ダイエット中のご飯の量は?適正量や気を付けたいポイントも

ダイエット中のご飯の量は?適正量や気を付けたいポイントも

公開日:2025年08月28日

ダイエット中のご飯の量は?適正量や気を付けたいポイントも

ダイエット中のご飯の量やハルメク世代におすすめのご飯の取り方、気を付けたいポイントをご紹介!健康的に痩せるためには、ご飯を極端に減らすのではなく、適切な量とバランスを知ることが大切です。ダイエット中のご飯に悩んでいる人はぜひチェックして!

林安津美
監修者
林安津美
監修者 林安津美 たいや内科クリニック

 

ダイエット中のご飯の量は?ハルメク世代の適正量とお米抜きのリスク

ダイエット中のご飯の量は?ハルメク世代の適正量とお米抜きのリスク
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ご飯はカロリーが高く、ダイエット中は控えた方がよいイメージがありますが、極端に減らしたり食べなかったりすることはおすすめできません。

とはいえ、食べ過ぎてはダイエットにならないため、適切な量を把握することが大切です。ここでは、ご飯の適正量とダイエット中の目安、お米抜きダイエットのリスクを紹介します。

ご飯の適正量とダイエット中の目安

ダイエット中にご飯を何g食べていいか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

適切なご飯の量は人によって異なりますが、一般的に50代女性のご飯の適正量は1食あたり約150gだといわれています。

厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、50〜64歳までの女性で、参照体重53.8kgの人の基礎代謝量は1110kcalだとされています。

そこから求められる推定エネルギー必要量は、身体活動レベルI(生活の大部分が座位で静かな活動が中心)の人で1650kcal、身体活動レベルII(座位中心だが通勤や買い物、軽いスポーツなどを含む)の人で1925kcal。

1日の活動量がさらに多い身体活動レベルIII(移動や立位の多い仕事をしているか、スポーツなどの活発な運動習慣がある)の人は2200kcalです。

この推定エネルギー必要量のうち、60%を炭水化物、20%を脂質、残りの20%をタンパク質で取るのが理想だとされています。

具体的な1日のご飯量の目安は、お茶碗で3〜4杯(約450〜600g)です。

1食あたりにすると約150〜200gとなります。活動量が少ない場合やダイエットをしている場合は、1食あたりの量を100〜140gに抑えるのが理想です。

なお、1日に必要な推定エネルギー必要量は、「日本医師会」のサイトで簡単に計算できます。気になる人は試してみてください。

お米抜きダイエットのリスク

ダイエット中であっても、主食はお米を中心に摂ることがおすすめです。

お米以外には、パンやパスタが主食として挙げられますが、パンは小麦粉に砂糖やバター、食塩などが使われているものが多く、相性がよいおかずも比較的脂質の多く含まれるものです。

パスタは麺自体の脂質は少なくても、パスタソースに多くの脂質や塩分が含まれているため、カロリーの取り過ぎにつながりやすくなります。

一方でお米は低脂質で塩分も含んでいません。野菜や魚を使ったご飯と相性のよいおかずと一緒に食べれば、全体的に低カロリーに抑えられて栄養バランスも整い、長期的にみて痩せやすい体を作るサポートになります。

また、ダイエット中は主食を食べずにカロリーの低いものを選んで食べている人も多いことでしょう。

炭水化物であるご飯を抜くことで一時的に体重は減るかもしれませんが、満腹感が続かず間食が増えたり一度にドカ食いしたりしやすいです。

間食やドカ食いを我慢できたとしても、長期的にはエネルギーが不足して、体が筋肉を分解してエネルギーを補おうとするため、筋肉量が減って基礎代謝が落ち、かえって太りやすい体質に変化していきます。

さらに、栄養不足による肌や髪、骨への影響、脳のエネルギー不足による集中力や気力の低下なども懸念されます。健康的にダイエットをするためにも、ご飯は適量を守り、バランスよく食べましょう。

ハルメク世代のダイエット中におすすめのご飯の取り方

ハルメク世代のダイエット中におすすめのご飯の取り方
Mills / PIXTA

ダイエット中に食べることで、意外に多くのメリットがあるご飯。適量はわかったかもしれませんが、「もっと太りにくいご飯の食べ方を知りたい」という人もいることでしょう。

太りにくいご飯の食べ方の基本は、血糖値が急激に上がらないようにすることです。ここでは、すぐにできるハルメク世代のダイエット中におすすめのご飯の取り方を紹介します。

