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公開日:2025年06月21日
「サラダを先に食べると血糖値が上がりにくい」とよく聞きますが、本当に効果があるのでしょうか? ベジファーストからプロテインまで、血糖値を左右する「食べ方のコツ」を専門医監修のもと、実験データで徹底比較。「食べる順番」で賢くダイエットを始めましょう。
やまむら・そう 日本内科学会認定内科医。専門は糖尿病・内分泌疾患。やさしい内科クリニック院長。診療の傍ら、糖尿病の啓発・予防のため血糖値に関するSNS発信を行う。血糖値改善、糖尿病予防プログラムの開発に関わるなど、病気の予防と医療の架け橋として活躍している。最新著に『糖尿病専門ドクターが検証! 血糖値を下げる食事法について、実際に試してみた』(KADOKAWA 刊)
前2回では、50代女性に多い“隠れ高血糖”が引き起こす「血糖値スパイク」や、血糖値クイズをご紹介しました。今回は、「血糖値」の上がりにくい食べ方を検証していきます。
ベジファーストは、すっかり多くの方に知られるようになった食事法ですが、現在では、ベジファーストが一人歩きしているような印象もあります。
ベジファーストをただのダイエット法のように思い込んでいたり、「何か体にいいらしい」といったふうに漠然と理解している人も多いようです。
ここでは、本来の意味に立ち返って、ベジファーストを行うと、実際に血糖値の上がり方によい影響を及ぼすかどうか、調べてみました。
検証は、2つのパターンで行いました。
パターン1:野菜サラダを直前に食べ、すぐコンビニおにぎりを食べる
パターン2:野菜サラダを食べ、15分待ってから、コンビニおにぎりを食べる(本来のベジファーストに準じた食べ方)
野菜サラダは「ツナ&コーンサラダ」を採用。含まれる炭水化物量は6.6g(糖質4.0g)。ドレッシングに炭水化物5.1gを含みます。コンビニおにぎりは「ツナマヨ」2個。炭水化物量は75.6g(糖質73.4g)です。
さっそく、1の結果を見てみましょう。
右/1:野菜サラダを直前に食べ、すぐコンビニおにぎり
左/2:野菜サラダを食べ、15分待ってから、コンビニおにぎり
初期値が93mg/dL、ピーク値が175mg/dL(50分)、その上昇幅が82mg/dLとなっています。
次に、2の結果。初期値が106mg/dL、ピーク値が185mg/dL(50分)、上昇幅が79mg/dLでした。
すでに、コンビニおにぎり2個については検証を行い、そのときのデータが、初期値が83mg/dL、ピーク値178mg/dL、上昇幅は95mg/dLです。
コンビニおにぎりを単体で食べたときは、まず、上昇幅で比べると、サラダと一緒に食べた場合より、コンビニおにぎり単体のほうが、10前後高くなっています。
野菜サラダを食べることによって、血糖値の上昇が、やはり、ある程度抑制されたということになるでしょう。
また、その上昇の度合いについても、15分前に食べた場合よりも直前にサラダを食べた場合のほうが、ピークまで急上昇しているようです。
15分前にサラダを食べておくと、上昇の勢いが少しゆっくりになったように見えますね。
2例では、ともにピークを過ぎたのち、血糖値がすぐにスッと下がっています。その後の変化で、グラフ上では横ばいが続いているように見える部分があります。
これはグラフ作成上の数字のマジックで、実はこの横ばい部分は、最初のピークの後に、もう一つのピークができている部分と考えてください。
つまり、ここでは、「二峰性の変動」が起きているのです。この二峰性の変動に関して、15分前にサラダを食べていたほうが直前にサラダを食べた場合よりも、横ばい時間が若干短いように見えます。15分前のほうが先にスッと落ちています。
こうした点からも、ベジファーストが血糖値のピークを下げることに貢献していると見てとることができるでしょう。
いうまでもありませんが、二峰性の変動が起きているということは、おにぎり2個というのは、1食で摂取する炭水化物量として多すぎることを示しています。サラダを先に食べたからといって、おにぎりをたくさん食べていいということにはならないので、その点もお忘れなく。
私のYouTube「やさしい内科医のY's TV」で多くの方からコメントをいただいていたのが、「水を飲んでいると血糖値の上昇が抑えられるのですか」という質問でした。水を飲むと、濃い糖の液が水で薄められて、血糖値の上昇が抑えられるイメージでしょうか。
そこで、3パターンで検証してみました。
パターン1:先に水を飲んで、おにぎり2個食べる
パターン2:先におにぎり2個を食べて、それから水
パターン3:水を飲みながら食べる
結果はというと……う~ん、3つとも大差ないという結論になりますか。
そもそも水と糖の代謝はまったく別物のため、水を飲んでも、血糖値には直接影響ありません。例えばコーヒー(無糖)やお茶なども、水と同様に血糖値を上げ下げする効果をもたらすことはできません。
食事の15分前にプロテインをとってから、カップ焼きそばを食べると、血糖値の上昇が抑えられるかどうか、検証してみました。
パターン1:プロテイン(たんぱく質15.0g、炭水化物10.6g)を飲んでから、カップ焼きそば(炭水化物64.9g)を食べる
パターン2:カップ焼きそば単体で食べる
想定していた以上にプロテインがいい仕事をしている、といっていいのではないでしょうか。上昇幅が50以上減っています。食前にたんぱく質を食べておくと、その後の食事の血糖値上昇をベジファースト同様に下げてくれそうですね。
ベジファースト、プロテイン(たんぱく質)ファーストはそれぞれ効果ありでした。炭水化物を食事の終わりに持ってくるカーボラストなら、どのパターンでもよさそうです。そうなれば食事の選択の幅も広がりますね。
※本記事は、書籍『糖尿病専門ドクターが検証! 血糖値を下げる食事法について、実際に試してみた』より一部抜粋して構成しています。
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#1: 血糖値スパイクにご用心!“隠れ高血糖”のチェック法
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#3:【検証】ベジファーストは効く?太らない食べ順
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