魔法の食材なんてない!本当に食べるべき食事の選び方

医学的に体に良い食べ物・悪い食べ物って?栄養士解説

公開日:2020/05/11

更新日:2022/03/11

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本当に体に良い食べ物って一体どれ?この記事では、複数の研究によって医学的・科学的に健康に良いとされている食べ物と、体に悪いとされている食べ物について栄養士監修のもと詳しく解説。栄養バランスの整った健康的な食事は美容にも効果的です。

医学的に体に良い食べ物・悪い食べ物って?栄養士解説

医学的に体に良いことが証明されている6つの食べ物

医学的に体に良いことが証明されている6つの食べ物

体に良いとされている食べ物はたくさんありますが、中には、根拠に乏しいものもあります。複数の信頼できる研究結果によって医学的・科学的に体に良いことが証明されているのは、以下の6つの食べ物です。

  1. 野菜
  2. 果物
  3. 精製されていない茶色い炭水化物(玄米、全粒粉)
  4. オリーブオイル
  5. ナッツ類

1:魚

にはn-3系不飽和脂肪酸であるEPA・DHAや、アミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれています。EPAやDHAには血栓を防ぐ効果や、悪玉コレステロールや血圧を下げる効果も。タウリンは肝機能を高め、代謝や解毒、胆汁の生成などを助ける働きがあります。

また、煮干しなどの小魚には免疫機能を調節するビタミンDや、免疫システムを正常に作用させるために欠かせないカルシウムも豊富です。ビタミンDやカルシウムの不足は骨粗鬆症のリスクを高めるため、骨の健康を守ることにもつながります。

2:野菜

野菜には、体の調子を整える栄養素であるビタミンやミネラルが豊富。また、食物繊維やカリウムなどは生活習慣病を予防するので、健康的な生活の維持につながるといわれています。

厚生労働省が推奨する野菜の1日の摂取量は緑黄色野菜120gと淡色野菜230gで、合計350g。一方、厚生労働省が実施した令和元年の「国民健康・栄養調査」における野菜類平均摂取量は、成人男性で約290g、女性で約270gという結果に。

野菜350gは意識しなければなかなか摂取が難しい量であるため、意識的に野菜を取り入れていきましょう。煮る、蒸す、炒めるなど火を通すとかさが減り、食べる量を増やせます。

3:果物

厚生労働省(日本人の食事摂取基準2020年版)によれば、成人女性が一日に摂取するビタミンCの推奨量は約100mgだそうです。ビタミンCは体内で生成できないので、食べ物から摂取することが必須です。ビタミンCが多く含まれている果物は、かんきつ類やキウイフルーツなど。野菜ではブロッコリー、ピーマンに豊富に含まれています。

赤ピーマン半分(約60g)で100mg、ブロッコリー4分の1個(約60g)で84mg、イチゴ4分の1パック(約90g)で56mgになるとか。小鉢に一杯分くらいの生野菜と果物を食べることを心掛ければ、必要なビタミンCを摂取できる計算になりそうです。

また、ビタミンCは身体の免疫力を上げてくれる機能があります。風邪をひいたとき、親からビタミンCを取りなさいと言われた人もいるのでは。その背景にはこうしたことがあるのですね。

また、ビタミンCには、肌トラブルを防いでくれる効果もあるようです。さらに心身のストレスに対抗するホルモンの生成にも関わっているというからすごいですね。

それだけでなく、骨や腱(けん)などの形成に欠かせないコラーゲンを生成するのにもビタミンCが使われているとか。
ビタミンCが不足すると体内のコラーゲンが足りなくなるので、血管や関節がもろくなってしまいます。その結果、歯ぐきから出血したり、筋肉が弱っていく壊血病という病気になってしまう可能性もあるそうです。

ビタミンCはお肌に良いというイメージが強かったのですが、健康維持の面でも大切な栄養素なんですね。

さらに、ビタミン・ミネラルが豊富な果物は疲労回復にも効果的。特に、クエン酸が含まれる柑橘類は疲れを感じるときにおすすめです。その他、カリウムが余分な塩分を体外に排出したり、ブドウ糖が脳の活性化を促すといった効果も期待できます。

