1か月冷凍保存できる野菜をフル活用!

時短・簡単調理・使い切り!冷凍野菜でおいしいレシピ

公開日:2020.05.10

更新日:2023.12.05

教えてくれた人

島本美由紀(しまもと・みゆき)

島本美由紀(しまもと・みゆき)
料理研究家・ラク家事アドバイザーとして家事をラク(楽しく、簡単)に、をモットーにテレビや雑誌で活躍。冷蔵庫収納や食品保存のスペシャリストとしても活動。『もっと野菜を!生のままベジ冷凍』(小学館刊)や、近著『野菜保存のアイデア帖』(パイ インターナショナル刊)が好評発売中。

冷凍したら味は落ちるの?

食材はまとめ買いで節約するつもりが、使い切れずに捨ててしまったことはありませんか? 日本では年間1700万トン以上の食材が廃棄され、4人家族では約6万円分をムダにしているというデータもあります。しかも、おいしさや栄養を「生」よりアップできるんです。

「冷凍した野菜はおいしくないし、下ゆでや下味をつけるのは面倒。そんなふうに思っている人におすすめしたいのがベジ冷凍です」。

そう話すのは料理研究家の島本美由紀さん。ベジ冷凍で魅力的なのが、まずその気軽さ。切ってそのまま冷凍するので手間いらずです。そして、ぜひ知っていただきたいのは、冷凍することでうま味や栄養がアップする野菜が多いこと。

「冷凍すると細胞の核の中にあるうま味が溶け出し、野菜そのものの風味を味わえます。最近の研究でうま味や栄養が増す野菜が多いこともわかってきました。小松菜はビタミンCがアップ。キノコはうま味成分が増え、シイタケは干しシイタケのような豊かな風味になります」

冷凍すると細胞に傷がつき、火が早く通り、味も染みやすくなるので時短調理も可能になります。ベジ冷凍の保存期間は約1か月。まとめ買いをしても、ムダなく使い切ることができます。今回は、特に、「ベジ冷凍」に向いている、おすすめの5つの野菜を使ったレシピをご紹介します。

 

野菜をおいしく冷凍するためのポイント

新鮮なうちに保存!

野菜をおいしく冷凍

野菜は収穫後、鮮度がどんどん失われていきます。すぐに使わない野菜は冷蔵庫で放置せずに、早めに冷凍した方がよりおいしい状態でいただくことができます。
 

水気を拭き、平らにして冷凍

水気を拭き、平らにして冷凍

野菜を水洗いし、調理のときに使う形に切ってから保存袋で冷凍します。このとき、野菜の水気をきちんと拭き、空気を抜いて平らに詰めておくことがおいしさのポイント。
 

冷凍して1時間後に軽く揉む

冷凍して1時間後に軽く揉む

野菜同士がくっつくと、調理がしづらくなってしまいます。冷凍庫に入れて1時間ほどしたら、やさしく揉んでほぐしましょう。割れやすい葉野菜は力を入れ過ぎないように注意。

 

冷凍におすすめの野菜「小松菜」

小松菜

3〜4cmの長さに切って保存袋へ。ホウレンソウなど他の葉野菜も同様に冷凍できます。おひたしなら、自然解凍して水にさらして絞るだけ。ゆでたものと同じ食感になり、あっという間に完成! 冷凍することで、ビタミンCがアップします。

 

冷凍小松菜のチャンプルー

冷凍小松菜のチャンプルー

材料(2人分)

  • 冷凍小松菜……1/2束分
  • 豚こま切れ肉……100g 
  • 木綿豆腐……1/2丁 
  • ニンニク……1/2片(薄切り)
  • しょうゆ……大さじ1/2
  • 和風顆粒だし……小さじ1/4
  • ゴマ油……大さじ1/2
  • こしょう……少々
  • かつお節……適量


作り方

  1. 豚肉は3〜4cm幅に切る。豆腐はキッチンペーパーに包んで耐熱皿にのせ、電子レンジで1分加熱する。
  2. フライパンにゴマ油とニンニクを入れて熱し、香りが出たら豚肉を加えて炒める。
  3. 豚肉に焼き色がついたら、豆腐を手で大きく崩しながら入れ、焼き色がついたら冷凍小松菜を加えてひと混ぜし、しょうゆと和風顆粒だし、こしょうで味を調える。
  4. 器に盛り、好みでかつお節をかける。

冷凍小松菜のチャンプルー

ポイント:加熱するときは凍ったままでOK!  うま味や栄養を閉じ込めたまま調理しましょう。

 

冷凍小松菜と厚揚げの煮物

冷凍小松菜と厚揚げの煮物

材料(2人分)

  • 冷凍小松菜……1/2束分
  • 厚揚げ……1枚 
  • ゴマ油……小さじ1

A

  • だし汁……150ml
  • しょうゆ……大さじ1
  • 砂糖……大さじ1
  • 酒……大さじ1
  • 塩……小さじ1/4


作り方

  1. 厚揚げは熱湯をさっとかけ、油抜きをして食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋にゴマ油を入れ中火で熱し、1を入れて焼き色をつける。
  3. Aを加え、沸騰したら中弱火で5分煮る。
  4. 冷凍小松菜を加えてひと煮立ちさせ、器に盛る。

冷凍におすすめの野菜「キノコ」

冷凍におすすめの野菜「キノコ」

根元を切って、ほぐしてから保存袋に入れて冷凍しましょう。ミックスキノコとして何種類かまとめて冷凍しておくと、炒め物や煮物に便利です。冷凍することで、うま味や栄養が増加します。

 

