人気漫画が原作、世界遺産・軍艦島のロケも話題

女優・大塚寧々!注目映画「軍艦少年」で見せた家族愛

公開日:2021/12/08

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女優・大塚寧々さん出演の映画「軍艦少年」が今冬話題に!家族愛や友情を描いた映画の舞台裏について伺いました。

女優・大塚寧々!注目の映画「軍艦少年」で見せた家族愛

家族3人の魂のぶつかり合いを描く作品に出演

家族3人の魂のぶつかり合いを描く作品に出演

透明感のある、優しい笑顔が素敵な女優・大塚寧々さん。最新出演作は、少年と父親の“喪失と葛藤”を描いた映画「軍艦少年」で、2012年に「ヤングマガジン」に連載された漫画が原作となっています。長崎県の軍艦島の対岸に住む、玄海(げんかい)と海星(かいせい)父子のそれぞれの葛藤や、喪失感から再生していく姿を描いた力強い作品です。

ストーリー

長崎県の軍艦島の見える街で暮らし、地元の高校に通う海星と小さなラーメン屋を営む父・玄海。最愛の母を亡くしてケンカに明け暮れる息子と、幼なじみの妻を亡くして酒に溺れる父は互いに反目し、いがみ合っていた。そんなある日、海星は父と母が生まれた軍艦島に二人の大切な物があることを知る。また、玄海は妻の死後、仏壇に一通の手紙があることに気付く。


この作品で主人公の母親「小百合」を演じている大塚寧々(おおつか・ねね)さん。作品全編を通して、家族を見守り亡くなってからも大きな影響を与える重要な役どころです。

子どもを残し、病気で早くに亡くなっていくつらい役どころ

子どもを残し、病気で早くに亡くなっていくつらい役どころ

――今回「軍艦少年」への出演を決められた一番の理由は何だったでしょうか?

大塚寧々さん(以下、大塚寧々)
これは漫画が原作となった作品ですが、最初に漫画も読ませていただいて素直にいい話だなと思いました。3人家族で主人公・海星のお母さん役ですが、監督のYuki Saitoさんとも、ドラマの仕事でご一緒していましたので、嬉しかったです。

――大塚寧々さんは、佐藤寛太くんが演じる主人公の海星くんのお母さんであり、加藤雅也さん演じる玄海さんの同級生で奥さんとなった小百合の役ですが、映画の前半で病気を患って亡くなりますね。その後のストーリー展開では、要所要所で回想シーンなどを通して主人公たちに影響を与えていく存在になります。この役を演じる難しさはありましたか?

大塚寧々
そうですね。自分は病気になってしまい、大切な家族を残して逝かなくてはならない、という、まるで魂をえぐられるような気持ちですよね。演じる上で、3人家族がそれまで過ごした宝もののような時間、その積み重ねが感じられなければいけないな、と思っていました。

実際の家族への思いが交錯することも?

実際の家族への思いが交錯することも?

――実は、大塚さんも息子さんがいらして実には3人家族ですよね。そういう自分の家族や状況に当てはめて考える、ということもありましたか?

大塚寧々
そういうことではなかったですが、小百合として感じたのは、成人もしていない息子を残して自分が先に死んでしまうという状況で、やっぱり心配はつきないですよね。夫に対しても申し訳ないとか、もっと一緒にいたいとか。家族の心と心がぶつかり合って、自然と出てくる感情がそこにはあったと思います。最愛の夫と息子を残していく悲しみや、家族への感謝の気持ちもすごくあったんじゃないかな、と。どんな家族であっても、家族の1人が欠けるというのはとても悲しいですよね。

――夫、玄海さんは小百合の死後もなかなか立ち直れず、仕事もできず、つらい状況になります。実際に家族を失うと、男性であっても崩れてしまうことになるんでしょうか。

大塚寧々
そうですよね。男親、女親に限らず、家族を失うというのはそれほど大きいことですし、子どもにとっても大きな痛手だと思います。でも映画では、赤井英和さんや清水美沙さんが演じられていた、玄海と小百合の同級生たちが、励ましてくれたり、助けてくれたり。そういう優しさのある場面は“昭和の匂い”もして、何だか救われる思いがしました。

手紙を書いてあふれ出てきた気持ちで役になりきる

手紙を書いてあふれ出てきた気持ちで役になりきる

――家族が再生していく鍵となる「小百合さんが残した手紙」が読まれるシーンは、とても印象に残って感動的です。手紙を読まれたときはどんな思いだったんでしょうか。

大塚寧々
実はあの手紙は、実際に私が書かせてもらったんです。小百合が書いているときの気持ちというのを大切にしたいなと思ったので、きっと何度も書いたり消したりして何枚も書いたんですよね。そのときの家族へのいろんな気持ち、心配や感謝などがない交ぜになって、あの場面であふれてきたその気持ちを大切に演じたいと思いました。

世界遺産の軍艦島を目の前に、すごく行きたかった!

世界遺産の軍艦島を目の前に、すごく行きたかった!

――タイトルにある「軍艦島」へは、実際に行かれる機会がありましたか? 映画の中では、軍艦島は昔はみんなが住んでいた思い出の場所だけれど、今は家の向かい側に見える、広大な廃墟として存在していましたが……。

大塚寧々
実は撮影中も私はずっと対岸で軍艦島を眺めているだけで、一度も行けなかったんですよ(笑)。佐藤寛太くんたちは撮影で行っていて、うらやましくて。本当は一緒に行きたかったんですが、世界遺産ですし、撮影なども許可が大変だったみたいで残念ですが……。

軍艦島は、この映画のストーリーの中の重要な要素で、かつて活気があったものが、時ともにやっぱり失われていく。その喪失感や、玄海と小百合の学生時代の思い出を残す大切な場所として存在するなど、過去への思いが重なる場所だと思います。


映画「軍艦少年」は、原作コミックの実写版で、家族の喪失や再生する姿がテーマ。要所要所で、大塚寧々さん演じる、小百合の存在が家族を励まし、癒やし、心の支えになっています。実際の大塚さんも、ご主人の田辺誠一さんと息子さんの、仲のいい3人家族というところも、映画を見る人にとっては思いが重なって見えるのではないでしょうか。後編では、そんな大塚寧々さんの日常生活や健康法についてもお話を伺います。
 

プロフィール

大塚寧々(おおつか・ねね)
1968年、東京都生まれ。日本大学藝術学部写真学科卒業。98年に岩井俊二監督作「スワロウテイル」に出演。2002年に出演した平山秀幸監督作「笑う蛙」では、第57回毎日映画コンクールで主演女優賞と第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞した。「HERO」、「Dr.コトー診療所」、「おっさんずラブ」など数々の話題作にも出演。02年、俳優の田辺誠一と結婚。一児の母。写真家としての顔も持ち、WEBで写真コラムを連載中。

「軍艦少年」

「軍艦少年」

2021年12月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開
監督:Yuki Saito 
脚本:眞武泰徳
原作:柳内大樹『軍艦少年』(講談社「ヤンマガKC」刊)
出演:佐藤寛太、加藤雅也 / 山口まゆ、濱田龍臣 /赤井英和、清水美沙 / 大塚寧々配給:ハピネットファントム・スタジオ

取材・文=金田千里 写真=小倉啓芳 スタイリスト=安竹一未(kili office) ヘアメイク=長縄希穂(MARVEE)編集=鳥居史(ハルメクWEB) 

衣装=ワンピース/ルーム エイト ブラック(オットデザイン03-6804-9559)、ネックレス、リング/(ともに、ラミエ03-6303-4206)

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ハルメクWEB編集部

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