果物や野菜を摂取するときに注意したいのが、野菜ジュースやフルーツジュースなどではなく、加工されていないものを食べるということ。フルーツジュースは血糖値が急上昇しやすく、多く飲むと糖尿病のリスクを高めてしまうこともあるため、注意しましょう。

4:精製されていない茶色い炭水化物(玄米、全粒粉)

炊いた玄米白米(白いごはん)を100gあたりのカロリーで比べると、玄米152kcal、白米156kcalと、だいたい同じくらいです。しかし栄養素を比べると差は歴然。玄米が優秀なのです。

玄米には、食物繊維が白米の4.7倍、ビタミンB1が8倍、B6が10.5倍、ビタミンEが6倍、マグネシウムが7倍、さらにナイアシンが14.5倍も含まれているのです。
玄米の栄養価が高い理由は「ぬか」にあります。

そもそも玄米は、稲に実ったお米の一番外側のもみ殻を外した状態です。この玄米から、ぬか層を取った状態が胚芽米、さらに胚芽米から胚を取ると白米になるわけですが、玄米のぬか層にこそ、ビタミンやミネラル、食物繊維が大量に含まれているのです。さらに胚にもビタミンやミネラル、タンパク質が含まれています。

私たちが食べている白いごはんは、玄米にあるぬか層と胚の栄養素を失った状態なわけですね。いわゆる白米と呼ばれる胚乳だけの部分に含まれているのは、ほとんどがでんぷん質、つまり糖質です。

せっかくごはんを食べるなら、糖質の部分だけでなくいろいろと栄養素を含んだ部分も一緒に食べたいですよね。そのためには、白米より胚芽米、胚芽米よりも玄米がおすすめです。

さらに、ぬかや胚芽部分には、LPS(免疫細胞のマクロファージを活性化する働きを持つ)という成分が含まれており、玄米は免疫力アップにもおすすめです。

5:オリーブオイル

日本でもすっかりおなじみになったオリーブオイル。独特の風味が楽しめる「エクストラバージンオリーブオイル」、精製して香りや味を抑えた「ピュアオリーブオイル」などがあり、好みや料理に合わせて活用できます。

オリーブオイルは、健康的な食事として知られる「地中海食」でも多く使われているオイルです。オリーブオイルには、悪玉コレステロールを減らすオレイン酸が豊富。

その他、ポリフェノールやβ-カロチン、ビタミンEも豊富に含まれており、動脈硬化や生活習慣病の予防、便秘改善、アンチエイジングなど健康にも美容にもうれしい効果が期待できます。

6:ナッツ類

小腹が空いたときのおやつとしても手軽に食べられるナッツには、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」という良質な油脂が豊富に含まれています。その他にも、カルシウム、マグネシウム、カリウム、食物繊維などが豊富。

ナッツ類には、メタボリックシンドロームや高血圧の予防、心血管疾患のリスク抑制、がん予防効果などがあることが海外の研究チームから発表されています。

いくつかの研究で体に良い効果が期待されている食べ物

いくつかの研究で体に良い効果が期待されている食べ物

上記でご紹介した食べ物の他にも、いくつかの研究によって健康に良い可能性が示されている食べ物もあります。

納豆

納豆は栄養価が高く、食の優等生ともいわれています。タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、健康や美容に良い成分が多く含まれているのです。

この栄養豊富な納豆、どの時間帯に食べるかで体への働きが違うのだそう。朝に食べる納豆は、良質なタンパク質が代謝をアップさせます。そのため冷え性の人に向いています。

一方、夜に食べるのなら、「ひきわり納豆」がおすすめです。ひきわり納豆は、粒納豆より食物繊維は少ないものの、納豆菌を繁殖させる表面積が広く、ナットウキナーゼが多いのが特徴。

ナットウキナーゼは、血栓を溶かしやすくする働きがあります。血栓は深夜から早朝にかけて作られやすいため、夕食時に食べることで効果が期待できます。

ヨーグルト

牛乳の豊富な栄養を含むヨーグルトは、タンパク質やカルシウムが豊富。乳糖が一部分解されているので、牛乳でお腹を壊してしまう人も安心して食べられます。
ヨーグルトは1mL中に1000万個以上もの乳酸菌が入っており、整腸作用や免疫力を高める効果も期待できます。ただし糖質や脂質の取り過ぎには注意が必要です。食べるときは、1日で最大でも200mLほどに留めるといいでしょう。