冷凍ミックスキノコの煮びたし

冷凍ミックスキノコの煮びたし

材料(作りやすい分量)

  • 冷凍ミックスキノコ(シメジ・エノキ・シイタケ)……200g

A

  • だし汁……300ml
  • 酒……大さじ2
  • しょうゆ……大さじ1
  • みりん……小さじ1


作り方

  1. 鍋にAを入れ火にかけ、沸騰したら冷凍ミックスキノコを加えて3分煮る。
  2. 火を止め、粗熱が取れるまで置いておく。


※冷蔵庫で5日間保存可能。

おすすめの冷凍野菜「トマト」

おすすめの冷凍野菜「トマト」

丸ごと冷凍します! すっぱい身も甘みが増し、水につければ皮がするりと剥け、面倒な湯剥きが不要に。すぐに火が通るので煮込み料理にもおすすめです。

冷凍ミニトマトのハチミツマリネ

冷凍ミニトマトのハチミツマリネ

材料(作りやすい分量)

  • 冷凍ミニトマト……10個 

A

  • 酢……大さじ1
  • ハチミツ……大さじ1/2
     

作り方

  1. 冷凍ミニトマトは流水にあて、皮を剥く。
  2. ポリ袋に1とAを入れ、10分ほど漬ける。

※冷蔵庫で5日間保存可能。

チキンと冷凍キノコのトマト煮込み

チキンと冷凍キノコのトマト煮込み

材料(2人分)

  • 冷凍トマト……1個
  • 冷凍シメジ……1/2株分 
  • 鶏ムネ肉……1枚 
  • 大葉……4枚 
  • ニンニク……1/2片(薄切り)
  • 塩・こしょう……各少々
  • 片栗粉……適量
  • サラダ油……大さじ1
  • 酒……大さじ1
  • しょうゆ……小さじ2

作り方

  1. 鶏ムネ肉は繊維を断ち切るようにそぎ切りにし、塩・こしょうをして片栗粉をまぶす。
  2. 冷凍トマトは水にさらして皮を剥き、2分ほど置いてからざく切りにする。
  3. フライパンにサラダ油とニンニクを入れ熱し、香りが出たら1を焼く。焼き色がついたら、2と冷凍シメジ、酒を加えてふたをし、5分蒸し焼きにする。
  4. しょうゆを回しかけ、ざく切りにした大葉を加えてひと混ぜし、器に盛る。

おすすめの冷凍野菜「大根」

おすすめの冷凍野菜「大根」

千切りや輪切りなど、料理で使う形に切って冷凍しましょう。短時間で味が染み、煮物に便利です。大根おろしも水気を切って保存袋に入れれば、冷凍できます。

冷凍大根のすき煮風

冷凍大根のすき煮風

材料(2人分)

  • 冷凍大根(千切り)……150g 
  • 豚バラ薄切り肉……100g
  • 木綿豆腐……1/2丁
  • 青ネギ……適量(小口切り)

A

  • だし汁……150ml
  • しょうゆ……大さじ2
  • みりん……大さじ2
  • 砂糖……大さじ1

作り方

  1. 豚バラ肉は一口大に切り、豆腐は食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋にAと冷凍大根を入れて火にかけ、沸騰したらすぐに1を加えて4~5分煮る。
  3. 器に盛り、青ネギを振る。

おすすめの冷凍野菜「もやし」

おすすめの冷凍野菜「もやし」

もやしは未開封なら袋のままでも、冷凍は可能です。もやしをまとめ買いしても使い切れます。おいしく食べるには凍った状態でスープや炒め物に入れるのがおすすめ。

冷凍もやしの中華風卵スープ

冷凍もやしの中華風卵スープ

材料(2人分)

  • 冷凍もやし……1/2袋 
  • 卵……1個 
  • ゴマ油……適量
  • 青ネギ……適量(小口切り)
  • 白炒りゴマ……適量

A

  • 水……300ml㎖
  • 薄口しょうゆ……大さじ1/2
  • 酒……小さじ1
  • 顆粒鶏ガラスープの素……小さじ1


作り方

  1. 鍋にAを入れて火にかけ、沸騰したら冷凍もやしを加える。
  2. もやしに火が通ったら、溶いた卵を流し入れる。
  3. 器に盛ってゴマ油を垂らし、青ネギをのせ、白炒りゴマを散らす。

 

冷凍できるおすすめの食材・野菜

  • 玉ネギ
    みじん切りや薄切りにして冷凍。凍ったまま炒めるとあめ色の玉ネギがすぐにできます。
     
  • 長ネギ
    冷凍すると甘みが増します。切って冷凍しておけば、炒め物やスープで大活躍。
     
  • 白菜・キャベツ
    一口大に切って冷凍。凍ったまま煮るとすぐに軟らかくなるので調理が時短に。
     
  • 長イモ
    皮をむきラップで包んで冷凍。シュウ酸という成分が凍り、触れてもかゆくなりません。
     
  • こんにゃく
    冷凍すると弾力がアップ。自然解凍して水気を絞ってから調理します。煮物や汁物におすすめ。
     
  • 豆腐
    自然解凍し、水気を切ってから調理。水分が分離して味を含みやすくなり、炒り煮に便利です。

取材・文=大矢詠美(編集部)、撮影=小林キユウ
※この記事は雑誌「ハルメク」の掲載記事を再編集した2020年5月の記事を掲載しています。

■もっと知りたい■

※雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。書店ではお買い求めいただけません。詳しくは雑誌ハルメクのサイトをご確認ください。

雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

みんなのQ&A みんなのQ&A

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事

365会員特典

365会員に登録する
無料会員に登録する
  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • line

LINE友だち追加