ご飯の種類を変える

精製された白米よりも、玄米や雑穀米を選ぶ(あるいは白米とブレンドする)ことで血糖値の上昇が緩やかになり、腹持ちもよくなるため、ご飯の種類を変えてみるのもよいでしょう。

つい食べ過ぎてしまう人は、まずは玄米、次に雑穀米がおすすめ。両方とも噛みごたえがあり満腹感を得やすいです。

ただし、玄米は人によっては消化しにくい場合もあり、胃腸が弱い人には注意が必要です。雑穀米の麩が取り入れやすい場合もあります。

食物繊維が豊富で噛みごたえのある玄米や雑穀米をよく噛んでゆっくり食事をすると、満腹中枢が刺激されやすく、自然と食べ過ぎを防げます。

特に玄米のように食品中にGAA「GABA」が含まれている機能性表示食品は、「睡眠の質向上」や「リラックス」を促す働きが期待できるため、イライラしたり寝付きが悪かったりすることもあるハルメク世代は、ぜひ取り入れてみてください。

食べ方のポイントは、一度にたくさん頬張らず、口の中で唾液とご飯が混ざるようにゆっくりと味わうこと。よく噛んで食べることで口周りの筋肉が刺激されるでしょう。

ご飯を冷ましておく

せっかくご飯を食べるのだから、温かいふっくらした状態で食べたいという人も多いかもしれませんが、ダイエット中は冷めたご飯を食べるのがおすすめです。

ご飯を冷ますと、その過程で「レジスタントスターチ」と呼ばれる成分が増えます。

レジスタントスターチは食物繊維の一種で、消化されにくいのが特徴です。体内でゆっくりと吸収されていくため、血糖値が急激に上昇するのを抑えてくれます。

食後に血糖値が急激に上昇すると、体に脂肪が蓄積されやすくなるため、血糖値の上昇を緩やかにすることは、ダイエットにおいて重要です。

また、レジスタントスターチは、善玉菌のエサとして腸内環境を整えて便秘を改善してくれます。

更年期になると、自律神経が乱れ、腸内のうるおいも不足しがちになります。便秘を解消する効果も期待できる冷えたご飯は、ハルメク世代のダイエットにピッタリだといえるでしょう。

食事の時間で食べる量を調整する

ご飯を食べる頻度については、1日3回の食事すべてで摂取するのが基本です。

具体的なご飯の量は生活スタイルや体調によって異なりますが、一般的には活動量の多い朝や昼にしっかりと食べ、夜は控えめにするのが理想的だといえます。

また、夜は脂肪を蓄えやすい体内環境になっています。

夜遅くにご飯を食べると、脂肪として蓄積されやすいため、就寝の3時間前までに食事を終えるようにしましょう。

野菜やタンパク質を先に食べる

空腹の状態で食事の最初にご飯を食べると、血糖値が急上昇します。これは、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されるからです。

インスリンには、余った糖を脂肪に変える働きがあることから、血中の糖分が脂肪として蓄積されやすくなります。

脂肪の蓄積を防ぐためにも、ご飯を食べる前に副菜や汁物など、野菜やタンパク質を先に食べ、ご飯を最後に食べる「ベジファースト」を実践しましょう。満腹感が得やすく、食べ過ぎ防止にもつながります。

特に、インスリンの効能を高める働きのある「女性ホルモン・エストロゲン」の減少により、インスリンの働きが弱まるハルメク世代は、血糖値が上がりやすく糖尿病のリスクも高まるため、ベジファーストの実践は重要です。

おかずの野菜は大きめにカットして、火を通し過ぎないようにすると、咀嚼回数が増えて脳の満腹中枢が刺激され、より満腹感を得られます。

ただし、おかずの味を濃くすると、ご飯が欲しくなってしまうため、全体的に薄味にするのがよいでしょう。

よく噛んでゆっくり食べる

ご飯はよく噛んでゆっくりと食べることで、満腹感が得やすくなり、食べ過ぎを防げます。

早食いは血糖値の急上昇や消化不良の原因となるため、1口ご飯を食べたら30回を目安に噛むことを意識しましょう。

ゆっくりと食べることで、量を少なくしても食事の満足度も高まるだけでなく、ダイエットのストレス軽減や、唾液分泌が促進されて虫歯や歯周病の予防にもつながります。

更年期にはどうしても太りやすくなってしまいますが、咀嚼によって交感神経が刺激され、エネルギー消費が増えることで、食べ過ぎ防止・血糖値安定により脂肪蓄積を抑えられる可能性があるでしょう。