ダークチョコレート

ダークチョコレートとは、チョコレートの原料であるカカオの含有量が40%を超えるチョコレートのこと。カカオ含有量が70%を超えると、ハイカカオチョコレートと呼ばれることもあるようです。

今はコンビニやスーパーでもダークチョコレートやハイカカオチョコレートが並んでいるので、目にしたことがある人も多いでしょう。

チョコレートなどカカオベースの食品を習慣的に摂取した結果、血管の機能改善や血圧を下げる効果があったという研究もあります。ただし、チョコレートには糖分も含まれているため、過剰摂取は逆効果。チョコレートの摂取量は1週間あたり45gほどを目安にするといいといわれています。

豆乳

豆乳や納豆などの大豆製品には、女性の健康をサポートしてくれる大豆イソフラボン、抗酸化作用を持つ大豆サポニンなどが含まれているため、美容に良い食べ物としての効果も期待できます。

大豆製品にはタンパク質や鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、脂質などさまざまな栄養がバランスよく含まれているため、できるだけ毎日摂取したい食品です。

お酢

体脂肪や内臓脂肪の減少、食後血糖値の上昇抑制、血圧降下、疲労回復などさまざまな効果があるといわれています。

これらの健康効果を得るためには継続して摂取する必要があり、大さじ1杯(15mL)を目安に食事に取り入れるといいでしょう。お酢の酸味には味付けの物足りなさを和らげる効果があり、おいしく減塩ができます。

お茶

緑茶、紅茶、ウーロン茶などにはカテキンが含まれています。カテキンはポリフェノールの一種で、殺菌作用があり、インフルエンザなどの感染症を予防する可能性があるといわれています。

また、カテキンには免疫細胞を活性化する効果もあるといわれており、免疫アップにもつながるかもしれません。

体に悪いとされている食べ物

体に悪いとされている食べ物

中には、体に悪いということが複数の研究結果から判明している食べ物もあります。

  • 赤い肉(牛肉・豚肉)
  • 加工肉(ハム・ソーセージなど)
  • 精製された白い炭水化物
  • 飽和脂肪酸(バターなど)

上記のような食品の他、塩分の過剰摂取も体に良くないことが判明しています。赤い肉とは、牛肉や豚肉のことで、鶏肉は含みません。精製された白い炭水化物とは小麦粉を使ったパン、うどん、パスタ、ラーメン、白米などを指します。

赤い肉は世界保健機関(WHO)の研究機関、国際がん研究機構(IARC)が発がん性を指摘しており、精製された白い炭水化物は食べすぎると糖尿病のリスクを高めるとされています。

ただし、白米の場合は摂取量が多くても脳・心血管疾患との関連が見られなかったという研究結果もあり、適量であれば、栄養バランスの良い食事になるでしょう。

少量にする、頻度を減らすなど工夫しよう

体に良くないとされているからといって、一切食べないというのは難しいもの。甘いケーキが忙しい日々の中のちょっとした癒やしだったり、週末に少し良い牛肉を食べることが来週からの活力になったりします。

好きなものを食べて幸せを感じることも、豊かな人生を送るためには大切です。健康と自分の幸せを考え、食べる頻度を減らす、食べる量を減らすなど工夫しながら摂取するといいでしょう。

体に良い健康的な食事にするコツ

体に良い健康的な食事にするコツ

ここからは、体に良い健康的な食事にするコツをご紹介します。

栄養バランスを整える

健康的な食事にするためには、栄養バランスを整えることが大切です。食べ物から摂取できる栄養には、人間が生きていく上で欠かせない重要な役割があります。

「体をつくるもとになる栄養素」「体の調子を整える栄養素」「体を動かすエネルギー源となる栄養素」などをバランスよく摂取しましょう。

体に良いとされている食品だからといって、そればかりを摂取していては栄養が偏り、不健康になってしまいます。

肉は鶏肉がおすすめ

メインのおかずは、肉よりも魚がおすすめです。肉を食べるのであれば、発がん性が指摘されておらず、タンパク質が豊富な鶏肉がいいでしょう。

日本人のタンパク質の摂取量は年々減っています。タンパク質が足りなくなると、骨や筋肉が弱り骨折リスクが高まるだけでなく、肌や髪の毛のハリやツヤが失われます。また、「幸せホルモン」のセロトニンの分泌が減ることで、気分が不安定になりやすくなるなどの影響があるといわれます。

