気にいきましょう!これが僕からのメッセージです。
中井貴一(なかい・きいち)プロフィール
1961年東京生まれ。81年に映画「連合艦隊」で俳優デビューし、山田太一脚本のドラマ「ふぞろいの林檎たち」(83~97年)が大ヒット。ほか大河ドラマ「武田信玄」(88年)など多数のドラマに出演。映画出演も多く、中国映画「ヘブン・アンド・アース 天地英雄」など国際的にも活躍している。「四十七人の刺客」(94年)で日本アカデミー賞助演男優賞、「壬生義士伝」(2003年)では日本アカデミー賞主演男優賞を受賞。「記憶にございません!」(2019年)では、ブルーリボン主演男優賞、報知映画賞主演男優賞を受賞した。
「大河への道」
(2022年5月20日公開)
原作:立川志の輔「大河への道-伊能忠敬物語−大河への道−」
監督:中西健二
脚本:森下佳子
出演:出演:中井貴一 松山ケンイチ 北川景子
取材・文=斎藤香 写真=中村好伸 編集=鳥居史(ハルメクWEB)
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