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- 緑茶がコロナを不活化!?新・生活習慣病にも
コロナ禍の外出自粛により、認知機能の低下やコロナ太り、口腔環境の悪化など「新・生活習慣病」と呼ばれる、さまざまな健康課題が顕在化しています。その予防に役立つ緑茶の健康効果について「第3回 伊藤園健康フォーラム」で発表された内容を紹介します。
コロナ禍の健康課題に緑茶のカテキンが役立つ可能性
新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年春から1年以上続いている、外出自粛生活。
2021年5月にも、東京都・大阪府・愛知県など10都道府県を対象に3回目となる「緊急事態宣言」が発令され、5月28日には6月20日までの再延長が決定しました。
長引くコロナ禍の外出自粛で注目されているのが、お茶に含まれる成分「茶カテキン」です。
これまでの研究から、カテキンには抗ウイルス効果や体脂肪低減効果、口臭抑制効果など、さまざまな健康効果があることがわかっており、日常生活でお茶を飲むことがコロナ禍の健康維持に役立つ可能性があると言われているのです。
2021年5月20日に株式会社伊藤園主催で開催された「第3回 伊藤園健康フォーラム」のパネルディスカッションでも「コロナ禍においてクローズアップされる 新・生活習慣病と茶カテキン」と題して、カテキン研究の専門家による意見交換が行われました。
コロナ禍で注意したい「新・生活習慣病」とは?
パネルディスカッションではまず、実際に患者さんを診察している臨床医の先生方から、長期間の社会交流の制限が健康にどのような影響があるのか、「新・生活習慣病」の具体的な症状について、精神科・内科・歯科と多方面から発表がなされました。
精神科:うつ症状の悪化、認知機能の低下
「病院で診察していても、コロナ禍でストレスをためている患者さんが増えた印象です。新型コロナウイルスへの感染の不安、外出自粛によるストレス、緊急事態宣言が続くことでの経済的不安など精神的な不安の増大により、うつ症状の悪化など、さまざまな悪影響が出てきています。外出や運動機会が減ったことによる、運動不足・コミュニケーション不足も、認知機能の低下につながっています」(医療法人社団TLC医療会ブレインケアクリニック 名誉院長 今野 裕之氏)
内科:コロナ太り、高血圧、糖尿病
「コロナ禍でリモートワークが増えたことで、生活リズムが崩れた結果、血糖値・血圧が上がった人が多いです。『食事や運動は変えていない』という患者さんでも、体調に変化が出ているため、ストレスの影響が大きいと考えています。ストレスがかかると睡眠の質が低下し、過食ホルモン(グレリン)が出てしまいます。その結果、内臓脂肪が増え、高血圧・糖尿病・脂質異常症などのリスクが上がるという、負のスパイラルに陥ってしまうのです」(みやま市工藤内科 院長 工藤 孝文氏)
内科・歯科:口臭・口腔環境の悪化
「今は新型コロナウイルスの感染予防のために、マスクを付ける機会が増えたことで『自分の口臭ってこんなに臭いの!?』と驚く人が多いようです。また、口腔内の環境が悪化すると、血液中に歯周病菌などの細菌が入りこみ、生活習慣病につながる可能性もあります。口臭予防はもちろん、病気の感染・発症リスクをなるべく減らすという視点でも、積極的に口腔ケアに取り組んでいただきたいですね」(東京大学大学院医学系研究科 イートロス医学講座 特任准教授 米永 一理氏)
日常生活での「お茶のチカラの生かし方」をチェック!