そこで注目されるようになったのが、動物性と植物性のタンパク質を同時に取る「ダブルタンパク」という方法です。

植物性タンパク質は筋肉の減少を抑え、動物性タンパク質は筋肉を増やす働きがあるなど、動物性と植物性それぞれに異なる働きをもつという研究結果があります。2つを組み合わせることで、筋力も健康効果もアップさせることができるのです。

鶏肉と合わせて、納豆や豆乳を摂取しましょう。

減塩を心掛ける

食塩を過剰に摂取すると、血圧が高くなりがちになります。減塩は、血圧低下につながることが明らかになっているため、日々の食事では減塩を心掛けましょう。

しっかりだしを取ると、料理にうま味が生まれ、おいしく減塩できます。

飽和脂肪酸を減らす

飽和脂肪酸とは、一般に肉や乳製品など動物性脂肪に多く含まれる油脂として知られています。農林水産省の「脂質による健康影響」によれば、飽和脂肪酸の取り過ぎは、血液中のLDLコレステロール増加につながり、循環器疾患のリスクを高める可能性があるということです。

フードファディズムに惑わされない

フードファディズムとは、食べ物や飲み物など食品が健康に与える影響を、過大に評価したり、信じ込むこと。1950年代にアメリカで提唱された概念で、日本では栄養学者の高橋久仁子さんによって紹介されました。

テレビやインターネットなど、いくつものメディアから膨大な情報を得られる現代では、「◯◯を食べれば血圧が下がる」「◯◯は体に良い」など、毎日新しい情報が飛び交います。

しかし、それだけ食べていれば健康になれる「魔法の食材」は、実際には存在しません。一つの食品ばかり食べるなど偏った食生活にせず、体に良いとされている食べ物を基本に、栄養バランスを考えてさまざまな栄養素を取り入れることが大切です。

食事の栄養バランスを整える方法

では、どのように食事の栄養バランスを整えていけばいいでしょうか?詳しく解説していきます。

今の食生活に足りている・不足している食べ物を確認

年齢や性別、活動量によっても食事の適量は変わってきます。農林水産省による「食事バランスガイド」を活用すると、自分がどの食材や栄養をどれだけ食べればいいか、目安がわかります。

食事バランスガイド
参照:農林水産省

本来自分に必要な食事と、現在の食事を比較し、これまでの自分の食事の過不足を振り返ってみましょう。

栄養バランスの良いメニューを考える

自分に不足している食材や栄養素、量がわかったら、そこから栄養バランスの良いメニューを考えていきましょう。不足している栄養素を補いつつ、取り過ぎの栄養素は減らすようにします。

特に不足しがちな栄養素があれば、食事にプラスしてサプリメントなどを組み合わせ、必要な栄養素を補うという方法もあります。

健康的な食事は美容にも良い!バランスよく取り入れて

健康的な食事は、生活習慣病など病気のリスクを抑え、美容にも良い効果をもたらします。食事は、栄養バランスよく食べることが大切。

いくら体に良い食べ物だからといって、そればかり食べていては栄養バランスが崩れ、体に不調が起きてしまいます。人間の体にはさまざまな栄養素が必要です。それらを偏りなく摂取できるよう、全体の栄養バランスを考慮しながら、いろいろな食材を組み合わせていきましょう。

監修者プロフィール:池田明日香さん

池田明日香さん(管理栄養士)

いけだ・あすか 管理栄養士。大学卒業後、管理栄養士として治験コーディネーター業務に携わる。その後、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに従事する。食事を楽しむことと健康的な食生活の大切さを感じ、現在は食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなどで活動中。


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