そばvs.うどん、「血糖値スパイク」を起こさないのはどっち?
そばvs.うどん、「血糖値スパイク」を起こさないのはどっち?
更新日:2025年07月11日
公開日:2025年06月21日
教えてくれたのは、山村 聡さん
やまむら・そう 日本内科学会認定内科医。専門は糖尿病・内分泌疾患。やさしい内科クリニック院長。診療の傍ら、糖尿病の啓発・予防のため血糖値に関するSNS発信を行う。血糖値改善、糖尿病予防プログラムの開発に関わるなど、病気の予防と医療の架け橋として活躍している。最新著に『糖尿病専門ドクターが検証! 血糖値を下げる食事法について、実際に試してみた』(KADOKAWA 刊)
【血糖値クイズ】あなたの常識は間違っているかも?
前回は、50代女性に多い“隠れ高血糖”が引き起こす「血糖値スパイク」について解説しました。今回は、血糖値クイズからスタートです。
次の2つの食品のうち、食後の血糖値が高くならないように食べるとしたら、あなたはどちらを選びますか。
第1問:そばvs.うどん
「ヘルシーなイメージがある、あっちかな?」
第2問:ポテトサラダvs.チキンサラダ
「ベジファーストが良いって聞いたことある!」
第3問:柿の種vs.ピーナッツ
「しょっぱいものだし、どちらも大丈夫そう」
正解はわかりましたか?(※答えは記事の最後に掲載)特に1問目は、多くの人が間違いやすい血糖値の落とし穴。
このような血糖値に関する誤解を解き、血糖値を上手にコントロールするために役立つ適切な食品の選び方や、血糖値を上げにくい食事の方法をご紹介します。
なんとなく食べるのはSTOP!食事ルール4つ
血糖値を下げるために、食事の際に心掛けておきたいポイントがあります。
《血糖値を下げるための食事法 4つのポイント》
- 何を食べると血糖値が上がるのかを理解する
- 食べ順に気を付ける
- 1日の食事回数
- 食事の注意点(間食・早食い・夜食)
知ってるようで知らない、何を食べると血糖値は上がる?
今回は1つめのポイント「何を食べると血糖値が上がるか」について詳しく解説します。
血糖値を上げるのは、食べ物に含まれる炭水化物です。炭水化物は、糖質と食物繊維から構成されていますが、このうち、糖質が血糖値を上昇させる主たる栄養素とお考えください。そして、食べ物に含まれる炭水化物量(=糖質量)が血糖値に直結します。
ですから、炭水化物(糖質)を多く含んだ食品、ごはん、パン、パスタ、うどん、そば、イモ、コーン、果物、フルーツジュースなどが血糖値を大きく引き上げます。
低GI値を信じすぎてはダメな理由
ここで触れておきたいのが、GI値の問題です。
GI値とは、グリセミック・インデックス(GlycemicIndex)の略で、ある食品を食べたときの食後血糖値の上昇の度合いを示す指数です。
GI値が高い食品を食べると、血糖値が急上昇しやすく、逆に、GI値が低い食材を食べると、血糖値が上がりにくいとされています。
ただし、GI値はあまり過信しないほうがいいと私は考えています。
低GIならどんな食品でも血糖値が上がらない、と思っておられる方が非常に多いのです。しかし、これは明らかな勘違いです。低GIだからといって血糖値が上がらないということはありません。このことはぜひ理解しておいて欲しいです。
クイズの答え合わせとその理由
例えば、先ほどのクイズにも出てきたうどんとそば。そばのほうがGI値が低いとされていますが、両者を食べたとき、その血糖値上昇の程度を決めるのは、それぞれに含まれる炭水化物(糖質)量であり、GI値は反映されません。
うどんも、そばも、同じ量の炭水化物(糖質)が入っていれば、同じように吸収されて、同じような値まで血糖値を上昇させます。
問診の際、「うどんをそばにしました!」と、患者さんが誇らしげに報告してくれることがあります。それは、血糖値を下げるためのチャレンジをしてくれた報告であるわけですから、いきなり否定はしないのですが、「実はね」とお話しすることになります。
血糖値を下げるという目的で、注目すべきは、その食品のGI値ではなく、食品の成分表示に示されている炭水化物(糖質)量ということになります。
「果物は体にいい」は本当? 果物を上手に食べるコツ
また、甘い食べ物、特にスイーツには気を付けましょう。ご高齢の方ほど、「果物は体にいい」とお考えになる傾向にあるのです。
たしかに体にいい栄養成分を含んでいるものもありますが、フルーツは炭水化物としてかなりの糖質量を有するものが多いので、食べすぎれば、血糖値を上げてしまう要因となります。
血糖値を気にしている方の場合、もしもデザートとしてフルーツを召し上がりたいなら、その分、ご飯などの主食の量を減らす必要があるでしょう。
■クイズの答え
第1問:そばvs.うどん
答え:どちらも同じ
ヘルシーとされるそばも、うどんとほぼ同じような血糖値上昇を引き起こす。気にすべきはGI値ではなく、各食品に含まれる炭水化物(=糖質)の量。
第2問:ポテトサラダvs.チキンサラダ
答え:チキンサラダ
炭水化物の量は、ポテトサラダが27.2g、チキンサラダが2.4g。上昇がほとんど起こらない、チキンサラダがおすすめ。
第3問:柿の種vs.ピーナッツ
答え:ピーナッツ
炭水化物の量は、柿の種が20.9g、ピーナッツが7.5g。柿の種とピーナッツの二択なら、迷わずピーナッツ。
次回の記事では、「血糖値を味方につける、50代からの太らない食べ順ダイエット」を紹介していきます。
※本記事は、書籍『糖尿病専門ドクターが検証! 血糖値を下げる食事法について、実際に試してみた』より一部抜粋して構成しています。
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■「血糖値を下げる食事法」をもっと読む■
#1: 血糖値スパイクにご用心!“隠れ高血糖”のチェック法
#2:そばvs.うどん、血糖値が上がらないのはどっちクイズ
#3:【検証】ベジファーストは効く?太らない食べ順
もっと詳しく知りたい人は、山村さんの書籍をチェック!
「ご飯を食べたあと、眠くなる」「なんとなく常にだるい」「集中力が続かない」こんな傾向がある人は、病気の一歩手前かもしれません。体当たり系医師YouTuberが検証!! 血糖値を下げる食事法を伝授します。