こうしたコロナ禍の「新・生活習慣病」に緑茶などお茶に含まれるカテキンを役立てることができないかと、パネルディスカッション後半では「お茶のチカラの生かし方」をテーマに、最新の研究データも交えながら、さまざまな可能性が議論されました。
「公衆衛生的な使い方」による新型コロナ感染抑制に期待
「まだ論文査読中の段階ですが、試験管内の実験では、ヒトのだ液中に加えた茶カテキンが新型コロナウイルスの感染力を抑制することがわかっています。新型コロナウイルス感染症では、だ液からの飛沫感染を防ぐことが大切ですが、無症状の感染者も多いのが問題です。
しかし、もし社会全体で外出前・食事前にお茶を飲むことが習慣化できれば、無症状の感染者のだ液中のウイルスを減らすことにもつながり、他の人への感染を抑制できるかもしれません。今後ヒトでの臨床試験の結果次第では、マスクや手洗いと同じ『公衆衛生的な使い方』ができるのではないかと期待しています」(京都府立医科大学大学院医学研究科 免疫学 教授 松田 修氏)
口腔ケア・口臭予防に緑茶の「含み飲み」がおすすめ
「カテキンの抗ウイルス作用や口臭予防効果を高めるために、お茶を飲むときは、口に入れた後、数秒ほど置いてからごっくんと飲み込む『含み飲み』がおすすめです。内科医として漢方薬を処方する際、普通に飲んでも効果が無かった人でも『含み飲み』をすると口腔ケアの効果がアップする経験から、お茶に含まれるカテキンでもこの飲み方が応用できると考えています」(米永氏)
「1日2杯以上のお茶」で認知機能対策!ストレス解消も
「お茶を1日2杯以上飲むと認知機能の低下に効果があると言われていますが、できれば1日5杯以上飲むと、高齢者に起こりがちな脱水による意識障害の改善にもつながります。最近は、口内環境の悪化が認知症リスクを高める可能性も指摘されています。米永先生が紹介した『含み飲み』などを活用して、口腔ケアを心掛けましょう。
また、お茶にはカテキン以外にテアニンという成分も入っていて、テアニンにはリラックス効果があることが知られています。ストレス解消のためにも、お茶を生活に取り入れてみてください」(今野氏)
コロナ太りの予防には「出汁緑茶」!茶殻を食べてもOK
「コロナ太りを防ぐ方法として、私が患者さんにおすすめしているのが、緑茶の茶葉をふりかけて食べる『出汁(だし)緑茶』です。緑茶には脂肪を分解するカテキンや、ストレスを予防してドカ食いを防ぐテアニンも入っています。そのため、緑茶を食べると、食欲制御や脂肪燃焼効果が期待できます」(工藤氏)
このコメントに、司会進行役の伊藤園中央研究所 所長 衣笠 仁氏は「ぜひ出汁緑茶という新しいアイデアに挑戦してみたいです」と反応。
「茶農家さんたちの中には、緑茶を入れた後の茶殻を食べる人も多いと聞きます。お茶を急須で入れると、どうしても茶殻に成分が残ってしまいますが、茶殻を食べることで残った成分も丸ごと摂取できます。特に今は新茶のシーズン。新茶は茶葉が柔らかく食べやすいので、ぜひみなさんも挑戦してみてください」(衣笠氏)
コロナ禍の健康維持で大切なお茶の飲み方4つのポイント
パネルディスカッションの最後には、QOLを高めるお茶・茶カテキンとの上手な付き合い方として、衣笠氏より、以下の4つのポイントが発表されました。
- お茶を自分のために周りのために飲む衛生習慣
- お茶の含み飲みで、口から始める健康管理
- お茶で心にゆとりとコミュニケーションを
- お茶を飲みながら体内リズムを整えよう
これらのポイントをしっかり意識しながら、お茶を生活に取り入れて、コロナ禍も健康に気を付けて過ごしましょう!
※生活習慣病などの病気は、さまざまな要因が複合的に組み合わさって引き起こされます。お茶を飲む他にも、運動や睡眠など、生活習慣の改善も心掛けましょう。また、新型コロナウイルス感染症についても、お茶を飲んでいる場合も、マスクや手洗いなど、基本的な感染予防対策は実施してください。
■もっと知りたい■
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取材協力:伊藤園
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