食事を摂取した後、栄養素を消化・吸収・代謝する過程でエネルギーが消費されることを「食事誘発性産生(Diet-Induced Thermogenesis,DIT)と呼びます。

DITはタンパク質摂取時に特に高く(摂取エネルギーの約30%)、よく噛むことでDITが増加するという報告もあります。

時間をかけて食事を楽しみながら、健康的な習慣を身に付けましょう。

ダイエット中のご飯の食べ方で気を付けたいポイント

ダイエット中のご飯の食べ方で気を付けたいポイント
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「太りにくいご飯の食べ方を実践しているのになかなか体重が減らない」「ダイエットを始めてから、なんだか体調がすぐれない」という場合は、これから紹介する4つのポイントに注意してみましょう。

ここでは、ダイエット中のご飯の食べ方で気を付けたいポイントを紹介します。

過度な制限は逆効果

ご飯を食べた方がよいことはわかっていても、ダイエット中にご飯を食べるのが不安で極端に量を減らしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、ご飯を食べる量が少な過ぎると、エネルギー不足から筋肉量が減り、基礎代謝も低下します。これにより、筋肉量が減り基礎代謝が落ちると、エネルギー消費が減ることで体重管理がしづらくなる可能性があります。

特にハルメク世代はホルモンバランスの変化が著しい時期です。無理な制限はリバウンドや健康リスクを高める原因になるため、1食あたり100〜150g程度のご飯を目安に食べましょう。

栄養バランスを意識する

ダイエット中はご飯の量を調整しても、タンパク質やビタミン・ミネラルを意識的に補うことが大切です。

特にハルメク世代にみられる「冷え・疲労・気分の落ち込み・肌荒れ・便秘」などの症状には、ビタミンB群カルシウム亜鉛・ビタミンDといった栄養素が関係しています。

栄養バランスを意識することで、体の中から整え、健康的に美しく痩せる土台をつくることができます。

体調やライフスタイルに合わせて調整する

ご飯の適量は、年齢や性別だけでなく、身長や体重、活動量などによっても異なります。体調やライフスタイルに合わせて、無理のない範囲で調整しながらダイエットを行いましょう。

体重や体脂肪の変化を定期的にチェックし、自分に合ったご飯量を見つけることが、ダイエットを成功させ、太りにくい体を作るカギです。体調不良を感じた場合も、すぐに見直すようにしましょう。

継続できる工夫を考える

ダイエットを成功させるには、続けられる工夫が欠かせません。ご飯の量や食べ方を無理なく調整し、自分に合った方法を見つけましょう。

ときには好きなものを少量だけ楽しむ「ご褒美タイム」を設けることで、心のバランスも保てます。

ストレスをためず、前向きな気持ちで取り組むことが、健康的な習慣づくりにつながります。

また、小さな目標を立てて少しずつ達成していくことで、自信が生まれ、継続のモチベーションにつなげることも大切です。

ご飯の適量を守って無理なくダイエット!

ダイエット中でもご飯を適切な量取ることは、健康的な体づくりに欠かせません。

極端にご飯の量を減らしてしまうと、エネルギー不足から筋肉量や基礎代謝が低下し、リバウンドや体調不良を招くリスクがあります。

特にハルメク世代では、ホルモンバランスや代謝の変化が起こりやすいため、自分の活動量や体調に合わせて、1食あたり100〜140gを目安に無理なく調整することが大切です。

玄米や雑穀米を取り入れる、冷ましたご飯を活用する、野菜から食べる「ベジファースト」や、よく噛んで食べる習慣など、日々の食べ方を工夫することも大切です。

無理のない食事と生活習慣を意識し、心も体も健やかなダイエットを目指しましょう。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:林安津美さん

監修者プロフィール:林安津美さん

大学卒業後JAあいち厚生連に入職し37年間病院の管理栄養士として勤務、その間豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。2022年5月よりたいや内科クリニックへ入職。病態栄養専門管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・腎臓病療養指導士・がん病態栄養専門管理栄養士・和漢薬膳師等の資格を生かし患者さんの思いを聴き・応え、患者目線でテーラーメイドの医療をお届けできるように努めています。

 

HALMEK up編集部
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